【目次】
- 低体温は万病のもとになる
- 【改善策1】お風呂で芯から温まる
- 【改善策2】サウナで体調を整える
- 【改善策3】適度な運動で筋肉量をUP!
- 【改善策4】規則正しい食事をする
- 【改善策5】体を温める食べ物を摂取する
- 【改善策6】腹巻きで体の真ん中からポカポカに
- 【改善策7】冷えやすい3つの首を温める
- 【改善策8】首の付け根にあるツボに温風をあてる
低体温は万病のもと
「人は緊張したり、冬の時期に寒いところに長い時間いると手や足、体が冷たくなったりしますが、健康であれば恒常性がはたらいているので、冷えたからといって、ずっと冷えたままではなく、しばらくすれば元に戻ります。また、冷えたものを食べるのは、冷えを助長するためよくないと言われますが、基本的に内臓の温度は一定に保たれているので、冷たいものを少々食べたところで、冷えにつながることもありません。
それでは、冷えはなぜ起こるのか? と言うと、血流の悪さが原因で起こります。つまり『冷えている=血流が悪くなっている』ということ。通常、手足など末端部分が温められるような血流の循環がある状態が正常なのですが、手足が冷たいということは、そこに血液が回っていないので、すでに正常な状態ではありません。その原因は人によって様々で、筋肉量の不足であったり、水分代謝が悪いことによるむくみ、毛細血管の衰え、ストレスによる自律神経の乱れ、筋肉のコリなどが挙げられます。もちろん、寒い時に衣服などで体を温めることは大切ですが、冷え性を抱えている人の場合、外から温めるケアだけでは限界があります。一時しのぎでなく、冷え性を根本から解消するためには、冷えの原因に正しくアプローチして、巡りの良い身体を手に入れることが大切です」(高橋さん)。
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「冷えは万病のもと」とも言われており、体調不良の原因になる可能性も。起床後と就寝前2時間内の習慣的な水分摂取が適切な体温調節につながり、免疫機能向上など、体調管理に役立つとのこと。「体温上昇もしくは体温低下抑制により、(習慣的な水分摂取は)冷え改善や免疫機能向上につながる可能性があります」(慶應義塾大学医学部 安井正人さん)。なんとなく調子が悪い。そんなときは、冷え防止のためにも水分補給を心がけたいものです。起床後と就寝前2時間以内の習慣的な水分摂取により、腎機能低下抑制の効果が期待でき、老廃物を効率よく尿として排出していくことにつながり、デトックス効果も期待できるのだそうです。また、高血圧予防にもつながり、体調管理に役立つと考えられるのだそうです。朝晩コップ3杯の水を飲むと起こることとは?|水分補給に関する3つの質問
血の巡りの悪い体には、冷えは体調不良に拍車をかけ、免疫力の低下につながるといわれます。「体を温めることによって免疫力が高まることは、医学的にも根拠があると認められています。35℃に比べて37℃、38℃、39℃と体温が上がるほど、リンパ球ががん細胞やウイルス感染細胞を攻撃する力が高まります。 このリンパ球の質的変化には、体温上昇により産生されたヒートショックプロテイン(HSP)のはたらきも関係しています。量的変化に関しては、ぬるめの湯温での入浴によって適度に体が温まり、副交感神経が優位になると、副交感神経の支配を受けるリンパ球の数が増えます。逆に、交感神経が優位になるとリンパ球が減少します。また、眼、鼻、喉や消化管といった外界と接する粘膜組織にあり、ウイルス等から守ってくれる分泌型IgA*1は、温めることで増えることも確認されています」(医療法人社団タイオン サーモセルクリニック 研究開発担当 医学博士 奴久妻智代子さん)。
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【改善策1】入浴で芯から温まる
「夏の暑い日などはシャワーで済ませる人も多いと思いますが、シャワーで温まるのは身体の表面だけです。毎日40度の湯船に10分ほど浸かって、身体の内側までしっかり温めましょう。湯船に浸かるのが苦手な人は、3分間でも構いません。汗がふつふつと出てくるまでは頑張ってみてください。10分間入ることより、毎日続けることが大切です」(イシハラクリニック副院長 健康ソムリエ講師 石原新菜さん)。ちなみに夏の長風呂は、浴室熱中症になる危険性があるのでご注意を。長く入れば入るほど、体が温まるというわけではなく、健康にいちばんいいのは10分程度の入浴なのだそう。
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入浴には、浮力でリラクゼーション、水圧で血流促進、温熱で自律神経をコントロールをする効果があるので、脳と体をリラックスさせる効果があります。90分前に入浴することは、睡眠の質を高めることにもつながるそうです。「疲労を感じている時は、寝る90分前までに、38度から41度くらいのぬるめの湯ぶねに15分くらいつかるようにしましょう。お風呂から出たあとは、体温もちょうど下がって、眠りにつきやすくなります。また、入浴剤を使うのもおすすめです。私のイチオシは、『エプソムソルト』が入っているものです。『エプソムソルト』は、『塩(食塩)』ではなく、『硫酸マグネシウム』の結晶です。保温・保湿効果があり、皮膚からミネラル(マグネシウム)補給もできるほか、デトックス効果もあるので、むくみが和らぎ、疲労回復にも効果があります。神経が落ち着くので、副交感神経が優位にもなりますよ」(リカバリーアドバイザー 福田英宏さん)。
【改善策2】サウナで体調を整える
「サウナにはさまざまな効果がありますが、なんといっても極端な温冷作用で急激に血流が促され、代謝が上がることがいちばんでしょう」(ビューティ ディレクター 松澤 章子さん)。また、肌のダメージ修復を促すHSP(ヒートショックプロテイン)の効果があるという説も。 おすすめの入り方は、サウナで深部体温を上げる→水風呂で肌表面を冷やす→リラックスする、この1セットを3回。頭もスッキリして、疲労回復作用も期待できます。
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【改善策3】適度な運動で筋肉量をUP!
「体温の4割は筋肉からつくられていて、筋肉量が増えると自然と体温が上がり、新陳代謝が活発になります。実は、男性より女性に冷え性が多いのは、筋肉量が関係しているのです。筋肉を効率よくつける方法は、下半身を鍛えること。筋肉の約70%は下半身に集中しているので、基礎代謝がアップします。運動が苦手な方はまず、毎日30回を目標にスクワットに挑戦してみてください」(イシハラクリニック副院長 健康ソムリエ講師 石原新菜さん)。1度に30回続けるのではなく、1日のなかで何度かに分けて行ってもOKです。
夏こそ冷え性に注意! 温活のプロに聞く「2週間で体温を1度上げる」方法
「冷えを根本から改善するためには、何よりも筋肉をつけることが大切です。男性に冷え性が少ないのは、女性よりも筋肉量があるから。筋肉を鍛えると、熱量も上がり、血行も良くなるので、末端冷え性の改善や予防に効果てきめんです。特に、女性の場合、ふくらはぎや太ももなど下半身を重視して筋肉をつけるのがおすすめ。ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれ、血液や水分などを上へと押し戻す筋ポンプ作用があるので、下半身に筋肉をしっかりつけることで、体全体の血流が良くなります。スクワットは下半身を強化するには最適なエクササイズなので、ぜひ取り入れてみてください。また、仕事中、足元に冷えを感じたときは、デスクで座ったままできる『足の上げ下げ運動』を行ってみてください。座った状態で足を上にあげて伸ばし、つま先を上げ下げするだけ。やっている内に、体がポカポカと温まってきます。また、立った状態でかかとを上げ下げする運動も、通勤時間を利用しながら簡単に行えるのでおすすめです」(産婦人科医 高橋怜奈さん)。
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【改善策4】規則正しい食事をする
朝、昼、夜、1日3回決まった時間に食べるようにしましょう。とくに朝食は大切です。朝食を抜くと、低血糖の状態が続いてしまい、血糖を補うインスリン拮抗ホルモンが大量に分泌されます。その後、昼食を食べると血糖値が急上昇し、血糖値を下げるインスリンが分泌されます。血糖値の激しいアップダウンは、体調不良の一因になります。また、次の食事までの時間が長くなると、血糖値が低い状態が続き、脳が強い飢餓感を感じます。そうすると食欲のコントロールができなくなり、ドカ食いをし、結果太りやすくなってしまうのです。その上、体温が低くなり、基礎代謝が低くなってしまうことも。食事の感覚が空くと、脳出血や膵臓に負担がかかるなどのリスクを上げるという研究結果もあるため、朝食は欠かさず食べるようにしてください。
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【改善策5】体を温める食べ物を摂取する
◆生姜紅茶
「冷房がかかった室内にいるときは、できるだけ温かい飲み物を飲むようにしましょう。体を芯から温めてくれる『生姜紅茶』がおすすめです。私は生姜を蒸してから乾燥させたものをストックしておいて、紅茶に入れて飲んでいます。蒸して乾燥させると、生姜の辛味成分のショウガオールが10倍以上になります。生姜の効能は3時間程度しか持たないので、こまめに生姜紅茶を飲むと、冷え対策になりますよ」(イシハラクリニック副院長 健康ソムリエ講師 石原新菜さん)。手軽に生姜紅茶を楽しみたいという人には、市販されている蒸した生姜を粉末状にした「蒸し生姜パウダー」がおすすめ。Amazonなどの通販サイトで手に入ります。
◆にんじんリンゴジュース
「にんじんとリンゴは、体を温めてくれる陽性食品。代謝を上げ、免疫力を高めてくれます。このふたつでつくったジュースは腸を優しく温めてくれるので、朝食にぴったりです。1日に必要なビタミンとミネラルも補給できます。使用するにんじんは2本、リンゴは1個が目安です」(石原さん)。氷などは入れずに、丸ごとジューサーにかけるのがポイント。お好みでレモンを絞ってもおいしくいただけます。ジューサーで出た絞りかすは、カレーやケーキに再利用もできますよ。
◆発酵食品
「味噌や納豆や漬物など、発酵食品に含まれている酵素には体温を上昇させる効果があります。とくに、味噌汁の塩分は血圧を上げにくいので、健康面を考えても安心。インスタントでも同様の効果があるので、ぜひ1日に2〜3杯、味噌汁を飲んでほしいです」(石原さん)。紅茶同様、お味噌汁に生姜をいれてもOK。タンパク質や鉄分が不足しても冷え性に繋がりやすいので、卵や豆腐、ほうれん草などの食材を使うと、よりパーフェクトな温活スープが完成します。
夏こそ冷え性に注意! 温活のプロに聞く「2週間で体温を1度上げる」方法
【改善策6】腹巻きで体の真ん中からポカポカに
「腹巻きでお腹周りを温めると、全身の血流がよくなり、手足が冷えにくくなります。お腹周りを冷やしてしまうと、そこにある内臓の機能を守るため、体が末端の熱を中心部に集めようとして、手足の先が冷えてしまうのです。とくに夏は、冷たい食べ物や飲み物を好んで内臓を冷やしがちになるので、冷房が効いた室内ではぜひ腹巻きを着用してほしいですね」(石原さん)。
夏こそ冷え性に注意! 温活のプロに聞く「2週間で体温を1度上げる」方法
【改善策7】冷えやすい3つの首を温める
「昔から女性は3つの首(首・手首・足首)を冷やすべからずと言われますが、その理由はこの部分の皮膚が薄く、そのすぐ下に太い血管が通っているから。3つの首が冷えると、血管が冷えて、その冷えが全身に回ってしまう、ということのようです。逆にいえば、この3つの首を温めれば全身が温まるということ。そのため、私は冷房を使う夏も含め季節を問わずネックウォーマー、アームウォーマー、レッグウォーマーを手放さないようにしています」(ランジェリーライター 川原好恵さん)。
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【改善策8】首の付け根にあるツボに温風をあてる
◆冷え解消&免疫力アップに効くドライヤーの活用法
<Step1>「大椎」のツボの位置を確認
<Step2>ドライヤーで「大椎」のツボを温風を当てる、止める、を繰り返す
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- TEXT :
- Precious.jp編集部