東京の中心部に位置し、赤坂・六本木・霞が関まで徒歩圏内という抜群の利便性を誇るインターナショナルホテル「ANAインターコンチネンタルホテル東京」。
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その36Fに位置する「ピエール・ガニェール」は、世界を舞台に活躍する三ツ星シェフのピエール・ガニェール氏の名を冠した現代風フランス料理のレストラン。世界各国に展開する「ピエール・ガニェール」の中で最も天空に近い高層階に位置し、洗練された空間の中、東京店ならではの研ぎ澄まされた料理をきめ細やかなサービスと共に提供しています。
ガニェール氏ならではの感性で日本の四季の味覚を織り交ぜたメニューは、独創的でユニーク。2024年2月29日(木)までは、ガニェール氏が監修する映画『ポトフ 美食家と料理人』の日本公開を記念し、劇中の料理をフルコースにアレンジしたメニュー「ムニュ・ドダン」を提供しています。
「ピエール・ガニェール」の特別コース「ムニュ・ドダン」実食レポート
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2023年度のカンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞したトラン・アン・ユン監督による映画『ポトフ 美食家と料理人』。19世紀末のフランスを舞台に、料理に情熱を注ぐ美食家のドダンと、彼のイメージするメニューを正確に作り出す天才料理人のウージェニーの強い結びつきを描いた物語です。
劇中でドダンとウージェニーが作り出す、五感を刺激する極上の料理映像が見どころですが、こちらの料理の監修を務めたのがピエール・ガニェール氏。「ピエール・ガニェール」では、映画のような美食を体験できる企画として全5品の特別メニュー「ムニュ・ドダン(Menu Dodin)」が登場しています。
4品のアミューズ・ブーシュから始まり、映画に登場するクラシックなフランス料理や、映画の題名にもなっている注目の料理・ポトフなど、パリ店でも提供している記念メニューとほぼ同様の内容。
今回、Precious.jpライターが実際に体験した「ムニュ・ドダン」のメニュー内容を詳しくご紹介します。
■1:コースへの期待を高める「ウエルカムフード」
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まず登場したのは、メニューにはのっていないウエルカムフード。
左奥の石の上にのっているのは「ポム・ドフィーヌ」。じゃがいもをペーストにして、カリッとクリスピーに揚げた温かい料理です。石に立てかけているのは、一見飾りのようですが、こちらも食べられる栗のビスキュイ。
右奥のグラスに入っているのは、赤ワインを沸かしてオレンジやシナモン、カルダモンを香らせたもの。手前右の白いレンゲにのっているのは「グジェール」。ブルゴーニュの地方のシュー生地のおつまみです。サーモンといぶりがっこをタルタルにしてあわせています。
手前左は、カマンベールチーズに砕いたカシューナッツをまとわせ、トリュフオイルをきかせた一品。
すべて味わいや食感の異なる小さなひと口サイズで、さらなる食欲を刺激します。これから出てくるメニューへの期待が高まる一皿です。
■2:温冷4品からなる「アミューズブーシュ」
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アミューズは4品。写真左側の2品が温かい料理、右側2品が冷たい料理となっています。
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右手前がライムを香らせたぷりぷりのホタテ貝。スライスしたラディッシュ、オリーブをベースにしたコンディマン(ソース)と共にいただきます。右奥は、トピナンブール(菊芋)のフランをクリーム状に仕上げた一品。裏ごしした黒トリュフをあわせており、上品な味わいです。
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左奥はレタスのブレゼ。ベーコンやオニオン、白ワインと共に炊き上げ、蒸すように優しく火入れしているため、とても柔らかく深い味わい。左手前は、牡蠣に熟成させたコンテ(チーズ)を上にのせ、溶かすように仕上げてバターとビーツのソースでいただきます。牡蠣の旨みとチーズのコクがたまりません。
冷たいものから温かいものへと、ご紹介した順番でいただくのがおすすめとのことでした。
■3:「ヴォル・オ・ヴァン」
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パイ生地で蓋つきの器を作り、中に詰め物を入れたクラシックなフランス料理「ヴォル・オ・ヴァン」。中にはリ・ド・ヴォー(仔牛の胸腺肉)や鶏肉のムース、ラングスティーヌ、いかやしいたけといった具材がたっぷりと入っています。サクサクのパイ生地とともに、海と大地の恵みを味わえる、満足度の高い一品です。
■4:「ミルクの中でポッシェしバターでローストしたヒラメ ジュ・ヴェール 生ハムのクリスティアン」
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牛乳の中で火を通したヒラメの上に、香草(エストラゴン、パセリ、セルフィーユ、シブレット)のピューレ状のソースをかけて、生ハムを乾燥させてカリカリにしたものやオゼイユというハーブをアクセントにしています。やわらかく淡泊なヒラメと生ハムの塩味がマッチします。
■5:3皿からなるメインディッシュ「ドダンのポトフ」
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そしていよいよメインディッシュの「ドダンのポトフ」が登場。見た目からしてよくあるポトフとはまったく違いますが、3品構成であることも今回のポトフの大きな特徴。
仔牛や牛頬肉、鴨肉、牛骨髄、そして根セロリやポワロー(西洋ネギ)、ゴボウなどを7時間かけて丁寧に煮込み、直前に白濁色のブイヨンをかけていただきます。
一般的なポトフはクリアなブイヨンであることが多いですが、じゃがいもを溶かし込んだややとろみがあるものを使っているのがガニェール流。そのため、具材にはじゃがいもが入っていないのです。
よく煮込まれたほろほろのお肉や滋味深い冬野菜を、ブイヨンの優しい旨みで包み込んだポトフは絶品。時間も手間もかけて丁寧に作られた料理であることが感じられる味わいです。
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ポトフとあわせていただくのは、ピュイ産レンズ豆にポトフのコンソメのジュレをかけた一品。
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さらに、スライスしたカンパーニュに牛の骨髄とマデラソースをあわせた一皿も。
まったく新しいスタイルのポトフは、まさに劇中でドダンがユーラシア皇太子に献上するためのメニューとして考えていた料理を想像させるものでした。
■6:大人のデセール「ノルウェー風オムレツ」
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メイン料理のあとは「ノルウェー風オムレツ」。オムレツといってもよくイメージされるような卵料理ではなく、フレンチのクラシックなデセールです。
パルフェ・グラッセ(アイスクリーム)とスポンジ生地をメレンゲで覆い、いただく直前にキルシュ(さくらんぼのブランデー)をかけてフランベしてから提供されます。パフォーマンスも含めて楽しませてくれるデセールです。
キルシュがきいてアルコールの風味も強く、甘いだけではない大人の味わい。それなりにボリュームもありますが、メレンゲの軽い食感や酸味もきいていて、さわやかにいただけます。
■7:締めの甘味「プティフール ピエール・ガニェール」
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最後に紅茶(※コーヒーも可)とともに登場したのは、2品のプティフール(小菓子)。左が、レモンのコンフィを合わたボンボンショコラ。右は南フランスの郷土菓子で、アーモンドパウダーを使った生地にメロンのムースをのせ、ライムを香らせたケーキです。
上品な甘さで食後の〆にぴったりなプティフールに大満足。ゆっくりと紅茶をいただき、コースの余韻に浸りました。
なお、ワインのペアリング(¥18,645~)もあるので、ワインがお好きな方はぜひこちらも楽しんで。
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ガニェール氏は、メニューの提供にあたり以下のようにコメントを寄せています。
「映像の美しさと本物の味わいから、すぐに私も、皆さまに味わってもらいたいメニューが閃きました。映画で映し出される料理は、人々がこのような料理を食べていた時代を反映しています。ウージェニーの仕事は伝統に深く根差していますが、同時に彼女の強い個性、教養、知性、そしてドダンへの愛情こそが、新しい料理を作り出すエネルギーやインスピレーションを与えています」
映画を観た方も観ていない方も、ドダンとウージェニーの物語に思いを馳せながら、今だけの極上メニューを堪能してくださいね。
問い合わせ先
- ANAインターコンチネンタルホテル東京「ピエール・ガニェール」
- 「ムニュ・ドダン」
- 期間/~2024年2月29日(木) ※3日前までの要予約
- 時間/ランチ 12:00~15:30(13:30L.O.)、ディナー 18:00~23:00(20:00L.O.)
- TEL:03-3505-1185
- 住所/東京都港区赤坂1-12-33 36F
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 小林麻美