2020年7月、奥日光に開業したザ・リッツ・カールトン日光。明治時代から西洋人の避暑地として愛された地で、伝統の和スタイルを取り入れた湖畔のリゾートは、周囲の自然とひとつの調和をなしています。そして滞在を通して、刻々と移り変わる自然の美しさや、丁寧に育てた美味しい食材、用の美をたたえた工芸品などの出会いに、栃木県のイメージも大きく変わるでしょう。護摩祈祷や座禅体験など、心整えるスピリチュアルな体験もアレンジできます。

エレガントな西洋と繊細な和情緒が織りなす、心安らぐ空間

右に左にハンドルを切る、いろは坂の終点。円錐形の美しい男体山を右手に、中禅寺湖と向かい合うロケーション。かつての日光レークサイドホテルの跡地に2020年7月、ザ・リッツ・カールトン日光がオープンしました。

ザ・リッツ・カールトン日光の外観
美しい稜線を描く男体山を望むザ・リッツ・カールトン日光
アライバルロビー
アライバル・ロビーに飾られた絵画は旧レーキサイドホテルから引き継いだもの

日光レーキサイドホテルは1894年に創業以来、120年近く海外からのゲストに愛されてきた老舗リゾート。庭にしっかり根を張った100本以上の巨木や石灯篭、アライバルロビーに飾られた、家康公の神霊を日光へ改葬する様子を描いた『百物揃(ひゃくものぞろい)千人武者行列』も、かつてのホテルの名残を引き継ぐものです。

ロビーラウンジ
暖炉を置くロビーラウンジ。気候が穏やかな季節はテラスのシートでなごめます

明治時代からヨーロッパの大使館や外交官の別荘地として人気があった、中禅寺湖。そうした歴史的背景から、コンセプトは「西洋と日本の建築デザイン、そして奥日光の自然と調和する邸宅」。光の陰影を生み出す鹿沼組子のモチーフや、地元の日光杉や大谷石など素材感のある天然の建材が、エレガントな中に和情緒を漂わせています。

ベッドからの景色
ベッドから起きて、最初に目にするのが中禅寺湖
縁側ラウンジ
ザ・リッツ・カールトン スイートは縁側に見立てたスペースが5カ所。ワークデスクやデイベッドが置かれています

最大5階建て3棟からなる低層建築で、客室数は94。客室の広さは57平方メートル以上あります。ビューは中禅寺湖、または男体山。家具付きのバルコニーや、縁側をイメージした“縁側ラウンジ”から、心ゆくまで周囲の眺望を愛でることができます。

ザ・リッツ・カールトン スイート
ハイエンドなザ・リッツ・カールトン スイート。約5部屋分を合体させた広い空間
ザ・リッツ・カールトン スイートのトリートメントルーム
ザ・リッツ・カールトン スイートのプライベートトリートメントルーム。エインをリビングに移動して、テレビを見ながら保湿ケアも

憧れは「ザ・リッツ・カールトン スイート」。通常の客室の約5部屋分を貫いた造りで、広さは277平方メートル。最上階から望む中禅寺湖と男体山のパノラマビューは圧巻です。縁側スペースが窓に沿って5部屋分あり、それぞれワーキングデスクや和室、バルコニー、ラウンジ、バスルームなど、眺めを楽しみながらくつろげるスペースになっています。プライベートジムには木製にカスタムメイドしたキネシスのマシーンを置き、トリートメントルームにはサロンでも使われている加熱水蒸気スチーマー「エイン」が使い放題です。

作り方からこだわりアリ。実は、栃木は美味しいものの宝庫!

ダイニングは和と洋の2カ所、そしてアフタヌーンティーを用意した「ザ・ロビーラウンジ」と各国のウィスキーが充実した「ザ・バー」があります。

「日本料理BY ザ・リッツ・カールトン日光」
鹿沼組子が印象的な「日本料理BY ザ・リッツ・カールトン日光」
食材
野菜や牛肉は新鮮なのは当たり前、生産方法もこだわった食材を使用

「日本料理BYザ・リッツ・カールトン日光」は鉄板焼き、会席、寿司を供します。素材の味がダイレクトに伝わる料理なので、食材は地元産の新鮮なものを厳選。これだけなら珍しくはないのですが、生産の仕方までこだわっているのは、さすがです。たとえば、ホテル独自の餌で仔牛から育てた黒毛和牛、水やりを調整して香り高く濃い味わいの野菜、卵も日替わりで「那須御養卵さくら」など3種類をラインナップ。料理を引き立てる益子焼の器も目を楽しませてくれます。

「レークハウス」
ボートハウスのような雰囲気のダイニング「レークハウス」

中庭を挟み、渡り廊下で結ばれた「レークハウス」は、窓いっぱいに中禅寺湖が広がります。釣り竿のようなライトや、ロープや浮きを使ったアート、壁一面の中禅寺湖に生息する動植物の精密画など、ボートハウスを彷彿させるデザイン。ランチをテイクアウトして湖畔でいただくのも、おすすめです。

バーカウンター
下から照らされたボトルが間接照明のように柔らかな光を灯すバーカウンター

ザ・リッツ・カールトン初の温泉施設

ESPAを使用するスパ
4室あるトリートメントルームのうち、シングルは3室。そのうち1室は、プライベートで温泉が楽しめる露天風呂付き
甘酒
施術後は甘酒でひと息。甘酒は“飲む点滴”と呼ばれるほど、栄養満点

スパへ向かうアプローチは、いろは坂の山の断面に見る“地層”を左官仕上げで表したもの。通り抜けながら、スパ・ジャーニーに期待が高まります。スパではESPAやMIKIOTOのプロダクトを使用。施術後に甘酒が供されるのも、ユニークです。

温泉施設
“美肌の湯”として知られる湯元温泉の源泉を引く温泉施設

スパの奥にある温泉施設は、霊峰・男体山を開山した僧侶の勝道上人によって発見された、湯本温泉から源泉を引いています。単純硫黄泉の、いわゆる“美肌の湯”です。内風呂と露天温泉があり、火山岩や高山植物を配した庭を眺めながら湯あみができます。実は温泉施設を取り入れるのは、ザ・リッツ・カールトンでははじめての試みだそうです。

天台宗の僧侶の案内による座禅や護摩祈祷で、心を整える

日光中禅寺
日光中禅寺は隠れた絶景スポット。高台にある五大堂からは中禅寺湖を一望します

毎週水曜と日曜の朝に滞在が重なったら、日光山中禅寺立木観音の僧侶による「朝の座禅」に、ぜひ参加を。座禅を組み、自分の呼吸を見つめながら、無になる30分間。晴れた日には屋外で緑のいぶきを感じながら行います。気持ちのいい朝から、1日をスタートできます。

さらなるスピリチュアルな体験を求めるなら、ホテルから車で約5分の日光山中禅寺立木観音にて、天台密教の護摩祈祷(¥8,500)を。こちらは勝道上人が難攻していた男体山の登頂をお助けくださった、波之利(はしり)大黒天様をお祀りしています。事業成就や開運などに、絶大なパワーをお持ちだとか。

修行の一環である写仏
修行の一環である写仏。願い事を念じながら、薄墨部分をなぞります。集中力が大切

修行の一環である写経や写仏で集中力を高めた後、本堂の波之利大黒天堂へ移動し、護摩祈祷を行います。通常は僧侶の後ろの外陣に控えて行われるのですが、ここでは内陣、僧侶のすぐ脇で体験することができます。

大黒天堂の内陣
大黒天堂の内陣に入り、目の前で住職の所作を拝見できます。迫力の経文や鐘の音、もうもうと立ち込める煙、霊験あらたなか貴重な経験

組まれた護摩木に炎が揺らめく中、住職が唱える真言とご供物をくべるために響く仏器の音によって、どこか異世界へ入り込んだような気分に。頭上を見ると立ち込めた煙がまるで雲海のようです。住職の手から願いを書いた紙が火にくべられると、煙になって天に届くように思えます。祈祷後は、何かが洗い流されたようであり、生まれ変わったようであり……。これは、体験してみないと、味わえない感覚でしょう。

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問い合わせ先

  • ザ・リッツ・カールトン日光
  • 料金/男体山ビュー¥80,000~、中禅寺湖ビュー¥80,000~ ザ・リッツ・カールトン スイート¥860,000~(税サ別)
  • TEL:0288-25-6666
  • 住所/栃木県,日光市中宮祠2482番地

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この記事の執筆者
ダイビング雑誌の編集者を経てフリーに。海外旅行専門誌でもビーチを担当。月に1~2回、海外を中心に国内外のビーチリゾートへ通うこと、かれこれ四半世紀以上になる。女性誌の旅記事、ライフスタイル誌の連載、ウェブの連載ほか、共著に『奇跡のリゾート 星のや竹富島』など。世界のビーチガイド「World Beach Guide(http://www.world-beach-guide.com ) 」主催 好きなもの:海でボーッとすること、ボディボード、ダイビング、ビーチパーティー、Jazztronik、H ZETTRIO、渋谷Room
公式サイト:古関千恵子ホームぺージ
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WRITING :
古関千恵子
EDIT :
安念美和子、麻生彩佳・原田恵子(イクシアネクスト)