ここ数年の我慢のときを経て、レストランでの食事を楽しめる機会も増えてきたこの頃。東京のレストランシーンにも新しい名店が次々と誕生しています。『Precious』3月号・別冊付録『最旬「東京モダンレストラン」17』では、2022年オープンの新店を中心に、美味しいもの好きが通っているお店17軒をピックアップ。
今回ご紹介するのは、非日常を味わうハイエンドレストランの名店たち。ときにはドレスアップしてのオケージョンにも。感動と驚きの贅沢美食が非日常へと誘います。
■1:グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ[銀座]
「グッチ」と、イタリアを代表する三ツ星シェフ、マッシモ・ボットゥーラ氏のコラボによるグッチ オステリアは、オープン1年にして、早くも東京を代表するコンテンポラリーレストランに。
「グッチ」の美学に溢れた世界観でいただくのは、ヘッドシェフのアントニオ・イアコヴィエッロさんが伝統的なイタリア料理に日本の旬の食材や調理法を取り入れた独創性溢れるメニュー。デザートに、日本のトマトの甘さを生かしたパスタのひと皿や、ホタテの甘さが引き立つ「ホタテ マントヴァ風トルテッロ」が供されたりと、緻密に計算された新しい美味しさに、食べるたび価値観をアップデートさせられる。
日本を旅し、食材への造詣を深めているシェフが放つサプライズが楽しみでしかない。
「ラーメンになりたいパルミジャーナ」は、アントニオさんが魅了された日本のラーメンと、故郷の思い出でもあるなすのパルミジャーナを融合。アーリオ・オーリオのソースを絡めた手打ちのパスタに、なすのブロード(だし)を注ぐシグネチャーメニュー。
■2:マス[紀尾井町]
「冷たい海 水深5m」「アンデスの森 海抜3260m」。メニューに記されているのは、標高とメインの食材のみ。2022年の「世界のベストレストラン50」で2位となったペルーの「セントラル」を率いるヴィルヒリオ・マルティネスさんが手掛けるモダンガストロノミーで味わうのは、ペルーの生態系。
「世界を縦に見る」をコンセプトに、海中から海抜4000mの間の異なる高度が育む多様な生態系、山脈やジャングルの風景を日本の食材を取り入れながら表現。イノベーティブな料理でありながら、洗練された美味しさで舌にすっとなじむ。
「高地の森 海抜1890m」は柑橘の甘酸っぱさが心地いいデザート。みかんベースのムースを、ジャングルに育つグアナバナの白いクリームで包み、レモングラスとカカオのソースで仕上げる。同じ標高に生息する花や果実を表現したムースと共に。
コンブチャ、ベルガモット、さとうきびの蒸留酒を使ったカクテル「コースタルヒルズ」。岩礁に見立てた部分には岩のりを使い、海を丸ごと飲んでいるかのよう。
■3:プレーガ 東京[大手町]
「日本の四季を旅するフレンチ」をコンセプトに、フランスの二ツ星レストラン「ベルナール ロワゾー」などで研鑽を積んだ池田翔太シェフが腕を振るう。
四季折々の極上の食材を贅沢に組み合わせ、手間を惜しまずに美味しさを引き出す料理が評判。食材のはしり、さかり、なごり、それぞれの美味しい瞬間を軽やかに届け、プレゼンテーションは繊細かつ大胆。
フランス料理の古典的な調理法を生かした「静岡県沼津港 アカザエビのショーフロア」。エビをさっとゆがいて半生状態にしたあとに冷まし、ゼリー状のビスクをまとわせた。
伊勢エビに並ぶ、甘く濃厚なうま味を堪能できる。リーフ形のあやめ雪かぶ、ドット柄の根セロリのピューレのさっぱりとした味と形がアクセントに。
「新潟県産網捕り 青首鴨のローストと赤ワインソース」は、ムネとフィレ肉はロースト、もも肉はコンフィに。天然の青首鴨のほのかな香りとうま味をストレートに味わえる。きのこのソテー、加賀野菜の金時草やハーブのオキサリスで、産地の自然を表現。
※掲載価格は、すべて税込みです。
※掲載している料理や商品は、時期によって変更となる場合があります。
※定休日や営業時間など、最新情報は各店舗へお問い合わせ、またはHPやインスタグラムをご参照ください。
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- PHOTO :
- 長谷川 潤
- EDIT&WRITING :
- 松田亜子、安村 徹(Precious)