【目次】
40代ならではの悩み「原因」
■バストの下垂やハリの低下は、なぜ起こる?
「まず、バストの下垂やハリの低下が起こってしまう理由としては、クーパー靭帯が切れたり伸びたりしてしまうことです。クーパー靭帯とは、乳腺と筋肉や皮膚をつないでいる組織のことです。
激しい運動や、ブラジャーを着けずに日常を過ごしてしまうだけでもクーパー靭帯を痛めてしまいます。
あとは加齢ですね。加齢によってクーパー靭帯を形成するコラーゲンの生成が減少することによって、バストが下垂していきます。サロンに来るお客様でも、40代以降の人の悩みとして『バストが下垂してきてしまった』という悩みを持つ人は特に多いですね。
バストアップ、バストケアと聞くと『単純にバストを大きくする』というイメージが先行しますが、実際、胸元のボリュームを出したり、ハリを出したりすることで下垂させないという効果が期待できます」(神長さん)
バストアップに効果的な「食べ物」
■バストケアを意識したら「摂取しておきたい食べ物」【4選】
【1】大豆製品
「お豆腐や納豆などの大豆製品を摂取することがバストアップに効果的という話はよく聞きますよね。
大豆の中に含まれるイソフラボンという成分が、女性ホルモンのエストロゲンと似たような働きをしてくれることで、乳細胞を増やしてバストの形成に効果を発揮してくれます。
イソフラボンはバストだけでなく、肌の状態を良くしたりハリを出したり、という効果もあるのでおすすめです。
実際に私も、以前はニキビに悩まされていたのですが、ソイプロテインを摂取するようになってから、ニキビがなくなり肌の状態がかなり改善されましたね」(神長さん)
【2】キャベツ
「キャベツもバストアップやバストのケアを意識した時にぜひ摂取して欲しい食材です。
キャベツの中に含まれるボロンという成分が、エストロゲンの分泌をふやしてくれるのです。ボロンは熱に弱いので、できるだけ生で摂取することをおすすめします」(神長さん)
【3】セロリ
「皆さんがあまり知らない食材で言うと、セロリでしょうか。
血行を促進してくれるビタミンEが豊富に含まれています。血行を良くすることはいわゆる“胸こり”、バストのこりを取ってくれることにも一役買ってくれます。
また、ビタミンEは乳腺を発育してくれる効果もあるので、バストのハリがなくなってきたな、という時には意識的に摂取してみてください」(神長さん)
【4】マカ
「今はバストアップ系のサプリだとプエラリアなどが有名ですが、実は以前バストアップ系のサプリでよく出ていたのがマカですね。
マカはものすごく栄養価が高く、マカを栽培した後の土壌では何も育たないと言われるほど、その実の中に栄養を蓄えるのです」(神長さん)
■バストアップやケアに効く食べ物、飛びつく前に気をつけたいこと
「バストアップに効く、ダイエットに効くなど、何かの食材が話題になると、その食材ばかりを摂取していれば良いと考える人がいるのですが、それは間違いですね。
まずはバランスのとれた食生活を行なった上で、という前提を守って摂取することが大切になります。例えば、ビタミンCばかりを摂っていても、同時にカルシウムを摂取しないと体内に吸収されない、というふうに、しっかりと食べ合わせを考えてから、摂取していただきたいですね」(神長さん)
バストのハリを取り戻す「マッサージ」
■バストマッサージで意識すべきは「環境づくり」
「まず、バストのマッサージに対する考え方なのですが、育乳考えた際の『環境作り』と考えてもらえればと思います。
バストに効くサプリも飲んでいるし、食べ物も摂取している、なのに効果が現れない! という方がいるのですが、それは育乳を行う土壌がしっかりと整えられていない可能性が高いのです。
例えば、コンクリートのように固まってしまった地面に、いくら栄養剤を入れても、植物は育ちませんよね? それと同じで、何をやっても効果がないという人は、胸の血流が悪く、肩こりのように乳線が凝り固まっているという場合が多いのです。筋肉と乳腺をつなぐ部分が癒着してしまっている、という状態ですね。私は『胸こり』と呼んでいます」(神長さん)
■バストマッサージを行うときに気を付けるポイント
「そうですね。とはいえ、ただやればいいというものではなく、バストのマッサージを行う際に気をつけてほしいポイントがあります。
よく、マッサージをすると、頑張りすぎてしまう人がいるのですよね。私のサロンでも初回の施術の時にかなり痛みを感じる人がいて、それを良しと思っている人がいるのですが、それは間違いです。
私たちは力任せに『痛い施術』をしているのではなく、胸こりが起こっているために、痛みを感じるのです。効いているかどうかの基準を『痛み』に置かないことが大切です。
頑張りすぎてしまうと、クーパー靭帯という、筋肉と乳腺をつなぎバストを支えている部分を、傷つけてしまう可能性があります。クーパー靭帯が傷つくと、逆にバストを下垂させてしまう原因になりかねません」(神長さん)
■生理中はバストマッサージは控えるべき?
「生理中は胸が張るという人も多いですよね。マッサージしないほうがいいかな? と考える人も多いと思いますが、生理中にマッサージを行っても大丈夫ですよ。むしろ、胸が張るという人は、それをほぐすためにやったほうが良いですね。
リンパにアプローチするマッサージだと、美容ローラーで鎖骨の下をコロコロするなどして、リンパを刺激したり、胸の横を拳でグリグリと押したり、といったものも良いですね。
バストそのものは優しくしっかり、リンパ周辺は痛気持ちいいと感じる程度の強さで行ってください」(神長さん)
バストアップに「効果的な食べ物、マッサージ、下着選びのコツ」をプロに聞きました
■マッサージぴったり! バスト専用クリーム【2選】
【1】アンティーム オーガニック「ブレスト ケアクリーム」
■植物療法の視点で女性の美と健康をサポート
南上さんがインストラクターを務める「アンティーム オーガニック」のバスト専用クリーム。厳選した植物成分が黄金比で配合されています。手のひらで肌温度に温めてからマッサージを。
【2】PJ BEAUTY 「ボムバストクリーム リッチ」
■さすが下着ブランド!ピーチ・ジョンのバストケアアイテムは大充実
塗った瞬間からすっとなじみ、肌表面をぴたりと覆うようなハリと潤いが持続。保湿&マッサージでふんわりバストへ導きます。
いくつになっても自信のもてる美しい胸をつくる「バストケア法&コスメ」とは?
自分のバストに合う「下着選び」
■下着の選び方は、年代によって変わるものではない!
「ブラトップ系のアンダーウェアは、締めつけもなく楽ですよね。実際に私もいくつか持っています。ただ、バストアップや育乳という観点から見ると、やはりホールド感が弱く楽な分、バストの下垂を促進してしまうという部分があるのが否定できません。ホールドされず、バストに重力がかかる、ヌーブラなどにも同じことが言えますね。
たしかに、20歳前後と40歳前後の女性ではそもそも肌質も違ってきますし、バストに対する悩みも違います。ただ、こと下着選びに関して言えば、年代によって変わるものではないですね。
これは先ほど話したブラトップ系を着用することにも同じことが言えます。20代の女性でも、そういったものを着用し続けることで、バストの下垂が起こるということは十分にありますし、実際に私のサロンにも若い人でそのような悩みを持って来られるお客様は多いですよ」(神長さん)
■重要なのは下着のフィッティング!
「まず下着を選ぶ際、多くの人がサイズを測ってその上で、そのサイズ通りの下着を購入することが多いと思うのですが、『自分はこのサイズだから』と決めつけることなく、必ずフィッティングして購入することをおすすめします。
下着を着用する際、多くの人がしっかり脇肉などをカップの中に入れて、いわゆるバストメイクをすると思うのですが、重要なのはそのバストメイクをした状態なのです。
『バストが小さいから、自分はAカップでも隙間ができてしまう』という人は、そもそもワイヤーがバストの上に乗っかってしまい、上手にバストメイクができていないだけ、という可能性があるのです。
フィッティングしてみたら、実はCカップの下着の方が合っていた!なんてことも多いですよ。自分のバストのサイズを決めつけずに、あらゆるサイズ、形状の下着をフィッティングしてみて購入することが大切です」(神長さん)
■下着選びで見る「3つのポイント」
【POINT:1】ワイヤーの形
「最近、締め付け感が気になるという人のために、L字型のワイヤーを使って左右の間を開けた下着などが販売されていますが、そうなると谷間部分がホールドされず、谷間のあたりに下垂が起こってしまいます。これだと、正面から見てバストの下部分が平らな形になってしまうのです。
ワイヤーの形はしっかりとU字型で、さらに谷間部分の左右のワイヤーの間隔が狭いものがおすすめです」(神長さん)
\谷間部分のワイヤーが当たって痛い場合はどうすればいい?/
神長「そもそも、ワイヤーの間隔が狭いものでも、しっかりとバストの形に合った下着を着けていれば、痛いと感じることはないと思いますね。やはりその部分もフィッティングをしてみることで、見極めると良いですね。
あとは正面から見たときの体の幅と、左右のワイヤーの幅が合っているものを選ぶことが大切です。合っていないと、ワイヤーがバストの上に乗ってしまって、間違ったサイズを買ってしまう、ということが起こってしまいます」(神長さん)
【POINT:2】脇部分のワイヤー
「下着は脇の下にも一本ワイヤーが入っていますが、このワイヤーの縦の長さがあるものが良いですね。これは、しっかりとバストをホールドした状態で固定してくれるかどうか?という部分に関わってきます。
脇部分のワイヤーに長さがないと、どうしてもバスト全体のホールド感は弱くなってしまいます。同じように、ホックも3つ付いているものがおすすめですね」(神長さん)
【POINT:3】肩紐
「肩ひもに関しては、しっかりと脇の下部分から延びているものを使用する、というのがポイントですね。
デザイン重視のものだと、どうしても肩紐の取り付け部分が内側寄りにあって、脇の下から間が空いてしまいます。そういった下着を選ぶことで、バストの脂肪が脇に逃げてしまい、徐々に二の腕の脂肪に変わっていってしまうのです。二の腕を太くしてしまう原因になります」(神長さん)
■ナイトブラの選び方は?
「そうですね、成長過程であればそれでもOKなのですが……。下垂やハリの低下を招きたくないのであれば、就寝時はナイトブラの着用はするべきです。血流を妨げないよう、きつくなく、ゆるくなく、谷間ができる程度のものが良いですね」(神長さん)
\サイズ展開が豊富じゃないナイトブラ。ぴったり合うものが見つからない場合は?/
神長「そうですね。そこでいわゆるナイトブラというものではなく、スポーツブラをナイトブラとして使う、という方法がおすすめですね!
スポーツブラは、実際にスポーツをするという人以外は、あまり馴染みがないと思うのですが、サイズ展開も豊富で、普通の人が昼間に着用している下着に比べて、グッと締め付け感も抑えられます。
もちろん、スポーツブラを選ぶ際も、しっかりとフィッティングは行ってくださいね」
バストアップに「効果的な食べ物、マッサージ、下着選びのコツ」をプロに聞きました
■プロが解説!「ブラジャーの種類」
実はブラジャーの種類は数えきれないほどあり、同じような形でもブランドによって呼び方が違っていたり、時代によって変わったりすることも珍しくありません。
ブラジャーを分類するわかりやすい方法に「ワイヤー入り」「ワイヤーなし」があり、これまで「ワイヤー入り」はバストメイク力があるけれどちょっと窮屈、「ワイヤーなし」は楽な着け心地だけれどバストメイク力がない、というのが定説でした。ところが昨今のワイヤーやカップ素材の技術開発によってその概念も崩れつつあり、「ワイヤー入り」でも楽なブラもあれば「ワイヤーなし」でもバストメイク機能を備えたものが続々と登場しています。
ブラジャーはサイズが合ったもの、心地良いと感じる着け心地のものであることが前提。そのうえで、デザインごとの大まかな特徴を知っておくと求めているブラに出合いやすくなります。
■カップの形状別の特徴
ブラジャーはバストをおおうカップの面積によって、主に下記の3つに分けることができ、それぞれの形によって機能に特徴があります。
【1】フルカップ
バスト全体をおおうようなカップで、バストを包み込んで安定感があります。豊かなバストや柔らかいバストにおすすめです。
【2】3/4カップ
バストの約3/4をおおうカップで、バストを脇から寄せやすい形です。谷間をつくりたいとき、バストアップしたいときにおすすめです。
【3】1/2カップ(ハーフカップ)
バストの約1/2をおおうカップで、下からバストを支える機能があります。ストラップが取り外せるものも多く、ストラップレスにできるものもあります。
■その他のバリエーション別の特徴
ブラジャーは上記の3タイプ以外にもデザインのバリエーションによって、さまざまな呼び名があります。そのなかから代表的なブラジャーをご紹介しましょう。
【4】ブラレット
ノンワイヤーでカップ下が少し長いものが多く、ほとんどがSML展開。着け心地も楽でナチュラルなバストシルエットをつくります。カップが水着のような三角形になっているトライアングルブラも、ブラレットと呼ぶ場合があります。
【5】プランジ(ブランジング)
前中心が深いVカットになっているブラジャー。前中心のワイヤーが当たりにくいので、痩せている方にもおすすめ。最近は、バスト全体を包むドロップ型のカップデザインがトレンドになっています。
【6】フロントホック
前で留めるタイプのブラで、バックスタイルがすっきり見えます。背中にホックがないため、背中にもデザインを施したものも多く、背中見せのトップスやシアー感のある素材のトップスにぴったりです。
【7】モールドカップ
シート状になった生地に圧をかけてカップの立体を作っているブラ。シームレスブラ、Tシャツブラと呼ばれることも。接ぎがなく表面がつるんとしているので、Tシャツや薄手のニットなどを着るときにラインがひびかず便利です。
【8】ブラトップ
ブラジャーとキャミソール・タンクトップが一体型になっているもの。1枚でOKなので楽なうえ、シアーな素材のトップス、ネックラインや背中が大きく開いたトップスなどに合わせやすいので重宝します。
■シーンによって使い分けるブラジャーの特徴
スポーツブラやナイトブラは、シーンによって使い分けるブラジャーの代表。普段の生活とは違う負荷がバストにかかるため、美乳をキーブするために持っておきたいブラジャーです。
【9】スポーツブラ
スポーツ時のバストの揺れを軽減することを目的としたブラジャー。とくにランニングやエアロビクスなど激しい動きの場合は、バストが上下に大きく揺れるため、しっかりホールドするスポーツブラの着用は必須です。
【10】ナイトブラ
就寝時専用のブラジャー。就寝時は立っているときに比べて横や上にバストが流れやすいので、それを踏まえた設計のナイトブラを着けるようにしましょう。バストアップしたいからと、就寝時に窮屈なブラジャーをつけるのはNGです。
他にも、タンクトップをバスト下でカットしたような形のハーフトップ、ストラップがついていない筒状のバンドゥ(チューブ)、カップ下がウエスト部分まであるロングライン(ビスチェ)、授乳しやすいような構造になっているマタニティーブラなどたくさんの種類があります。
意外と知らない下着の常識!買い物にも役立つ「ブラジャーの種類と特徴」をおさらい
- TEXT :
- Precious.jp編集部