【目次】

ふくらはぎを鍛えるメリット


■冷え性の改善

高橋玲奈先生
高橋怜奈さん
産婦人科医
(たかはし れいな)女医プラス所属。東邦大学医療センター大橋病院・婦人科在籍。2016年6月にボクシングのプロテストに合格。現在は世界初の女医ボクサーとしても活動中。医師として、またアスリートとしての豊富な経験や知識を活かし、ダイエットや食事療法、運動療法のアドバイスも行う。テレビや雑誌などメディアにも多数出演するなど、活躍の場を広げている。

「冷えを根本から改善するためには、何よりも筋肉をつけることが大切です。男性に冷え性が少ないのは、女性よりも筋肉量があるから。筋肉を鍛えると、熱量も上がり、血行もよくなるので、末端冷え性の改善や予防に効果てきめんです。 特に、女性の場合、ふくらはぎや太ももなど下半身を重視して筋肉をつけるのがおすすめ。ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれ、血液や水分などを上へと押し戻す筋ポンプ作用があるので、下半身に筋肉をしっかりつけることで、体全体の血流がよくなります」(高橋さん)。

女医が指南!「冷え性」の本当の原因と、根本から改善するための正しい温活法6選

■適度な筋肉は美脚に

小塚愛美さん
パーソナルトレーナー
学生時代に美容と健康について学んだのち、女性専門のボディメイクジムに勤務。現在はパーソナルトレーニングジム「Aphrodite」の代表に。トレーニングと食事指導の両面から美ボディに導く。

歩く、立つなどの日常生活で使われる機会が多い“ヒラメ筋”などのふくらはぎの筋肉。鍛えすぎてしまうと肥大しやすいので注意。適度についた筋肉は、足首が締まって見えるメリットも。

女性が「鍛えるべき筋肉」と「鍛えなくていい筋肉」|しなやかなボディをキープするために必要な筋肉とは

【1】ふくらはぎの「むくみと疲れ」を解消するストレッチ


村木宏衣さん
エイジングデザイナー
(むらき・ひろい)大手エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務経験を経て、小顔、リフトアップ、むくみ、ボディメイキングなど女性の悩みに対して、独自の「村木式 整筋」メソッドを確立。2018年「クリニックF」内「Amazing♡ beauty」を開設。『10秒で顔が引き上がる 奇跡の頭ほぐし』(主婦の友社)は24万部を突破し、『10秒で疲れが取れる 奇跡の目元ほぐし』(主婦の友社)も好評。 また、ご自身がプロデュースした美顔器「アメージングローラー」も発売中。「村木式整筋」メソッドのテクニックをセルフケアで簡単に再現できると話題に。ほかにも『10秒で10歳若返る 奇跡のたるみリフト』(主婦の友社)。 

「足根骨」とは、7つの骨が構成されている総称です。足の土台となる、かかとから足首を形づくっていて「踵骨(しょうこつ)」「距骨(きょこつ)」「舟状骨(しゅうじょうこつ)」「内側楔状骨(ないそくけつじょうこつ)」「中間楔状骨(ちゅうかんけつじょうこつ)」「外側楔状骨(がいそくけつじょうこつ)」「立方骨(りっぽうこつ)」の骨の組み合わせで体重を分散し、歩行や走行時の衝撃を吸収したりして、体のバランスを支えています。

そして、「足根骨(そっこんこつ)ストレッチ」は足の指を足裏側に倒す動きで、ふだんの生活ではあまりしない動作なのですが、硬くなっていた足首周りに適度な刺激を与えることができ、可動域が広がり「足首がしっかりと使える」ようになるのだそう。

「足首がしっかりと使える」ことのメリットは、「歩幅が広くなり、すり足が解消される」「ふくらはぎの筋肉が適切に使われることで血流がアップして、むくみが解消される」「体全体が安定するので姿勢がよくなる」など、脚痩せやスタイルアップに効果的。また、たった1回でも足の疲れが取れてすっきりするので、ちょっとした隙間時間にやってみてくださいね。

\このメソッドの効果とポイント/
・足首はバランスをとりながら全身を支えたり、立つ、歩くなどの動きにも大きく関わっている。
・加齢や運動不足で足首が硬くなり動きにくくなると、ふくらはぎがむくんでパンパンに!
・普段、足首をしっかりと使う動作をしていない私たちは意識的に足首のケアが必須。
・「足根骨ストレッチ」で足首周りの関節の可動域が広がるため、むくみ解消や美姿勢になるなどスタイルアップに効果的。

STEP.1:壁に向かって立ち、左足の甲側をクッションに置く

クッションを足元に置きます。そして壁に向かって立ち、次に壁に手をついて左足の甲側をクッションに置きましょう。これが基本姿勢です。

壁に向かって立ち、左足の甲側をクッションに置く

STEP.2:右足を曲げ伸ばししてバウンドすることで左足の足首に刺激を与える

右足を曲げたり伸ばしたりして体全体がバウンドすることで、左足の足首に刺激を与えます。まずは足をまっすぐに立てた状態で10回バウンドします。

右足を曲げ伸ばししてバウンドすることで左足の足首に刺激を与える

次に足を外側に倒して、10回バウンドします。

右足を曲げ伸ばししてバウンドすることで左足の足首に刺激を与える

次に足を内側に倒して、10回バウンドします。これで足首にまんべんなく刺激を送ることができ、柔軟に。右足も同様に行いましょう。

右足を曲げ伸ばししてバウンドすることで左足の足首に刺激を与える

ふくらはぎを細くする!【村木さん考案】「足根骨ストレッチ」でむくみ解消

【2】「後脛骨筋」を鍛えて脚の歪み予防トレーニング


ヒール靴を日常的に履いている、運動不足、そして、加齢もアーチが崩れやすく扁平足になる原因です。ペッタリとした扁平足は重心が安定しないので、浮指になる、脚が歪む&むくむ、骨盤が歪むなどの悪影響が…。つまり美姿勢、美脚、若見えのためにも、崩れたアーチを復活させることはとても重要なのです。

足のアーチの役目は立った姿勢を安定させること、クッションのように衝撃を吸収すること。なのでアーチが崩れると歩行が安定せず、足に負担がかかり、骨盤の歪み、脚の歪みが起こり、さまざまな不調を引き起こしてしまいます。そしてそのアーチを支えている筋肉のひとつが後脛骨筋(こうけいこつきん)。聞き慣れない筋肉ですが、土踏まずをつくる骨を支える腱と繋がっているので、この部分の筋力が低下すると、アーチが崩れやすくなってしまいます。

\このメソッドの効果とポイント/
・疲れやすい、段差でつまづきやすい人は足のアーチが崩れた扁平足の可能性あり。
・アーチの崩れは、脚の歪みや骨盤の歪みにつながり、さまざまな不調を起こす原因に。
・アーチ復活には後脛骨筋を鍛えるトレーニングが効果的。
・美姿勢、美脚、若見えの効果が期待できるので、コツコツ続けるのがおすすめ。

STEP.1:脚を伸ばした状態で座り、片方の膝を立てる

まず、床に座り、脚を伸ばしてから片方の膝を立てます。

脚を伸ばした状態で座り、片方の膝を立てる
 

STEP.2:土踏まずを反対の足の膝の真横に当てて押す

後脛骨筋は、脛骨(けいこつ)というスネの骨の後ろについていて、アーチを支える腱と繋がっています。この筋肉を鍛える方法として、膝を立てた方の足の土踏まずを反対の足の膝小僧の真横に当てて、グーッと押します。これを10秒×3回行いましょう。反対の足も同様に行って。

土踏まずを反対の足の膝の真横に当てて押す
 

脚が開きすぎるのはNGです。またかかとが浮かないように注意しましょう。

脚が開きすぎるのはNGです
 

骨盤&脚の歪みを予防する【村木宏衣さん考案】脚トレーニング

【3】「足裏」と「ふくらはぎ」の筋肉を同時に鍛える


足裏の筋肉とふくらはぎの筋肉を同時に鍛えることで足の血流をよくする作用があるのですが、もうひとつ注目すべきは、足のアーチを復活させる効果があるということ。まず、足のアーチの役目とは、立った姿勢を安定させること、クッションのように衝撃を吸収すること。なのでアーチがくずれると、歩行が安定せず、足に負担がかかり、骨盤の歪み、脚の歪みが起こり、さまざまな不調を引き起こしてしまいます。

そもそもアーチを支えているのは足裏の筋肉。そしてアーチ復活のためには、「足裏の筋肉を鍛えること」が必要です。しかも「足裏を鍛える」には、「足指を鍛える」ことが必須。なので村木宏衣さんが教えてくれる「かかとの上げ下げトレーニング」は、足指をしっかりと鍛えることができるので、とても有効なのです。

\このメソッドの効果とポイント/
・エアコンの影響で足が冷えて、むくみやすい人は多い。
・足のむくみと疲労の解消には「かかとの上げ下げ」が効く。
・足裏の筋肉とふくらはぎの筋肉を同時に鍛えることができる。
・足のアーチの強化にも効くのでこまめに行うのがおすすめ。

STEP.1:足を腰幅に開き、壁に手をつく

真っ直ぐ立った状態で足を腰幅に開き、手のひらを壁につけます。これが基本姿勢です。

足を腰幅に開き、壁に手をつく
 

STEP.2:足の指の力を使って、かかとを上げる

背筋は伸ばしたまま、足の指の力を使ってかかとをゆっくり上げて、おろします。足裏を伸ばすイメージで行いましょう。これを10回行いましょう。

足の指の力を使って、かかとを上げる
 

足のむくみ&疲労を解消!【村木宏衣さん指導】かかとの上げ下げトレーニング

【4】「座ったまま」で筋肉に刺激を


夕方になると足がパンパンにむくみ、触ると冷たくなってだるさも感じる。それは長時間座ったままでいると、脚を動かさないため、下半身の血液やリンパの流れが滞ってしまうから。

膝下には、前側に「前脛骨筋(ぜんけいこつきん)」後ろ側に「腓腹筋(ひふくきん)」「ヒラメ筋」があり、長時間同じ姿勢でいるとこれらの筋肉が硬直しやすく、疲労もたまりやすい。そして硬化し衰えた筋肉はポンプ機能がうまく働かず、血流、老廃物、水分がたまり、むくみを引き起こすのです。

\このメソッドの効果とポイント/

・長時間座ったままでいると、下半身の血液やリンパの流れが滞ってしまう。
・動かないことでふくらはぎの筋肉が硬直。ポンプ機能がうまく働かず、むくみを引き起こす。
・解決策はふくらはぎの筋肉をほぐして刺激を与えるのが有効。
・膝頭を使ってふくらはぎの裏、内側、外側をほぐすこのメソッドなら、力を使わなくてもしっかりと圧をかけることができて簡単。

STEP.1:膝頭を使ってふくらはぎの裏側に圧をかける

椅子に座り、右脚のふくらはぎを、左脚の膝頭にのせる。右脚の重さを使って左の膝頭にグッと当てながら、右足をゆっくりと下に下げながら圧をかけていきます。これで足首から上に向かって筋肉の深いところをマッサージできます。

膝頭を使ってふくらはぎの裏側に圧をかけるマッサージをしている様子
こするのではなく、しっかりと圧をかける感じで。イタ気持ちいいくらいの力でゆっくり行うこと。

STEP.2:ふくらはぎの裏側の中心、内側、外側をほぐすように圧をかける

STEP.1のように、ふくらはぎの裏側の中心、そしてふくらはぎの内側、外側をマッサージしていきます。1か所につき5回行って。反対の足も同様に。

ふくらはぎの裏側の中心、内側、外側のマッサージする位置を示している
痛い、硬いと感じるところは滞って老廃物がたまっている証拠。多めに行うといいでしょう。

椅子に座ったままできて即効性あり!「ふくらはぎのむくみ」を解消する方法とは?

【5】「寝る前の習慣に」たった1分の美脚メソッド


足首を大きく動かして、凝り固まった筋肉のクセを取る。これだけで、脚の歪み、むくみは大きく改善します。村木さんが教えてくれるのは、寝たままでできる足首の歪みをとるメソッドで、たった1分でできるから、起きた時、寝る前の習慣にすれば、すっきりとした美脚をキープできることでしょう。

\このメソッドの効果とポイント/
・脚の歪みやむくみの原因は足首の歪みが大きく関与。
・足首を動かさないことで筋肉が凝り固まって歪みが生じ、連動して脚も歪み、むくみも生じる。
・美脚を目指すなら、凝り固まった足首の歪みのクセを取ることが先決。
・足首を曲げて伸ばす、グルグル回す動きで足首からふくらはぎにかけての筋肉にアプローチできて歪みもむくみもリセットできる。

STEP.1:寝た状態で膝を曲げる姿勢になり、足首を曲げ伸ばしする

寝た状態で脚を上げて膝を曲げる。これが基本姿勢。ぐらぐらと揺れないように両手で軽く膝を支えるとやりやすい。 まずは足首を90度に曲げて、のばすを10回繰り返す。反対の脚も同様に。

寝た状態で膝を曲げる姿勢になり、足首を曲げ伸ばしする
膝は両手でそっと支える程度でOK。息は止めずに深呼吸を繰り返して。

のばすときは、脚と一直線になるくらいしっかりと伸ばすこと。足首、足の甲の筋肉が伸びるのを感じましょう。

脚と一直線になるくらいしっかりと足首を伸ばしている
動きはゆっくりめで、筋肉の動きを感じながら行うのが効果的。

STEP.2:足首をぐるっと大きく回す

STEP.1のように膝の高さはキープしたまま、足首をなるべく大きく外側に10回、回します。次に内側も10回。反対の足首も同様に行いましょう。

足首をぐるっと大きく回す
足首を回すときは横方向にしっかりと倒して、大きな円を描くように回すのがポイントです。

脚の歪み&むくみを1分でリセット。美脚には「足首回しメソッド」が効く!

この記事の執筆者
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