南国は好きだけれど、騒がしい場所や人が多い場所で過ごすのは疲れてしまう。そんな忙しい大人の女性に、ハワイ島・フォーシーズンズで過ごす癒しのステイプランをご紹介。第3回となる今回は、人生で一度は目に焼きつけたい絶景ツアーをレポートします。


厚手のスウェットに靴下、ニットキャップ……。ハワイに似つかわしくない防寒着をバッグに詰めて準備はOK。AM2:30・ホテルのロビー前から迎えの車に乗り込めば、いよいよ「冒険」のはじまりです。目指すは富士山よりも高い、標高4,200mを誇るマウナケアの最高峰。常夏の楽園から一気に氷点下の世界へ。ひとつの旅の中でこんな真逆の体験ができるのも、ハワイ島の醍醐味です。

20人乗りほどの大型車。溶岩石だらけの山道も難なく進みます。
20人乗りほどの大型車。溶岩石だらけの山道も難なく進みます。

思わずハッと息を呑む、こんな星空、見たことない!

マウナケアの頂上までは、ホテルから車で約3時間。この高さの山の頂上まで歩かずに行けてしまうというのは、世界でもかなり珍しいのではないでしょうか。それも、他の山に比べて緩やかな斜面と、山頂に天文台がたくさんあって道が整備されているおかげなのだとか。とはいえ一気に登ると高山病になってしまうため、標高2,800mの場所にある「オニヅカ・ビジター・センター」で途中休憩を挟みます。この時点で外の気温はすでに5℃程度。無料で貸し出してくれるロングコートに身を包み、恐る恐る車外に足を踏み出します。

そしてパッと顔を上げれば、こんな星空――見たことない! どうしても月並みな表現になってしまいますが(そして写真では到底その美しさをお伝えできずもどかしいのですが…)、無数の星が降り注ぐように瞬く夜空はまさに天然のプラネタリウム。ふと目を向ければ、願いを思いつく間もないほど至るところで流れ星が飛び交います。その星々を見ながらいただく、熱いホットチョコレートのおいしいこと! あまりの感動に「この星空を見ずには死ねなかった…」と、そんな想いさえ抱いたほどでした。30分ほどの滞在の後車内に戻ったら、いよいよマウナケアの頂上へと向かいます。

雲海の上から臨むご来光に、身も心も洗われて

休憩した地点から山頂までは車で1時間弱。ところどころ山道は険しくなり、かなり揺れるところも出てきます。しかし、頂上を目前にすると道はまたなめらかに。滑り込むようにして車が停まったその先には、見渡す限り一面の雲海が広がっています。オレンジからピンク、ラベンダーへと美しいグラデーションを描く、うっすらと染まった日の出直前の雲海はなんとも神秘的。そこからまばゆい陽の光が差してくると、あたりが一斉に静まり返るように感じます。

この背後にはいくつもの天文台があり、日本の「すばる」も。事前に申し込めば内部の見学もできるそう。
この背後にはいくつもの天文台があり、日本の「すばる」も。事前に申し込めば内部の見学もできるそう。

思っていたよりもずっと速いスピードで、グングンと昇ってゆく太陽の力強さは、ハワイ島にみなぎる大自然の生命力そのもの。その光を浴びているだけで、心と身体に不思議なパワーが湧き上がってくるかのようです。神々が集まるとされるマウナケアは、現地の人々にとって山そのものが大きなお寺のようなスピリチュアルな場所。車の中でガイドさんがそうおっしゃっていた意味を、肌で感じることができました。

太陽が昇りきると、肌寒かった山頂はグッと温かく。
太陽が昇りきると、肌寒かった山頂はグッと温かく。
山の裏側からの景色
山の裏側からの景色

山の裏側に回ると、雲海にマウナケアの影が映っているのを見ることができます。山頂に雪が残っているシーズンは、噴火でできたクレーターの中でスノーボードを楽しむ人もいるとか。

ハンバーガーはキッズサイズでも食べ応え十分!
ハンバーガーはキッズサイズでも食べ応え十分!

星空とご来光。ハワイ島の大自然の恵みに触れてエナジーアップした後は、また車に乗って旅の間のセカンドハウス「フォーシーズンズ」へ。AM10:00・ホテルについたらひとまず仮眠をとって、ルームサービスで遅めのランチを。テラスで碧い海を眺めながら、今朝の寒さとあの美しい光景を夢のように噛み締めるのでした。

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問い合わせ先

■マウナケアのサンライズツアー Hawaii Forest and Trail (マウナケアツアー会社)

■今回体験した「Mauna Kea Sunrise Tour」 ツアーはこちら

この記事の執筆者
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WRITING :
小川由紀子
EDIT :
渋谷香菜子