【目次】

オフィスでのデスクワークで腰痛を引き起こす「2つの理由」


宮腰 圭さん
整体家、「骨と筋」代表、「アカデミー骨と筋」主宰
(みやこし けい)1969年秋田県生まれ。'50年代のアメリカに憧れ、テネシー州メンフィスでバンド活動に励んだのち、30才のときに音楽で生計を立てる道を断念。一転カイロプラクティックの道を志し、日本カイロプラクティックカレッジに入学。2001年より米国政府公認ドクター中島旻保D.Cのセンターに勤務。2006年に中目黒にて開業し、2010年にはスクール「アカデミー骨と筋」を開校。現在は東京・四谷にて整体院「骨と筋」を運営。これまで4万人以上の悩みを解決してきた人気整体師だが、地方や海外からわざわざ訪れる人も多いため、通院できないクライアントのためにセルフメソッドを多数開発。300種類近くもの体操を考案しており、その圧倒的数の多さから「セルフメソッドの発明王」とも呼ばれている。新刊『肩こり、首痛、ねこ背が2週間で解消!「巻き肩」を治す』『腰痛が4週間で解消!「大腰筋」を強くする』(ともにサンマーク出版)が2月下旬発売予定。

【1】椅子からほとんど動かない生活を送っている

1時間に1回は立つように。
1時間に1回は立つように。

デスクワークの人にとってはやむを得ないことかもしれませんが、長時間座りっぱなしの作業もよくないそうです。

「長時間座りっぱなしだと、大腰筋(腰椎から股関節の下につながる筋肉)が常に収縮して硬くなります。大腰筋が縮んだ状態で硬くなっていると、その反対側に位置する腰の筋肉は引っ張られて血流が悪くなります。また座っているときは、上半身の体重がすべて腰(とくに腰椎の4番、5番、仙骨)にかかっていますから、その負荷を1日中さらに何年も受け続けることで、腰の筋肉あるいは関節が音を上げます」(宮腰さん)

有効な解決策としては、1時間に1回は椅子から立って、その場で足踏みをすることだとか。

「それだけでも、腰痛の黒幕である大腰筋の筋トレと、筋緊張の解放になります。他にも、尿意はなくともトイレまで歩いて戻ってくるだけでも、腰に蓄積した負荷を緩和させることができます。なぜなら、立ったり歩いたりするだけでも、上半身の体重が股関節やヒザ、足首など他の関節にも分散されるからです。

したがって、1日を通して少しでも足踏みや歩行を行えば、そのつど腰に蓄積している負荷が、他の動かした部分にも分散され、腰にかかる負担が軽くなります。『立っているほうがラクだ』という腰痛持ちの人が多いのは、こういった理由からです」(宮腰さん)

【2】肘掛けを片方だけ使っている

「肘掛けを使っている側の仙腸関節(骨盤の骨である仙骨と腸骨の間にある関節)がフリーズ(固着)して、腰痛が慢性化します。ですから、肘掛けを使うなら両方で使うか、もしくは肘掛けは使わずに、骨盤を立てて座ることが大切です。

長時間のデスクワークでも苦痛なく、ずっと良い姿勢のままでいられる方法は、足を前後に置いて座ることです。足を前後に置くと、後ろに置いてある足が上半身の支えになりますから、腰の位置が正座と近い状態=骨盤が立っている状態になり、長時間座っていても疲れることがなくなります。

また後ろの足が支えになることで、ずっと正しい姿勢のままでもいられますから、腰痛をダイレクトに避けることができます」(宮腰さん)

仕事が忙しいときほど、デスクから離れられなかったり、集中していて気づいたら、ずっと同じ姿勢で固まっていたり、といったことはよくあるかもしれません。でも、腰痛を避けるためには、足の位置を意識したり、1時間に一度はちょっとひと息入れる時間をつくったほうが良さそうですね。

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【1】座ったまま、肩や腰を芯からほぐす「背骨」ストレッチ


村木宏衣さん
エイジングデザイナー
(むらき ひろい)大手エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務経験を経て、小顔、リフトアップ、むくみ、ボディメイキングなど女性の悩みに対して、独自の「村木式 整筋」メソッドを確立。2018年「クリニックF」内「Amazing♡ beauty」を開設。最新刊は『10秒で疲れが取れる 奇跡の目元ほぐし』(主婦の友社)。 そしてご自身がプロデュースした美顔器「アメージングローラー」も発売中。「村木式整筋」メソッドのテクニックをセルフケアで簡単に再現できると話題に。

■たった「40秒」で腰痛に効く背骨ストレッチはこまめに行って

\このストレッチの効果とポイント/
・「胸椎」は、姿勢の悪さや肩こり、腰痛などに大きく関わる重要な脊椎。
・スマホチェックやパソコン作業などで、前傾姿勢でいると「胸椎」が硬くなりやすい。
・「胸椎」をほぐすこの「背骨ストレッチ」を行うと肩こり、腰痛、猫背の解消に効果的。
・座ったままでたった40秒で完了。こまめに行うと疲れにくい体に!

<STEP.1>右手を右膝の内側に、左手は椅子の背もたれ側を持つ

・背筋はピンと伸ばして、右手を右膝の内側に、左手は椅子の背もたれ側を持ちます。これが基本姿勢です。

背骨をまっすぐにしてねじるストレッチなので、猫背にならないように気をつけましょう。
背骨をまっすぐにしてねじるストレッチなので、猫背にならないように気をつけましょう。

<STEP.2>お腹、胸、頭の順番にゆっくりと右方向にねじる

・上に伸びていくイメージで、お腹、胸、頭の順番にゆっくりと右方向にねじっていきます。
・つい首から先にねじってしまいがちですが、必ずお腹からねじるようにしてください。
・ねじり切ったところで、深呼吸しながら20秒キープしましょう。逆側も同様に行ってください。

この動きはインナーマッスルにも刺激を与えますし、内臓の活性化にもつながります。
この動きはインナーマッスルにも刺激を与えますし、内臓の活性化にもつながります。

村木宏衣さん指南|たった40秒で肩こり、腰痛に効く!座ったままで芯からほぐせる「背骨ストレッチ」

【2】ぽっこりお腹・骨盤の歪み・腰痛を解消する「腹斜筋」ストレッチ


■オフィスのスキマ時間に! 「60秒」で椅子に座ったまま腰痛解消

\このストレッチの効果とポイント/
・ウエストが太くなってきた、と感じる人がまずやるべきは「腹斜筋のストレッチ」。
・腹斜筋が硬くなっていることで脂肪を溜め込みやすくなっている可能性が。
・腹斜筋が柔軟でしっかりと稼働していれば、お腹周りはすっきり状態に。
・このストレッチはくびれ復活だけでなく、骨盤の歪み、腰痛の解消にも効果的。

<STEP.1>椅子に座り、耳に手を当てる

・まっすぐの姿勢で椅子に座ります。足は肩幅に開き、床にしっかりとつけること。
・そして手を耳に当てて、腕はしっかりと左右に開きましょう。これが基本姿勢です。

肘は真横に出して、腕が下がらないように、姿勢を正しましょう。
肘は真横に出して、腕が下がらないように、姿勢を正しましょう。

<STEP.2>上半身を左に倒してストレッチする

・STEP.1の体勢のまま、上半身を左に倒します。
・お尻が浮かないように、腹斜筋をしっかりと伸ばすのをイメージして30秒キープしましょう。
・右も同様に行ってください。

体が硬い人はうまく伸ばせないこともあるので、無理のない範囲で行ってください。
体が硬い人はうまく伸ばせないこともあるので、無理のない範囲で行ってください。

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【3】お腹痩せ&腰痛に効く「腹直筋」ストレッチ


■デスクワーク中も「お腹をほぐす」ことを習慣化して

\このストレッチの効果とポイント/
・運動不足&長時間のデスクワークでお腹周りに脂肪がつきやすくなるし、腰痛引き起こす。
・原因は「お腹が硬くなっていること」なので、お腹をほぐすことが課題に。
・村木さんのメソッドはお腹の「脂肪をほぐす」「腹直筋をほぐす」という2ステップで完了。
・腰痛や便秘解消になり、ウエストもすっきりするので習慣化するのがおすすめ。

<STEP.1>お腹の脂肪をつかんだまま、膝を上げ下げする

・椅子に座り、お腹の脂肪が気になるところを深くつかんだまま、左右の膝を上げ下げします。
・左右の上げ下げで1カウントとして、1カ所につき5回ずつ行いましょう。
・これなら手の力を使わずに、簡単に効率よくお腹の脂肪、老廃物をほぐして流すことができます。

おへそ周りの気になるところをつかみ、息を吐きながら行いましょう。腸の動きも良くなるので、便秘解消にも。
おへそ周りの気になるところをつかみ、息を吐きながら行いましょう。腸の動きも良くなるので、便秘解消にも。

<STEP.2>腹直筋を細かくマッサージする

・腹直筋(ふくちょくきん)とは、胸の下から恥骨あたりまで縦に長く覆っている、いわゆる「シックスパック」をつくるときに重要な筋肉のこと。
・ここが硬くなると脂肪を溜め込みやすくなるし、腰痛も引き起こします。

・右手で左側の腹直筋をほぐしていきますが、中指と人差し指の指の腹を使って、左右に小刻みに動かしながら胸の下から恥骨あたりまでマッサージをしていきます。
・1カ所につき6往復行って。同様に左手で右側の腹直筋をほぐしていきましょう。

このとき、息は止めずに深呼吸をしながらリラックスした状態で行いましょう。
このとき、息は止めずに深呼吸をしながらリラックスした状態で行いましょう。

お腹痩せ&腰痛解消に効く!2分でできる「お腹ほぐし」メソッド

この記事の執筆者
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