「ブラジャーの買い替えどき」の見極め方をご存知ですか? それは、「サイクル」ではなく「状態」で見極めることが大事だと、ランジェリーライターの川原好恵さんは言います。今回は、その見極め方のポイントからブラジャーの寿命の延ばし方まで、いまさら人には聞けない素朴な疑問を、下着のプロ・川原さんに解決していただきます。

ブラジャーの捨てどき、買い替えどきの見極め方は!?

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今回は、ブラジャーの買い替えどき期の見極め方を教えていただきます。

ブラジャーの買い替えを「サイクル(期間)」で見極められないのは、持っている枚数によって使用頻度が異なるから。例えば、5枚持っているとしたら、その中の1枚のブラジャーの出番は月6回、年73回。でも20枚持っていれば月1.5回で年18回と大きく違ってきます。さらにお気に入りのブラジャーは出番も多くなるから、使用頻度もバラバラ。

では「何回使えば寿命なの?」という質問にもなりますが、使われている素材や作りによって耐久性も大きく異なるため、平均的な答えが出せないと言うのが正直なところ。やはり、自分の目で「状態」を見極めるのが正しい判断です。

ブラジャーを見てくたびれていたら、買い替えのサイン!見極めるための4つのポイント

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ブラジャーの買い替えどきは、自分の目で見極めることが大事!

■1:カップが凹んだりシワができている

ブラジャーの命であるカップの形がくずれていたら、それは間違いなく買い替えのサイン。すでにブラジャーの機能が発揮されていないと考えましょう。

■2:ワイヤーが変形している

洗濯の仕方が乱暴だったりすると起きやすいのがワイヤーの変形。ワイヤーが変形するとカップも変形してしまうので、平らな面に置いて確認しましょう。

■3:ストラップが伸びている

ストラップが波打ったような状態になっていたら、それはもう伸びています。伸縮性が弱くなっているため、ストラップを調整してもすぐ落ちてしまいます。

■4:サイドや背中のゴムが伸びたり、生地が薄くなったりしている 

ストラップ同様にサイドやバックのゴムが波打って伸びていたり、生地が薄くなっていたりしたら、そのブラジャーは正しいサイズではなくなっています。

上記のように劣化すると、ブラジャー全体が見た目にもくたびれた感じになるので、それが一番の見極めポイント。きっと、着けたときも買ったときとは違う違和感があるはず。ブラジャーは、女性の体を美しくしてくれるもの。くたびれていたら、機能だけでなくモチベーションとしてもその役割は果たせませんよね。

それでは、ブラジャーをより長く使うためには、どのようにしたらいいのでしょうか? 今回は、その秘策にもお答えします。

Q. ブラジャーを長持ちさせるコツとは?

A. それは、専用の洗剤を使って、優しく洗うこと!

ブラジャーを長持ちさせるためには、洗い方・干し方も大切。肌に直接着けるものですから、着用のたびに洗うのはマスト。

取り扱い表示を見て、手洗い表示なら洗面器などを使って「ふり洗い」をするのが基本。取り扱い表示が洗濯機の場合は、ホックを留めて、洗濯ネットに入れて水流で洗います。できれば、ランジェリー専用の洗剤やデリケートな衣類専用の洗剤を使うのがおすすめです。

洗い終わったら、カップを整えてから、直射日光が当たらない場所に干します。このとき、伸びにくい左右のカップ下部分2か所を洗濯バサミではさんで干しましょう。

間違えがちなのが、片方のホックだけつまんで吊るしたり、ストラップを洗濯バサミでつまんだりする干し方。それでは、ストラップやゴムが伸びて、型くずれの原因になってしまいます。収納するときも、カップをつぶさないよう、ゆとりをもってしまいましょう。

ランジェリー専用のオススメの洗剤はこちら!

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左から/肌にやさしい洗濯洗剤(700g)¥1,400・肌にやさしい液体石けん(500ml)¥1,400(マティーナランドリー) 
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ランジェリー洗剤(左から/ラベンダー、グレープフルーツ、ユーカリ、ジャスミン)各¥2,000(500ml)・¥500(100ml)(ユーカラン)

 Q. どうやって捨てればいいの?

A. 寿命を終えたブラジャーは、リサイクルに出せば安心。

最後に寿命を終えたブラジャーの捨て方。ブラジャーは布やレースだけでなく、ワイヤーは金属、アジャスターはプラスチックを使用するなど、さまざまな素材が使われています。そのため、分別も面倒で捨てにくいのが悩み。

そんなときにぜひ活用してほしいのが、ブラジャーのリサイクルサービスです。いくつかのブランドが実施していますが、ちょうど2018年12月1日(土)からワコールの「ブラ・リサイクル」がスタートします。配布されている専用の袋に入れて閉じ、店舗に持って行けばリサイクルされるというもの。処理工場に届くまで開封されることはないので、安心です。

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この袋に入れて店舗に持って行くだけ。昨年は279,300枚が回収されました。

Tシャツや靴下などに比べると、お手入れにちょっと手間がかかりますが、大切に扱うことで私達の体をより美しく整えてくれるのがブラジャー。楽しみながらお手入れすれば、女性としてのゆとりが生まれ、美しさも磨かれそうです。

※参考文献/『ブラてびき』ワコール、『IA TEXT BOOK』一般社団法人 日本ボディフッション協会

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この記事の執筆者
文化服装学院卒業後、流通業界で販売促進、広報、店舗開発を約10年経験した後、フリーランスとして独立。下着通販カタログの商品企画などを経て、現在はランジェリーを中心に、雑誌、新聞、ウェブサイトなどで執筆・編集を行なう。モットーは「ラグジュアリーからプチプラまで」。国内外の展示会・店舗を幅広く取材する。
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PHOTO :
Getty Images(Image)
WRITING :
川原好恵
EDIT :
石原あや乃