極上の湯に浸かり体はポカポカ温まりながら、目の前に広がる白銀の世界に見惚れる。このコントラストこそ冬の温泉旅の醍醐味ではないでしょうか。1年のうちの限られた時期、雪深い土地でしか叶えられない非日常体験は、日頃の心身の疲れをきっと癒してくれるはずです。

そこで、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、日本全国に数ある温泉旅館のなかから、冬ならではの絶景に感動する湯宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、栃木県日光市にある「湯西川温泉 本家伴久」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の2500スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

氷瀑アートを間近で見られるのは宿泊者だけの特権

幻想的な氷瀑
幻想的な氷瀑

白銀の世界に憧れるけれど、北日本や日本海側まで足を運ぶのはハードルが高い…。そんな人におすすめなのは、今回ご紹介する「湯西川温泉 本家伴久」。東京からのアクセスは3時間ほどの栃木県日光市にあるこちらの旅館では、毎年1~3月頃に冬ならではの氷瀑祭りが開催されます。

「滝が氷結した氷瀑は、関東ではなかなかお目にかかれない希少な景観。本家伴久では夜間の気温が氷点下になる1月下旬から、旅館の目の前を流れる湯西川の水をくみあげて氷瀑を設営し、2月~3月はライトアップの演出で冬の旅情をいっそう盛り上げてくれます」(植竹さん)

ロビーの窓から目の前にそびえる氷瀑を眺める
ロビーの窓から目の前にそびえる氷瀑を眺める

「氷瀑は宿の敷地内にあるため、間近で見られるのは宿泊者だけの特権。ロビーや客室、露天風呂からの眺めは幻想的で、時間を忘れてつい見入ってしまいます。なかでもロビーは氷瀑鑑賞の特等席で、目の前にそびえる氷と光のアートが圧巻。また、食事処に向かう吊り橋からのアングルも実に絵になる光景でした」(植竹さん)

本館と食事処をつなぐ吊り橋「かずら橋」。撮影/植竹深雪
本館と食事処をつなぐ吊り橋「かずら橋」。撮影/植竹深雪
「かずら橋」と氷瀑
「かずら橋」と氷瀑

「闇のなかで光に浮かび上がる氷瀑も神秘的ですが、一夜明けて朝に見る光景も格別。ライトアップなしのすっぴん状態では自然のありのままの美しさに心動かされます。時間帯ごとに表情を変える氷瀑に魅せられて、滞在中は何枚も写真を撮ってしまいました」(植竹さん)

日中の氷瀑
日中の氷瀑

「本家伴久の冬の見どころは氷瀑だけではありません。湯西川温泉といえば、“かまくら祭り”も人気。毎年1~3月に開催されるイベントで、日本夜景遺産にも認定されています。残念ながらここ2年はコロナ禍の影響で中止となってしまいましたが、本家伴久の敷地内では宿オリジナルのミニかまくらが設置されたそうです。大々的な開催はできなくても、かまくら祭りの雰囲気を少しでも楽しめるように…とのお宿さんの粋なはからいが感じられます。せっかく訪問するなら、氷瀑とかまくらをセットで楽しめる時期が狙い目かもしれません」(植竹さん)

氷瀑とミニかまくら
氷瀑とミニかまくら
庭園内に造られたかまくら
庭園内に造られたかまくら

美肌効果も期待!川が間近に流れる露天風呂から雪景色を堪能

大浴場・男性用露天風呂「藤鞍の湯」
大浴場・男性用露天風呂「藤鞍の湯」

湯西川温泉は開湯から800年以上を誇る名湯。本家伴久では、源泉かけ流しで自然の恵みをたっぷりと享受することができます。

大浴場・女性用露天風呂「美肌の湯」からの眺め
大浴場・女性用露天風呂「美肌の湯」からの眺め

「こちらの湯は、天然の保湿成分であるメタケイ酸が豊富なのが特徴。湯処は男女別の内湯と露天風呂のほか、3か所の貸切露天風呂があります。『美肌の湯』と名付けられている女性用の露天風呂は、湯舟がゆったり広め。手を伸ばせば届きそうなほど間近に川が流れており、木の温もりも感じられる風情たっぷりな造りです。湯はローションのようにとろとろとした浴感が心地よく、湯上りには肌がしっとりツルツルに。温泉名に偽りなしと感激しました」(植竹さん)

貸切露天風呂「夢夜舟」
貸切露天風呂「夢夜舟」

「3つの貸切露天風呂はそれぞれ微妙に趣が異なりますが、私が入ったのは『夢夜舟』。4~5人サイズの浴槽を独り占めして、目隠しのすだれの隙間から雪景色を眺めることができます。大浴場でも貸切露天風呂でも、雪化粧した日光連山が眼福で、最高に贅沢なひとときを過ごすことができました」(植竹さん)

貸切露天風呂「花満月」
貸切露天風呂「花満月」

以上、「湯西川温泉 本家伴久」をご紹介しました。冬ならではの氷瀑アートや露天風呂からの雪景色でリフレッシュしたい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか?

※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生