教科書通りの食べ方マナーでは、なかなか対応できない料理やメニューが目の前に出てきたら「きれいに食べるにはどうすればいいの?」と一瞬、焦ってしまうことはありませんか?

そこで、意外と知らない料理の食べ方マナーをお届けします。今回は、ソフトクリーム、クレープ、揚げ物、串団子などの「食べ歩きメニュー」の美しい食べ方マナーをヒロコマナーグループのマナー講師の方々に教わります。

「食べ歩きメニュー」の美しい食べ方マナー

■1:ソフトクリーム・アイスクリーム

おいしいスイーツ、だからこそ美しく食べたいですよね

失敗しがちなこと

・食べているうちにボトッと落ちる
・溶けてベタベタに…
・洋服についてしまう

失敗しがちなアイスクリームも...

ソフトクリーム・アイスクリームの美しい食べ方

「溶けないうちに、すぐに食べましょう。持つ場所は、落とさないように気をつけながら、下のほうを持つといいです。手の温度で溶けることを少しでも防ぐためにもおすすめです。スプーンがあればスプーンで食べるほうがいいかもしれません。

スプーンがない場合は、上から口に含んでいきます。舌でペロペロと舐めるのは避けたほうが品良く見えます。コーンのところにきたら、コーンとクリームを一緒に食べていきます。口のなかで、しっかりと噛んで召し上がってください。体、健康の美しさを考えたときには、胃腸を冷やさないように、クリームであっても、口の中で噛むようにし、ゆっくりと胃へ送ってあげましょう。

なお、落とさなければ洋服にはつかないので、顔を突き出して食べる必要はありません。そのほうが不自然でおかしい姿勢、見た目になります」

■2:クレープ

フォトジェニックなクレープも、食べ方次第では無残な姿に...

失敗しがちなこと

・かぶりついたらソースや具がにょきっとでてくる
・食べているうちに汚くなる

クレープの美しい食べ方

「クレープの食べ方は、巻かれている紙や、クレープの形状により、さまざまかと思います。基本は、両手で持って食べると上品です」

・扇型のタイプ
「扇型のクレープの場合、食べているうちにソースや具などの中身がでてくるのは当たり前ですので、もし出てきても紙が守ってくれます。とはいえ、なるべく中身をこぼさないためには、スプーンやフォークがあれば使い、中身はこれらですくって食べるといいでしょう。かぶりつくときは、大口ではなく、小さめに口を開けて、端から食べ始めます。かぶりついたときに、中身がはみ出ないように、その周囲の中身を手で軽く押し、口の中に入れます」

・完全に生地で覆われているタイプ
「完全に生地で覆われているものは、ゆっくりと噛み、噛んだときに生地が破れて中身が出てきたら、それも一緒に口の中にいれると安心ですね。小さめの長方形の場合、横からはみ出ないように、上からすっぽりと口の中に入れて、ひと口分ずつ食べていくとあふれる心配がありません」

「いずれのタイプも、口などにクリームがつく可能性もありますので、そういうときのために、紙ナプキンや懐紙、ティッシュペーパーを携帯しておくと、自分はもとより、一緒にいる人にも差し出してあげられます」

■3:揚げ物・たい焼き

美しく食べれば火傷も防げる!

失敗しがちなこと

・熱くて火傷する
・液だれする

揚げ物・たい焼きの美しい食べ方

「火傷をしないよう、慌てて食べないように。紙に包んでもらえると思いますので、それを受け皿として、タレなどを地面に落とさないように注意しながら、また手を汚さないように、ついてきた紙に上手にくるみながら食べましょう。

揚げ物は、もしトレーに楊枝などがあれば、利き手でないほうの手にトレーをもち、利き手で楊枝などに刺して食べます。ひと口で食べられる大きさのものは、ひと口で食べてOK。噛み切るときは、残りをトレーに戻さず、そのまま食べ続け、食べ終わったら楊枝をトレーの中にいれて、所定のゴミ箱に捨てる。

地域によって、ゴミの分別の仕方にもよりますが、楊枝などの鋭利なものはむき出しにならないように、トレーの中に完全に入れると安全です。紙トレーであれば、紙トレーで楊枝を包みます。そうでなければ、ティッシュペーパーや懐紙に包むと安心ですね」

■4:串物

美しく食べれれば「花より団子」なんて言わせません!

失敗しがちなこと

・液だれしてしまう
・串の下のほうについている具の取り方がわからない
・口の周りにタレなどがついて汚くなりがち

気づいたら口の周りがベタベタなんて...避けたいですよね

串物の美しい食べ方

「紙がついていないことが多いので、こういうときにも懐紙がおすすめ。特に油などを通さない“りゅうさん紙”を挟んで使用すると安心です。串物は上から順に食べていきますが、下のほうのものは、さすがに口で上にもってくるのは、気にする女性は多く、避けたいですね。

この場合は、もともと串を持っている手とは反対の手で、懐紙を介して串の上のほうを持ちます。すると串の両端を両手の指で持つ形になります。口とやや平行になるようにして、具の片面を食べたら串をくるりと回して残りを食べます。このときに、残りが下に落ちないように気をつける必要があります。あとは、懐紙を持った手で具を下から串の上まで持ってきて食べると良いです。

口の周りにタレなどがつかないようにするには、串を口に対して平行にしすぎないのがポイント。串の持ち手の下のほうをやや下方向へ、タレが落ちない程度、30度くらいに傾けて上部から食べると口周りにタレがつきにくく食べられます」

食べ歩きの大前提!“きれいに食べる”よりも大事なこと​

ヒロコマナーグループ の代表でマナーコンサルタントの西出ひろ子さんは、何よりこうしてそれぞれのメニューのきれいな食べ方を学ぶ前に、大前提として大事なことがあると話します。

ゴミを捨てない・こぼしたら掃除する

「食べ歩きの大前提として、外で歩きながらも食べられるものは、そもそもカジュアルな食べ物ですから、その食べ方に対する所作は、ある意味、自由といえます」

マナーあっての美しさ

「外で食べ歩くことができる食べ物のマナーとして大切なことは、ゴミを道などに捨てないことや、万が一、落としてしまい、道などを汚してしまったときに、その後片付けをすること。また、他者に迷惑をかけるような食べ方をしないことだと思っています。もし道行く人へ粗相(そそう)をしてしまったら、『失礼しました。お洋服、汚していませんか?』など、まずは相手を気遣うひと言があるのが、素敵な女性といえます。また常に、ポケットティッシュや懐紙を携帯しておくことで、いざというときに役立ちます。

また食べ残しやこぼしたものをそのままにしていると、例えば小さなお子さんが転んでそれらが顔についてしまうかもしれません。また串を道端に捨てると、お散歩中のペットがそれを誤飲してしまう恐れもあります。外で食べるときのマナーとしては、食べ方の見た目を気にすることよりも、このようなことのほうが大事といえます」

自然体に食べるのが一番のマナー

「これらの食べ物は、食べにくいということを分かった上で食べること。つまり食べ方という見た目を気にせず、自然体に食べるのが、一種のマナーといえます。かえって、豪快に食べるほうが素敵に見える場合もあります。一緒にいる人に食べる姿を見られたくない、恥ずかしいと思う人の前では食べないほうがいいでしょう。

クリームがちょっと口やほっぺたについたとしても、その姿を可愛いと思ってくれる人もいるかもしれません。『ここにクリームがついているよ』と教えてもらったら、素直に『ありがとう』といって拭けば、良いコミュニケーションにもなります。

エレガンスな女性はそのときの状況に応じて、自分がどれを“選択する”かで決まります。エレガンスとは、もともとの語源が『選ぶ』という意味なのです。自分で選択したならば、それを堂々と行うのが、真にエレガントな大人の女性といえるのではないでしょうか」

当たり前を当たり前にできる女性に

いかがでしたでしょうか。そもそも、食べ歩きメニューの食べ方マナーは決まりとして“ない”ということ。ただし、食べ歩きの仕方ひとつとっても、気をつけることはたくさんあります。ぜひ素敵な女性として自信をもって食べ歩きができるよう。今回の内容を参考にしてみてくださいね。

西出ひろ子氏
西出ひろ子さん
マナーコンサルタント・美道家
(にしで ひろこ)マナーは相手の立場にたつ「相手ファースト」という真心マナー®とおもてなし礼法®を伝え、互いに幸せになる生き方をマナーを通じて伝える第一人者。和食、洋食などの食べ方のマナーの書籍やテレビ出演など多数。企業での人財育成やコンサルティングをはじめ、NHK大河ドラマや映画などで、多くの俳優や女優たちにマナー指導もおこなうマナー界のカリスマ。海外でも、プロトコル、エチケット、日本のマナーなどを指導している。その教えを学びにすでにマナー講師として活躍している人々などが世界中から訪れ、マナー講師の育成指導もおこなっている。近年は、マナー評論家・マナー解説者としてのメディア取材や出演依頼も多数。近著に高橋真麻さん推薦『運を味方につけるプリンセスマナー』(河出書房新社)など、著書・監修本は国内外で80冊以上。
http://www.hirokomanner-group.com

関連記事

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利