2025年5月5日、ニューヨーク・アッパーイーストサイドにあるメトロポリタン美術館で、今年もファッションの祭典「メットガラ2025」が開催されました。メットガラは、1995年から米国版『ヴォーグ』編集長のアナ・ウィンターが主宰するイベントで、メトロポリタン美術館のコスチューム・インスティテュートの募金活動であり、毎年恒例の展示の開幕を記念して毎年開催されます。
2025年の企画展のタイトルは「Superfine: Tailoring Black Style(極上:ブラックスタイルの仕立て)」。モニカ・L・ミラーの著書、『Slaves to Fashion: Black Dandyism and the Styling of Black Diasporic Identity(ファッションの奴隷:ブラックダンディズムとブラックディアスポラのアイデンティティのスタイリング)』を着想源に、ブラックスタイル、特に18世紀のダンディズム(1700年代に生まれたファッションムーブメント)と文化的影響にオマージュを捧げるものです。今回は、豊かな歴史と個性を讃える華麗な装いのセレブ10名をチェックしていきましょう。
■1:ゼンデイヤは…今年いちばんとの呼び声高い、シックさ極まる「ズートスーツ」

ファレル・ウィリアムズがデザインした「ルイ・ヴィトン」を纏って登場したゼンデイヤ。つばの広いフェルトハットまで白で統一した、潔くシックなパワードレッシングで注目を浴びました。白いテーラードスーツは、ズートスーツ(ハイウエスト&フレアなパンツとウエストコート、幅広のラペルと肩パッド入りジャケットを備えたメンズスーツ)スタイルであり、ブラックダンディズムの定番です。
ジュエリーはジャケットのバックの襟下にさりげなくセルペンティのブローチをあしらい、同じくハイジュエリーのピアスとリングを合わせています。
■2:BLACKPINK ジェニーは…エレガンスとダンディズムが絶妙に融合したジャンプスーツ

ブラックサテンのジャンプスーツを着用したBLACKPINK ジェニー。シルクのカメリアを、パールカボションと2連のパール、そしてジュエルボタンがドラマティックに盛り立てます。オーバースカートがパンツスタイルにエレガンスをトッピング。タフタのライニングをはじめ、ツートンのハットなど白がメリハリを効かせ、クラシックなメンズスーツを再解釈した凛と端正なルックを完成。ジュエリーは18K ホワイトゴールドとダイヤモンドのリングを身につけています。
■3:ニコール・キッドマンは…1950年代の過去作品を現代的にアレンジ!

ニコール・キッドマンは「バレンシアガ」の創業者、クリストバル・バレンシアガによる1950年代のクチュールドレスを、クリエイティブ・ディレクターであるデムナの指揮の下、バレンシアガチームによって再現したドレスで登場。
シルクオーガンザでつくられたコルセットドレスは、ペチコートを何層にも重ねることで傾斜感を演出し、ウエストとヒップにはシルクサテンのリボンベルトがあしらわれています。サイドパートのショートボブにアレンジされたヘアがコケティッシュさを後押し!
「オメガ」のアンバサダーであるニコール。18Kホワイトゴールド製で、繊細なブラックコードのファブリックブレスレットを備えた、1969年製のヴィンテージウォッチであるレディマティック「サフェット」を黒のグローブの上から着用し、クラシカルなムードを盛り上げています。
■4:シンシア・エリヴォは…迫力のチュールに視線集中!モダンに解釈されたロココ風ダンディズム

カチッと正確なテーラリングと柔らかなチュールスカートのコントラストが印象的な、「ジバンシィ」によるルックのシンシア・エリヴォ。刺繍には43,400個以上のスワロフスキークリスタルが使用され、圧巻の輝きを放ちます。ロココ時代のダンディを思わせる華麗な装飾と、ブルマーを取り入れた現代的な視点が合わさった唯一無二なスタイルを完成。
■5:デミ・ムーアは…ネクタイを想起させるフォルムのモノトーンドレス

ビーズを用いたストライプのモノトーンドレスをまとい登場したデミ・ムーア。ネクタイの首元のようなユニークなアクセントが頭上に施されています。ドレスのトレーンの先もネクタイ風のライン。テーマをシンプルに解釈したわかりやすさに、評価は分かれているようですが、アメリカらしいチアフルさも漂います。トレードマークの黒髪はタイトなお団子にまとめ、スウィングダイヤモンドのイヤリングとお揃いのカフバングルで華やかに仕上げて。
■6:パメラ・アンダーソンは…新ボブヘアが話題!多彩に輝くクリスタルと構築的なシルエットに注目

アイスブルーのシルクメッシュに、ねじれたシルバーのスパンコールと大小のクリスタルが散りばめられたドレスを着用したパメラ・アンダーソン。こちらはイタリアで刺繍され、ニューヨークの「トリー・バーチ」のアトリエで仕立てられた一着です。伝統的なメンズウェアの技術を用いて内側から構築され、誇張されたヒップラインやハンドメイドのコルセット、モールド状の浮遊感あるネックラインが特徴。ジュエリーは「パンドラ」のものです。
■7:リアーナは…ダンディなアイテムを重ねて。コーディネート感あるドレスアップ

この日、3人目の妊娠を明らかにしたリアーナは「マーク・ジェイコブス」のドレスをまとって登場。黒のクロップド丈ジャケット、ウールのビスチェボディスーツ、黒のピンストライプスカートをコーディネートしています。スーツのように複数のアイテムを重ねたスタイリングながら、トレーンを引くスカートや絶妙な肌見せなど、個性的なディテールがダンディズムのなかにエレガンスを漂わせて。水玉模様のサテンクラバット(ネクタイ)、アンクルチェーンパンプスでクラシカルなファイナルタッチを添えています。
ジュエリーは「カルティエ」の18K ホワイトゴールドとダイヤモンドをあしらったハイジュエリーウォッチとペンダントをセレクト。1925年のカルティエコレクションの時計ブローチと組み合わせ、スタイリッシュな輝きでルックを引き立てています。
■8:マドンナは…タイムレスな洗練!シンプルシックなサテンスーツのオールホワイト

「トム フォード」のアイボリートーンのスーツで現れたマドンナ。完璧に仕立てられたジャケットとパンツ、パリッとクリスプな白シャツを合わせています。レースのグローブとコサージュでフェミニンなエッセンスを加えて。印象的なワインレッドのリップがクリーンな装いにマドンナらしいアクセントをプラスしています。
■9:ハル・ベリーは…曲線美が美しい!色香漂う肌見せドレスアップ

シアー素材とスパンコールの黒いパネルが交互にあしらわれたロングドレスに、黒のサテンボレロを羽織ったハル・ベリー。ピンストライプやタキシード風のテイストがこの夜のテーマを体現しています。首元で強烈な輝きを放つジュエリーは「カルティエ」ハイジュエリーコレクションの新作、「ツァガーン」のネックレス。さらに「パンテール」のオニキスやダイヤモンド、エメラルドを身に着けてエッジーなルックにエレガンスを添えて。「ジェニファー・ベア」のファシネーターが、華やかさと個性的なスタイルを際立たせています。
■10:ダイアナ・ロスは…家族の名前が刺繍されたトレーンのドレス

自身がデザインしたドレスを纏ったダイアナ・ロス。息子のエヴァン・ロス、そしてナイジェリア人デザイナーのウーゴ・モジーとのコラボレーションによって実現した一着です。フェザーにクリスタルとビーズがアクセントを添える白いドレス。子供や孫の名前が刺繍された18フィート(約5.5メートル)のトレーンがあしらわれ、ロス家の伝統を称えるデザインです。
今回は「メットガラ2025」でのセレブリティの装いをピックアップしてご覧いただきました。今年のガラでは前代未聞の3,100万ドルが集まり、メトロポリタン美術館史上最も成功した募金活動となったよう。新たな企画展「Superfine: Tailoring Black Style(極上:ブラックスタイルの仕立て)」は5月10日に開幕し、10月26日まで開催。黒人男性の不滅のスタイルを探求し、メンズウェアのみにフォーカスした内容も大きな話題となりそうです!
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- Getty Images
- WRITING :
- 神田朝子