数々のお酒に出会える日本市場ですが、まだ未参入の企業も世界には多くあります。そのような企業のひとつが、ルーマニアに本社を構えるアレクサンドリオン・グループです。
2024年から本格的に日本市場へと初参入するにあたり、メディア向けのペアリングランチイベントが開催されました。そこで紹介された蒸留酒やワイン、そしてペアリングランチの内容についてご紹介します。
ルーマニアの歴史ある酒造メーカー「アレクサンドリオン・グループ」
東ヨーロッパ、バルカン半島に位置するルーマニア。数々の世界遺産を抱えた歴史ある国で、1789年から歴史を重ねてきた酒造メーカーがアレクサンドリオン・グループです。ルーマニア国内唯一のシングルモルトウイスキー生産者でもあります。
数々の蒸留所を所有しており、南東ヨーロッパ最大の規模と最新の設備を誇る生産施設であるアレクサンドリオン・セーバー1789蒸留所や、ルーマニアで一番古いスパークリングワイン「ライン・エクストラ」が生産されているライン&シー 1892 セラーなどがあります。
ルーマニア以外にも世界6か所に拠点をもち、50か国以上で流通されている国際的な企業なのです。
「アレクサンドリオン・グループ」のお酒を料理に合わせて
■1:洗練された蒸留酒「カーパシアン シングル モルト ウイスキー」
ウイスキーはアレクサンドリオン・グループの代表的な製品のひとつです。今回紹介された「カーパシアン シングル モルト ウイスキー」は、サブカルパティア高原の奥深くで作られてきたもの。自然からの贈り物のようなお酒です。試飲で登場したのは、次の3種類でした。
1杯めは、アメリカ産ホワイトオークのケンタッキー・バーボンバレルで熟成された後、自社ワイナリーで製造されたルーマニアのフェテアスカ・ネアグラワインを納めていたヨーロピアンオークの赤ワインカスクへ移されたという「フェテアスカ・ネアグラ」。
オイリーな舌触りが特徴で、パイナップルなど果物の香りやカラメル、バニラの味わいのほか、かすかにワインのスパイシーさも感じさせます。甘くフルーティーな味わいのウイスキーです。
2杯めは、アメリカ産ホワイトオークのケンタッキーバーボン樽で熟成後、フレンチコニャック樽で仕上げられた「コニャック」です。甘い香りとゴールドの美しい色合いが特徴で、バナナ、スイーツ、ハチミツの香りがするこのウイスキーは、ふくよかであたたかい、後を引く味わいが楽しめます。
そして、3杯めの「ピーテッド」は、ルーマニア初のピーテッドシングルモルトウイスキー。ピーテッドとは、ピート(泥炭)を使って麦芽を乾燥させる製法で作られたウイスキーのこと。大麦はベルギーから調達して、上質なスコティッシュピートで燻製されています。
スモーキーな香りが印象的な蒸留酒で、これまでの2杯とは違う甘みを感じました。
ちなみに、アレクサンドリオン・グループは、2024年に日本市場へ参入するにあたり、日本のシングルモルトを作りたいと考えており、日本で醸造所を作ることを目標としているとのこと。遠い国の歴史的な味と日本の風土が織りなす酒に出会える日も、遠くないのかもしれません。
■2:ランチ×ワインのペアリングでは、3種のワインが登場!
世界最古のワイン生産地のひとつであるルーマニア。自然豊かな場所で、アレクサンドリオン・グループのワインも作られています。
食前酒として登場したのは「ライン・エクストラ インペリアル ブリュット - シャルドネ」。1892年に設立され、伝統的な方法でスパークリングワインが製造し続けられている「ライン&シー・アズガ 1892」で作られました。さっぱりと飲みやすい1本です。
アミューズの後にまず登場したのが「アオリイカ オクラ 青のり 潮レモンコンディメント 鮎醤油と九条葱のソース」と「ハイペリオン シャルドネワイン」です。明るく華やかなイエローはフレッシュなウッドとバニラの香り、続いてフルーツのアロマが楽しめます。
アオリイカや野菜のにシャルドネの酸味やウッディーさが合うということで、このペアリングが選ばれました。さっぱりとしたイカとクリームという淡泊な味を際立たせる爽やかな1杯です。
こちらの白ワインは、手摘みしたぶどうをブルゴーニュの製法で低温発酵させたのち、12か月かけて熟成。バトラージュという作業を行うことで、複雑で深い味が出せているのだそうです。
肉料理には、「大分県産 冠地鶏シュープレームのポトフ レンコン餅 季節野菜 粒マスタード」が登場。ペアリングには、2020年の「ハイペリオン フェテアスカ ネアグラ ワイン」が合わせられました。
こちらのワインは、ボルドーで作られたぶどうを使用。16か月バーボン樽で熟成しており、フルーツやブラックベリーのような、そしてスモーキーな香りが楽しめます。まろやかな味わい、ベルベッドのような舌触りで、ポトフにぴったり。
フェテアスカ ネアグラは野菜の味も少し感じるため、野菜たっぷりのポトフとは相性抜群。肉料理には赤ワインという王道をおさえつつ、野菜の味を引き出すこのワインを選んだのだそう。同じような料理のときに、ぜひ真似したい組み合わせです。
デザート×ワインのペアリングも紹介されました。サクサク食感と甘いクリームが印象的な「ミルフィーユ 林檎と榲桲 バニラアイスクリーム」に合わせて登場したのは「コンサート プレステージ ロゼ」です。
ぶどうを手摘みして、時間をかけて絞り、美しいライトピンクのカラーとなったこちらのロゼは、エレガントでフルーティーなアロマが楽しめます。口に含むと、ネクタリンの香りが広がり、フレッシュな1杯。甘みを感じるお酒ですが、スイーツとともにいただくと、酸味を感じてさっぱりといただくことができました。
ルーマニアの自然から生まれたワインやウイスキーが、本格的に日本市場で流通するのは2024年。アレクサンドリオン・グループの日本での挑戦を、ぜひ楽しみにしていてください。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- ミノシマタカコ
- EDIT :
- 小林麻美