156cmのインテリアエディターDが、おすすめのアイテムを実際に体験しながらレポートする本連載。今回は、「シンプルライフ、クオリティライフ」をキーワードに日本の定番インテリアアイテムを世界に発信する「designshop(デザインショップ)」から“フレキシブルな使い方のできる名作家具”を前後編の2回に分けてご紹介。

【後編】となる本記事では、部屋を広く見せてくれて、多少散らかっていてもサマになるフレキシブルな使い方のできる名作「91テーブル」をピックアップします。

家で仕事も食事もくつろぎタイムも過ごすことになった私たちの日常。「気分を切り替えるにも、たくさんの家具を揃えるスペースも時間の余裕もない」「長引くステイホームでお家を快適にするって言われても難しい」…。

もしそんな風にお考えの方がいらしたら、ご提案したいのが「あえて大きなダイニングテーブルを置く」というアイデア。床面の次に大きな水平面となるダイニングテーブルを丁寧に選ぶことで、暮らしはぐんと豊かになります。

【前編】でご紹介した、折りたたむことができ、一畳のスペースでくつろげる「ニーチェアエックス シキリ」とともに揃えれば、驚くほど簡単に居心地のいいお部屋を作ることができますよ。

白と木の組み合わせがポイント!「91テーブル」を置くと得られる豊かさとは

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【ブランド】アルテック 【商品名】91テーブル (ホワイトラミネート) 【写真の仕様の価格】¥232,100 【サイズ】幅1250×奥行1250×高さ720(mm) 【材質】天板:ラミネート 脚:バーチ材・クリアラッカー仕上げ

もはや日常の風景になったリモート会議やオンライン面接。画面に映し出された自宅の風景に、宅配物や違う案件の資料が映り込んでいてドキっとした経験はありませんか? 背景を合成にする解決法もありますが、上手に映り込みを回避するというスマートな方法もおすすめです。

そのために活躍するのが円形の「91テーブル」。円形はぐるりと360°どこにでも座ることができ、四角い部屋の片隅に余白をつくることができる形状。壁の隅に向かって椅子を引けるような位置に着席してしまえば、余計なものが映り込むことはありません。

さらに角がない形状の効果で圧迫感を軽減してくれるので、ミーティング開始時間までおおらかな気持ちで準備に集中することができます。直径約1.2mの大きな天板だから、資料を広げるのもちょっとした作業をするのも余裕です。

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例えば新しいコーヒーマシーンが届いて待ちきれずに荷解きしてしまっても、画面に写り込まない位置に逃げられます。

そして「91 テーブル」のマットな質感の白い水平面は、空間を明るくしてくれるので部屋が広く見えます。レフ板のような効果もあるので顔色を明るく見せてくれますし、ちょっとした小物撮影にもとても便利です。

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休憩時には外の風景が見える席に座ってみてください、視線の向く方が明るければ心も上向きに!

座る位置を自由に決められるので、見える景色に配慮することで手軽に気分転換することができます。食事をとる席と仕事をする席は、ぜひ変えてみてください。

少しの距離の移動でも心は大きく動くので、目に見える景色の中に季節の草花を取り入れたり借景の中にある見目麗しくないものを隠してくれるリネンのカーテンをかけたりといった工夫をすることで、家の居心地はがらりと変わります。

また【前編】でご紹介した「ニーチェアエックス シキリ」との相性もとてもよく、フレキシブルに移動できるリラックスチェアを組み合わせることで、「91テーブル」のポテンシャルを最大限に引き出し、部屋を広く使うことができます。

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高さ関係がちょうどいいので、ダイニングテーブルの片隅に手を伸ばしてものを置くこともできます。

名作として愛され続ける理由は、細部へのこだわりにも

ダイニングテーブルは、家具の中でも一番手で触れることが多いアイテム。また毎日の食事をとる場所でもあるので、手触りや質感は暮らしの満足度を左右します。

白のラミネートと木の組み合わせはシンプルですが、ツヤ感や手触り、貼り合わせた小口のみえがかり(厚み部分に出てくる材料の断面部分の処理)、脚の取り付け部に余計な部材があるかないか等、目に見えないところに配慮されていることで品のある佇まいになるかどうかが分かれます。

「91テーブル」をデザインしたのは、フィンランドで建築家としても活躍していたアルヴァ・アアルトとアイノ・アアルト夫妻。1935年に夫妻がデザインする家具、照明器具、テキスタイルを世界的に販売することを目的にアルテックを創業しました。

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アルヴァとアイノのアアルト夫妻。建築は家具と補完し合うものと考えていたため、自身が設計した建築に合わせておのずと家具のデザインも手掛けるようになりました。
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1930年代初めに開発し、特許を取得した曲げ木の技法「L-レッグ」。今も変わらない製法で、フィンランドの工房でつくられています。

特許を取得しているL字型の脚は、無垢のバーチ材を曲げるための工夫と天板や座面とのシンプルな接合が特徴。無垢材の先端から曲げる部分まで切れ目を数ミリ間隔で入れ、その間に薄いベニヤ板をはさみ、その後、熱を加えながら曲げる技術が施されています。同じ部材を用いたテーブルやスツールなど、永年のロングセラーの家具シリーズとしてさまざまなアイテムが展開されてきました。

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カーブした4本の脚を天板にネジで固定する簡単な組み立てを通じて、北欧デザインの合理性を体感することができます。

以上、「デザインショップ」から「91 テーブル」をご紹介しました。  大きなダイニングテーブルが毎日の生活に余裕を生んでくれるきっかけにもなったら素敵ですよね。

※掲載した商品の価格は、税込みです。

※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM