現代に合わせて進化した“塔の日本旅館”「星のや東京」。地下2F、地上17Fの建物で、畳敷きの玄関から始まり、伝統的な和室やお茶の間ラウンジ、最上階の温泉など、日本旅館らしい和の空間を有しています。

「夢中になる休息」をコンセプトとした「星のや」。各施設が独創的なテーマで圧倒的非日常を提供しており、日本文化を身近に感じられる体験や、四季折々のおもてなしも「星のや東京」の魅力のひとつです。

「星のや東京」でいただく夏季限定のお食事メニュー

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星のや東京 ダイニング

「星のや東京」では、2023年8月31日(木)までの期間限定で、宿泊者を対象とした夏らしいお食事メニューがダイニングにて提供されています。

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「暑気払いカレー」1名 ¥8,470

ひとつは、“発酵×江戸の香辛料”で暑い夏を乗り切る「暑気払いカレー」。こちらはコース仕立ての朝食として、1日2組(1~4名)限定でいただくことができます。

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「発酵夏氷」1名 ¥6,050

もうひとつは、1日3組(1組1~3名)限定で楽しむことができる「発酵夏氷」。発酵食品と旬の果物を使った、10層仕立てのかき氷メニューです。

本記事では、実際にPrecious.jpのライターが「暑気払いカレー」および「発酵夏氷」を実食。レポートを交えて、その魅力をお伝えいたします。

■1:星のや東京「暑気払いカレー」実食レポート

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地下1階にあるダイニング

「暑気払いカレー」および「発酵夏氷」が提供されるのは、星のや東京の地下1Fにあるダイニング。地層をイメージした左官仕上げの壁が特徴的な空間です。

間接照明で落ち着いた雰囲気のダイニング。主役となるお食事を照らすようにカウンターに光が当たり、宿泊客を出迎えてくれます。これから始まるお食事への期待感が高まります。

「暑気払いカレー」は発酵食品や厳選した香辛料を組み合わせた2種類のカレーと、江戸の頃より夏に親しまれてきた食材を使用した前菜や、デザートを合わせたコース仕立ての朝食です。

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「かぼす甘酒」

お食事の前にいただくのは「かぼす甘酒」。爽やかでフルーティーな酸味で、とても飲みやすい甘酒に仕上がっています。朝の一杯として、すっきり心身を目覚めさせてくれそうです。

また、お食事中には、まろやかな甘みと心地よい酸味の「うふふのモト」という発酵甘酒をいただくことができます。甘酒の味わいの違いを堪能するのも、「暑気払いカレー」のコースの楽しみのひとつです。

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「鰻の餡かけ出汁巻き卵」

前菜として登場するのは「鰻の餡かけ出汁巻き卵」。丁寧に炭火で焼かれた鰻の蒲焼きを、卵で包んだ出汁巻き卵で、餡にも鰻の骨から取ったコンソメが使われています。

鰻の炭の香りとトリュフの香りがマッチして、優しい味わいの出汁巻き卵に香ばしい風味が添えられていました。

実は、普段は卵の味がそこまで得意ではない筆者。ところがこの「鰻の餡かけ出汁巻き卵」は驚くほどおいしくて、あっという間に完食。また食べたい! と思わせてくれる味わいでした。

浜納豆・魚味噌を使用した「星のや発酵カレー」

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「星のや発酵カレー」

メインの1品目は「星のや発酵カレー」。丁寧に引いた魚出汁を使用し、玉ねぎやにんじん、しょうが、牛肉といった食材を1日かけてじっくりと煮込んだカレーです。

今回カレーに使用されている器は、いずれも香辛料や薬味の香り、カレーの風味をしっかりと感じることのできる抹茶椀。素材本来の味わいや口あたりを感じられるように、スプーンには漆塗りのものが使用されています。

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浜納豆と魚味噌

「星のや発酵カレー」に使用されているのは、大豆を麹菌で約15か月発酵させた「浜納豆」と、大豆を使わずに魚を麹で発酵させた「魚味噌」の2種類。日本古来の発酵食品を加えることで、奥深い味わいを感じられます。

サラッとしたスープが特徴的で、スパイシーな香りや味わいが食欲を増進します。スパイシーさの中にほんのり感じる魚のうま味や香りは、魚出汁や魚味噌由来でしょうか。和の趣を感じながらいただくことができます。大変おいしくいただきました。

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お米は「煮えばな」の状態でいただきます

「星のや発酵カレー」には、蒸らす前の水分が多く含まれた、やわらかくて甘い「煮えばな」の状態のご飯が使われています。生米からご飯に変わるころの煮えあがったばかりの白米で、スタッフが炊き加減を確認しながら、一番よいタイミングで提供してくれます。

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5種類の添え物と一緒に

カレーと一緒に提供されるのは、お漬物など5種類の添え物。手前から「なすの浅漬け」「べったら」「みょうがの甘酢漬け」「きゅうりのぬか漬け」「山椒の佃煮」となっており、手前から味が薄く、奥にいくほど味が濃いものとなっています。

サラッとした「星のや発酵カレー」には、手前の味が薄いものを合わせるのがおすすめなのだそうですが、お好みでさまざまな相性を試してみてくださいね。なお筆者は山椒の佃煮がお気に入り! スパイシーなカレーとの相性もぴったりでした。

梔子(くちなし)ご飯を合わせた「星のや欧風カレー」

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「星のや欧風カレー」

続いて提供される「星のや欧風カレー」は、牛肉や野菜、りんごを、しょうがやニンニクと一緒に時間をかけて煮た欧風カレーです。だいたい8時間ほど煮込まれているそう。

先ほどのスパイシーな味わいとは異なり、こちらはおそらく多くの日本人になじみのあるお味です。とろとろに溶けたカレーから、野菜や果物の甘みが感じられます。

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目の前で炊かれているご飯

「星のや欧風カレー」にはしっかりと蒸らし、ふっくらと炊き上げた「梔子(くちなし)ご飯」が合わせられています。梔子の実である「山梔子」は、消炎や解熱作用、疲労回復にすぐれているとされ、江戸時代には多くの人々に親しまれていたそう。ご飯は、目の前のお釜で炊き上げられます。

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カレーに合わせて調合される「七色唐辛子」の“七味”

カレーに合わせる香辛料は、七つの香辛料や薬味を配合した「七色唐辛子」です。1625年、江戸の両国薬研堀(現在の日本橋)に創業した「やげん堀七味唐辛子本舗」によって調合されたもの。

食欲増進や血行促進、発汗作用があると言われる唐辛子類に、胃腸の機能を高めるとされる香り高い「山椒」が多めに調合されたひと品で、カレーにお好きな量をかけていただけます。

山椒のもつ爽やかな香りと痺れる辛みが、カレーの風味を引き立たせてくれます。「星のや発酵カレー」にも「星のや欧風カレー」にも、どちら合わせても◎。途中で加えることで、味の変化をも楽しむことができました。

〆として登場する「シャトーブリアンのポワレ」

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「シャトーブリアンのポワレ」

〆には一定の時間蒸らし、お米の芯まで炊きあがった白米と「星のや発酵カレー」に、目の前でサッと焼かれたシャトーブリアンのポワレを添えて。

脂肪が少ない希少部位のシャトーブリアン。その柔らかさはスプーンで切れるほど! レア寄りに焼かれたお肉が口の中でとろけます。

カレーはいずれもおかわり自由。お米も目の前で炊かれているお釜にある量であれば、多め・少なめなど自由にお願いができます。ちなみに少食でも大食いでもない筆者は、ちょうど出てきた量をひと通りいただいて、充分満足できる分量に感じました。

デザートには「どぶろくのアイスクリーム」を

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「どぶろくのアイスクリーム」

デザートとしていただくのは「どぶろくのアイスクリーム」。お米と米麹、水を原料として発酵させたどぶろく。フルーティーな味わいが特徴などぶろくを使用しており、ダイス状のマンゴーとの相性もぴったりです。乳酸の酸味が、アイスクリームに爽やかな味わいを添えてくれました。

カレーの〆にふさわしいデザート、ごちそうさまでした。

「暑気払いカレー」概要

  • 提供期間/2023年8月31日(木)まで
  • 提供時間/8:00~9:00
  • 場所/星のや東京 ダイニング
  • 予約方法/公式サイトにて3日前までに要予約

■2:星のや東京「発酵夏氷」実食レポート

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「発酵夏氷」、大きい…!

続いて、「発酵夏氷」のご紹介です。「暑気払いカレー」と同じくダイニングでいただけるスイーツメニューで、江戸時代から親しまれてきた発酵食品が使われた、10層仕立てのかき氷です。

運ばれてくると、まずその大きさに目を見張ります。「想像の何倍も大きい!」というのが最初の感想でした。写真の左奥に見えているのが720mlの酒瓶なのですが、その倍ほどの大きさがあるように感じました(※個人の感覚です)。ボリュームたっぷりでテンションも上がります。

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「発酵夏氷」を上のアングルから

「発酵夏氷」は、上から甘酒クリーム、桃のソース、バタフライピーのへべすジュレ、どぶろくのムース、氷、桃と熟成みりんのコンポート、フランボワーズムース、氷、いちごのムース、浜納豆のジェノワーズと重ねられています。

江戸時代から親しまれてきた、甘酒、どぶろく、みりん、浜納豆といった発酵食品が使用されているのが特徴的です。

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ケースを外すと甘酒クリームが流れ出します

いざ実食。外側のガラスケースを外すと、甘酒とホワイトチョコレートを合わせたクリームが流れ出します。やさしい甘みのクリームは、全体の印象をまとめてくれる味わいです。

10層それぞれ異なる食感や味わいに注目。ごろごろと入った桃のコンポートや、大分の柑橘である酸味のある「へべす」を使ったジュレ、塩気のある浜納豆のジェノワーズなど、食べる部分によって違った食感や味を楽しめるのがポイントです。大きなかき氷ですが、飽きずに食べ進められます。

層に挟まれた氷が、暑い夏に涼やかさを添えます。パフェのようなかき氷で、とってもおいしく、ボリュームも大満足でした!

特別な氷や日本酒とのペアリングにも着目

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「発酵夏氷」に使用されている氷

今回の「発酵夏氷」に使用されている氷は、2日以上の時間と手間暇をかけて丁寧に製氷された特別な氷が使用されています。不純物がほとんど含まれず透明度が高いため雑味がないことや、溶けにくいこともこの氷の特徴のひとつです。

江戸時代には、「氷室」と呼ばれる特別な貯蔵庫で氷を作っていた加賀藩(石川・金沢)。徳川将軍に氷を味わってもらうべく、480kmの行程を4日かけて歩き続け、江戸幕府へと献上していた歴史があるそう。

「発酵夏氷」の特別な氷も、金沢から取り寄せているもの。まさに「徳川将軍が楽しんだかき氷」のような趣を感じることができました。

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小西酒造「江戸元禄の酒」

かき氷と一緒にペアリングとして小西酒造「江戸元禄の酒」をいただけます。これは、江戸・明治期の酒造りを記録した「酒永代覚帖(さけえいだいおぼえちょう)」をもとに、江戸元禄時代に飲まれていたお酒を復元した一杯です。

琥珀色に見えるのは、現代で使用されている量よりも仕込み水が少ないため。お米の濃厚な甘みと、しっかりとしたお酒の味わいが、「発酵夏氷」ともよく合います。冷たいかき氷と交互にいただくお湯割りも最高でした。

食後には、甘いかき氷の余韻を楽しみつつ、爽やかなほどよい苦みの宇治茶で締めくくります。夏の夕べにふさわしいスイーツメニューでした。

「発酵夏氷」概要

  • 提供期間/2023年8月31日(木)まで
  • 提供時間/16:00~18:00
  • 場所/星のや東京 ダイニング
  • 予約方法/公式サイトにて3日前までに要予約

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「星のや東京」外観

江戸時代の発酵文化を今に再現したお食事やスイーツをいただける「星のや東京」。「暑気払いカレー」と「発酵夏氷」は、どちらも宿泊者限定のメニューです。

外の景色などが見えない地下にあり、地層のような壁に囲まれたダイニングは、まさに日常を忘れそのひとときに没頭できる特別な空間。そこで味わう特別なお食事もまた、格別です。

ぜひ夏のお出かけに、ご旅行に、「星のや東京」でとっておきのお食事をお楽しみください。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
※状況によりメニューの内容、食材が一部変更になる場合があります。

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この記事の執筆者
フリーランスの編集者・ライター。グルメやスイーツ、ライフスタイル系の記事執筆・編集を中心として活動中。元システムエンジニア、プログラマの経験を持つ。二児の母。趣味は料理、SNS、写真を撮ること、美味しいものを食べること。麺類と辛いもの、自分のために買うご褒美スイーツが特に好き。
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EDIT :
小林麻美