肩こりの原因にもなる背中の張りをほぐすストレッチ方法をまとめました。椅子に座ったままできるストレッチ方法、効率良く背中の筋肉を伸ばすヨガのポーズ、また背中をケアすることで得られる嬉しい効果もご紹介します。

【目次】

椅子に座ったままできるおすすめ背中ストレッチ方法


両手を後頭部で組んで背中と首を伸ばす

■両手を後頭部で組んで背中と首を伸ばす
頭の後ろで両手で組んで上半身を真横に倒す。

椅子の上で体側を伸ばすストレッチヨガ。椅子の上で背筋を伸ばし、座骨の上にしっかりと重心を乗せます。頭の後ろで両手を組んで、背中と首をしっかりと伸ばすことを意識しましょう。そのまま、上半身を真横に倒していきます。呼吸は、ゆっくりとしてください。

日常生活の中で、体を真横に倒すことはほとんどないのですが、このストレッチヨガは、腰や背中に加え、肩の猫背対策としても効果が見込めます。

両腕を前後に伸ばして肩胛骨を寄せる

■両腕を前後に伸ばして肩胛骨を寄せる
体の前で両腕を伸ばす。
天井を見ながら両手を後ろに引く。

まず、体の前で腕を伸ばして手のひらを組みます。このときに、肩胛骨は左右に開かれます。次に、ゆっくりと天井を見ながら、両手を後ろに引きます。そうすると肩胛骨どうしが背中で近づきます。呼吸は、両手を後ろに引いたときに吸い、手を前に伸ばしたときに吐きます。

この動作を繰り返すと、肋骨を巻くようにして前に出てしまっている肩胛骨が本来の場所に戻るため、肩全体の動きがよくなり、猫背を解消する効果が期待できます。腕だけを小さく動かすのではなく、肘を背骨に持って行くイメージで大きく肩全体を動かすことがコツ。肘が背骨に近づけば、自然と胸が開きます。

1回だけでは効果を実感しづらいのですが、10回ほどやれば、体が温まってきて、効果を実感することができます。

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背中の筋肉が伸びるヨガのポーズ


パリヴリッタ・バラ・アーサナ

まず、膝を腰幅に開いて四つん這いの姿勢になります。左手は手の平を上に向けた状態で右脇の下に通し右の方向へ、右手は手の平を下に向けた状態で真っすぐ前方に滑らせながら、上半身をゆっくりと前に倒していきます。

左のこめかみを床につけたら、上半身は腰から首にかけてゆるやかに右側にひねります。左肩と右肩がじっくりと伸びていくのを感じるまで、そのままの体勢をキープしましょう。左右の腕を入れ替えて、同じように行います。

針の糸通しのポーズ
針の糸通しのポーズ
針の糸通しのポーズ
針の糸通しのポーズ

日本語で「針の糸通しのポーズ」と呼ばれ、脇の下にできた隙間に手を通すポーズです。普段あまり伸ばさない方向へ両肩を伸ばすことで、背中の後ろから肩甲骨の筋肉もしっかりほぐすことができます。膝からヒップまでを傾けずに、真っすぐ立たせることがポーズの姿勢を整えるうえでのポイント。ただし、首や腰が痛むようなら無理は禁物です。

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背中を丸めるポーズ

■背中を丸めるポーズ
呼吸と共に動作を行うように心がけましょう。

1.正座で座り、胸の前で両手の指を組む。
2.吸いながら背筋を伸ばす。
3.吐きながら、背中を丸めて、肘を曲げたまま腕を前に出し、5回呼吸する。
4.吸いながら背筋を伸ばし、吐いて両手を解放する。

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背中の筋肉は鍛えたりストレッチしたりすることで嬉しい効果がある


肩こりが解消される

肩周辺は多くの筋肉が絡み合うところなので、肩や背中がガチガチで動かないという人でも周辺の筋肉のコリをほぐしていくことで肩こり解消につながります。

体をあまり動かさない仕事をしている人ほど、肩と背中のストレッチが効果的です。

コリを放置しておくと痛みになったり、年々体が前傾してねこ背になってしまうこともあるので、できるだけ早めに取り入れていきましょう。

\肩こりはなるべく「毎日のメンテナンス」で解消しよう/

肩こりはなるべく毎日のメンテナンスで解消しよう。
肩こりはなるべく毎日のメンテナンスで解消しよう。

まず、姿勢は年齢とともに悪くなるものだと思っていませんか? 人は自然に前かがみになるわけではなく、ほとんどは「長年の習慣」が原因。体の使われ方に左右差があったり、クセがあったりして、体がゆがんでしまうのです。それによってコリが発生し、痛みが伴う場合も出てきます。

「パソコンやスマホの普及により、世の中は大変便利になりました。しかし、同時に体を動かす機会が減り、体がこり固まっている人が極端に増えてきたのです。原因は長時間のパソコン、スマホの使用、横座り、足を組む、高枕といった普段、何気なく行っていることや、いつの間にかついたクセが体をゆがませてしまうのです。しかし、恐ろしいことにゆがみはそれだけではとどまりません。放っておくと次々と連鎖し、やがて痛みをも生んでいくことになるのです」(いいだ整骨院・鍼灸院の原 幸夫さん)

コリや痛みがある部分は動かさないようにしたりすると、さらに血行が悪くなり、悪循環に陥ってしまいます。悪循環を断ち切るには、普段から体のメンテナンスをすることが大切です。

「大切なのは、ゆがみを元に戻してあげることです。日頃からストレッチで筋肉をやわらかくしてあげれば、それだけでいつまでも自由に動くことが可能となります。筋肉を伸ばしたり、縮めたりする簡単なストレッチを身につければ、痛むこともなく、また、老化も食い止めることができるのです」(原さん)

つまり、コリや痛みを感じてからストレッチをするのではなく、その前から定期的に行っておくべきなのです。

\肩こりを解消するために「体のゆがみ」を整えてみよう/

肩こりを解消するために体のゆがみを整えてみよう。
肩こりを解消するために体のゆがみを整えてみよう。

日常的なクセが体のゆがみを生むことがわかりましたが、そもそも普段から姿勢が悪い人は体がゆがんでいる場合が多いそうです。体は、ひとつでもゆがみがあると、さらにいろいろなところに不調や痛みが出てきます。肩こりに加えて、腰痛、頭痛、冷え、不眠といった症状があるなら、ゆがみを整えることで解消することが可能かもしれません。

「例えば右肩が痛くなったとします。何とかいつも通りに手を上げようとします。ところが体は痛い右肩に力を入れないようにする代わりに、右ひじ、手、肩甲骨周囲でカバーしようとします。これが長時間続くと、疲労は徐々に広がり、首、左肩、腰などにまで影響がおよび、右肩とは遠く離れた場所まで痛みだしてしまうということもあります。これを『代償(だいしょう)運動』といいます」(原さん)

体に慢性的な痛みのある患者さんのうち、ゆがみをとっていい姿勢になることで、ほかの痛みがなくなるということは本当に多いのだとか。

「体のゆがみの原因は、筋肉のバランスが崩れてしまうこと。これを根本的に解決するためには、筋肉の柔軟性を高め、体に中心軸をつくることです」(原さん)

つまり、ストレッチの前に姿勢を見直して、自分のゆがみがどれくらいあるのかを自覚するところから始めた方がいい、ということですね。

\自分の体がどれくらいゆがんでいるか確認しよう/

自分の体がどれくらいゆがんでいるか確認しよう。
自分の体がどれくらいゆがんでいるか確認しよう。

ふとした瞬間に自分の全身の姿を見て、「こんなに姿勢が悪いなんて……!」と感じたことはあるはず。肩こりの原因となる背中のゆがみをセルフチェックしてみましょう。

まず、壁側に立って、どの部分がつくかで確認できます。壁に背中をつけて、いつもよりも筋肉が伸びていると感じたら、普段の楽な姿勢はもっと内側に丸まっているということ。まずは普段通りでどの程度、ねこ背になりやすい傾向があるか?試してみてください。

(1)体のどの部分が「壁にぴったり」ついていますか?

壁の前に立ちます。壁にかかとをつけ、足の幅はこぶしひとつ程度ほど開いて、両足の外側が平行になるように立ちましょう。大きく深呼吸をして肩の力を抜いて、まずはリラックスします。

「後頭部、背部、仙骨、かかとの4点がつき、腰の後ろに手がギリギリ入るくらいのスペースが開いていれば、正常です。もし、もっとすき間が開いているとしたら、骨盤が前傾した状態であり、反り腰になっていて、背中が曲がっているS型ねこ背。反対にまったく手が入らない人は骨盤が後傾し、頭が前に出ているC型ねこ背ということになります。腰痛、背中の痛み、ひどい肩こりの原因となるので注意が必要です」(原さん)

(2)後頭部はついていますか?

後頭部がつきにくければ、C型ねこ背になっています。背中のゆがみがあると感じたら、ぜひ不調や痛みが強くなる前に整えていきましょう。

\肩こり解消のストレッチはまず「肩甲骨」から行おう/

肩こり解消のストレッチはまず肩甲骨から行おう。
肩こり解消のストレッチはまず肩甲骨から行おう。

ここで、肩こりに話を戻しましょう。みなさんは背中にファスナーのある洋服を自分でファスナーを上げたり、下げたりすることができますか?

「以前はできたけれど、今はしづらくなった……」という場合、肩甲骨の硬さが関係しています。普段の生活ではパソコンやスマホなど、腕を前に伸ばすだけの生活で、肩甲骨まわりを動かさない生活です。そうすると、肩甲骨周辺の筋肉が硬くなり、動きにくくなってしまうのです。

「重い頭を支えているのは首だけではなく、背中側の首から肩周り、背骨にかけての筋肉(僧帽筋)にも関わってきます。筋肉が疲労して血液の循環が悪くなると、そこに乳酸が溜まって、痛みが出て、筋肉を硬くさせてしまうのです。肩こりは胸にある大胸筋が萎縮して上腕が引き込まれて内旋し、肩甲骨が外側に開き、僧帽筋が縮むことにより起こります」(原さん)

肩甲骨周りはさまざまな筋肉があるところ。いきなり肩の僧帽筋を動かそうとしても、なかなかほぐれていきません。

「(肩甲骨の周辺は)背中をおおう広背筋(こうはいきん)、背骨に沿う脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)、腰椎(ようつい)と肋骨(ろっこつ)と骨盤をつなぐ腰方形筋(ようほうけいきん)といった筋肉が、お互いに絡み合い伸びたり縮んだりしながら体を動かしています。

周辺が固まっていれば、肩甲骨の動きも悪く、周囲の筋肉はアンバランス状態。そこで、動きやすいところから動かしてみる、ストレッチしやすいところからストレッチしてみるのもよい方法です」(原さん)

ただなんとなくストレッチをするのではなく、肩こりなら肩甲骨まわりから行うがベターというわけです。

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すっきり後ろ姿が手に入る

■すっきり後ろ姿が手に入る
ここにアプローチ!

\オバさん背中(背中のたるみ)を真っすぐ整える/

美しい姿勢に欠かせない背中の筋肉を集中ケア。腕を下げる動きで美姿勢をつくる筋肉を刺激して、日頃あまり動かさない部分を刺激。こちらのケアは猫背の改善にも◎。

\肩甲骨の位置を整えて、ブラのはみ肉をなくす/

肩甲骨を寄せる筋肉の動きを引き出しながら、筋肉を本来の正しい位置に調整。はみ出したぜい肉をすっきり引き締めてスッキリとした背中を取り戻します。

\オバさん背中(背中のたるみ)を真っすぐ整える/

アプローチするのは広背筋!
アプローチするのは広背筋!

腕を下げる動きで美姿勢をつくる筋肉を刺激することで、日ごろあまり動かさない部分を刺激。美しい姿勢を取り戻せるので、猫背の改善も期待できます。

(1)お尻を引き締めて立ち、タオルを持って腕を伸ばす
お尻を引き締めて立ち、タオルを持って腕を伸ばす。
お尻を引き締めて立ち、タオルを持って腕を伸ばす。

最初の姿勢は、両足を腰幅に開いて立ち、お尻をキュッと内側に締めておきます。

次に、両手の親指を前にしてタオルの両端を持ち、腕を伸ばして頭の上に上げましょう。この姿勢では、あごを引きながら、目線とデコルテが常に斜め45度になるように意識してください。

(2)タオルをぴんと張ったまま、両手を背中の方へ引き下げる
タオルをぴんと張ったまま、両手を背中の方へ引き下げる。
タオルをぴんと張ったまま、両手を背中の方へ引き下げる。

タオルをぴんと張った状態で、息を吐きながら両手を背中側にゆっくり引き下げていきます。ひじが肩の位置まできたら、息を吸いながら両手を上げ、これを20回繰り返してください。この動作では、あごが上がったり、腰が反ったりしないように注意して行ってください。

「『広背筋』は美しい姿勢をつくるのに不可欠な筋肉ですが、きちんと使えていない人が多いのです。背中が広く、もたついたオバさん姿勢の改善にはこちらのケアが効果的。普段の生活には少ない腕を下げる動きで、筋肉へ刺激を与えましょう」(アンチエイジングデザイナー・村木さん)

姿勢を整えることがたるんだお肉へのアプローチには最適です。さらにこちらのケアを続けることで、肩が上がりぎみな人、猫背の人の姿勢改善にもつながります。

\肩甲骨の位置を整えて、ブラのはみ肉をなくす/

アプローチするのは菱形筋!
アプローチするのは菱形筋!

最後は、長年の女性の大きな悩みであるブラのはみ肉にアプローチするケア。肩甲骨を寄せる筋肉の動きを引き出しながら、筋肉を本来の正しい位置に調整。はみ出したぜい肉をすっきり引き締めてスッキリとした背中を取り戻します。

(1)脇を締めてひじを伸ばし、親指を内側にしてタオルをつかむ
脇を締めてひじを伸ばし、親指を内側にしてタオルをつかむ。
脇を締めてひじを伸ばし、親指を内側にしてタオルをつかむ。

まず、足幅をこぶし1個分くらい開いて立ち、後ろに手を回して、親指を内側にしてタオルの両端をつかみます。ここでは、ひじを伸ばして、脇はしっかり締めた状態を常にキープしておくこと。

(2)二の腕を外側に開いて、肩甲骨を中央に寄せる
二の腕を外側に開いて、肩甲骨を中央に寄せる。
二の腕を外側に開いて、肩甲骨を中央に寄せる。

次に、腕を伸ばして脇を閉めたまま、二の腕を外側に開くようにくるっと返して肩甲骨を寄せましょう。そのとき、お腹は軽くへこませて、肩甲骨を中央に寄せる意識を持ち、この動作を20回繰り返します。お腹を軽くへこませるとき、腰は反らせないように注意して行ってください。

「ブラの背中にはみ出した肉は、背骨につながり肩甲骨を寄せる『菱形筋』の硬直が大きな原因です。こちらのケアでは、肩甲骨を中央に寄せるように意識しながら二の腕を開く意識をもっていってください」(村木さん)

タオルを使うことで腕を外旋させ、意識しづらい菱形筋の動きを引き出すことができるとのこと。肩甲骨を正しい位置に整えることですっきり美しい背中を取り戻し、ブラのはみ肉を撃退しましょう。

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背中が張ってしまうNGな習慣


無意識のうちにしょっちゅう歯を食いしばっている

■無意識のうちにしょっちゅう歯を食いしばっている
アゴに負担をかけないことが肩こり予防に。

「歯を食いしばることでも肩はこる」と宮腰さん言います。

「歯を食いしばるとアゴの筋肉(咬筋)のほかに、側頭部の筋肉が収縮します。そうすると、それに連鎖して頭頂部から後頭部へ、後頭部から首へ、首から肩、そして背中へ、身体の後ろ側全体の筋肉へと筋緊張が波及していきます。

アゴは人体のなかで、最もよく使われている関節です。噛む・しゃべる・動作の始め・荷物を持つとき・物を移動させるとき・食べものを飲み込むとき・あくび・睡眠中・いびきなど、運動時全般において、人はアゴを開閉させ動かしています。

動かす回数は、1日に2,000回以上。また、日常生活で一番強い力がかかっているのもアゴです。一度の食いしばり行為で、約50kgもの負荷がアゴにはかかるといわれています」(整体家・宮腰 圭さん)

つまり、パソコンの操作中や仕事に追われているときなど、つい奥歯を食いしばっていないか、こまめに確認する習慣を身につけることが大事なのだそう。時折、口を開けたまま仕事してみてもいいかもしれません。

無意識のうちに食事中に同じ側でばかり噛んでいる

■無意識のうちに食事中に同じ側でばかり噛んでいる
食べ物は両方の奥歯で噛むように。

仕事中だけでなく、食事中にも気をつける必要があるようです。

「食べ物を片方の歯でばかり噛むクセがある人は、肩こりになりやすい人です。なぜなら、そのように片噛みをしていると、噛んでいる側の筋肉(咬筋・側頭筋など)ばかりが酷使され、その筋疲労にともない強く収縮してしまうから。

いつも噛んでいる側の咬筋・側頭筋が収縮すれば、それに連鎖して同じ側の肩や背中の筋肉も収縮します。筋収縮によって血流が悪くなり、肩周囲の老廃物が流されずに蓄積していくのです。

その老廃物そのものや老廃物から排出される物質により、神経が刺激されて痛みの症状が起こり、血流低下によって筋肉内の酸素が不足し、酸欠状態になることから、だるさが発生します」(宮腰さん)

つい片噛みをしてしまう原因には次の3つがあるそうです。

(1)虫歯がある側では噛まなくなる
(2)噛み合わせが悪い側では噛まなくなる
(3)食べ物(ネギやニラ、もやしなど)が挟まりやすい側では噛まなくなる

そこで、肩こりを慢性化させないためには、いつも片方でばかり噛んでいないか、両方の奥歯で均等に噛んでいるかに注意しましょう。

「片噛みを完全になくす方法としては、食べ物を口に入れたら、食べながらでよいので、両方のほっぺに食べた物を入れていき、両方の奥歯で同時に噛みます。この食べ方であれば、確実に左右均等で噛むことができます」(宮腰さん)

リスやハムスターが餌で頬をふくらませているときをイメージしながら食事するのもよさそうです。

無意識のうちに手の甲が内側に向いている

意外にも、立っているときや歩いているときの手の向きにも、肩こりを引き起こす悪習慣があるそうです。

「肩がこっている人のほとんどは、手の甲が内側に向いています。手の甲が内側に向いていると、それだけで肘にも内向きの回転がかかり、さらに肩にも内巻きの力が加わります。

単純な話ですが、物理的に肩が内側に巻けば巻くほど、肩甲骨の位置も前に移動して行きますから、背中側が張ってくるのは当然のことなのです」(宮腰さん)

では、それを避けるにはどうすればいいのでしょうか?

「解決策としては、普段から手の甲を外側に向けて、手のひらを前(正面)にして歩くだけで、内に巻いていた肩が自然に矯正されて行き、内側に凹んでいた胸部が前方に突出し、同時に猫背もストレートネックも改善されます。どんなに短い距離でも、歩くときには『巻き肩解消歩き』を心がけましょう」(宮腰さん)

これだけでも慢性的な肩こりや背中の張りが解消されるそうなので、通勤しながら、会社の廊下で、買い物しながら、家の中でなど、常に意識しておきたいですね。

無意識のうちに呼吸が浅くなっている

■無意識のうちに呼吸が浅くなっている
実は適度な深呼吸が肩こりを防ぐ。

普段から肩が内側に巻いていて胸部も凹んでいる人は、呼吸にも気をつけたほうがいいそうです。

「デスクワークでパソコンを操作していると、虫のような息になっていたり、気がつくと呼吸を止めていたりすることがあります。

呼吸が浅くなるということは、体内に取り込める酸素量も不足するということ。ちょっとした山の中腹にでもいるような状態になり、目が乾いたり肩がこったり、頭痛が起きやすくなったり、つい眠くなってしまうなどのプチ酸欠状態が起こります。

また酸素が不足することで、筋肉内の血流も悪くなります。そのため、肩や背中に溜まっている老廃物も排出されなくなり、ますます痛みや重だるさが解消できなくなってしまいます」(宮腰さん)

体内の酸素量が不足すると、さらに怖いことに。精神的な不安や恐怖を感じやすくなり、急に怒りだしたり泣きたくなったり、感情の起伏も激しくなりがちなのだとか。

「酸欠によってメンタルが不安定になると、自律神経やホルモンのバランスも乱れてしまうので、さらなる不調の悪循環や、軽いうつ状態にも陥ってしまいます。普段から呼吸が浅い人は、デスクワークでは30分に1回でも構いませんので、深呼吸を3回する習慣を身につけることが大切です」(宮腰さん)

口から吸った息を鼻から出すだけで、気持ちも落ち着きます。ぜひ習慣にしてみましょう。

低反発の低い枕で横向きに寝ている

■低反発の低い枕で横向きに寝ている
枕は低すぎないものを。

起きているときのみならず、寝るときの姿勢も大事。あなたはどんな枕を使っていますか?

「横向きで寝るのが好きな人には、低反発の低い枕は向きません。低い枕は横向きになったときに、枕の高さに対して自分の肩幅のほうが高くなってしまいます。そのため、下になっている肩を内巻きに折り曲げて、枕との高さを合わせようとするのです。

肩が巻き肩(内巻き)になってしまうと、肩こりが慢性化したり、首を痛める原因にもなってしまいます。肩が内巻きになっていて、背骨と肩甲骨の距離が離れすぎると、背中側の筋肉もさらに引き伸ばされた状態になり、筋肉内の血流が必然的に悪化。そして、肩から背中全体までが張ってきます」(宮腰さん)

普段から横向きでしか寝られない人は、少し高さのある枕を使用したほうがいいとのことです。自分の寝相を確認してみましょう。

すぐに痛みがぶり返す!肩こりしやすい人が無意識にやっている危険な習慣6選

この記事の執筆者
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