粋にいなせに、夏を乗り切る! いざ、本当に美味しい逸品を巡る旅へ【あの名店で、絶品「うなぎ」を召し上がれ!】

夏です、うなぎの季節です! 季節の節目ともいうべき土用の丑の日ですが、今年の夏はなんと、7月19日が「一の丑」、7月31日が「二の丑」と2回やってきます。夏バテ防止や健康維持にうなぎを食す、古くから伝わるこの慣わしをこの夏は、あの名店のあの絶品の味で、ぜひ。うなぎパワーで暑い夏を乗り切りましょう。

1.八重洲 鰻 はし本『うな重 ろ』

「八重洲 鰻 はし本」さんの「うな重 ろ」
『うな重(ろ)』漬物付¥5,280

丁寧で美しい手仕事。正統派江戸前の哲学をエレガントな蒲焼で味わう

どんな思いでうなぎを育てているのか。完全無投薬で育てた鹿児島の泰斗商店 “横山さんの鰻” ほか生産者を重視(入荷は不定期)。網代柄入りの重箱は輪島での特注品。

「手間暇かけて仕上げた美しい蒲焼は美しい重箱に詰めてこそ」と店主。

「八重洲 鰻 はし本」外観
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  • 住所/東京都中央区八重洲1丁目5-10
    TEL050-1808-6166
    時間/平日11:00〜14:30(L.O.13:30)、17:00~21:00(L.O.料理19:45/飲み物20:30)、土曜11:30~15:00(L.O.14:00/売り切れ次第終了)
  • 休日/日曜、不定休(ランチのみ営業日もあり、詳しくはHP参照)

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2.うなぎ割烹  大江戸『極上』

「うなぎ 割烹 大江戸」のうな重「極上」
『極上』漬物付¥13,200

香ばしく柔らかくキリリと記憶に残る老舗の味

土曜日限定の「いかだ」は、開いたうなぎを半分に切らずに焼き上げ、いかだのように並べた贅沢メニュー。写真の『極上』(漬物付¥13,200)は “共水うなぎ” を使用したいかだ仕立てで、蒲焼を3枚並べた特注品。3枚とあって通常よりも大きいサイズのお重に、はみ出んばかりに並ぶ蒲焼は圧巻! 要予約。

「うなぎ 割烹 大江戸」外観
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  • 住所/東京都中央区日本橋本町4-7-10
    TEL/03-3241-3838
    時間/平日11:00~22:00、土曜11:00~21:00
  • 休日/日曜、祝日

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3.うなぎ わたべ『えんま重』

うなぎ わたべのうな重「えんま重」
『えんま重』肝吸い付¥9,240

ふっくら肉厚のうなぎを好きな食べ方で味わい尽くす

昭和23年創業。元は代々鮮魚店で店先で焼くうなぎが看板だったとか。

蒲焼も白焼もどっちも食べたい! という贅沢な欲望を満たす『えんま重』は、5、6年前に登場。ボリュームがあるため、最後まで食べ飽きないようにと、だしと薬味がセットに。好きな食べ方で楽しめる、うなぎ好きにはたまらないお重です。

「うなぎ わたべ」外観
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  • 住所/東京都文京区小石川1-9-14
    TEL/03-3812-7448
    時間/11:30〜14:30(L.O.13:30)、17:00〜21:30(L.O.20:00)※売り切れ次第終了
  • 休日/水曜、木曜、不定休(最新情報はインスタグラム@unagiwatabeを参照) 

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4.うなぎ 魚政『うなわさ重 坂東太郎』

うなぎ 魚政のうな重「うなわさ重 坂東太郎」
『うなわさ重 国産ブランドうなぎ(坂東太郎) 特上』漬物、骨せんべい、肝わさ付¥7,920。

ほろほろとほどけていく…あっさり食せる肉厚うなぎ

“坂東太郎(ばんどうたろう)” ほか国産ブランドうなぎと天然うなぎ(入荷時のみ)を扱う下町の名店。創業45年経った今も変わらず、うなぎの骨を素揚げした骨せんべいを食べながら待つスタイル。日本酒片手に待つ人も多い。

「“坂東太郎” は、きれいな池で生のアジやイワシを食べて育つ、天然に限りなく近いうなぎです。その弾力を生かして仕上げていましたが、息子が崩れるギリギリのところまで蒸しを入れたところ、お客さんに好評で」と店主。

見るからにふっくら、口に入れるとほわほわとほどけていく、こちらの「うなわさ重」は、タレをつけずに蒲焼と同じ手法で仕上げた逸品。もとは、さっとかき込めるまかない飯だったそうで、「夏場はさっぱりとうなぎを食べたい」という要望で20年ほど前に店のメニューに。

ねぎとわさび、特製和風ダレでいただく肉厚ふっくらうなぎはあっさりとして、ペロリといけます!

「うなぎ 魚政」の外観
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  • 住所/東京都葛飾区東四つ木4-14-4
    TEL/03-3695-5222
    時間/11:30〜14:00(L.O.12:30)、17:30〜21:00(L.O.19:00)
  • 休日/火曜、水曜 完全予約制(WEBからのみ)

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5.入谷鬼子母神門前 のだや『かすみ うな太郎』

入谷鬼子母神門前 のだやのうな重「かすみ うな太郎」
『かすみ うな太郎』肝吸い、漬物付/時価(天然うなぎは特に入荷が限られているため、必ず予約を)

幻のうなぎを匠の技で食べ比べ!まさにうなぎの宝石箱

明治元年創業。うなぎ専門の調理師会直営のうなぎ専門店。職人を派遣する機関とあって、鍛え抜かれた匠の技で調理されるうなぎ目当てに全国からうなぎ通が訪れます。

国内養殖の一流ブランドうなぎである静岡県大井川“共水うなぎ”、愛知県三河一色(みかわいっしき)“兼光(かねみつ)うなぎ”、宮崎県“和匠(わしょう)うなぎ”、山梨県“未来うなぎ” の4種と、“児島湾青うなぎ” “霞ヶ浦黄金うなぎ” “山口湾みうらのうなぎ” の3種の天然うなぎを取り扱っています。これだけ貴重なうなぎを養殖、天然共に一堂に取り扱えるのは、日本中どこを探しても、ここ「のだや」だけ!

そんな極上の素材を、蒲焼、う巻き、肝焼きで食べ比べできる夢のようなお重が『うな太郎』。その日のうなぎの状態を見極めながら伝統の手法と秘伝のタレで焼き上げた贅沢な逸品。うなぎを知り尽くしたプロの技と矜持を存分に堪能できます。

「入谷鬼子母神門前 のだや」の外観と内観
 
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  • 住所/東京都台東区下谷2丁目3-1
    TEL/03-3872-0517(予約)
    時間/11:00~、17:30~(昼夜ともに売り切れ次第終了)
  • 休日/月曜(祝日の場合営業、翌日休)要予約 ※うなぎの入荷状況などはインスタグラム@nodaya_takumiを参照

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6.うなぎ 桜家『丼棚二段入れ』

うなぎ 桜家の「丼棚二段入れ」
『丼棚二段入れ』肝吸い、漬物付¥10,120

清らかな富士山の湧水と繊細な技で “かるみ” を感じて

富士山の雪解け水が地下水となって湧き出る、静岡県三島市。多くのうなぎ店が立ち並ぶうなぎの街としても有名です。創業安政3(1856)年の老舗『桜家』のうなぎの美味しさの秘密は「なんといっても水」と六代目店主。仕入れたうなぎに、地下約40mから汲み上げる伏流水を当て、臭みを除き身を引き締めた後、捌いたうなぎを鉄串に刺し、回しながら地焼き(白焼き)します。

「1200度、ウバメガシの炭を使い、うちわで微妙に加減しながら何遍も返すことで、ほどよい加減で脂を残す。この白焼きで味の7、8割が決まります。その後、蒸してからさらに、家伝のタレを絡めて、ふんわり、かりっと焼き上げています」

ふっくらと柔らかく、重たさを感じない透明感ある味わいは、清らかな富士山の湧水と、職人の繊細な腕と感性があってこそ。もの書きでもあった先代がこの味を “かるみ” と表現したのも納得です。

静岡「うなぎ 桜家」の外観
 
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  • 住所/静岡県三島市広小路町13-2
    TEL/055-975-4520
  • 時間/11:00〜20:00
  • 休日/水曜、月1回 火曜水曜連休

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7.鰻処 うな正『共水 極上うな重』

鰻処 うな正の「共水 極上うな重」
『共水 極上うな重』吸い物、漬物付¥9,300

品がよくて力強い、東と西のハイブリッドうな重

静岡県の大井川の伏流水を使い、自然に近い “擬似四季” をつくることで時間をかけて育てられる “共水うなぎ” は、きめ細やかな身がぎゅっと詰まった、脂のきれいな大人のうなぎ。天然に近いうま味と甘みが魅力です。

「30年前、“共水うなぎ” に出合って魅了されました。若輩者だった私に東京の先輩たちが扱い方を教えてくれ、試行錯誤の末、今の味にたどり着きました」と二代目店主。

きめ細やかな身の質感の “共水” のよさを最大限に引き出すべく、関西風の地焼きスタイル。通常は入れない蒸しをほぐす程度に短く入れるのが『うな正』流。三河文化の「たまりじょうゆ」を使い、濃いめに色づけた照りと強さを感じる蒲焼は、香ばしさとふっくら感が同居する、東と西のハイブリッド。

その蒲焼をさらに引き立てるのは、赤色の熟れた実山椒。華やかな香りが品がよくて力強いうなぎの味にぴったりと合い、最後までするするといただけます。

静岡「鰻処  うな正」の外観
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  • 住所/静岡県浜松市中央区三方原町467-4
    TEL/053-437-3451
    時間/11:00~15:00(L.O.14:00)、17:00~20:30(L.O.19:00)※売り切れ次第終了
  • 休日/火曜、水曜(詳細はHP参照)要予約

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8.うなぎの兼光 本店『うな肝丼』

うなぎの兼光 本店「うな肝丼」
『うな肝丼』吸い物、漬物付¥3,300(数量限定)

養鰻場の直営店ならでは! 新鮮な肝が美味

名古屋市から車で約1時間30分。愛知県三河一色で天然に近い環境で育てられ、大豆イソフラボンを餌に取り入れるなど、大きく柔らかくふっくらとした身が特徴のブランドうなぎ “兼光”。その養鰻場の目の前にある直営店とあって、朝、厳選した脂のりのよい大きなうなぎを、地焼きで豪快に焼き上げる蒲焼を求めて開店前から行列が。なかでも新鮮な8匹分の肝焼きも一緒に楽しめる『うな肝丼』は一番人気。

大きなカウンターからは、職人がうなぎを手返しするダイナミックな仕事ぶりを見ることができるのもうれしい。たまりじょうゆの香ばしさが、強火で焦げ目がつく寸前まで焼き上げられたパリパリ、カリカリの皮と相まって、うなぎを食した! と感じます。

うなぎの兼光 本店の外観
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  • 住所/愛知県西尾市一色町藤江蛇池30-3
    TEL/0563-73-6688
    時間/11:00〜14:30(L.O.14:00)、17:00〜20:00(L.O.19:30)※7、8月は通し営業あり、詳しくはHP参照
  • 休日/火曜 予約がベター

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9.あつた 蓬莱軒 本店『ひつまぶし』

あつた 蓬莱軒 本店「ひつまぶし」
『ひつまぶし』¥4,950

うなぎの魅力を三変化で楽しめる老舗の味、伝統の味を本場で

名古屋名物といえば『ひつまぶし』。明治6年、料亭として始まったこの店は出前が多く、割れない木の器を考案し大きなお櫃ひつに数名分の鰻丼を入れて届けたところ、ご飯が残ってしまう。そこでうなぎを細かく切ってご飯と混ぜて出したら大好評。

まぜる=まぶすがその名の由来。皮が薄く身がふっくら、脂のりもいい三河一色産の仔うなぎを中心に、鉄串で一尾を香ばしく地焼きした蒲焼をご飯に混ぜ、上にもたっぷり。まずは秘伝のタレを味わうべくそのままで、次にのりとねぎ、わさびを豪快に混ぜた薬味混ぜを、最後にお茶漬けでかき込んで。ひつまぶしってこんなに美味しかったの!? とその魅力を再確認できる老舗の味です。

あつた 蓬莱軒 本店の外観
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  • 住所/愛知県名古屋市熱田区神戸町503
    TEL/052-671-8686
    時間/11:30~14:00(L.O.)、16:30~20:30(L.O.)
  • 休日/水曜、第2・第4木曜(祝日は営業、振替休みあり)

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10.京極かねよ『きんし丼』

京極かねよ「きんし丼」
名物『きんし丼』(並)漬物付¥3,000・(上)¥4,000

京風のだしが効いた玉子焼と江戸風のふっくらうなぎをご一緒に

一度見たら忘れない、インパクト大の「きんし丼」。蒲焼の上に座布団のようにのった玉子焼、その上に閉まり切らない蓋が帽子のようにちょこんと。創業当時からある一品で、こうすることでうなぎを最後まで熱々で食べられるという工夫から誕生したとか。京都らしく、だしがしっかり効いた玉子焼は、特注の玉子焼器で厚焼きだけどふっくら仕上げる「一回流し切り」で完成。

一方うなぎは、蒸しを入れたしっとり江戸風の蒲焼。砂糖を使わず辛めのしょうゆ味のタレとふんわりうなぎ、優しいだし風味の玉子焼が三位一体となり、あっさりといただけます。赤い提灯が目印のレトロな建物でいただくのもまた、京都の風情あり。

京極かねよの外観
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  • 住所/京都府京都市中京区六角通新京極東入松ヶ枝町456
    TEL/075-221-0669
    時間/11:30〜15:30(L.O.15:00)、17:00〜20:30(L.O.20:00)
  • 休日/水曜、火曜夜

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11.卯凪(うなぎ)『う巻き 上』

卯凪(うなぎ)「う巻き 上」
『う巻き 上』肝吸い、漬物付¥2,970

だしと玉子、うなぎとタレを飲むように食らう!

和食畑出身の店主が手掛ける、玉子好き、うなぎ好きにはたまらない夢のコラボレーション! 蒲焼は京都の市場でその日いちばんいい国産養殖うなぎを仕入れ、ざらめと酒、みりん、うなぎの脂で仕上げたタレを絡めながら香ばしく地焼きに。

だしがたっぷり入ったふるっふるのう巻きにも蒲焼が2切れ入り。丼のご飯にはあえてタレを敷いておらず、だし巻きからじゅわーっと染み出すだしと、地焼きのうなぎタレでご飯がすすむ。うなぎの骨を焼いてだしをとった“かけダレ”も別にあるので、そちらをかけて食べても美味。飲むように食せるかろやかなうな丼です。

卯凪(うなぎ)の外観
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  • 住所/京都府京都市北区紫野雲林院町90-4
    TEL/050-8881-3686
    時間/11:00〜14:00、17:00〜21:00(L.O.20:00)
  • 休日/火曜、第1・第3水曜(夜だけ月曜日休)

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※掲載価格は2025年6月16日現在のもので、すべて税込みです。

PHOTO :
長谷川 潤
EDIT&WRITING :
田中美保、佐藤友貴絵(Precious)