欧米で話題の植物性ミルク。その中でも「オーツミルク」はまだまだ日本人には耳慣れない言葉ですが、コンビニやスーパーなどで手軽に手に入るようになってきました。

そこで今回は、オーツミルクのトレンドのご紹介と共に、管理栄養士による栄養解説や手軽に購入できるオーツミルク商品などをご紹介します。

欧米でトレンドの「第3のミルク」

植物性ミルクがブーム!
植物性ミルクがブーム!

最近、植物性ミルクがどんどん身近に。例えばスターバックスでは2020年3月13日(金)からカスタマイズできるミルクに「アーモンドミルク」が定番化し、2020年4月8日(水)までは、「オーツミルク」も選べました。もともと選べた「ソイミルク」も植物性ミルクの一つです。

欧米では、牛乳、豆乳に続く“第3のミルク”として「アーモンドミルク」「ライスミルク」などがトレンドで、乳製品にアレルギーのある人やベジタリアン、ヘルシー志向の人などに利用されています。

世界の「豆乳類・植物性ミルク」市場規模は平均8%成長していることから、今後、日本でも注目を集める可能性があるでしょう。

中でも「オーツミルク」は比較的新しく、最近、徐々にカフェなどでも牛乳の代わりに選べるようになってきているようです。米国では、まだまだ「アーモンドミルク」の売り上げには程遠いものの、オーツミルクの売り上げも近年、高まってきているといわれています。

オーツミルクは、オーツ麦を裏ごしして作られたミルクのこと

オーツミルクってどんなドリンク?
オーツミルクってどんなドリンク?

オーツミルクとは、オーツ麦から作られるミルクのこと。オーツ麦を水に浸して混ぜてから裏ごしをして作られます。

オーツミルクに詳しい管理栄養士の久保田尚子先生に、オーツミルクの特徴を教えていただきました。

オーツミルクの原料「オーツ麦」の栄養素は、食物繊維が玄米の3倍!

オーツ麦の特徴は?
オーツ麦の特徴は?

「オーツ麦(えんばく)はそのままの形では食用にされることがないので、『日本食品標準成分表』ではオーツ麦を加工した『オートミール』として掲載されています。

オートミールは食物繊維の豊富さが特徴で、玄米と比較しても約3倍含まれています。そのことが、『オートミールが“低GI食品”』といわれる理由です。GI値が低いということは、食後血糖値の上昇がゆっくりということで、インスリンの分泌を抑えられます。インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンで体脂肪を溜め込んだり、脂肪の分解を抑えたりする働きがあるといわれています。その他にも、オートミールには玄米に比べて、たんぱく質が約2倍、カルシウムが約5倍含まれているという大きな特徴があります」

オートミールとオーツミルクの違い

「オーツミルクは、オートミールの大きな特徴、例えば食物繊維のほか、たんぱく質やカルシウムが多く含まれているという点はそのまま、さらにビタミンDやビタミンB群などが添加され、より栄養価の高い食品になっています。

またオートミールとオーツミルクでは、オーツミルクのほうが液体なぶん、利用範囲が広く、使い勝手が良いことも大きな特徴かと思います。洋風、和風、スイーツと牛乳よりも利用範囲が広く、合わせられる食品も多くなり、結果的には栄養的にも優位な部分と言えるでしょう」

ちなみにオーツミルクは手作りもできるそうですが、手作りしたものと市販のものとではどのような違いがあるのでしょうか。

「オーツミルクを手作りする際には“漉(こ)す”作業が入るので、オーツ麦の大きな特徴の食物繊維が一部除去されてしまう可能性があると思います。手作りのオートミルクだと手間もかかります。継続的な利用を考えると、市販のものを利用したほうが良いでしょう」

日本で手に入るオーツミルク

トレンドになっていることや栄養素のことなどを知り、オーツミルクをまずは飲んで試してみたい、という人も多いでしょう。実は日本でも最近、オーツミルクが身近なところで手に入るようになっています。2つの商品をご紹介します。

■1:コンビニでもネットでも買える「ALPRO(アルプロ)たっぷり食物繊維 オーツミルク」

「ALPRO たっぷり食物繊維 オーツミルク ほんのり甘い」
「ALPRO たっぷり食物繊維 オーツミルク ほんのり甘い」(左)1,000ml、(右)250ml オープン価格

詳細はこちらから

「ALPRO たっぷり食物繊維 オーツミルク 砂糖不使用」
「ALPRO たっぷり食物繊維 オーツミルク 砂糖不使用」1,000ml オープン価格

詳細はこちらから

ダノンジャパンから今年4月、ベルギー生まれの植物性食品ブランドALPRO(アルプロ)の100%ヨーロッパ産オーツ麦を使用したオーツミルクが新登場。コンビニでもネットでも手に入るので、手軽に買ってランチのお供にもできそうです。

ダノンジャパンによれば、ほんのり甘い1本(250ml)には3.5gの食物繊維が含まれており、日本人女性が1日に不足していると言われている食物繊維量3.3g(※)をカバーするそうです。

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」、「平成30年国民健康・栄養調査」より

やさしい味なので、シリアルやコーヒーと混ぜても味の邪魔をしないほか。パンケーキ、スムージーなどさまざまなお料理にも活用できるそうですよ。

■2:100%有機栽培の原材料に注目!「The Bridge(ザ ブリッジ) オーツドリンク」

「ザ ブリッジ オーツドリンク」500ml
「ザ ブリッジ オーツドリンク」500ml ¥432 (税込)

詳細はこちらから

イタリア発の穀物ドリンク専門メーカー、ブリッジによるオーツミルク。ブリッジが手がけるシリアルドリンクは、100%有機栽培で育てられた原材料を使用しているそう。このオーツドリンクは、有機オーツ麦で作った、すっきりとした甘みとオーツ麦のコクが特徴です。ネットで手軽に購入できるので、一度試してみましょう。


欧米で今トレンドのオーツミルク、日本でもこれから注目が高まりそうです。食物繊維やたんぱく質、カルシウム不足が気になる方や、低GI食品をお探しの方は、お試しする価値がありそうです。

久保田尚子さん
(くぼた ひさこ)女子栄養大学 栄養学部 卒業、玉川大学教育学部通信教育課程にて小学校普通教員免許取得、管理栄養士、中学校一級・高等学校二級普通教員免許(技術家庭・保健)、小学校二級普通教員免許。
大学卒業後、東京都公立小学校教諭として勤務。結婚・育児等で退職した後、非常勤で東京都児童養護施設栄養職員、大手製菓会社にて非常勤管理栄養士(スポーツ栄養担当)を経て、独立。大学、専門学校で非常勤講師として『スポーツ栄養学』の授業を担当。(順天堂大学、帝京平成大学、東京健康科学専門学校などを歴任)。

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WRITING :
石原亜香利
EDIT :
安念美和子、原田恵子(イクシアネクスト)
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