揺らぐ “第二のお年頃世代” こそ、もっと「たんぱく質」!

 

今、健康づくり界隈では、たんぱく質が空前のブーム。人生100年時代を生き抜くキーワードとして大きな注目を集めています。更年期真っただ中のプレシャス世代は、女性ホルモンの減少による、筋力や骨密度の低下が心配。たんぱく質が気になっている人も多いのではないでしょうか?

今のあなたの食生活にたんぱく質は足りていますか? 考えたこともなかった…、意識はしているが再検証したい、というみなさん。この機会に食生活の見直しを!第二のお年頃の私たちにとって、まぎれもなく大急ぎ案件です。

お話をうかがったのは… 上西 一弘 先生
女子栄養大学教授
スポーツ栄養学の研究やスポーツ選手のサポートなどを行っている。『新しいタンパク質の教科書 健康な心と体をつくる栄養の基本』(池田書店)、『たんぱく質で痩せる&リバウンドSTOP‼ 新ダイエットごはん』(日本文芸社)など、たんぱく質に関する著書多数。

【たんぱく質、どう食べる?】まだサラダ?大人はもっと肉 & 大豆!

たんぱく質が豊富な食材。納豆、ハンバーグ、焼き鮭、プロセスチーズ、目玉焼き
 

体重の数字(kg)×1g=たんぱく質をとろう!

たんぱく質を一日にどれだけ摂取すればよいのでしょう?最もシンプルで覚えやすいのは、体重の数字(kg)×1g=一日の必要量、という計算方法です。体重が50kgの人ならば、たんぱく質は50g。筋肉を増やすために何か運動をしている人なら、体重の数字(kg)×1.2~1.5gでもいいでしょう。

では、どのように50gを摂取すればよいのでしょう? 例えば、ゆで卵1個のたんぱく質量はおよそ7g、豆腐(木綿)1/2丁(150g)はおよそ10g、胸肉のチキンステーキ(100g)はおよそ20g。これらを積み上げて、一日の必要量を充足すればいいのです。

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食べるなら良質なたんぱく質を

良質なたんぱく質とされるのは、動物性の肉や魚や卵や乳製品、植物性の大豆製品。動物性と植物性は1:1の割合でとるのが理想的とされています。これらのたんぱく質は体内で合成できない必須アミノ酸をバランスよく含有しています。

実は、パンやごはんや野菜や果物にも、たんぱく質は含まれていますが、その多くは必須アミノ酸が足りません。そのため、良質なたんぱく質と一緒に摂取するのがおすすめなのです。ただし、動物性たんぱく質は消化に時間がかかるので、夜遅くは避けるなど食事の時間には注意しましょう。

たんぱく質だけでなく脂質と炭水化物もぜひ!

糖質オフダイエットや16時間絶食では、結局のところ痩せないのには理由があります。エネルギー源である炭水化物(糖質)を減らすと、代わりにたんぱく質がエネルギーとして使われてしまい、全身の筋肉量が低下します。筋肉量が低下すると、基礎代謝が落ち、太りやすくなってしまうのです。

サラダばかりや単品ダイエット、ましてや絶食では、どの栄養もまったく足りません。体は筋肉を削ってエネルギーを生み出すため、やはり筋肉量が低下していきます。健康的に痩せるには、たんぱく質も脂質も炭水化物もバランスよく摂取すべきです。

3食で1/3ずつたんぱく質を摂取

朝は時間がないし、食欲もわかないから、コーヒーとパンだけ、という人も多いのでは?このような食生活では、効率よくたんぱく質を摂取できません。1食のたんぱく質が少なすぎると、筋肉を合成するスイッチが入らず、筋肉の分解が始まってしまうからです。

朝食でしっかりたんぱく質を摂取すれば、睡眠中に進んだ筋肉の分解を抑え、すばやく合成に転じることができます。大切な筋肉を削らないためにも、たんぱく質は小まめに摂取しましょう。たんぱく質が足りないと思ったら、間食にヨーグルトなどもおすすめです。

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PHOTO :
唐澤光也(RED POINT) 、Getty Images
EDIT&WRITING :
木更容子、佐藤友貴絵(Precious)