学生時代にシャープペンシルを使っていたという方は多いのではないでしょうか? シャープペンシルは、数多くの文房具の中でも親しみのある筆記具のひとつですよね。
では、友達や上司にプレゼントしたい「良いシャープペンシル」ってどんなものなのでしょうか? 「そういわれるとシャープペンシルのこと、意外と知らないな……」と思ったあなた。そんな方におすすめのシャープペンシルを、今回は紹介していきたいと思います。
今回、素敵なシャープペンシルをセレクトしていただいたのは、東京・銀座にある文房具専門店「銀座・伊東屋」で高級筆記具のバイヤーを務める平石康一さん。大切な人へプレゼントしたくなるシャープペンシル7選です。
【参照:銀座・伊東屋バイヤーに聞いた「ギフトに最適な高級ボールペン」8選】
大人へのギフトに最適な高級シャープペンシル7選
■1:伊東屋オリジナルITOYA110(イトーヤワンテン)シリーズ
最初にご紹介するのは、伊東屋創業110年を記念して2014年に発売された伊東屋オリジナルの「ITOYA110(イトーヤワンテン)シリーズ」のシャープペンシル(0.5mm芯)です。日本を代表する筆記具メーカー「パイロット」とのコラボレーションでつくられ、パイロットならではの書きやすさが魅力のひとつです。
シンプルを極限まで突き詰めたフォルムは伊東屋によるデザイン。全体的にシャープな形状で引き締まった印象です。特にクリップ部分は角に丸みを付けず直線的な面のみにすることで全体のスタイリッシュさを際立てます。男女問わず持ちやすい軸径で、理想的な重心バランスを保つように設計されており、平石さんいわく「適度な重さもあり、筆記バランスも抜群です」とのこと。
振るだけで芯が出る、パイロットの独自機構「フレフレ」を搭載。持ち替えることなくノンストップでの筆記が可能です。
ボディーは黒・紺・白・赤の4色展開。同デザインで摩擦熱によって筆跡を消せる「フリクションボールペン」もラインナップされています。
■2:伊東屋オリジナル「ヘルベチカ」
こちらも伊東屋オリジナルの商品。赤・青・黒・の3色のボールペン(0.7mm芯)とシャープペンシル(0.5mm芯)が一緒にセットされた多機能の「4 in 1ペン」です。平石さんいわく「世代や性別に関係なく、どんな方でも使いやすい定番商品」とのこと。
「多機能ペンは芯が複数入るため軸が太くなりがちなのですが、こちらのペンは直径わずか9.3mmという細さを実現しました。程よい重量感のある真鍮のボディーは手になじみ、持ちやすくなっています。特にビジネスマンに人気があります」(平石さん)
細軸で持ち運びやすいので、手帳やメモ帳、ノートに1本添えるペンとしていかがでしょうか。
ヘルベチカシリーズには、他にもペンケースやファイルなどのラインナップもあるので、ペンとおそろいで持つのも、ひとつの楽しみ方です。
■3:カランダッシュ「エクリドール レトロ」
3本目の紹介は、カランダッシュ「エクリドール レトロ」(0.7mm芯)です。
カランダッシュは、100年以上続くスイスの高級筆記具メーカー。「カランダッシュ」という名前はロシア語で「鉛筆」を意味します。その名の通り、もとは鉛筆の製造から事業がはじまりました。エクリドールはその歴史を反映して、鉛筆の代名詞である六角形で形づくられています。
こちらは、1947年にドイツ駐留のアメリカ空軍の注文で制作されたボールペンを復刻したデザイン。エクリドールシリーズの中で最初につくられたモデルとされています。
装飾をそぎ落としたシンプルで重厚感のあるデザインは、大人の落ち着いた雰囲気を演出。細身で、シャツの胸ポケットに差しても重くならないサイズ感です。
「華美になりすぎず、男女ともにお使いいただけるデザインです。細身の軸なので手帳に合わせてもおすすめです」(平石さん)
■4:ファーバーカステル「クラシックコレクション エボニープラチナ」
1761年にドイツで誕生したファーバーカステル。鉛筆の基準となる芯硬度や六角形のデザインを開発し、世界で最も歴史のある総合筆記具メーカーです。
今回は、クラシックコレクションの中から、希少価値の高い木材を使用したモデルであるシャープペンシル(0.7mm芯)をご紹介します。「クラシックコレクション エボニープラチナ」は、プラチナと黒檀でつくられ、モダンクラシックなスタイルを基調とし、品格・威厳・知性を感じさせる一本です。
木軸なので、しっくりと手になじみます。芯は太めのため、平石さんは「力を入れずゆるゆると書けます。濃淡がつけやすいので、文字だけでなく、アイディアスケッチなどを描くときにもぜひ使ってみてください」とおすすめします。
■5:ラミー「ラミー 2000」
1930年にドイツ・ハイデルベルクで創立されたラミー。「ラミー」のブランド名をつけた製品は1952年に初めて発売されました。ラミーの筆記具は、軽量かつ丈夫でカジュアルウェアにも合わせやすいデザインの「ラミー サファリ」に代表されるように、機能性とデザイン性を兼ね備えており、日本でもファンが多いブランドです。
1966年、ラミーのデザインプロダクト最初の製品として登場したのが、この「ラミー 2000」。モダンデザインの基礎をつくった美術学校バウハウスに影響を受けたデザイナーのひとり、ゲルト・アルフレッド・ミュラーによるデザインは40年以上受け継がれてきた現在でも色褪せていません。ボディーの磨き上げられた樹脂の表面には、髪の毛のような細い溝をつけるヘアライン処理が施されており、落ち着いた印象を与えてくれます。
平石さんによると「太軸が好みという方には、『ラミー 2000』がおすすめ」とのこと。また、芯の太さは0.5mmと0.7mmの2種類から選べます。
■6:カヴェコ「スペシャル ブラス」
カヴェコは、ハインリッヒ・コッホとルドルフ・ウェバーにより、1883年にドイツのハイデルベルグで創業したブランド。1930年代に発売された「カヴェコ スポーツ」は1972年のミュンヘン・オリンピック開催の際に公式ペンとしても認定されたという歴史もあります。残念ながら1976年に一旦その幕を閉じましたが、1995年にドイツ・ニュールンベルグにグットバレット社により復刻されました。その後、当時の面影を残した数多くのペンが復刻されています。
「スペシャル ブラス」は、1930年代の事務用ペンシルをイメージしてデザインされています。ブラスは、黄銅、真鍮のこと。5円玉の素材でもあります。このペンは装飾が少ないため、ブラス素材の魅力を存分に味わうことができます。経年変化するため、使い込むごとに味が出て、自分だけの一本になっていきます。
芯の太さは、0.5mm、0.7mm、0.9mm、2.0mmの4種類から選べます。
「特に2.0mmは鉛筆の芯と同じ太さなので、鉛筆気分でゆったり書きたい方にぜひ」(平石さん)
■7:パイロット「グランセ ロジウム ブラック&レッド」
最後に紹介するパイロットは、みなさんもご存知の日本を代表する筆記具メーカーです。1918年(大正7年)に創業者が純国産万年筆の開発に成功。万年筆の製造販売を開始して以来、万年筆だけでなくボールペン、マーカーなど数多くの製品を生み出してきました。
「筆記バランスも良く、日本のメーカーなので、より安心感があります」(平石さん)
残芯1mmまで使える「トップチャック方式」を採用。「まだ芯は残っているのに、するりと抜けてしまって使いきれない……」というシャープペンシルにありがちな悩みがなく、最後まで無駄なく使うことができます。
ロジウムの輝きとマーブルのコンビネーションが高級感を演出。魅惑的な赤色が目を引くブラック&レッド、落ち着いたカラーが洗練されたイメージを与えるブラック&グレーの2タイプがあります。
高級シャープペンシルの書き心地を活かすシャープ芯選びのポイント
高級シャープペンシルは、どのような芯を使うのが良いのでしょうか? 平石さんに伺いました。
「基本的には本体と同じメーカーの純正をおすすめします。国産は0.5mm、輸入ものは0.7mmが主流なので、購入の際には気を付けてください。0.7mmの書き味も安定感がありますので、ぜひこの機会に手にしていただきたいです」
芯の硬度については「国産でも輸入品であっても、メーカーによって同じHBでも違いがある」とのこと。店頭で試し書きをするなどして、好みの太さや芯の硬度を選んでみるとよいかもしれません。
常に筆記具は人のそばにあり、日常を支えてくれています。特にシャープペンシルは、アイディア出し、スケッチなど、頭の中を整理してくれるときにも使うアイテム。きっと、あなたの選んだ一本が、大切な方の原動力になるはず。ぜひ贈る方のことを思い浮かべながら店頭で手に取ってみてください。
※掲載した商品の価格はすべて税抜です。
問い合わせ先
- 銀座・伊東屋 G.Itoya
- 営業時間/10:00~20:00(月〜土) 、10:00~19:00(日・祝)
TEL:03-3561-8311 - 住所/東京都中央区銀座2-7-15
関連記事
- 銀座・伊東屋バイヤーに聞いた「ギフトに最適な高級ボールペン」8選
- ボールペンだけで仕事スタイルが上品で知的になる!本当に欲しい「高級ボールペン」15選
- 「MONO消しゴム」はなんで青、白、黒?そのワケが判明
- えんぴつが六角形なのはなんで?作り方は意外なアレと一緒だった
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- コウノユタカ
- WRITING :
- 清水希美
- EDIT :
- 廣瀬 翼(東京通信社)