【目次】
40代ダイエットの失敗例
■食事を減らして激しい運動をする
「摂取カロリーより、消費カロリーを多くすることは、体脂肪を落とすための基本です。しかし、食べる量を減らすことで、最初は体重が落ちても、体はその低カロリーの食事に合わせて代謝を落としてしまうので、長期的には太りやすい体をつくってしまうことになります。体は少ないエネルギーしか入ってこなければ、体の代謝を落とし、余計なエネルギーを消費する筋肉を落としていくというワケです。特に、40代女性にとってよくないのが、早く痩せたいからと、食事を減らして、激しい運動をすることです。エネルギー不足になり、筋力が落ちて、代謝が下がり痩せにくくなるばかりか、栄養不足で老化を加速させてしまいます」(ボディワーカー 森 拓郎さん)。
ダイエット指導の達人・森 拓郎さんに聞く! 40代女性が陥りがちな「間違ったダイエット」とは?
■糖質を減らしすぎる
「糖質ダイエットに失敗する方の多くは、ただ単に、食事からご飯や麺類などの穀物を抜くという食事をしているからです。これでは、辛い食事制限と何ら変わらず、むしろエネルギー不足を起こして、我慢できずにドカ食いしてしまったり、栄養不足により、リバウンドを起こすなど、長続きするわけがありません。『糖質制限ダイエット』も、糖質を完全にオフするのではなく、上手に糖質をコントロールしながら行えば、リバウンドもなく、太りにくい体を手に入れることができます。糖質を摂取したら太ると思っている方も多いのですが、正しく食べれば太りません」(森さん)。
糖質を摂取しても痩せられるって本当? ダイエットのプロが教える、正しい「糖質ダイエット」
40代のダイエットを成功させる「食事法」
しっかり食べて痩せる! 太りにくい体をつくる食べ方のコツ
「多くの方が、ダイエットは厳しい食事制限と運動をすることだと思っています。なかには、運動しないと体脂肪は燃えないとも思っている方もいるようです。しかし、私達の消費カロリーの大半は基礎代謝と日常の活動代謝によるもので、運動で消費できるエネルギーはわずかなもの。つまり、基礎代謝量とかわらないぐらいの1200kcal程度の食事しかとっていなければ、代謝が下がり、逆に太りやすくなってしまうのです。
正しく栄養を摂取して、それを消費できる代謝を獲得するためには、体脂肪になりやすい脂質のような無駄なものをなるべく減らして、エネルギーを消費するのに必要な糖質やたんぱく質、そしてミネラルビタミンを積極的にとるということが重要です。食事制限や流行のダイエットに飛びつくのではなく、正しい食べ方を身につける『食事改善』こそが、太らない体を手に入れる近道なのです」(森さん)。
■1:高たんぱく・中糖質・低脂質な食事を心がけよう
「40代女性が心がけたいのは、程よく糖質を摂ることと、積極的なたんぱく質の摂取。脂質はなるべく減らしつつ、食事の時には良質なタンパク質を必ず摂取するようにすると、良いバランスを保つことができます。エネルギー源となるご飯は白米、玄米、雑穀米など何を食べてもOK。また、できるだけ魚を食べる方が、低脂質で高タンパクな食事メニューをつくりやすくなります。タラやサケ、タイなどの白身魚、アジ、イワシ、サバなどの青魚がおすすめです」(森さん)。
。【たんぱく質の1日の摂取量について】
「1日に必要なたんぱく質量は体重1キロあたり1グラム。例えば、体重50キロの女性であれば50グラムのたんぱく質が必要です。代謝アップを狙うなら体重1キロあたり1.2グラムくらいを目指して摂取しましょう。1日に肉と魚を手のひら2枚分、これに卵1〜2個、納豆や豆腐など2〜3品プラスするのがおすすめです」(森さん)。
【1食における理想の献立は?】
「理想の献立は、肉、魚、卵などの動物性たんぱく質と、納豆や豆腐などの植物性たんぱく質を組み合わせ、1食『見た目の50%』をたんぱく質にするのが理想的です。うち動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の割合は7:3が目安と成ります。圧倒的にたんぱく質が不足気味なので、毎食、十分に摂取するように心がけましょう」(森さん)。
【プロテインドリンクもおすすめ】
「間食など甘いものが欲しくなる人は、プロテインドリンクを飲むことで、欲求を抑えられる方も多いようです。手軽に手に入るので、取り入れてみるのもおすすめです」(森さん)。
■2:「ベジタブル・ファースト」よりも「プロテイン・ファースト」を意識
「血糖値の上昇を抑えたり、食べ過ぎ予防にも効果があるとして、野菜を先に食べる食事法『ベジタブル・ファースト』が話題になりました。食べ過ぎが心配な方は、この食べ方はおすすめです。しかし、代謝を良くすることが目的であれば、『プロテイン・ファースト』を意識する方が良いでしょう。たんぱく質を優先しても、血糖値の急上昇は防げます。ビタミンやミネラル、食物繊維を含む野菜の摂取は大切ですが、肉や魚、卵などのたんぱく質の方が栄養価も高く、ダイエットには効果的です」(森さん)。
■3:食べ過ぎた翌日は「絶食」「減食」でなく、食の調整を!
「外食など食べ過ぎた翌日は、前日に食べ過ぎた分を調整することは大切ですが、絶食したり、量を少なくするのは、栄養不足になりかえって逆効果。意識すべきは、何をどれくらい食べるかということなのです。例えば、前日に食べたもので脂質が多かったのであれば、低脂質なものを選び、糖質やタンパク質は最低限の量を摂取すればOK。具体的には、ご飯、味噌汁、白身魚や大豆を使ったお惣菜などを組み合わせた、脂質を控えめにした和定食がおすすめです。自分が食べ過ぎたものをある程度把握しておけば、翌日に何を食べるべきかがよくわかります。サラダにしたからといって、ドレッシングをたっぷりかけていたら、脂質がオーバーになるので気を付けましょう」(森さん)。
■4:噛み応えのある、自然の素材を使った食事をしよう
「血糖値の上昇を抑えたり、食べ過ぎ予防にも効果があるとして、野菜を先に食べる食事法『ベジタブル・ファースト』が話題になりました。食べ過ぎが心配な方は、この食べ方はおすすめです。しかし、代謝を良くすることが目的であれば、『プロテイン・ファースト』を意識する方が良いでしょう。たんぱく質を優先しても、血糖値の急上昇は防げます。ビタミンやミネラル、食物繊維を含む野菜の摂取は大切ですが、肉や魚、卵などのたんぱく質の方が栄養価も高く、ダイエットには効果的です」(森さん)。
■5:1日2リットルの水を飲む必要なし!食事中の水分摂取も控えめに!
「『水は1日リットル飲む』という説がありますが、科学的な根拠は一切ありません。水の過剰摂取は、水分代謝が低い方の場合、むくみの原因になることも。夏場なら1リットル、冬場なら500mL程度で十分です。飲めば飲むほど老廃物が排泄されたり、痩せるといったこともないので、ほどほどにしておきましょう。また、食事中の水分の摂りすぎは、噛む回数を減らしてしまうので、控えめに」(森さん)。
ダイエット指導の達人・森 拓郎さんに聞く! 40代女性が陥りがちな「間違ったダイエット」とは?
正しく摂取すれば太らない! ダイエットを成功させる糖質のとり方
大流行した『糖質制限ダイエット』。しかし、ダイエットを体験した多くの方が挫折したり、リバウンドするなど失敗しています。糖質ダイエットを成功させる秘訣はあるのでしょうか? 「糖質ダイエットに失敗する方の多くは、ただ単に、食事からご飯や麺類などの穀物を抜くという食事をしているからです。これでは、辛い食事制限と何ら変わらず、むしろエネルギー不足を起こして、我慢できずにドカ食いしてしまったり、栄養不足により、リバウンドを起こすなど、長続きするわけがありません。『糖質制限ダイエット』も、糖質を完全にオフするのではなく、上手に糖質をコントロールしながら行えば、リバウンドもなく、太りにくい体を手に入れることができます。糖質を摂取したら太ると思っている方も多いのですが、正しく食べれば太りません」(森さん)。
■ポイント1:正しい糖質の摂り方と糖質を摂る際のコツ
「主食として、ご飯など糖質を摂取しないと、甘いお菓子や飲み物で糖質を欲してしまい、逆にそれが『肥満』に走らせたり、『老け』の原因へとつながってしまいます。これを避けるためにも、主食のご飯はきちんと食べましょう」(森さん)。
■ポイント2:1日の糖質摂取量は150g以上を心がけよう
「脳と赤血球が必要とする糖質の量が120g。これ以外に、基礎代謝や活動代謝にも糖質が使われるため、最低でも一日の糖質量は150g以上が必要になります。これ以下になると、低血糖を防ぐため、体は糖質の消費を抑えようと代謝を落とし、痩せづらい体になってしまいます」(森さん)。
【糖質の量について】
小さなお茶碗120gのご飯で、糖質の量は約45g、一般的なお茶碗150gのご飯で約55gです。糖質は炭水化物以外にも、野菜、豆類、果物、お菓子などにも含まれています。
【主食にするならお米がおすすめ】
「糖質を摂取する際は、なるべく糖の吸収がゆるやかな穀物がおすすめです。主食にするなら、小麦主体の麺やパンよりも、日本人の食のスタイルに合わせやすい、お米が最適です。玄米はビタミンやミネラル、食物繊維も豊富で、糖の吸収も白米より優れていますが、特にこだわる必要はありません。好きなお米を食べましょう」(森さん)。
■ポイント3:糖質と脂質を同時にしっかり摂らないこと
「三大栄養素である『糖質』『脂質』『たんぱく質』のうち、糖質と脂質がエネルギー源になり、使い切れずに余った分は『体脂肪』として体に蓄積されます。つまり、糖質や脂質を摂りすぎると、体に脂肪がつきやすくなってしまうのです。そのため、『糖質を摂るなら脂質を減らす』『脂質を摂るなら糖質を減らす』ことが大切になります」(森さん)。
糖質コントロールのポイント【1】(糖質を多く摂取する場合)
「本来、糖質は体脂肪にはなりづらい栄養素です。糖質は血糖値を上昇させてインスリンを分泌させます。この時、余ったエネルギーとして脂質が血中にあると、脂質が積極的に体脂肪へ蓄えられやすくなります。糖質は筋肉をはじめ細胞のエネルギー源として取り込まれるので、体脂肪にはなりづらいのです。つまり、インスリンが出ても、脂質さえとりすぎていなければ、体脂肪は多くつくられません。運動量が少ない人でも摂取カロリーの半分近くを糖質、残りの半分をタンパク質と脂質(脂質は控えなくらい)の割合にしても問題ありません」(森さん)。
【糖質の少ない炭水化物】
白米、そば、ライ麦パン、オートミール、バナナなど。
糖質コントロールのポイント【2】(脂質を多く摂取する場合)
「糖質を減らしている場合、脂質は減らしすぎないようにすることが大切。ただし、脂質を摂る際には、揚げ物やドレッシング、菓子類などに多く含まれる、『オメガ6』の油は避け、DHAやEPAなど『オメガ3』の良質な油を豊富に含む、魚などを多く食べるようにするとよいでしょう。また、お肉はささみや胸肉といった過度に低脂質なものばかりを選ぶと、脂質の摂取が少なくなり、代謝不良を起こしてしまいます。糖質を減らすのであれば、鶏のもも肉、牛肉や豚肉の脂身が少ない部分を選ぶようにするなど、脂質がゼロにならないよう心がけましょう」(森さん)。
【悪い油と良い油について】
「サラダ油や大豆油、コーン油など『オメガ6』を含む油は、細胞の炎症を促進し、悪玉コレステロールを増やします。細胞の炎症は、代謝の低下や動脈硬化を引き起こすので、できるだけ避けるのが賢明です。また、ヘルシーな油の代名詞であるエゴマや亜麻仁油、青魚に含まれる『オメガ3』。青魚など食べ物から摂取する分にはいいのですが、あえて大量に摂取する必要はありません。他の油の置き換えにする程度で十分です」(森さん)。
【避けるべき高糖質+高脂質なメニュー】
「揚げ物全般、丼もの、ラーメン、パスタ、菓子パン、ケーキなどは避けるようにしましょう。また、うどんやラーメンなどの麺類は、卵やお肉、ネギ、ほうれん草、わかめなどの具材をプラスして食べるといったように、ひと工夫するのがおすすめです」(森さん)。
■ポイント4:運動×糖質の摂取で痩せ体質に!
「年齢とともに人の代謝は下がっていきますが、糖質を取り込む力(糖代謝)も同様に下がります。筋肉をはじめ、細胞自体が糖質を消費する能力が落ちてしまうことで、血糖値が上がりやすくなり、体脂肪を溜め込みやすくなるのです。しかし、運動をすることで糖質の消費を促すことができるので、運動を習慣にする人にとっての糖質摂取は、逆に代謝を高め、痩せやすい体づくりを後押ししてくれます。また、運動する時に、糖質を摂取していないと、体にダメージだけが残り、活性酸素で老化が促進されてしまうので、糖質を必ず摂取しましょう」(森さん)。
糖質と筋肉の関係とは?
「ブドウ糖は、消化吸収後にグリコーゲンとなり肝臓や筋肉に貯蔵されます。肝臓に貯蔵されたものは脳や全身の細胞のエネルギーに、筋肉に貯蔵されたものは運動で筋肉を使う際に使用されているのです。筋肉は分解と合成を常に繰り返していて、運動後は筋肉の分解が進んでいるため、糖質を補ってあげないと筋肉がどんどん削ぎ落とされてしまいます。運動後の糖質摂取は、筋肉など細胞の回復のために優先的に吸収され(体脂肪になるのでなく、筋肉に蓄えられる)、筋肉の合成のために使用されます。このため、糖質を摂取しても血糖値が急上昇しにくくなり、結果的に体脂肪がつきにくくなるのです」(森さん)。
■ポイント5:フルーツはジュースより生のままで食べよう
「糖といえば、果物に含まれる果糖を気にされる方も多いと思います。果糖は血糖値を上げにくいのですが、中性脂肪として蓄積されやすいといわれています。しかし、果物に含まれる果糖の量はそれほど多くはなく、ビタミンや食物繊維も豊富なため、果物自体を食べることは穀物の摂取と同様、ダイエットにはとても有効です。しかし、100%の果物ジュースにしてしまうと、吸収が早くなった果糖を過剰に摂取することにつながってしまうので、避けましょう」(森さん)。

糖質を摂取しても痩せられるって本当? ダイエットのプロが教える、正しい「糖質ダイエット」
「鍛えるべき筋肉」と「鍛えなくていい筋肉」
年齢と共に崩れはじめるボディラインに対し、大人の女性が行うべきは、ダイエットではなく筋トレ。美しさと健康を保つために必要な筋肉。二の腕やウエストは引き締まり、胸元やヒップには程よいボリュームのある理想のしなやかボディを手に入れるためには、どの筋肉を鍛えるべきなのかをしっかり把握しておくことが大切です。
「筋トレは、太ももやお尻、背中などの大きな筋肉から鍛えるのが基本です。そうすると基礎代謝が上がるので、体が引き締まりやすく、効率よく筋肉をつけられるように。また、自分では目が届きにくい背面の筋肉を重点的に鍛えるのも女性におすすめ。姿勢改善につながり、着こなしも美しくなるはず。逆に肩周りを鍛えすぎてしまうと、たくましい印象に…」(パーソナルトレーナー 小塚愛美さん)。
しなやかな筋肉には、伸縮性とある程度の柔らかさも必要ですが、デスクワークや運動不足が原因で筋肉が凝り固まっている人も多々。
そのまま筋トレをはじめても、柔軟な筋肉をつけられない場合もあるので、筋トレの前後にストレッチやマッサージを行い、筋肉をしっかりとほぐすことも、理想のボディを手に入れるためにはマストです。
体の正面の「鍛えるべき筋肉」「鍛えなくていい筋肉」

〈鍛えるべき筋肉〉
■1:大胸筋…年齢と共に削げやすいデコルテ部分はしっかりと鍛えてハリのある質感に。下垂しはじめたバスト位置を引き上げる効果も。デスクワークなどによる巻き肩・猫背の改善にも。
■2:腹直筋…おなかの表面で中央部分にある筋肉。いわゆる“シックスパック”といわれるのはこの部分。縦線が入るまで鍛える必要はないけれど、ぽっこりおなかと決別するために鍛えたい部分。
■3:腹斜筋…おなかの両脇部分で体幹を安定させる大切な筋肉。表層部分の外腹斜筋と中〜深層部の内腹斜筋に分かれる。鍛えることでウエストにくびれが生まれ、カーヴィーなラインが手に入る。
■4:腹横筋…ミルフィーユ状になっている腹筋のいちばん内側にある筋肉で、インナーマッスルと呼ばれる部分。しなやかな筋肉を手に入れるためには、このインナーマッスルを鍛えることが必須。
■5:内転筋群…太ももを支える筋肉の総称、大腿四頭筋。そのなかで、座っている時間が長い現代人が鍛えるべきは、内転筋群(内もも)。下半身太り、骨盤や脚の歪みの原因にもなるので意識して鍛えたい。
〈鍛えなくていい筋肉〉
■6:上腕二頭筋…力こぶの部分。重い荷物を持ち上げたり、ビンの蓋を開けるときなど、日常生活でもよく使う筋肉。硬質でタフな印象を与えるので、女性らしさを保つならば鍛える必要がない。
■7:前腕屈筋群(ぜんわんくっきんぐん)…PC作業やスマホ操作などで日常生活でも駆使している部分なので、鍛える必要なし。むしろ凝り固まっている人が多いので、しっかりと揉もみほぐし、柔軟さを保つことのほうが大切。
■8:外側広筋…現代人は内ももの筋肉が衰えている代わりに、太ももの外側を使いすぎる傾向に。太ももが外に張り出すと、下半身が太く見えてしまう。この部分に張りを感じる人は歩き方から見直しを。
体の背面の「鍛えるべき筋肉」「鍛えなくていい筋肉」

〈鍛えるべき筋肉〉
■1:菱形筋(りょうけいきん)…肩甲骨と背骨の間にあり、肩甲骨を寄せるときに使う深層部にある筋肉。デスクワークで同じ姿勢を長時間とり続けている人はこの部分が固まり、猫背や首・肩こりの原因に。
■2:上腕三頭筋…二の腕のうしろ側。“振り袖”に悩む女性も多いパーツ。脂肪がつきやすく落ちにくい部分でもあるので、ノースリーブの季節が到来する前に、しっかり鍛えて引き締めておきたい。
■3:広背筋…脇の下から腰にかけてついている筋肉。ブラの上のハミ肉が気になっている人は早急に鍛えるべきパーツ。背中を両脇から引き締めることで、上半身がすっきりとした印象に。
■4:大臀筋(だいでんきん)・中臀筋(ちゅうでんきん)…日本人に多い垂れ尻や扁平尻はお尻の筋肉をうまく使えていないことが原因。大臀筋と中臀筋を鍛えてヒップアップさせて、タイトスカートが似合う、丸く立体的な桃尻を手に入れたい。
■5:大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋…太もも裏のハムストリングスと呼ばれる部分。骨盤の歪みなどが原因で正しく使えず固まっている人が多い。ヒップアップや脚の引き締め、怪我の予防につながるので重点的に鍛えたい。
〈鍛えなくていい筋肉〉
■6:三角筋…肩関節を外側から覆う厚みのある筋肉。鍛えすぎて発達してしまうと肩幅が広くなり、女性らしい華奢さが損なわれてしまう。肩周りにボリュームが欲しい人以外は鍛える必要なし。
■7:下腿三頭筋…歩く、立つなどの日常生活で使われる機会が多い“ヒラメ筋”などのふくらはぎの筋肉。鍛えすぎてしまうと肥大しやすいので注意。適度についた筋肉は、足首が締まって見えるメリットも。

女性が「鍛えるべき筋肉」と「鍛えなくていい筋肉」|しなやかなボディをキープするために必要な筋肉とは
日常生活で簡単にできる「エクササイズ」
■立ったまま太ももエクササイズ
ハムストリングスは、加齢による筋力低下に加え、デスクワークなどで座っている時間が長いとしなやかさが失われ、どんどん硬くなり衰えてしまいます。すると太ももの前側の筋肉に負荷がかかり、太もも横に張り出して脚が太く見える、お尻が垂れるなど、下半身がもったりとした印象に見えてしまいがち。タイトなパンツを履いたときにスッキリと見えないのは、このハムストリングスが衰えているからかもしれません。たった40秒で完了するので、冷えの改善や骨盤の歪み解消に効くので隙間時間にぜひやってみてくださいね。
Step.1:壁から40cm離れた位置に立ち、左膝を壁につける、離すを繰り返す
壁の方を向いて、壁から40cm離れた位置に立ちます。そして左足を前に出してつま先を壁につけます。その姿勢のまま左の膝を壁につける、もとのポジションに戻る、を10回繰り返しましょう。
このとき、仙骨(お尻の中央にある骨)から前に押し出すように動いてください。この動きで右脚のハムストリングスが刺激されるのを感じるはずですよ。右足のかかとは床から浮かないように気を付けましょう。

Step.2:壁から70cm離れた位置に立ち、左膝を壁につける、離すを繰り返す
Step.1と同様に動きになりますが、負荷をもう少し強めるために壁から70cm離れた位置に立ち、左足を前に出してつま先を壁につけてください。するとStep.1よりも右足が大きくうしろに下がることになるので、より負荷が高まります。
その姿勢のまま左の膝を壁につける、もとのポジションに戻る、を10回繰り返しましょう。このときもStep.1と同様に、右足のかかとは床から浮かないよ

反り腰になるとハムストリングスに刺激がされにくいうえに、腰に負担がかかり骨盤が歪みやすくなるので要注意。姿勢はまっすぐ、そして仙骨から押し出すように、というのを意識しましょう。

40秒で太ももをスッキリ細く!【村木さん考案】立ったまま太ももエクササイズ
■立ったまま横腹を鍛えるエクササイズ
運動な苦手な人でもできる、「立ったまま」脇腹にある腹斜筋を鍛えて「くびれ」をつくるエクササイズ。腹筋トレーニングは寝た状態で行うのが一般的ですが、横腹を鍛えるには立った状態の方がやりやすいですし、何より簡単!筋トレというのは継続しないと効果が出ないもの。簡単な方法で行えることもエクササイズを習慣化する重要なポイントですよ。
Step.1:足を肩幅に開いて、手のひらを頭のうしろに置く
背中を丸めずに、背筋はまっすぐ伸ばしましょう。これがスタートの姿勢です。

Step.2:ゆっくりと右肘と右膝をくっつけるように近づける
勢いをつけないようにゆっくりとした動作で、右肘と右膝をピタッとくっつけましょう。反対側も交互に行って。左右で1カウントとして、30回(約1分)は行ってみてください。慣れてきたら、回数を増やしてみましょう。

村木宏衣さん指南|くびれをつくる!「立ったまま横腹を鍛える」エクササイズ
■美尻エクササイズ
太ったわけではないのに、太ももが横に張り出し、下半身がもったりとしてきた…と感じているなら、その原因は、お尻の横にある筋肉=中臀筋が劣化している可能性が。特にお尻の丸みを維持している中臀筋が固まり劣化すると、股関節の外側にある大転子(だいてんし)が外にずれてしまい、太ももの外側が太くなってしまいます。そして股関節が横に張り出すことで、お尻はどんどん横に広がり、不恰好な四角いお尻になってしまうのです。
垂れて曖昧になったお尻と太ももの境目がくっきりとして、引き上がった丸い美尻になるし、腰痛解消にも。ちょっときついけれど効果は確実!頑張って習慣化してみてくださいね。
Step.1:中臀筋の位置を確認
中殿筋とは、骨盤と大腿骨(太ももの骨)をつないでいる筋肉。「上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)」という腰骨のあたりから、股関節の横あたりにある少し出っ張った「大転子(だいてんし)」をつなぐ線の2cmうしろにあり、まずはその位置を確認しましょう。

Step.2:横向きに寝た体勢になり、ウエストに折りたたんだバスタオルをおく
横向きに寝た状態になり、体勢を安定させるために、ウエストのくびれ部分に折りたたんだバスタオルをおきます。左脚は曲げて、右脚はまっすぐ伸ばす。そして、骨盤は手前側に倒す。これが基本姿勢です。

Step.3:伸ばした右脚を上げて下すを20回繰り返す
右足首は90度に曲げること。太ももは軽く内側にねじり、かかとはつま先より上になる位置にしてください。そして、伸ばした右脚を上げて下すを1セットとして20回繰り返して。左足も同様に。中臀筋を意識することが大事なので、初めは大転子の2cmうしろあたりと指で触りながら行うといいでしょう。

四角いお尻を丸く整えスタイルアップ!【村木さん考案】美尻エクササイズ
■二の腕がスッキリエクササイズ
そもそも二の腕は、皮下脂肪がつきやすく、痩せにくい部位。血流が滞るため二の腕が冷える、するとそこに皮下脂肪が溜まり、タプタプとした二の腕になってしまうのです。そこで「前鋸筋」という脇の下にある筋肉にアプローチするメソッドが効果的。
「前鋸筋」とは、脇の下にあり、肩甲骨と肋骨を繋ぐ筋肉で、腕を前に出す動作をするときに使われています。そして、肩甲骨を介して上腕三頭筋(腕の裏側の筋肉)とも繋がっているため、「前鋸筋」に刺激を与えて鍛えることは、二の腕痩せにつながるというわけなのです。
5本の指の腹を使って壁を押しながら、深呼吸をする
脚は腰幅に開いて、壁に向かって立ちます。次に、腕をまっすぐ伸ばし、片方の手の指の腹で壁を押すように体重をかけます。そのまま20秒間、深呼吸を繰り返しましょう。これを3セット行いましょう。反対の手でも同様に行ってください。

タプタプ二の腕がスッキリ!【村木さん考案】「指で壁押し」簡単メソッド
- TEXT :
- Precious.jp編集部