旅の行き先ランキングで1、2を争う人気の北海道。本州とはスケールの異なる雄大な自然や、ご当地グルメなどさまざまな魅力に溢れますが、実は日本で一番、温泉地が多いスポットでもあるのをご存知でしょうか。旅行の際は、北の大地から湧き出た湯のよさもたっぷり堪能したいところです。

そこで、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、北海道の名湯をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、虻田郡ニセコ町にある「ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

ニセコの大自然に包まれながら美肌の湯を堪能

杢の抄の外観
杢の抄の外観

羊蹄山のふもとで古くから親しまれてきたニセコ昆布温泉郷。かつてアイヌの人々が道しるべとして木に昆布を巻き付けたのが名前の由来とされています。その一画の樹林に包まれたラグジュアリーな雰囲気の湯宿が今回ご紹介する「ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄」です。

非日常空間へ誘われる玄関扉
非日常空間へ誘われる玄関扉。
照明の形状もユニークなロビー「イランカラプテ」
照明の形状もユニークなロビー「イランカラプテ」。

「杢の抄の魅力を一言で表すならば、自然美と建築美が融合した旅館。大人の女性が寛ぐのにぴったりです。
森の中に佇む建物は、エントランスから重厚感あり。木彫り模様の施された扉から一歩足を踏み入れると、“イランカラプテ”と名付けられたロビーがお出迎えしてくれます。イランカラプテとは、アイヌ語で“こんにちは”を意味するのだそう」(植竹さん)

ラウンジ アペソはジャズが流れる大人の寛ぎ空間
ラウンジ アペソはジャズが流れる大人の寛ぎ空間。

「ロビーの先のラウンジ アペソ(アイヌ語で“囲炉裏”の意)は吹き抜けになっていて、照度控えめの落ち着いた空間。スパークリングワイン等のアルコールを含むドリンクが飲み放題です。また、ラウンジで私はふかし芋をいただいたのですが、小ぶりのじゃがいもがほくほくで、小腹を満たすにもお酒のおつまみにももってこい。ちょっとしたサービスまで抜かりがなく、上質なおもてなしに癒されます」(植竹さん)

大浴場の「命泉の湯」露天風呂
大浴場の「命泉の湯」露天風呂。
「命泉の湯」の別角度
「命泉の湯」の別角度。

「温泉は大浴場と個室風呂があり、泉質は、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。塩化物と重曹のはたらきで、しっとりとすべすべの両方を叶えられる欲張りな湯です。大浴場の露天風呂は、目隠し越しに青々と茂る木々を眺めることができ、まるで森林浴をしているような爽快感があります」(植竹さん)

窓からの新録がまぶしい個室風呂「和泉の湯」
窓からの新録がまぶしい個室風呂「和泉の湯」。

「客室はさまざまなタイプがあり、私は温泉展望風呂付デラックス和洋室に宿泊しました。このお部屋は、客室のお風呂が源泉かけ流しなんです。ニセコの新録を愛で渓流のせせらぎに耳を傾けながら、思う存分リフレッシュすることができました」(植竹さん)

植竹さんが宿泊したのとは別タイプの客室。寝室、和室、リビングからなる165平米の展望温泉風呂付特別室。
植竹さんが宿泊したのとは別タイプの客室。寝室、和室、リビングからなる165平米の展望温泉風呂付特別室。
展望温泉風呂付特別室の温泉風呂
展望温泉風呂付特別室の温泉風呂。

和食会席or鉄板焼き?贅を尽くしたコース料理に大満足

厳選した旬の食材を堪能できる和食会席「彩雲膳」
厳選した旬の食材を堪能できる和食会席「彩雲膳」。

壮大な自然に囲まれたニセコは、海の幸あり山の幸ありの美食の宝庫。食事は予約時に和食会席か鉄板焼きかプランを選ぶことができます。

「私は鉄板焼きのコースをチョイス。和牛、海鮮、野菜など素材のよさも感じられましたが、シェフが目の前の鉄板で鮮やかに焼き上げるライブ感で、食事の付加価値がより高まった気がします。印象に残っているのはシメのガーリックライス。塩、胡椒、ガーリックの加減が絶妙なライスに大き目の肉がごろごろ入っていて、最後の最後までお客様を満足させようとする心意気が感じられました」(植竹さん)

※鉄板焼きコースは要事前予約。ご希望の方はホテルまで直接ご連絡ください。

落ち着いた雰囲気のカウンターで提供される鉄板焼きコースも絶品
落ち着いた雰囲気のカウンターで提供される鉄板焼きコースも絶品。

以上、「ニセコ昆布温泉 鶴雅別荘 杢の抄」をご紹介しました。四季折々に表情を変える大自然の中で、優雅なステイを叶えたい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生