雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。
今回は、「imperfect」代表取締役社長 佐伯美紗子さんの活動をご紹介します。

チョコレート、ナッツ、コーヒー豆。「おいしい」から社会課題へアプローチ
表参道ヒルズ同潤館1階の「imperfect表参道」。入口からはカラフルな内装が見え、足を踏み入れたくなる。扱うのはガーナのチョコレートやコートジボワールのナッツ、ブラジルのコーヒー豆など(※)。そのすべてがサステイナブルな環境下で生産されている。
「消費者と直接コミュニケーションをとることが、このショップの大きな目的です。『社会や環境にいいから』という理由で何かを買ったり食べたりしても、高価だったりおいしくなかったりすると、よい行動も持続しませんよね。そういう商品は売れないからメーカーもつくらない、需要がないから原材料も売れない、結局、生産者や環境への負荷も改善されない。持続可能を実現するための起点となるのは、消費者なんです」
生活者にとって「よい」ことが、そのまま世界や社会にとっても「よい」ことになる。コンセプトを知らない人が通りがかりに気軽に店に入って、求めやすい価格設定のコーヒーやアイスを楽しみ、おしゃれなチョコやナッツをお土産に買っていく。そのついでに、社会課題について考える。持続可能の「円」が回り始める。
「レジでは、お客様に投票券をお渡ししています。売り上げの一部を活用して行っている3つのプロジェクトのうち、どれを実行するかを、お客様の投票で決めているんです。農家が抱える課題に、投票という形で関わっていただく。実感のあるアクションです」
家族の都合で小学校6年生からアメリカで暮らし、マイノリティの立場を経験した。「最初から完璧じゃなくていい、imperfect(不完全)でも、一歩踏み出すことが大切なんだ」。社名に込めた想いが、形になっていく。
【SDGsの現場から】
●「環境」「教育」「平等」の3つのプロジェクトに投票

●現地の人々にどんなメリットがあるかを考える

※ガーナのチョコレートやコートジボワールのナッツ、ブラジルのコーヒー豆…ガーナでは農地開拓に伴う森林の減少、コートジボワールやブラジルでは女性の就労に関わる不平等など、「農」に関わる社会課題は多い。
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- PHOTO :
- 望月みちか
- EDIT&WRITING :
- 正木 爽(HATSU)、喜多容子(Precious)
- 取材・文 :
- 剣持亜弥(HATSU)