昨今のジビエブームの後押しもあり、私たちの食生活に身近な食材となった羊肉。グリルでこんがり焼いたラムチョップや、北海道や東北の郷土料理として親しまれ、今や全国的な人気となったジンギスカンなど、いたるところで見かけるようになりました。独特の香りが特徴的でスパイスとの相性も良く、インド料理などさまざまな外国料理でも使われています。

今回は羊肉の分類について詳しく解説していきます。

羊の飼育頭数が一番多い国は中国です。火鍋や串焼きで羊を食べる文化があるからですね

■ラムとマトンはこうやって見分ける!

ジンギスカンのメニューを思い返していただくと、「ラム」や「マトン」といった種類を思い浮かべるのでは? この「ラム」と「マトン」、どちらが若いかご存知ですか?

「ラム」は羊肉のなかでも最上級といわれており、フレンチでは高級な食材とされています

「ラム」は生後およそ1年未満の仔羊の肉。やわらかく羊肉特有の臭みが少なく、羊肉が苦手な人でも食べやすいと人気があります。一方の「マトン」は、生後2年以上のものを指します。マトンはラムに比べると匂いもありますが、羊肉の旨みをダイレクトに味わうことができます。羊肉を食べ慣れていない人は、まずはラムからチャレンジしてみるのがいいでしょう。

生後1年未満の羊がラムとお伝えしましたが、羊は放牧して飼育するため、年齢を判別するのはなかなか大変です。そこで、歯によって羊肉を分類している国もあります。

ニュージーランドでは、「ラム」は生後1年未満であるほかに、永久門歯がないことが条件となっています。また、「マトン」は永久門歯が2本以上あり、オスの場合は去勢されていることを指しています。羊肉は世界で一番食べてられている肉ともいわれており、さまざまな地域で愛されているからこそ、このように分類の違いがあるんですね。

ラムとマトン以外の分類方法

「ラム」が1年未満、「マトン」が生後2年以上ならば、その間の生後1年以上2年未満の羊肉はなんというのでしょうか…?

クスクスなどのタジン料理にも羊肉は使われており、一層身近な存在になっていますね( StockphotoVideo / Shutterstock.com)

日本では、「ラム」より年をとった羊肉を「マトン」とまとめていますが、人口以上に羊の数の方が多いニュージーランドでは「ラム」と「マトン」の間の生育期間の羊肉を「ホゲット」といいます。

この「ホゲット」は「マトン」よりもクセがなく、「ラム」よりも濃厚な味わいと、両方の良い部分を持っています。しかし、日本では輸入の際に「ホゲット」は「マトン」に分類されてしまうので正式には流通していません。羊肉が好きな人は、海外に行ったときに「ホゲット」を探してみてはいかがでしょうか。

ジンギスカンはラム?それともマトン?

それでは、ジンギスカンに使われる「羊肉」とはなんでしょうか。ジンギスカンには羊肉をタレに漬け込んだ「味付」と「生」があります。この「生」というのは、味がついていない羊肉のことで、鉄板で焼いてからタレに浸けて食べます。

実は、「生」の場合はクセが少ない「ラム」のことがほとんどで、タレ付きは「マトン」が多いのです。ジンギスカン専門店には両方置いてある場合がほとんどなので、その違いを食べ比べてみてくださいね。

ジンギスカンは野菜を切って焼くだけなので、とても簡単。ホームパーティーにも最適ですね(Nishihama/Shutterstock.com)

■家でなかなか羊肉を食べないけど、どうすればおいしく食べられる?

クセがあるので調理しにくいと思われがちな羊肉ですが、高タンパクでヘルシーなのがうれしいところ。羊肉のおいしさを味わうならば、まずはラムを食べてみましょう。人気のラムチョップのつくり方は簡単。臭みをとるためにローズマリーやタイムなどのハーブとニンニクを添えて、塩胡椒したラムチョップをフライパンかオーブンで焼くだけです。

ラムがなかなか見つからないときは、精肉専門店をのぞいてみましょう

やわらかくジューシーなラムの味わいは、クセになるおいしさです。「ラム」と「マトン」の違いをおさえて、ヘルシーな羊肉を食卓に取り入れてみてくださいね。

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WRITING :
長祖久美子
EDIT :
青山 梓(東京通信社)