「気候」って、そもそもどういう意味の言葉? これが説明できたら、かなり素敵な大人ですよ!
桜は、日本人にとって特別な花。
菊と並んで「日本の国花」でもあり、毎年「いつ桜が開花するか?」「満開の見頃はいつか?」という情報が、数か月前から天気予報で話題になります。今年は今日あたり、満開を迎える地域も多いのではないでしょうか?
実は本日3月27日は「さくらの日」なのです(公益財団法人「日本さくらの会」制定)。
由来は、
「3×9(さんく⇒咲く)=27」の語呂合わせによる27日の日付と
日本の気候に関わる「桜始開」の時期と27日が重なっているから
だそうです。
はて、「桜始開」とはなんでしょうか?…というところで、クイズです。
【問題1】「桜始開」ってなんと読む?
「桜始開」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:<意味>暦に日本の気候を当てはめた「二十四節気」の一節気を、さらに三分割した「七十二候(しちじゅうにこう)」のひとつ。「桜が開き始めるころ」を表す。
<使用例>「今年は『桜始開』の日には、関東のソメイヨシノは満開だわねえ」
さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 桜始開(さくらはじめてひらく) です。…長い!
「送り仮名がないのに、漢字三文字でこの読み方なの?」と驚かれた方、このタイプの読み方は「七十二候(しちじゅうにこう)」と呼ばれる、日本古来の暦(こよみ)の言葉の定番なのです。
他の例を挙げますと、初冬には「熊蟄穴(くまあなにこもる)」、夏には「温風至(あつかぜいたる)」などがあります。
ヒントにも書きましたが、「七十二候」とは、1年のカレンダーを「気候」で区切った「二十四節気(にじゅうしせっき)」の一節気を、更に三分割した、1年間で72の区分(候)です。
「気候」という言葉、日常からよく使いますが、これ、実は「二十四節気」の「気」と、「七十二候」の「候」を合わせた言葉なのです。
「大寒」「立春」など、「二十四節気」の言葉は時候の挨拶などにも使われますので、このシリーズでもたびたび取り上げて参りました。
本日、3月27日は「二十四節気」で言うと「春分(しゅんぶん、3月20日ごろ~4月3日ごろ)」です。
この「春分」を、気象の動きや動植物の変化になぞらえ三分割し、人々に「感覚的に暦を知らせる区分」として表現したのが「七十二候」です。
「二十四節気」「七十二候」の暦のシステムそのものは古代中国から伝わる方法ですが、
「二十四節気」が古代中国の時代から、そのまま使用されているのに対し、
「七十二候」は日本国内の暦に合わせ、改正、調整されてきました。
現在主に使用されている「七十二候」は、明治時代に改定された「略本歴」に基づいています。
本日は「二十四節気」の「春分」の期間の真ん中にあたる「桜始開(さくらはじめてひらく、3月26日~30日ごろ)なのです。
「春分」という中国由来の表現より「桜始開」という日本でつくられた表現のほうが、言葉だけ見ても、気候のイメージがつかみやすいですよね?
というところで2問目です。
【問題2】「●始巣(○○○はじめてすくう)」の●に入る漢字は?
「七十二候」の「桜始開」の前後の「候」は、どんな言葉でしょうか? 下記の●と■に当てはまる漢字一文字をお答えください。
<「春分」の中の3候>
3月21~25日ごろ…「●始巣(○○○はじめてすくう)」
3月26~30日ごろ…「桜始開く(さくらはじめてひらく)」
3月31~4月4日ごろ…「■乃発声(○○○○すなわちこえをはっす)
ヒント1:●は読み仮名3文字の小鳥です。
ヒント2:■は読み仮名4文字の気象現象です。
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は・・・ ●=雀(すずめ) ■=雷(かみなり) です。
なるほど、桜が開いた後は、雷が来る可能性が高い、ということですね。気をつけましょう!
本日は、
・七十二候(しちじゅうにこう)
の中から
・桜始開(さくらはじめてひらく)
・雀始巣(すずめはじめてすくう)
・雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)
という「春分」の中の3つの「候」のおさらいと、
・「気候(きこう)」
という言葉の語源トリビアをお送りしました。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱