2019年5月1日(水)、元号が「平成」から「令和」と変わりました。
「平成」のスポーツ史では浅田真央(あさだまお)さんや羽生結弦(はにゅうゆづる)選手など、日本をフィギュアスケート大国へと押し上げた「氷上スター」が次々と誕生し、彼らの数々の名演技に胸を熱くした人も多いはず。
そこで、「Precious.jp」では、記憶に残る「平成の氷上スター」たちを大特集。vol.1の荒川静香さんに続き、今回ご紹介するのは、今も現役として活躍する、2010年バンクーバー五輪 銅メダリスト・高橋大輔(たかはしだいすけ)選手です。
フィギュアスケーターとして日本男子初の快挙を次々と成し遂げた高橋選手の軌跡を、懐かしの画像とともに振り返ります!
「世界一のステップ」でその名を轟かせた天性のダンサー
■シャイな少年が、フィギュアスケートで才能を開花
1986年3月16日生まれの高橋選手は、地元・岡山県倉敷市で8歳からフィギュアスケートを始めました。中学2年の時には、初の国際大会となるトリグラフトロフィーで優勝。続いて全国中学大会を2連覇を達成するなど10代の頃から頭角を現し、2001年には全日本ジュニア選手権を制します。2002年の世界ジュニア選手権は日本人男子初となる優勝を果たし、2002-2003シーズンより本格的にシニアの試合に参戦しました。
■世界で初めてステップでレベル4(最高難度)を獲得!
2004-2005シーズン終了後より、ニコライ・モロゾフコーチに師事。ステップ面を強化し、ダンススキルを活かしたプログラムに取り組むようになります。2005-2006シーズンのNHK杯ショートプログラムでは、シングルの選手として世界で初めてステップで最高難度のレベル4を獲得し、3位に。同年のGPファイナルでは銅メダルを獲得して日本人男子として初の表彰台に立ちました。そして2006年 トリノ五輪では、8位入賞を果たします。
■バンクーバー五輪で、日本人初の銅メダリストに
2008年、そんな高橋選手に試練が。練習中に転倒し、右足膝の前十字靭帯と半月板を損傷。リハビリのために全試合を欠場することに。しかし2009-2010シーズンに復帰し、全日本選手権で4度目の優勝を果たします。2010年のバンクーバー五輪では、アジア人の男子シングル選手として史上初の冬季オリンピックのメダルとなる、銅メダルを獲得! フリーでは得意のステップと演技構成点で出場選手中もっとも高い評価を受けました。
■日本男子シングルの歴史を次々と塗り替える快進撃!
続くトリノ世界選手権では、日本人初のワールドチャンピオンの座に。フリーではシングルの選手として初めて、すべてのスピン・ステップでレベル4を獲得。同年、世界選手権でアベック優勝を果たした浅田真央選手と共に2010年 JOCスポーツ賞の表彰を受けます。2012年のニース世界選手権では銀メダルを獲得。同年、7度目の挑戦となったグランプリファイナルで日本人初のチャンピオンとなりました。
■スケートを通じたチャリティ活動にも情熱を注いで
選手として華々しい成績を残す一方で、チャリティ活動にも積極的に取り組みました。大阪府にある府立臨海スポーツセンターが財政難から閉鎖の危機に陥った際は、支援運動に奔走。街頭募金やアイスショーなどを通じて1億5000万円もの寄付金を集め、同センターの存続に貢献します。さらに2011年から2015年まで、実行委員会発起人の一人として「東日本大震災チャリティー演技会」を復興の街・神戸にて開催。
■日本人選手初となる五輪3大会連続入賞、そして引退へ
2014年のソチオリンピックでは『イエスタデイ』『カム・トゥゲザー』といった名曲を含むビートルズ・メドレーを情感たっぷりに滑り、6位入賞。フィギュアスケート選手として五輪3大会連続入賞(8位・3位・6位)は日本人選手初の快挙となりました。しかし帰国後、右脛骨関節軟骨損傷及び慢性膝関節炎と診断され、1年間の競技生活の休養を発表。そして2014年10月に惜しまれながらも現役引退を表明します。
ダンサーやキャスターも。スケート人生・第二章の始まり
■アイスショーへの出演のほか、新境地への挑戦も
現役引退後は、2015年4月から12月にかけて語学・ダンス留学のためニューヨークに滞在。また、国内外のアイスショーを中心に活動します。2016年にはダンスショー『ラヴ・オン・ザ・フロア』にダンサーとして初出演。さらに歌舞伎とのコラボレーションによるアイスショー『氷艶 hyoen 2017 - 破沙羅』に出演し、話題をさらいました。テレビ番組のニュースキャスターを務めるなど、オフアイスでも活躍の場を広げます。
■「レジェンド」の現役復帰! 成熟した演技に観客総立ち
2018年7月には、なんと4年ぶりとなる現役復帰を発表。2018-2019シーズンの全日本選手権の最終グループに入ることを目標として、予選となる近畿選手権、そして西日本選手権に出場。全日本選手権では念願の最終グループに入り、見事、準優勝を飾ります。その後の世界選手権の代表入りは「若い選手が経験する必要性の方が大きい」と辞退しましたが、「ダイスケ・タカハシ」の復活に国内外のファンが熱狂しました。
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復帰後の全日本選手権では気鋭の振付師、ブノワ・リショー氏が手がけたフリープログラム『Pale Green Ghosts』で圧巻のステップシークエンスを披露した高橋選手。「世界一」と謳われたステップは健在で、ベテラン選手ならではの華麗なスケーティングをアピールしました。「滑れなくなるまでは一生現役」という言葉どおり、今後も日本のスケート界を盛り上げていってほしいですね! 今年7月に再び出演するアイスショー『氷艶 hyoen 2019 –月光かりの如く– 』にも期待が高まります。
「平成の氷上スター」を振り返る本企画第3弾は、2010年バンクーバーオリンピック銀メダリストであり、女子シングル史上初めて、1つの競技会中に3度の3回転アクセルを成功させた浅田真央さんをピックアップ。どうぞお楽しみに!
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- Fuyuko Tsuji