スマホを見ている間はうつむいているため、つねに重力を感じている状態…。さらに、表情を動かさないため、顔筋が凝り固まることで助長される、たるみなどの悩み。

そこで、「Precious.jp」でもおなじみのアンチエイジングデザイナーの村木宏衣さんに、顔筋をしっかり動かす「スマホたるみ」の解消法をお聞きしました。

重力とコリとの戦いを制するのは顔筋のチカラ

年齢とともに、たるみやくすみ、シワなどが気になっている大人世代。そこへスマホのある生活があたりまえとなり、なんの対策も講じなければ、ますますたるみを助長してしまう時代に。

何がいちばんの要因かというと、姿勢の悪さ。

前々回の「スマホ首」でも解説しましたが、首が前に出て、骨盤が後ろに倒れ、猫背になる…すると、内臓がつぶれて血液やリンパの流れが悪くなり、顔にまで新鮮な酸素や栄養素が回りません。するとくすみやコリはもちろん、老化も進んでしまうのです。

また、表情を動かさないことも、たるみなどの老化を助長します。表情を動かさない=筋肉を使わないということなので、筋肉が固まってコリとなり、血流が悪くなることで、ますます顔はたるみ、くすみやシワをも招く悪循環に。

これを防ぐためには、まず「スマホ首」「スマホ呼吸」でご紹介した、正しい姿勢と呼吸を見直してから、顔のコリをほぐし、顔筋を動かすことがポイントに。顔に触れて硬かったり、痛かったりする人ほど、コリがほぐれると、表情がつくりやすくなるだけでなく、顔色が明るくなる速効性を実感できるはずです。

■顔筋メソッド1:ほうれい線や口角の下りをリフトアップ!

ふだんから大きな力が加わっている「咬筋」は、硬くなりがち。ここを中心にゆるめていくのがポイント。特に頬の下のほうが硬くなりやすいので、そこを意識的にしっかりゆるめると効果的です。

1:咬筋に反対側の親指を引っかけて固定し、咬筋に沿って上から下へ3か所行って

頬骨の下、口を開閉したときに動くのが「咬筋」。この咬筋のヘリのくぼんだ部分を頬とは反対側の親指でとらえる。ほかの指は軽く握ってエラに引っかける。咬筋に沿って、親指を上から下にずらしながら、合計3か所行う。反対側も同様に行って。
頬骨の下、口を開閉したときに動くのが「咬筋」。この咬筋のヘリのくぼんだ部分を頬とは反対側の親指でとらえる。ほかの指は軽く握ってエラに引っかける。咬筋に沿って、親指を上から下にずらしながら、合計3か所行う。反対側も同様に行って。

2:咬筋をとらえながら口を「あ」と開ける

咬筋をしっかりと挟んで押さえながら、口を「あ」の形で開ける。
咬筋をしっかりと挟んで押さえながら、口を「あ」の形で開ける。

3:咬筋をとらえたまま口を「ぐ」と閉じる

咬筋をしっかりと挟んで押さえたまま、今度は口を「ぐ」の形で閉じる。この「あぐあぐ」を6セット繰り返す。片頬3か所、反対側も含めて合計6か所行って。
咬筋をしっかりと挟んで押さえたまま、今度は口を「ぐ」の形で閉じる。この「あぐあぐ」を6セット繰り返す。片頬3か所、反対側も含めて合計6か所行って。

■顔筋メソッド2:二重あご、輪郭のもたつきをキュッと引き締め

あご周りのもたつきは脂肪でなく、過度なむくみが大きな要因に!なぜなら、あごの関節はゆがみの影響を受けやすく、リンパの流れが滞りやすいのです。ここをしっかり動かしてほぐすと引き締まって見えます。

1:手の形をカギ形につくり、皮膚がたるむラインを押さえる

人さし指を曲げてカギ形をつくり、第一関節から第二関節の側面を使ってほぐしていく。二重あごで皮膚がたるむラインを人さし指の側面で押さえていく。あごの骨の内側に沿って、エラに向かって片側6か所ずつ、指をずらしながら行っていって。
人さし指を曲げてカギ形をつくり、第一関節から第二関節の側面を使ってほぐしていく。二重あごで皮膚がたるむラインを人さし指の側面で押さえていく。あごの骨の内側に沿って、エラに向かって片側6か所ずつ、指をずらしながら行っていって。

2:人さし指をあご下に置き「あ」と開ける

あごの2cmくらい内側にある骨の際に、上でつくったカギ形の人さし指を置く。右あごには左手を、左あごには右手を当て、しっかり当てたまま、「あ」と口を開ける。
あごの2cmくらい内側にある骨の際に、上でつくったカギ形の人さし指を置く。右あごには左手を、左あごには右手を当て、しっかり当てたまま、「あ」と口を開ける。

3:人さし指を当てたまま「ぐ」と閉じる

次に「ぐ」と口を閉じ、「あぐあぐ」と口を開け閉めする。これを1か所につき、8セット行い、外側に指の位置をずらしていく。片側6か所行い、反対側も同様に行っていく。
次に「ぐ」と口を閉じ、「あぐあぐ」と口を開け閉めする。これを1か所につき、8セット行い、外側に指の位置をずらしていく。片側6か所行い、反対側も同様に行っていく。

■顔筋メソッド3:まぶたのたるみ、小ジワをなかったことに

スマホを見ているときは、まばたきが圧倒的に減るといわれています。ということは、目を開けるときに使う眉毛近くにある筋肉や目の周りを囲んでいる眼輪筋などは硬直した状態。これらの筋肉をほぐすことが第一段階。

1:手の形はカギ形をつくって、ほぐすのは左右で8か所!

人さし指を曲げてカギ形をつくり、第一関節から第二関節の側面を使ってほぐしていく。眉頭、眉の中心、眉尻、目尻へと4か所、位置をずらし、左右同時に行う。目の周りの眼輪筋を意識しながら圧をかけ、眉尻と目尻はつり目になるように。
人さし指を曲げてカギ形をつくり、第一関節から第二関節の側面を使ってほぐしていく。眉頭、眉の中心、眉尻、目尻へと4か所、位置をずらし、左右同時に行う。目の周りの眼輪筋を意識しながら圧をかけ、眉尻と目尻はつり目になるように。

2:両手の人さし指を当てて、頭の重みを生かす

机などにひじをつき、上でつくった両手のカギ形の人さし指を眉頭に当てる。頭の重みで圧をかけるようにする。
机などにひじをつき、上でつくった両手のカギ形の人さし指を眉頭に当てる。頭の重みで圧をかけるようにする。

3:「うんうん」「いやいや」と小さく動かす

1の状態で、「うんうん」「いやいや」と首を小さく縦と横に振って動かす。これを5セット繰り返す。位置をずらしながら、左右同時に4か所ずつ行って。
1の状態で、「うんうん」「いやいや」と首を小さく縦と横に振って動かす。これを5セット繰り返す。位置をずらしながら、左右同時に4か所ずつ行って。

■顔筋メソッド4:目の周りのクマ、くすみ、疲れまでも払拭!

眉頭などの顔の中央部分は、たくさんの血管が集まっている場所。でも、筋肉の動きが少ない部分でもあり、血液やリンパが滞りやすく、目の下にクマができやすいのです。筋肉を外から刺激し、物理的に動かして解消していきます。

1:「引っ張って動かす」で血流を促進!

眉間から目頭の間あたりの血管が集まっている場所をほぐす。ほぐす際は物理的に筋肉を動かすのがポイントに。クマやくすみだけでなく、疲れ目解消にも。
眉間から目頭の間あたりの血管が集まっている場所をほぐす。ほぐす際は物理的に筋肉を動かすのがポイントに。クマやくすみだけでなく、疲れ目解消にも。

2:眉頭は上へ、鼻筋は下へ引っ張る

眉頭のくぼみに親指を引っかけて持ち上げ、人さし指と中指で額の骨を押さえて固定する。反対の手で、鼻の骨の眼鏡をかける部分を挟んで押さえ、小しょう指し球きゅう(手のひらの小指側のふくらみ)をあごにつけて下へ引っ張る。
眉頭のくぼみに親指を引っかけて持ち上げ、人さし指と中指で額の骨を押さえて固定する。反対の手で、鼻の骨の眼鏡をかける部分を挟んで押さえ、小しょう指し球きゅう(手のひらの小指側のふくらみ)をあごにつけて下へ引っ張る。

3:指を固定したまま「うんうん」「いやいや」をする

1で両手をしっかり固定したまま、眉頭と鼻の骨を上下に引っ張り合いながら、「うんうん」「いやいや」と、縦と横に小さく2度ずつ首を振る。これを1セットとして3回繰り返して。
1で両手をしっかり固定したまま、眉頭と鼻の骨を上下に引っ張り合いながら、「うんうん」「いやいや」と、縦と横に小さく2度ずつ首を振る。これを1セットとして3回繰り返して。

次回は、「スマホたるみ」に効くコスメをご紹介します。お楽しみに!

 
 
村木宏衣さん
アンチエイジングデザイナー
(むらきひろい)「Amazing♡beauty」主宰。独自のメソッドを開発し、顔のリフトアップはもちろん、全身を整えるコースにファン多し。『一生劣化せず今すぐ若返る整筋・顔体大全』(日経BP社)も好評発売中。
http://amazingbeauty.jp/
PHOTO :
鈴木 宏
STYLIST :
関口真実
HAIR MAKE :
尾花ケイコ
MODEL :
真樹麗子(Precious専属)
EDIT&WRITING :
長田和歌子、佐藤友貴絵(Precious)