「えびす講」というワードを聞いたことはありますか? 勘のいい人なら「恵比寿さまに関連する何かかな?」と気付くかもしれませんね。年末年始に向けて伝統行事も気になる時期です。10月の行事のひとつである「えびす講」について、サクッと解説しましょう。

【目次】

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七福神の「七神」を全員、言えますか? 正解はこの記事の最後にご紹介します。

【「えびす講」の意味や日付など基礎知識】

■意味

「えびす講」とは、商売や豊穣の神である恵比寿さまを祀る行事です。10月は神無月(かんなづき)とも言うように、日本中の神さまが出雲に集うため、全国各地の神社に祭られている神さまは留守になる月、とされています(ちなみに、神さまが集まる出雲では、10月を神在月(かみありづき)と呼びます)。その神無月に唯一留守を預かり、人々を守るのが恵比寿さま。「えびす講」は、そんな大役を担っている恵比寿さまを慰めるために始まったといわれています。ちなみに「講」とは、宗教信者の集まりや団体を意味する言葉です。

■何をする日?

「えびす講」には、恵比寿さまを祭る神社を参拝したり、家庭で恵比寿像を祭ったりするのが習わしです。お供えには、鯛やご飯、鏡餅、清酒、旬の食べ物などを。おもしろいのはさすが商売繁盛の神さまだけあり、お財布やお金などをお供えすることもあるのだとか。2024年の「えびす講」では、出回り始めた新しい紙幣をお供えするのもよさそうです。

■「えびす講」はいつ?

「えびす講」は、そもそもは旧暦の10月20日に行われていた行事です。地域や神社によって時季は多少異なるようですが、毎年新暦の10月20日、あるいは11月20日に開かれる講を「二十日えびす」と言い、新暦1月10日の講を「十日戎(とおかえびす)」とも。


【金運アップにも!?ビジネス雑談に役立つ「えびす講」豆知識】

ほかの神さまが留守の間に地域を守る恵比寿さまを労って行われる「えびす講」。金運とも深くつながる恵比寿様だけに、この時期は「えびす講」や恵比寿様に関する雑学がビジネス雑談にもってこい! いくつかご紹介しましょう。

■お財布を替える準備をするならいま!

新しいお財布を使い始めるのにいい日とされるのは、一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)と天赦日(てんしゃにち)が重なる日。2024年に残されたこの最強日は12月26日です。「えびす講」の日に自宅の神棚や、よいとされる方角にお供えした財布と新紙幣を、12月26日から使い始めるといいかもしれませんね。

■お供え物を下げるときには呪文を唱える!

「えびす講」では、お供え物を下げるとき、威勢よく「万々両で買い受けます!」と言いながら片づけるのがお約束。これは「高値で売れる=商売が繁盛する」にかけたものなのだとか。

■恵比寿さまのキャラクターにちなんだ宴会!?安売り!?

「えびす講」の日は「にぎやかに過ごすのがよい」ともされ、大勢でお祝いの宴をもつというしきたりを続けいてるところもあるようです。また、宴の際には、関東では親戚や友人知人など親しい人を、関西では商売仲間を招くといった違いが。これもおもしろいですね。また、さすが商売の神さま、と言ったところでしょうか。「えびす講セール」などとして安売りをするところもあります。

■罪滅ぼしにも「えびす講」

地域によってお供え物にも違いがあります。鮒を生きたまま水鉢に入れて供える習慣があるのは、東北から中部にかけて。「えびす講」が終わって井戸や川に放す行為を「放生(ほうじょう)」と言い、鮒を殺生しないことで1年間の罪滅ぼしになると信じられているのだとか。

■「えびす講」とべったら漬けの関係は?

東京・日本橋の宝田恵比寿神社の周辺では、「えびす講」にちなんで毎年10月19日と20日に数百もの露店が並ぶ「べったら市」が開かれます。べったら漬とは、塩で下漬けした大根を米麹と砂糖で漬け込んだ漬物。江戸時代に「えびす講」で売られていた漬物がべったら漬の元祖なのだとか。江戸には辛みの強い練馬大根や東光寺大根があり、いずれも煮炊きより漬物にしたほうがおいしく、べったら漬やたくあん漬が発展しました。


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恵比寿さまのほかの七福神は…五穀豊穣と財福の大黒天、芸能や学業の弁財天、勝運の毘沙門天、長寿の寿老人、健康や幸福の福禄寿、良縁や子宝の布袋尊です。「えびす講」をきかっけに、七福神巡りをしてみるのも楽しいですよ。

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