【目次】
- 整体のプロが教える、肩こりの代表的な【原因3つ】
- 肩こりに「なりやすい人」と「なりにくい人」の違い
- 【1】「肩甲骨」周りの動きをよくするスキャプラストレッチ
- 【2】「広背筋」をのばすヒップドロップバックストレッチ
- 【3】「壁にもたれる」だけで肩甲骨を正しい位置に戻すストレッチ
- 【4】「座りながら」胸を開くストレッチ
- 【5】「1日5分」でできる肩こり解消ヨガ2選
整体のプロが教える、肩こりの代表的な【原因3つ】
『6万人の患者が改善!腰痛肩こり頭痛を解消 寝るだけ整体』田中宏・著 アスコム刊
そもそも肩こりとはどんな状態のこと? 具体的にいうと、筋肉が緊張している状態のこと。
田中さんによると「筋肉は、ゴムのように伸びたり縮んだりすることで動くわけですが、緊張というのは、縮んで固くなった状態のこと」なのだとか。例えば、腹筋運動をするとお腹のあたりが引きつるように痛みますが、これが肩、正確に言えば首の付け根あたりで起こっているのが、肩こりです。
肩こりが起きてしまう原因は有名なのでみなさんご存じと思いますが、よくいわれているのは以下の3つです。
(1)姿勢の悪さと運動不足
椅子に座りっぱなしで 、目や手先を使う仕事や家事をすることが多い現代人。長時間、同じ姿勢でいることによって、筋肉が過度に緊張状態のまま固まってしまいます。 さらに、運動不足になると、肩回りの筋肉を動かしてほぐす機会がなくなります。
(2)ストレス
精神的なストレスがかかると、気がつかないうちに体全体に力が入ってしまいます。もちろん、首や肩も含まれ、 筋肉が過度に緊張状態になってしまいます。
(3)冷え性
冬の寒さだけでなく、夏場の冷房にも要注意。高い場所から首や肩に冷風が直撃するからです。寒さで肩回りの血流が悪くなると、筋肉の緊張状態はさらに悪化します。
■ 実は「ゆがみ」も肩こりの原因になっている
前述の3つに加えて、慢性的な肩こりの原因として、田中さんは”ゆがみ”が加えられるべきだと話します。
「人間は普段から常に、体のバランスを取りながら生活しています。ただ立っているだけ、座っているだけのときでも、完全に脱力すると体は傾いてきて、倒れてしまいます。しかもその間、頭の重さは首にかかってきて、腕の重さは肩にかかってきます。それらの重さを、首や肩周りの筋肉を使って支えながら、バランスを保つ必要があるわけです」
このときに正しい姿勢ができていれば、最小限の筋肉で支えることができます。ところが生活習慣や環境、個人的なクセなどによって、正しい姿勢から逸脱していってしまうのです。
「私たちはこうした、正しい姿勢から逸脱した状態を総称して”ゆがみ”と呼んでいます。ダルマ落としでいうと、積み上げ方が悪くて今にも崩れ落ちそうな状態です。これが人間の体で起こると、不安定な体を支え続けるために、首や肩周りの筋肉の力を過剰に使う必要があります。
筋肉を使うといっても、スポーツや筋トレのように強い力を出すわけではなく、意識的に行うわけでもありません。本人は筋肉を使っている自覚はありませんが、たとえ弱い力でも休みなく使い続けているので、結果的に首や肩周りの筋肉が疲弊していきます。これがゆがみによって肩こりが起こるメカニズムです」
慢性の肩こりの大多数は、頸椎(けいつい:首の骨)や鎖骨、肩甲骨や肩を支える背中側の骨のゆがみが原因で起きています。
もともと体重の10%前後を占める頭や、両肩にぶら下がる腕の重さを支えるため、首から肩にかけての筋肉には常に負担がかかっています。例えば頭の位置から5センチ前にずれると、それだけで2倍の重さがかかってくるといわれているのです。
肩こりに「なりやすい人」と「なりにくい人」の違い
ただ、なかには肩こりの悩みと無縁の人もいます。肩こりになりやすい人となりにくい人にはどのような違いがあるのかが気になるところ。
これについては、例えば仕事や趣味などでずっと同じ体勢で同じ作業を続ける人と、適度に体勢を変えながら作業内容も変える人がいるとすると、同じ作業でも前者の方が肩こりになりやすいということがいえるそうです。
「何かひとつのことを続けると、同じ筋肉をずっと使い続けることになります。しかも没頭することで、筋肉の疲弊に気づきにくいからです。また気づいたとしても、自由に体勢を変えたり出歩いたりできない場面も多く、体をリセットできません。その間もどんどん筋肉の疲労は蓄積していくわけです」
適度に体勢を変えながら作業することが肩こり予防になるということ。そしてもちろん、体の違いもあると言います。
肩こりにあまり悩まされない人になるために、少しずつゆがみの小さい体にしていくとよさそうです。
【1】「肩甲骨」周りの動きをよくするスキャプラストレッチ
\動画でチェック/
STEP1:両手は肩の真下、膝の間にこぶし一つ分のスペースを開け、つま先を立てて四つん這いの姿勢になります。
STEP2:右の手のひらを上に向けて、左手の手首の内側から、右腕を左側へ遠くに指先を伸ばして、手の甲、肩、頭をマットにつけます。
STEP3:左手を天井に伸ばしたら、手のひらを後ろ側に向け、肘を曲げて、手の甲を腰につけます。
STEP4:左の肩を後ろへ、肩甲骨を背骨へと寄せるように胸を開き、その状態で30秒〜1分間キープ。左の手を顔の前のマットに置いて、四つん這いの状態に戻ります。
STEP5:反対側も同様に、30秒〜1分間ストレッチしましょう。
肩周辺は多くの筋肉が絡み合うところ。肩や背中がガチガチで動かないという人でも周辺の筋肉のコリをほぐしていくことで肩こり解消につながるのです。
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【2】「広背筋」をのばすヒップドロップバックストレッチ
\動画でチェック/
STEP1:正座で座ります。両腕を上に伸ばして、右手で左手の手首を掴んで、右側の床にお尻を落とします。
STEP2:息を吸って、吐きながら、右手で左手を引っ張るように、そして右側の肋骨部分を外へ押し出すようにして、体の横側を伸ばします。20〜30秒間ストレッチ。
STEP3:さらに、斜め前に腕を移動させ、背中を少し丸めながら、背中の上部・肩甲骨周辺を伸ばします。20〜30秒間ストレッチ。
STEP4:反対側も同様に2〜3を繰り返し行います。
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【3】「壁にもたれる」だけで肩甲骨を正しい位置に戻すストレッチ
STEP1:腕のねじれをとって胸を開くストレッチ
右手を上げた状態で壁につき、右足を一歩前に出す。次に膝を少し曲げながら、体を前に押し出すような姿勢になり、これを10秒キープします。左手&左足でも同様に行って。脇の下から腕にかけてぐーっと伸ばすことで腕のストレッチになり、腕のねじれ、猫背を解消。胸がしっかりと開くからデコルテも美しくなります!
STEP2:両手に壁をつき、右肩と頭を壁に近づける
両足は肩幅に開いて立ち、両手を肩より少し広めに開いて壁につけて息を吐きながら、右肩と頭を壁に近づけます。右肩をギリギリ壁に近づけたところで10秒間キープを。左肩も同様に。左右交互に10秒ずつ3セット行う。
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【4】「座りながら」胸を開くストレッチ
胸が開くので、肩を前に押し出してしまっている肩胛骨を正しい場所に戻し、姿勢を正す効果が期待できます。
STEP1:上半身をねじって胸を開く
椅子の上で足を組み、片手を膝の外側に添え、もう片方の手で椅子の背もたれにつかみます。背もたれをつかむ場所は、自分がやりやすい場所で構いません。目線をできるだけ遠くに据えることで、疲れ目対策にもなります。
初出:椅子に座ったままできる!オフィスでやりがちな猫背を防ぐ「お手軽ポーズ」6選
【5】「1日5分」でできる肩こり解消ヨガ2選
「肩甲骨」をほぐすヨガポーズ<ゴムカーサナ>
STEP1:膝を曲げて、右足を左足とクロスするように重ねる
右膝の上部に左膝の裏がくるようにしましょう。左足のかかとは右側の臀部に、右足のかかとは左側の臀部にできるだけ寄せていきます。膝や外側の太ももに痛みを感じない範囲で折り曲げていきましょう。
STEP2:腕を体の後ろで掴む
次に、右腕を耳にくっつくくらいのイメージで手を上げます。肘から先を頭の後ろ方向に折り曲げたら、左手の指先を掴んでください。もし掴めなければ、指先が触れ合う程度を目標にしましょう。気持ちよく腕が伸びていると感じる位置でキープ。ゆっくり呼吸を繰り返します。反対も同じように行いましょう。
日本語で「牛の顔のポーズ」と呼ばれるこちらのポーズは、肩をやわらかくほぐすことはもちろん、二の腕の引き締めにも効果があります。骨盤から背中にかけてのラインをまるめずに、背筋をピンと真っすぐにした状態で行ってください。上側の肘は天井に、下側の肘は床に、それぞれに引っ張られるイメージで気持ちよく伸ばしていくことがポイントです。
「肩の筋肉」を伸ばすヨガポーズ<パリヴリッタ・バラ・アーサナ>
STEP1:膝を腰幅に開いて四つん這いの姿勢になる
まず、膝を腰幅に開いて四つん這いの姿勢になります。左手は手の平を上に向けた状態で右脇の下に通し右の方向へ、右手は手の平を下に向けた状態で真っすぐ前方に滑らせながら、上半身をゆっくりと前に倒していきます。
STEP2:腰から首にかけてゆるやかに右側にひねる
左のこめかみを床につけたら、上半身は腰から首にかけてゆるやかに右側にひねります。左肩と右肩がじっくりと伸びていくのを感じるまで、そのままの体勢をキープしましょう。左右の腕を入れ替えて、同じように行います。
日本語で「針の糸通しのポーズ」と呼ばれ、脇の下にできた隙間に手を通すポーズです。普段あまり伸ばさない方向へ両肩を伸ばすことで、背中の後ろから肩甲骨の筋肉もしっかりほぐすことができます。膝からヒップまでを傾けずに、真っすぐ立たせることがポーズの姿勢を整えるうえでのポイント。ただし、首や腰が痛むようなら無理は禁物です。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部