「人生を味わい尽くす」41歳女性弁護士の生き方

2005年から弁護士として活躍している中川彩子さん。昨日公開した前編では、弁護士という立場から今を「少し楽に生きるヒント」を教えていただきました。

本記事では、弁護士としてだけでなくコラムニストやラジオコメンテーター、読書会主催、そしてコロナ禍の最中に起業したファッションコンサルティングの仕事など、幅広く活躍されている中川さんに、忙しい日々を乗り切るコツや心がけていることなどを伺いました。

中川彩子さん 早稲田大学卒業後、2005年に弁護士登録。離婚・相続案件から企業案件まで幅広い事件を取り扱う。2014年から2018年まで家庭裁判所非常勤裁判官としても勤務、関与した離婚案件は延べ500件以上。メディア出演、講演活動なども活発に行っており、2020年にはファンションコンサルタント、パーソナルスタイリストとして起業。弁護士法人柴田・中川法律特許事務所所属。
中川彩子さん 早稲田大学卒業後、2005年に弁護士登録。離婚・相続案件から企業案件まで幅広い事件を取り扱う。2014年から2018年まで家庭裁判所非常勤裁判官としても勤務、関与した離婚案件は延べ500件以上。メディア出演、講演活動なども活発に行っており、2020年にはファンションコンサルタント、パーソナルスタイリストとして起業。弁護士法人柴田・中川法律特許事務所所属。

40歳過ぎて「回り道せずにやりたいことをやる」と決意

――中川さんは弁護士として働きながら、今年「ライフファッションコンサルティング」を起業されたとお聞きしたのですが?

30歳過ぎたころから「似合っていた洋服が似合わなくなってきた」と感じるようになりました。30代で3人出産して、どんどん自分も老けていくし、今まで着ていた服は似合わなくなるし、ファッション迷子になって、いろいろなタイプの診断を受けてみました。結果、疑問を解決してくれたのが、顔の輪郭やパーツの形状から、その人に似合うテイストを導き出す「顔タイプ診断」でした。「こんな解決法があるなら、それは世の中に広めなければ」と資格をとりました。また、身にまとう色によって印象が大きく左右されることに以前から興味があったので、「パーソナルカラー診断」の資格も取ることにしました。

そしてこのコロナ禍で起業することにしました。背中を押してくださったお一人は、ミセスグランプリで優勝した経験もある素敵な女性編集者の方なのですが、その方に「あなた、ファッションの仕事も向いているわよ、やってみなさい」と背中を押していただいて。

また、同業の弁護士の方から「40歳を過ぎて、あとどれだけ何をできるかわからないから、回り道せずにやった方がいい」と言っていただいたことも起業したきっかけです。弁護士の仕事もやりがいがありますが、ファッションには昔から興味があり、「そうだな、今やらなくていつやるのかな」と一念発起しました。

――具体的にはどんなお仕事なのでしょうか?

お客様から事前にファッションや生き方についての悩みをじっくりとお聞きした上で、顔タイプ診断、カラー診断を行い、その結果をもとに、その方に本当に似合うものを具体的にアドバイスしていきます。ブティックなどでイベントを開催し、大勢のお客様の診断を行うこともあります。

世の中には、パーソナルコーディネーターとしてご活躍されている方も多くいらっしゃいますが、もし差別化するならば、私が行っている「ライフファッションコンサルティング」は、「なりたい自分に近づくための外見全般の提案」を通して「人生をより豊かにするためのお手伝い」をしていることでしょうか。

その人の人生、今の悩み、将来どのようになりたいのかなど、「なりたい自分像」を丁寧にヒヤリングし、「こうしたらより輝ける」ということを擦り合わせします。服のテイストやカラー、単純に似合う、似合わないだけでなく、それにプラスして、その方の今のライフスタイルを踏まえた上で、「このようなファッションを取り入れたら理想の人生に近づいていけますよ」と。

ありがたいことにかなりご好評をいただいていて、口コミでどんどん広がっています。実際に変わっていくお客様をも沢山いらっしゃいます。

弁護士の仕事と違ってファッションの仕事をしていると、お客様が「目に見えて変わる」ので、非常にやりがいを感じています。もしかすると、長く携わっている弁護士の仕事で、多くの人を見てきていることから「人の本質」を見ることできるようになったのかもしれません。

「人生をより豊かにするため」お客様のお話を丁寧にヒヤリングすることに注力している
「人生をより豊かにするため」お客様のお話を丁寧にヒヤリングすることに注力している

――ファッションの仕事をしていて感じていることは?

お客様は40代が主なのですが、40代っておしゃれ迷子になる世代だと思うんです。自分を客観視するのって難しいですよね。

30代の子育てで「お母さんだから」という理由でカジュアルになって、40代になってもその服装のまま抜けられない方や、幼稚園の送り迎えなどで「こうしなけれならない」と枠にはまったファッションしかしない方も少なくないです。ファッションが制服化している感じでしょうか。

日本のアラフォーには呪縛があるような気がして、その呪縛が個人の魅力を殺してしまっているような気がするんです。日本人特有なのかもしれないですが、誰に何を言われたわけでないのに「こうしなきゃ」という想いが強いように見えます。

外見が変わると生き方が変わると思います。実際コンサルした方の多くが、服装や髪形、お化粧を変えたことで、生き生きして魅力が出てきたな、と感じています。

お客様のカラー診断をしている中川さん
お客様のカラー診断をしている中川さん

他の仕事をすることで本職の幅を広げている

――なぜ弁護士だけにとどまらず、違う仕事もしていらっしゃるのでしょう?

まずひとつは、弁護士以外の経験が、弁護士としての仕事の糧になると思っているからです。社会人経験がなく、若くして「先生」と呼んでいただく立場になったので、世間を知らないというコンプレックスが強くありました。

そのため、虚勢を張って世間知らずな部分を隠そうとしていた時期もありました。今は、いろいろな場所に出て行って多様な方に会い、知らないことは素直に教えを請うことが、弁護士としての仕事の幅につながると思っています。

そしてもうひとつは、単純に、自分の知識をお話ししたり、お教えしたりすることが好きだからです。特にファッションコンサルについては、私自身がオシャレについて長く試行錯誤して、時間もお金も使ってきたので、同じ悩みを持つ女性に対して、自分の経験をお伝えすることで問題を解決したい!と強く思っています。思い入れが強すぎて、コンサルティングに力が入りすぎることもしばしばです(笑)

――他にも活動されていることはありますか?

医師、図書館司書など女性ばかりのメンバーで、「読書会」を不定期に開催しています。本の内容を限定しているわけではないのですが、自然とフェミニズムや社会問題に関係する本を題材にすることが多いです。

私自身、女性をとりまく社会状況に強く関心を持っており、近年のフェミニズム文学の隆盛を嬉しく思っています。

これまでに扱った本は、「こびとが打ち上げた小さなボール」(チョ・セヒ著、斎藤真理子訳、河出書房新社)、「ピュア」(小野美由紀著、早川書房)、「かか」(宇佐美りん著、河出書房新社)などです。次回は、ミシェル・オバマの「マイストーリー」を課題に話し合う予定です。

本_1
住む街から書店の灯が消えて欲しくないと強く願い、本は街の本屋さんで購入

そして、コラムニストとしても活動しています。地元誌2誌に、コラムを連載しています。一つは相続に関するテーマ、もう一つは特にテーマを決まっておらず、そのとき旬な法律に関する話題を書いています。先月は、インスタグラムの「ストーリーズ」動画の転載が肖像権侵害に当たるかについて書きました。SNSやコロナに関係する話題が多いです。

ラジオ出演もしています。こちらも特にお題は決まっておらず、その時々の時事ニュースを法律的に解説することが多いです。最近は、やはりコロナ関係の話題が多く、例えば先月は、公の場でのマスク着用拒否問題についてお話ししました。

ラジオのコメンテーターとしてもご活躍中

健康で気をつけているのは、食べ物・運動・睡眠

――ほんとうに沢山のことを並走されていて驚くのですが、コツは何でしょう?

40歳を過ぎてから、急に無理が利かなくなったと実感していますので、食べるものには気をつけています。

食事はなるべく加工食品をとらず、素材を生かしたものを食べるように心がけています。外食も大好きですが、基本的には自炊派。

食材は、地産地消を心がけています。周辺地域で農業が盛んで、海も近いため、新鮮なお野菜や魚が安く手に入ります。また、食材はなるべくスーパーよりも、八百屋さんやお肉屋さんで買うようにしています。そのほうが無駄もないし、お店の人とコミュニケーションをとるのも楽しいです。鴨肉やウズラ肉の調理法などを聞いて、新しい調理に挑戦しています。

経済評論家の勝間和代さんに影響されて、「ホットクック」「ヘルシオウォーターオーブン」などの調理家電を使うようになってから、劇的に料理が楽になりました。

ヘルシオウォーターオーブンとホットクックで料理が劇的に楽に
ヘルシオウォーターオーブンとホットクックで料理が劇的に楽に

スチーム機能などを駆使して、蒸し野菜や無水料理など、素材のうまみを引き出す料理をよく作っています。「ホットクック」は全く同じものを2台購入。汁物と煮物が同時にできて、日々フル稼働しています。低温調理ができるのもポイントですね。

「ヘルシオウィーターオーブン」は、ウォーターオーブン機能が本当に使えます。蒸し野菜は大量に作って必ず常備しています。野菜不足を感じたら、塩とオリーブオイルをかけて大量に食べます。

過熱水蒸気を使ったあぶり焼きメニューでは、ローストビーフや鴨ローストなどの手間のかかる料理が失敗なくできて、おもてなしメニューにも困りません。

地元で飼育されているブランド肉の「あいち鴨」を使った料理に凝っています。臭みが少なくコクのあるお肉がとても美味しいです。鴨料理は難しい印象があったのですが、調理家電を使えば失敗なくできあがります。

「あいち鴨」を使った鴨ローストも簡単に作れるようになったそう
「あいち鴨」を使った鴨ローストも簡単に作れるようになったそう

その他は、最低週に1回はヨガに行って身体をほぐすのと、短時間でもウォーキングをすること。

でも、どうにも疲れてしまったときは、「お母さんは今日はもう何もしない!」と宣言して、思い切って20時くらいに寝てリセットします(笑)

座右の銘は【変えられるものを変える勇気を、変えられないものを受け入れる冷静さを、そして両者を識別する知恵を与えたまえ】

――中川さんの人生における座右の銘を教えてください

【変えられるものを変える勇気を、変えられないものを受け入れる冷静さを、そして両者を識別する知恵を与えたまえ】アメリカの神学者のラインホールド・二―バーの言葉です。

人生においての多くのもめごとは、「変えられないものを変えようとし、変えられるものを変えようとしないこと」から起きていると実感しています。もちろん、それが人間らしさでもあるのですが、物事を円満解決するためには、上記の言葉を胸に刻んでおくことが重要だと思っています。

問い合わせ先


以上、この「後編」では、中川彩子さんに何足ものわらじを履いて精力的に活動されている秘訣をお伺いしました。

やりたいことを形にしていくために学び続け、努力を惜しまない、その姿勢は同じ女性として学ばせていただきたいと思いました。

明日公開の『番外編』では、中川さんの「仕事効率化アイテム」についてお伝えいたします。

この記事の執筆者
新卒で外資系エアラインに入社、CAとして約10年間乗務。メルボルン、香港、N.Yなどで海外生活を送り、帰国後に某雑誌編集部で編集者として勤務。2016年からフリーのエディター兼ライターとして活動を始め、現在は、新聞、雑誌で執筆。Precious.jpでは、主にインタビュー記事を担当。
公式サイト:OKAYAMAYUKIKO.COM