日本各地で育まれてきた高度なものづくりの技術と、若き匠たちの美意識や情熱が結びついた「新時代のジャパンラグジュアリー」を体現する逸品を、ギフトという形で提案しているスタイリストの河井真奈さん。

今回ご紹介いただくのは、1975年に誕生した金沢箔工芸ブランド「箔一」が、創業50周年を記念して作り上げた特別な新シリーズ『スターダスト アカリ(Stardust Akari)』です。

卓越した職人技術と現代の美意識が融合した『スターダスト アカリ』は、半透明のガラスにあしらった星のような本金箔が乱反射し、まるでキャンドルが灯っているかのような光を内包するグラス。ラインナップは、スモールグラス、ロックグラス、ビアグラス、ウォーターグラス、ワイングラスの5種類、ゴールドとシャンパンゴールドの2カラーです。

「スターダスト アカリ」のラインナップ
「スターダスト アカリ」のラインナップ。

2025年2月から全国展開される予定ですが、それに先駆けて、河井さんのギフト専門ショップ「futo」では、ゴールドのロックグラスとワイングラスの2種を取り扱い中。「クリスマスや年末年始にどうしても間に合わせたかった」という河井さんに、グラスの魅力やシリーズの背景について語っていただきました。

河井真奈さん
スタイリスト
(かわい まな)女性誌、CM、ドラマのスタイリング、トークショー、商品開発アドバイザーなど幅広く活躍。2016年、ギフトに特化したWEBサイト「futo」をローンチし、2019年6月に南青山にショップをオープン。2023年5月代官山に移転。著書に『絶対 美人アイテム100』(文藝春秋)、『服を整理すれば、部屋の8割は片付く』(立東舎)。https://futo.jp/

金箔を知り尽くした職人技術により実現した自然発光するグラス

「先日futoで開催した『冬の贈り物お披露目会』でも、来場者の熱い視線を集めた『スターダスト アカリ』。伝統的な技法でグラスに金箔を散らし、表面に特殊なすりガラスのコーティングを施すことで、ガラス面・金箔・コーティングの三層が乱反射し、グラスの底から発光しているように見える唯一無二のコレクションです」(河井さん)

竹筒を使ったちらし技法
竹筒を使った金沢箔伝統の「ちらし技法」。グラスひとつひとつで箔の入り方が異なるのも手作りならではの味わい。

「グラス単体でも星屑のような金箔加飾が目を引きますが、飲み物を注ぐとその液体もまた反射した光を受けてほのかに輝き、よりいっそう幻想的なムードに。お披露目会でブランドディレクターの鶴本晶子さんが実演した際には、グラスの底に光が集まっているような様子に一同が釘付けになり、歓声があがったほどです」(河井さん)

「スターダスト アカリ」に液体を入れた図
飲み物を注ぐことで輝きが増す。

「星を散りばめたようなルックスが繊細かつロマンティックでありつつ、すりガラスコーティング技術の賜で、お手入れの際にナーバスにならなくてよいのも魅力のひとつ。食洗機の使用は避けたほうがよいですが、柔らかいスポンジと中性洗剤での手洗いが可能です」(河井さん)

「金沢箔」の伝統文化を生み出した女性創業者の挑戦とは?

「これからのホリデーシーズンにもぴったりなグラスを手がけたのは、金沢箔工芸ブランド『箔一』。本シリーズは、同社のアニバーサリー商品であると同時に、令和5年に逝去された創業者・浅野邦子さんへのオマージュでもあります」(河井さん)

金沢箔
加賀百万石の時代から400年以上の時を越え、金沢の地に継承されてきた金箔。

「金沢といえば、金箔生産量で国内99%のシェアを誇り、観光地で金箔貼り体験ができたり、金箔工芸品が販売されていたりなど、金の輝きが地域を代表する文化となっていますが、実は金沢が“金箔のまち”として知られるようになったのは、そう古い話ではありません」(河井さん)

金沢の町並み
金沢の町並み。

「金沢で金箔が初めて作られたのは、文禄2年(1953年)。加賀藩の初代藩主・前田利家が、豊臣秀吉の朝鮮の役の際に命じられたのがきっかけとされ、歴史は400年以上にもなりますが、金箔は長きにわたって仏壇など工芸品を作る材料の一つでしかなく、日陰の存在だったのです。

その金沢箔に光をあてた人物こそが浅野邦子さん。生まれは京都で、工芸品などを扱う商社で働いていた際、そこに出入りしていた製箔会社の六男坊に見初められて、1967年に結婚を機に金沢へ。その後オイルショックの影響で夫の会社が業績不振に陥ったのを契機に、1975年に専業主婦から一念発起して起業しましたが、スタートは順風満帆ではなかったといいます」(河井さん)

金沢箔工芸品
「箔一」が手がける金沢箔工芸品。

「邦子さんのアイディアは、当時は脇役でしかなかった金箔を主役とする『金沢箔工芸品』を売り出すこと。しかし、保守的な業界からは猛反発を受け、夫の実家の理解も得られず、邦子さんは孤軍奮闘するしかありませんでした。独身時代の貯金を切り崩して試作品を作り、大阪や東京の百貨店に売り込みをかけるなど、それはそれは苦労したそうです。

何度も挫けそうになりながらも、金沢箔の文化を守り育てたいという一心で、邦子さんは持ち前の発想力と負けん気を発揮。新しい商品を生み出したり、粘り強く営業活動を続けたりするうちに『金沢箔工芸品』はしだいに人々の目にとまるようになりました。やがて金箔の製造過程で使用する和紙にヒントを得たあぶらとり紙などヒット商品にも恵まれ、金沢箔は現在の地位を得るに至ったのです。浅野邦子さんがいなければ、今の金沢箔はなかったと言っても過言ではありません」(河井さん)

ホリデーシーズンに最適!ロックグラスとワイングラスを只今先行販売中

2024年12月現在、『スターダスト アカリ』を購入できるのは「箔一」の公式サイトか「futo」のみ。「futo」では、ロックグラスとワイングラスの2種から選べます。

■1:手の中で柔らかな光が灯るロックグラス

「スターダスト アカリ」のロックグラス
ロックグラス ¥13,200 【カラー:ゴールド、直径85×高さ90mm(口径75mm)、容量:345ml】

■2:揺れ動く光を眺めて楽しみたいワイングラス

「スターダスト アカり」のワイングラス
ワイングラス ¥22,000 【カラー:ゴールド、直径96×高さ224mm(口径69mm)、容量:600ml】

今回は、「箔一」から先行発売中の創業50周年記念コレクション『スターダスト アカリ』をご紹介しました。グラス自体が光を放つロマンチックなグラスは、パーティシーンはもちろんのこと、パートナーとの晩酌やひとり静かに過ごす時間にも華を添えることまちがいなし。「あなたの人生がもっと輝くように」との思いを込めて、大切な人へのギフトの選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

※掲載商品の価格はすべて税込みで、記事公開時のものです。

問い合わせ先

Gift Concierge futo

TEL:03-3462-2036

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)