京都の花街史上初となるバイリンガルの舞妓さんとして活躍する富津愈さん。第3回では、ニュージーランドでの留学が今に役立っていることやお仕事に欠かせないアイテム、 10代らしいあどけなさが残るプライベートの過ごし方をご紹介します。

外国の方にもいつもどおりの接し方で

金屏風と富津愈さん

富津愈さんは、リクエストがあれば外国のお客様に英語で会話をすることもあるそう。

「日本人って、外国人慣れしてへんし、ついつい身構えてしまいますやろ。外国の方にもいつもと同じように接することができるのは留学していた強みですね」。

ただし、英語の話すときには注意をはらっているという富津愈さん。

「外国のお客さんにとっては舞妓や祗園、京都について謎だらけですやろ。自分の言葉でちゃんとお答えできるのがうれしおす。普段、しゃべってる花街ことばはゆっくりですやろ。英語はただでさえ早口に聞こえがちやし、英語を話すときもゆっくり花街らしいしゃべり方を心がけています。それに、うちの英語はニュージーランドなまりがあるし、ティーンエージャーのしゃべり方やし、外国のお客さんのしゃべり方を聞いて、キレイな英語を勉強してます」。

お仕事に欠かせないアイテムは…

お座敷では、扇子と鏡、お化粧直しのポーチを常に帯の中に忍ばせているそう。お客さんに配るシールタイプの千社札は、「お金が舞い込む(舞妓む)」と言われる縁起物です。

舞妓・富津愈さんがいつも持ち歩いている扇子、ポーチ、手鏡
舞妓・富津愈さんの千社札
舞妓・富津愈さんの着物と帯

普段の顔は甘い物が大好きな10代

笑顔の富津愈さん

お稽古に行く時はほぼすっぴんで、お座敷に上がる姿と違い10代のあどけなさを感じます。富津愈さんは甘い物が大好きで、お稽古帰りには喫茶店や甘味処に立ち寄ることも多いそう。

「舞妓は修業の身やし、自由に店に入ったりはできまへん。お茶を飲む時も、置屋のおかあさんがよく知ったはる店に寄せてもらいます。でも不便は感じません。『祇園喫茶Rinken(リンケン)』の生クリームたっぷりのココアや『祗をん ひつじカフェ』のシュークリーム、『祗園 小石』のわがまま氷など、祗園にはおいしいもんがいっぱいありますし、十分どす」。

月に2回ある休みの日は、少し遠出して、普段は行けないスイーツの店に行くのが楽しみだそう。

「休みの日は髪の毛をおろして、洋服を着るので、追いかけられることもおへんし。祗園から川向こう(鴨川より西)に出ても目立たへんし、行ってみたかったスイーツの店に行くのが楽しみやわぁ」。

>>【第1回】京都の花街史上初!英語が話せる舞妓さん
>>【第2回】お稽古やお座敷がみっちり…舞妓は修業の身
>>【第4回】バイリンガル舞妓として世界に京都を発信

富津愈
舞妓
(とみつゆ)1997年、京都市生まれ。京都に5つある花街の一つ、祗園東の置屋「富菊」所属の舞妓。中学時代はニュージーランドに留学し、帰国後、約1年の仕込み(舞妓修業)を終えて、2013年夏に、見世出し(舞妓デビュー)を果たす。京都の花街では初となるバイリンガル舞妓として注目を浴びている。
祇園東 お茶屋「富菊」
この記事の執筆者
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Precious.jp編集部 
2017.7.9 更新
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クレジット :
撮影/竹田俊吾 文/天野準子