マックスマーラやドルチェ&ガッバーナなど、Precious.jpでも人気の海外トップブランドのプレスを歴任してきたロイ・明美さんによる連載企画。

結婚を機に英国へ渡りロンドンで暮らし、2014年からはスコットランドの小さな町と村に2つの住まいをもつ彼女の素敵なカントリーライフを、自然、食、インテリアなどさまざまな側面からお伝えします。

今回は、さまざまなワイルドフラワーで彩られた村の夏景色をご紹介。川岸で採取したワイルドガーリック(行者ニンニク)で作る、3つの簡単保存食レシピも披露してくれました。

自然と共に遊ぶように暮らす夏のコテージライフ

今年は例年よりもちょっと気温が低い8月。スコットランドは、2021年8月9日からコロナ禍の制限も全て緩和されて、サイクリストやウォーカー、湖でウォータースポーツを楽しむ人々でいつもより賑わっています。

コテージのあるバラクーダー村は、山々と森林に囲まれたシークレットスポット。混雑することもなく、ワイルドフラワーの採取、野鳥や動物鑑賞など、自然と共に遊ぶように暮らせる醍醐味がたくさんあります。

カラフルなワイルドフラワーの宝庫

この時期は、コテージのドライブウェイもルピナスが満開になってカラフルに彩ってくれます。お散歩中の人も写真を撮る人が多く、楽しんでいるようです。

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ドライブウェイを華やかに彩るルピナス
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フィールドに自生しているバラも美しく咲き誇って
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落ちたバラの花びらも香りがいいので、部屋に飾ったり、お風呂に入れたりして楽しめます

スコットランドは、世界の中でも約3500種類以上の多種多様なワイルドフラワーが見られる数少ない国のひとつと言われています。

春から夏にかけてフィールドに咲く花々も、黄色のオトギリソウ、白い小さな花のハコベ、可憐なメドウウィート、ブルーの花のヒースヒメハギなど数え切れないほど。

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手前の小さな薄ピンクの花はハナタネツケバナ、左は黄色のポピー、小さい黄色の花はタチキジムシロ

さまざまな種類の素朴で可憐なワイルドフラワーを束ねていくと、カラフルな幸せカラーのブーケができます。

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幸せカラーのドライフラワーブーケ。ケーキの飾りにも使えます

食用の草花を摘んで食卓に彩りを!

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葉っぱの後ろにたくさんの実がなっているワイルドストロベリー

8月は庭に咲くワイルドストロベリーも収穫時期です。小さくても、ジューシーでちょっと酸味のある甘さ。春に咲く白い小さな花は見た目もかわいらしく、お菓子やドリンクに添えることも。葉もハーブティーとして飲めるので、実の収穫までいろいろと楽しめます。

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食前酒用のミニグラスに入れるだけで見映えも抜群

ワイルドガーリックで作る、3つの簡単保存食レシピ

春から夏にかけてワイルドガーリック(行者ニンニク)も、湖や川沿いに群生します。味はガーリックよりもマイルドで、チャイブのような風味もあって生で食べられるのが特徴です。

コテージの敷地内に流れる川沿いにも生えているので、毎年バケツいっぱい摘んできて、葉はペースト、花と蕾は酢漬け、茎は醤油漬けと、それぞれの部位に分けて保存食を作り置き。どれも簡単なうえ、料理の付け合わせや前菜に活躍してくれます。

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お日様と風の中で乾かしているワイルドガーリック

天気のいい日に摘んだワイルドガーリックは、よく洗って乾かします。ガーリックの匂いがキッチンいっぱいにこもってしまうので、この作業は毎年庭で行っています。

■1:「ワイルドガーリックの簡単ペースト」

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ペーストは、和・洋・中のどんな料理にも合う万能アイテム

【材料】
・ワイルドガーリックの葉…100グラム
・松の実(さっと煎っておきます)…50グラム
・エキストラバージンオイル…1/4カップ
・レモン汁…レモン半分
・シーソルト…適宜

【作り方】
1. 洗ってよく乾かした葉をフードプロセッサーに入る大きさにカットして、他の材料と一緒にミックス。
2. 好みの塩加減にととのえたらでき上がり。
※保存するときは、煮沸した瓶に入れて冷蔵庫へ。

さっぱりとした味わいのペーストです。濃厚な味がお好きな方は、50グラムほどのすりおろしたパルメジャンチーズを入れても美味しく仕上がります。

■2:「ワイルドガーリックの花と蕾の酢漬け」

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手前は花と蕾の酢漬け、奥は茎の醤油漬け

【材料】※分量は使う瓶の大きさに合わせます
・ワイルドガーリックの花と蕾
・アップルサイダービネガー(ない場合は、お好みのお酢でもOK)
・はちみつ、メープルシロップまたはアガベシロップなど、お好きな甘味料

【作り方】
1. 煮沸した瓶に花と蕾を入れる。
2. 鍋に瓶の半分くらいの量のお酢を入れ、甘味料を好みの味加減になるまで少しずつ加えながら、沸騰しない程度に温める。
3. 2を1の瓶に入れて漬け込む。

サラダに入れたり、チーズと一緒にいただくのがおすすめ。マヨネーズと和えれば、茹でたポテトやキャベツとも合います。

■3:「ワイルドガーリックの茎の醤油漬け」

【材料】※分量は使う瓶の大きさに合わせます
・ワイルドガーリックの茎
・醤油

【作り方】
1. 煮沸した瓶に食べやすい長さにカットした茎を入れる。
2. 醤油をひたひたになるまで加えて漬け込む。

野菜、肉、魚と何にでも合います。また、漬け込んだ醤油はガーリックの風味がよく、料理に使うとおいしく仕上がります。

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ワイルドガーリックで作った保存食を野菜と一緒に

上の写真は、ワイルドガーリックのペースト、酢漬け、醤油漬けを、野菜やピタブレッドと一緒に盛り合わせた夏の時短簡単前菜。これ以外にも食べ方のイマジネーションがどんどん広がるので、自然の恵みに感謝です。

今日のおすすめ「なごみワンコ」は… スイミングが大好きなサラザーくん

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永遠に泳ぎ続けそうなサラザーくん

フェッチ(取って来い)遊びが大好きなサラザーくんは、ボールがないと自分で小枝を拾ってきます。スイミングも大好きで、湖に来たら目をキラキラさせて尻尾を振ってニコニコ顔です。この日は、誰もいない湖を独り占め!


以上、スコットランド在住のロイ明美さんの連載第13回をお届けしました。

ささやかだけれど丁寧で、センスのよさが随所に感じられる「リアル・ラグジュアリー」なライフスタイル。次回はどんなエピソードが届くのか、ぜひお楽しみに!

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この記事の執筆者
東京生まれ。父の仕事の関係で小学生時代をペルーのリマで、高校から大学までを米国シカゴで過ごす。帰国後、ジョルジオ・アルマーニ、マックスマーラ、ロメオ・ジリ、シンシア・ローリー、モスキーノ、ドルチェ&ガッバーナと海外有名ブランドのプレスを歴任。東京で知り合ったスコットランド出身のカメラマンのご主人と8年の遠距離恋愛の末、2005年に結婚して英国へ。 撮影コーディネートや、伝統工芸の取材執筆などを手がけながら、温かくセンスのいいカントリーライフを楽しんでいる。掲載写真の多くは夫のコリン・ロイ氏によるもの。インスタグラムアカウント:akemi_okumura_roy
PHOTO :
COLIN ROY