花びらに座れるようなデザインとサスティナブルな素材選び

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FSC認証の木材のみを採用したアクロバティックな構造美をもち、知性と大胆さを兼ね備えた新しい時代の“美人”を彷彿とさせる「マルタ」(写真右端) 写真:Poltrona Frau
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チューリップの花を思わせる愛らしい佇まい。2脚並べるとダイナミックな背面と座面の構造美が強調されます

家具ブランドにはそれぞれイメージがあります。なかでもポルトローナ・フラウは、いろんなタイプの美人さん(家具)がそろったフェミニンなイメージのブランド。

本記事ではインテリアにフェミニンな要素を加えてくれるアイテムの宝庫であるポルトローナ・フラウから、タイプ違いのアームチェアを前後編の2回に分けてご紹介。昨日公開した【前編】に続き、今回は環境に優しいFSC認証の木材のみを用いた新作の「MARTHA(マルタ)」にフォーカスします。

「マルタ」は花びらのような背面と、花の“がく”のような座面のダイナミックなデザインが目をひくアームチェアです。サスティナブルな視点での家具選びも、おうち時間を豊かなものにしてくれるかもしれませんね。

可憐な佇まいと大胆な構造美を併せ持つ「マルタ」

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ポルトローナ・フラウの「マルタ」の美しいディテール 写真:Poltrona Frau

まるで植物が花びらを広げているかのように丸みを帯びた可憐な佇まいが印象的な「マルタ」。背面が座面と一体型の肘掛から生えているようなデザインで、接続部分は見た目ではわからない収まり方をしています。

一体型になった部分は、内側と外側で異なる素材で張り分けることが可能(外側はサドルレザーのみ)。境目のステッチはすべて手作業で施されるため、エレガントな印象を与えてくれます。

ベースの木材の断面を三角形にすることでより軽やかに、素材の持つ優雅なやわらかさを強調しています。イタリア人デザイナーのロベルト・ラッツェローニ氏による秀逸なデザインです。

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【ブランド】ポルトローナ・フラウ【商品名】マルタ【写真の仕様の価格】¥784,000【サイズ】幅770×奥行き740×高さ730、座面高380mm【材質】張地:牛革(セミアニリン染め/革厚1.3~1.6mm)、フレーム:牛革(アニリン染/革厚4.2~4.7mm)、ベース:アッシュ材(モカ色) 写真:Poltrona Frau

美しく年齢を重ねる自信をサポートしてくれる「マルタ」

日本人女性の平均に近い身長156cmの私にとって、座面高39cmというのは、デザインにもよりますが大概は奥まで腰掛けてもたれても、足の裏が無理なく地面に着地する寸法です。立ち上がりに不安がでてくるような年齢や健康状態になったときに、この着地感のある寸法のものを選ぶことは生活の質を左右します。

「マルタ」は座ったときに沈み込みすぎず、革の厚みの馴染み具合とやわらかなパディングが心地よくお尻を受けとめてくれます。座ると自然に背中も預けることになり、まるでオーダーメードの洋服のように体にぴったり合いながら支えてくれます。また膝裏の当たりも心地よく、正しい姿勢が一番楽な姿勢でいられる稀な一人がけです。

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無理なく「美しい座り姿」を保ってくれる寸法体系
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色味が見直され、今までよりも少しスモーキーでより日本のインテリアにも馴染みやすいカラーがそろった、ポルトローナ・フラウの「ペレ・フラウ」レザー

強度が必要な箇所には選べる色数も限られるのですが、内側の革の色味はかなり自由に選んでオーダーすることが可能です。どう組み合わせても品良くおさまる色合いが厳選されているので、心配することなくお好きな色を選ぶのが一番です。

ですが、かえって自由すぎて選べないという不安があるようでしたら、お気に入りのひざ掛けや部屋着をお持ちになってショールームで実際に合わせながらコーディネートされることをおすすめします。もちろんスタッフさんもサポートしてくれます。

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これからの季節、ひざ掛けをかけた姿もおさまりよく魅せてくれるデザイン

「マルタ」を手がけたデザイナー、ロベルト・ラッツェローニとは?

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デザイナーのロベルト・ラッツェローニ 写真:Poltrona Frau

「マルタ」を手がけたのは、イタリアのデザイナー、ロベルト・ラッツェローニ氏です。1950年イタリア・ピサに生まれ、 フィレンツェでアートと建築を学び、その形成期に強い関心を寄せたコンセプチュアル・アートとラディカル・デザインが、プロとしての歩みに結びついています。

有名企業とのコラボレーション、アート・ディレクション、世界各地でのインテリア・プロジェクト等複数の分野に積極的に関わり、輝かしい受賞歴を誇ります。突出した造形美にもご注目ください。

自然環境を守り資源を大切にしながら、人にやさしい家具づくりを実践し続けるポルトローナ・フラウ

マルタのベース(脚部)は、FSC認証を得た無垢のアッシュ材のみを用いています。「FSCの森林認証制度」は、違法伐採などで減りつつある森林資源の保全と育成を推進する自然環境へのグローバル基準の取り組みで、世界一厳しいとされています。

ポルトローナ・フラウは、以前よりこうした制度をクリアした木材を積極的に使用してきましたが、100%完全にそうしたものづくりを実現できたのは、この「マルタ」が初めてとのこと。

ニューノーマル時代の家具選びには、毎日のインテリアが私たちに与えてくれる喜びと同時に限りある資源を有効に使い自然環境を保護しながら長く使える視点が重要になってくるのかもしれません。

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革の端切れも無駄にせず、くるみボタン仕立ての鋲などで活用しています

いかがでしたか? これから年を重ねていったとしても、おやゆび姫のように花びらの中に座っていられる華やかなソファが日常の風景にあったしたら、毎日が変わるのではないでしょうか。

ラグジュアリーブランドのバッグと同じような金額でオーダーできる、自分だけの“一生もの”の一人がけを選んでみませんか?

※掲載した商品は税込です。

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM