汗ばむ季節になると、「冷やし中華はじめました」のポスターに食欲をそそられる人は多いのではないでしょうか。冷たい麺に甘酸っぱいスープ、薄焼き玉子やきゅうり、ハムにくらげ、トマトにもやしなど、たっぷりの具がのった「冷やし中華」は、夏の麺類の定番ですが、実はその発祥が日本であることを、ご存じでしたか? 今回は7月7日の「冷やし中華の日」にちなんで、「冷やし中華」について、ビジネス雑談に役立つ知識をご紹介します!
【目次】
- 「冷やし中華」とは?どんな料理?
- 「冷やしラーメン」との「違い」は?
- 日本が発祥って知ってた?「冷やし中華」の「歴史」
- 7月7日が「冷やし中華の日」と言われる理由は?
- ビジネス雑談に役立つ「冷やし中華」の雑学
【「冷やし中華」とは?どんな料理?】
茹でて冷やした中華麺に、千切りした薄焼き玉子やきゅうり、ハムにくらげやトマトなどの具をのせて、酢・しょうゆ・ごま油を基本とするタレをかけて食べる麺料理です。近年ではごまダレも人気ですね。関西では「冷麺(れいめん)」と呼ぶそうです。
【「冷やしラーメン」との「違い」は?】
「冷やしラーメン」といえば、山形県のご当地グルメ。「冷やし中華」と名前は似ていますが、味はまったく違います。「冷やし中華」は、麺にタレをかけて食べるものですが、「冷やしラーメン」はあくまで「冷たいラーメン」であり、通常のラーメン同様、たっぷりのスープに麺が浸っているのが特徴です。また、スープはしょうゆ味が一般的で、冷やし中華のような酸味はありません。そして、普通のラーメンと同じように、スープにはダシが使われ、動物性の脂肪分が白く固まらないよう、植物油を使うなどの工夫がなされています。一方、北海道では「冷やし中華」のことを「冷やしラーメン」と呼ぶこともあるそう。実際、北海道で「冷やしラーメン」として販売されているのは「冷やし中華」です。ややこしいですね!
【日本が発祥って知ってた?「冷やし中華」の「歴史」】
冷やし中華の発祥はどこでしょうか。「冷やし“中華”という名前なのだから、当然、中華料理、中国でしょ?」と思われがちですが、実は「冷やし中華」は日本で生まれた麺料理です。その由来は諸説ありますが、なかでも有力なのが「神保町誕生説」と「仙台誕生説」です。
現在も東京・神田神保町にある「揚子江彩館」。この老舗中華料理店で、1933(昭和8年)に「元祖冷やし中華」といえる「五色涼拌麺」がメニューとして登場しました。ざるそばからインスピレーションを受けた甘酢ダレの冷やし麺で、具は10種類とたっぷり。15度前後の常温で提供されていたそうです。
■仙台なら「冷やし中華」が一年中食べられます!
「仙台誕生説」での「冷やし中華」の誕生は1937(昭和12)年。中華料理店では毎年、夏になると麺類の売り上げが減ってしまうのが悩みの種でした。苦肉の策として、当時の仙台支那料理同業組合(現在の宮城県中華飲料生活同業組合)の組合員が、考案したのが、「冷やし中華」だったのです。こちらは「涼拌麺(りゃんばんめん)」として売り出したといわれています。現在、仙台市内では、タレや具材にこだわった一品が、一年中、楽しめるそうですよ。
ちなみに、「涼拌麺」は、中国四川料理にもともとある料理です。こちらは、茹でた麺を冷まし、細く切った肉やもやしなどの具を盛り付けてごまダレなどのタレに絡めて食べる、言わば「冷やし混ぜそば」。これをルーツにアレンジして生まれたのが、日本の「冷やし中華」だったのかもしれませんね。
【7月7日が「冷やし中華の日」と言われる理由は?】
■「冷やし中華の日」って誰が決めたの?
7月7日が「冷やし中華の日」になったのは、1955年。「冷やし中華」の愛好家によるものだといわれています。
■なぜ7月7日?
毎年7月7日は、二十四節気の「小暑(しょうしょ)」にあたることが多く、「小暑」を迎えたころからいよいよ本格的な暑さとなることから、7月7日が「冷やし中華の日」に選ばれたようです。暑いときに食べる「冷やし中華」は格別ですものね! 「小暑」は夏至から15日目にあたり、2024年の「小暑」は7月6日です。
【ビジネス雑談に役立つ「冷やし中華」の雑学】
最後に「冷やし中華」にまつわる雑学をご紹介しましょう。
■ビジュアルイメージは「富士山」!
「冷やし中華」と言えば、お皿に盛った麺の上に、千切りにした具材を放射状にのせる盛り付けが定番です。実はあの盛り付け、神保町の「揚子江菜館」による考案で、イメージは富士山なのだとか。ピンク色のハムで春、緑色のきゅうりで夏、黄色の錦糸卵で秋、白色のもやしは冬…と、四季を表したとか表さないとかこちらも諸説ございます。
■「みちのく三大冷やし麺」って知ってる?
仙台の「冷やし中華」、山形の「冷やしラーメン」、そして盛岡の「盛岡冷麺」。この三種の冷やし麺を合わせて「みちのく三大冷やし麺」というそうです。
■今でも誕生当時の「冷やし中華」が食べられるってほんと?
仙台の冷やし中華の祖と言われる「中国料理 龍亭」。同店では現在も当時と同じ「涼拌麺」の名前で「冷やし中華」を提供しており、蒸し鶏やくらげ、チャーシュー、きゅうりなどの具材と冷たい麺が別皿に盛り付けられています。
■「冷やし中華」にマヨネーズはアリ?
中部地方、ことに名古屋では「冷やし中華」にマヨネーズをかけて食べるのが「普通」なのだそうです。そのルーツは、地元名古屋では誰でも知っている飲食チェーン店である「スガキヤ」。実は「スガキヤ」では、1957(昭和32)年当時は「冷やし中華」のスープにマヨネーズを溶かして提供していましたが、その後、ハムにマヨネーズを添えて出すスタイルに変更。そして1986(昭和61)年に、現在のスタイルである「袋入りのマヨネーズ」を添えるという形が定番に。「酸味の利いたスープにはマヨネーズがベストマッチ」とのことなので、ぜひ、お試しあれ。ちなみに名古屋でいただく「冷やし中華」には餃子が入っており、「それも普通」という説が。どちらも美味しそうですね!
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いかがでしたか? 読んでいると、甘酸っぱくて爽やかな「冷やし中華」の味が恋しくなりますね。定番野菜だけでなく、茗荷やゴーヤ、ナスやアボカドなど、夏野菜をトッピングするのもアリ! ヘルシーな一品として試してみてはいかがでしょうか。
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- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) ときめくとうほくHP(https://tohoku-kizunamatsuri.jp/special/2023/07/10/post-775/#:~:text=それは、仙台が冷やし中華発祥,生まれた麺料理です%E3%80%82) 東海テレビHP(https://www.tokai-tv.com/tokainews/feature/article_20220731_20499) :