レストランのようにとまではいかなくとも、ホームパーティーの際、「お料理をもっと素敵に盛り付けられたら……」と思っている人は多いはず。ところが実際にやろうとすると、どうすればお料理が引き立たせられるのか、なかなか難しいものですよね。
今回、盛り付けのコツを教えてくださるのはグラフィックデザイナーの経験を生かし、現在“盛り付けデザイナー”として活躍されている飯野登起子さん。自由大学で行われている「おいしい盛り付け学」の講義も毎回人気です。
【関連記事:ホームパーティー、難しく考えてませんか?ホストでもゲストでも気負わず楽しむコツ】
■1:盛り付けをする前に…改めて持っておきたい「心構え」
「盛り付けって基本的には”誰かのため”にするものですよね」と飯野さん。
「家族であれ、ホームパーティーのゲストであれ、誰かが見て『わあ、おいしそう』と言ってもらえることが目的のひとつ。一緒に食卓を囲み、喜んでもらいたいという気持ちがあることが、盛り付けの大前提です。次に大事なのは皆さんそれぞれの感性。同じお皿に同じ料理を盛り付けても、人それぞれで違っていいということ。そこにほんのちょっとだけ、色彩学や造形などの理論をプラスすると、よりおいしく見える盛り付けができるのです」
■2:盛り付けで重要なのは「見せたいポイントをひとつに絞り込む」こと
とはいえ、いきなりではどうしたらいいのかわからないもの。まずどんな視点を持って盛り付けに取り組むのがいいのでしょうか?
「まずは料理でも素材でもなんでもよいのですが、ご自身がいちばん見せたいポイントを1か所見つけましょう。それは食材の形だったり、色だったりとさまざま。あなた自身が注目したポイントを引き立てるために、お皿の上をデザインしていきます」
例えばいつも同じお皿に盛っているハンバーグを違うお皿に盛ってみる、乗せる位置をずらすなど、それだけで見え方が変わってくるのだそう。
「自宅で時間に余裕があるときに、同じ料理をいろんなお皿に盛り付けてみてください。そうすると、自分が好きだなと思うバランスがきっとみつかるはず」
家族のいない自宅での食事のときなど、盛り付け練習の絶好のチャンスなのだとか。
■3:持ち寄りパーティーのメニューをおしゃれに盛り付けるコツ
続いては実践編。ホームパーティーなどで持ち寄られたさまざまな料理を、手早くおしゃれに盛り付けられたらうれしいですよね。飯野さんがこれまで講義などで実際に工夫してきた実例を交えて、教えていただきました。
「これは尾道自由大学での盛り付けデザイン学の講義の時の様子で、瀬戸内の島のお母さんが作って下さった家庭料理を盛り付けたものです」
「このように同じサイズや形のお皿に盛ることで、違う人が作った料理でも統一感のある見た目になります」
程よいサイズのお皿がそろっていない場合はどうしたらよいでしょうか。
「そんなときは、大皿やカッティングボードなどに少しずつ盛るのもおすすめです。例えば焼き鳥にたこ焼きなど、形状の違うものでも大皿なら上手くまとめられると思いますよ。普段使わずに眠っている大皿も、活躍させてあげられるいい機会です」
■4:料理を引き立てる「飾り植物」の力を借りる
パーティー料理の盛り付けをさらに彩るのが、ハーブやエディブルフラワーなどの飾り物。
「パーティーのときは、イタリアンパセリやチャイブなど2〜3種類あると、比較的どんなメニューでも対応できるのでオススメです。最近では食用できるお花、エディブルフラワーもわりあい入手しやすくなってきたので、用意できるとパーティーがグッと華やかになります」
またトングやピックなども、バリエーションがあると楽しいそう。
「カラフルなピックは手軽に色を足せますし、サッと食べられるのでパーティーには最適です。トングは用意されていないことも多いのですが、お皿のアクセントにもなるので、かわいいものがいくつかあると、盛り付けの幅が広がります」
「盛り付けには人を幸せにする力がある」とおっしゃる飯野さん。
「料理や素材、器に感謝の気持ちを込めて盛り付ければ、きっと素敵な食卓が演出できるはず。まずは普段の食卓の一皿から意識してみてはいかがでしょうか」
■飯野登起子さんの自由大学での講義のお知らせ
- 日程/10/17・10/24・10/31・11/7・11/12(全5回)
- 定員/15名 ※定員になり次第締切
- 申込締切日/10月10日(火)
- 授業料/28,000円(税込)
- 注意事項/第3回講義は、教材費として1000円程度別途かかります。また、第5回の自主制作に必要なものは別途実費となります。
- ※詳細・申込フォームはこちらへ
- 日程/11/14・11/21・11/28・12/3・12/10(全5回)
- 定員/15名 ※定員になり次第締切
- 申込締切日/11月7日(火)
- 授業料/28,000円(税込)
- 注意事項/第2回目の盛り付けデザインワークに別途¥1,000 が必要となります。また、第5回のパーティーに必要なものは別途実費となります。
- ※詳細・申込フォームはこちらへ
ホームパーティーの関連記事
- ホームパーティーにおすすめ!おもてなし料理レシピ集21選
- ホームパーティーを華やかに盛り付けるコツ4つ
- そもそもシャンパンって何? 3ステップでわかる基礎知識
- 銀座シックス(GINZA SIX)で絶対に選ぶべき「手土産」絶品スイーツ12
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 橘川麻実
- EDIT :
- 青山梓(東京通信社)