類まれなる技術力や発想力を持ち、常に世界の第一線で活躍し続けるパティシエ&ショコラティエのピエール・エルメ氏が率いるパティスリー「ピエール・エルメ・パリ」。エルメ氏は、その才能ゆえに「パティスリー界のピカソ」とも称されています。
そんな「ピエール・エルメ・パリ」がこの秋冬、京都発のジャパニーズジンブランド「季の美」とコラボレーション。特別なマカロンが2024年11月26日(火)より発売開始されます。
「季の美」ブランドを手がけるのは、2014年に京都に創立されたジン蒸溜所「京都蒸溜所」です。伏見の名水をはじめ、柚子や山椒、宇治の抹茶など、さまざまな良質な材料の手に入る京都にて、こだわりのジンを作り続けています。
看板商品である「季の美 京都ドライジン」は、ベース、シトラス、ハーバル、スパイス、ティー、フルーティ&フローラルの6つのエレメント・11種類のボタニカルを蒸溜し作られるドライジン。独自の製法でそれぞれの個性が最大限に引き出されることにより、深みのある豊かな味わいのジンに仕上げられています。
今回のコラボレーションでは、6つのエレメントから着想を得たマカロンが誕生します。
これまでも来日のたびに日本各地の生産者を訪れ、さまざまな和素材をクリエイションに取り入れてきたピエール・エルメ氏。今回も、柚子・山椒・生姜・玉露など、多彩な素材が使用されています。
発売に先駆け、2024年11月上旬には、東京「ピエール・エルメ・パリ 青山」および京都「季の美 House」にて期間限定のPOP-UP BARを開催。「季の美 京都ドライジン」を使用したカクテルとのペアリングメニューが提供されました。
今回は、Precious.jpのライターがPOP-UP BARでのペアリング体験に参加。ペアリング含め、マカロンの魅力を実食レポートの形でご紹介します。
「季の美」とのコラボレーションマカロン6種
今回、「Assortiment de 6 Macarons “KI NO BI”」の6種類のマカロンそれぞれに対し、ペアリングとして、「季の美」のブランドアンバサダーを務める佐久間雅志氏による創造性あふれるカクテルを6種類いただきました。
POP-UP BARでは、すべてのカクテルに「季の美 京都ドライジン」を使った、ペアリング体験を楽しめました。そもそもクセが少なく、深みとすっきりとした味わいが特徴の「季の美 京都ドライジン」。マカロンとのペアリングに心が躍ります。
■1:柑橘の爽やかな風味を持つ「マカロン アンフィニマン ユズ」
「季の美 京都ドライジン」のエレメントのひとつ、シトラス。「季の美」では、和のシトラスイメージを表現するため、ジンのボタニカルとして柚子とレモンを使用しています。
「マカロン アンフィニマン ユズ」は、日本固有の柑橘としても知られる柚子を使ったマカロンフレーバー。やさしいマカロンの甘みと、さわやかな柚子の香りが口いっぱいに広がるひと品です。
ペアリングとしていただいたのは「祇園 ハーモニー」と名付けられたカクテル。シャンパンとジンで作るカクテル「フレンチ75」をアレンジしたひと品で、「季の美 京都ドライジン」に、シャンパンの樽で熟成させた「季の美 エディションG 京都ドライジン」を組み合わせています。
まるでウェルカムドリンクのようなさわやかな味わいの一杯。あえてカクテルには柑橘を使わずに、スッキリとした味わいに仕上げることで、マカロンとのペアリングを楽しんでほしいという意図があるそうです。
甘み&柑橘の爽やかさのある「マカロン アンフィニマン ユズ」をご自宅でいただくときも、すっきりとしたシャンパンやジンなどのお酒と合わせるとおいしくいただけそうです。
■2:大葉を使ったマカロン「マカロン オ シソ エ オランジュ」
続いて「季の美 京都ドライジン」のエレメントのひとつ、フルーティ&フローラル。「季の美」では、全体にフルーティなエッセンスを加えるために、赤紫蘇と笹のボタニカルを使用しています。
フルーティ&フローラルのエレメントにインスピレーションを受けた「マカロン オ シソ エ オランジュ」は、大葉を使ったマカロンです。サンドされたまろやかなクリームは、大葉の風味をしっかり感じるユニークな味わいに仕上がっています。ほんのり香るオレンジが全体のアクセントに。
「マカロン オ シソ エ オランジュ」に合わせていただいたのはクラシックカクテルのひとつ「クローバークラブ」をアレンジして作られた「京都 サンセット フィズ」。ラズベリーやハイビスカスの酸味や、ハーブの一種であるパンダンリーフなどの爽やかな味わいが、マカロンの風味を引き立てます。
クローバークラブは卵白を泡立てたものを最後に乗せていただくカクテルですが、「京都 サンセット フィズ」ではひよこ豆を使った「アクアファバ」を代用。ほんのり塩気があり、甘いマカロンとの相性も抜群。クリーミーな口あたりの一杯でした。
■3:玉露風味のクリーム「マカロン オ テ ベール ギョクロ」
3つ目のエレメントは、ティー。「マカロン オ テ ベール ギョクロ」は、「季の美」でもボタニカルとして用いられている玉露を使ったマカロンです。マカロンを彩るお茶の葉も独創的ですよね。甘いクリームの中に、しっかりとお茶の渋みや深みの感じられるひと品です。
合わせていただくのは「季の美 京都ドライジン」に、上品な味わいの貴醸酒を掛け合わせ、さらに水出しの玉露や青のりを合わせて生まれたカクテル「玉露 セレニティ」。お茶のすっきりとした味わいに青のりの風味が加わり、奥行きを生み出しています。
お茶×お茶の相性はもちろん◎。また、青のりと玉露は成分的にも近いそうで、意外にも和の素材同士が上品にマッチしていました。
■4:山椒を使った「マカロン オ サンショウ エ アグリューム」
4つ目はハーバルのエレメント。「季の美」ではボタニカルとして山椒・木の芽が使用されており、オリエンタルな雰囲気を生み出しています。
「マカロン オ サンショウ エ アグリューム」は、そんな山椒と、オレンジのコンフィを使ったマカロン。山椒風味のクリームはスッとした山椒独自の風味・味わいが際立ちます。マカロンコックのカラーもオレンジと山椒を思わせる緑色でかわいらしいです。
合わせていただいたカクテルもとっても独創的。イカスミパウダーで真っ黒に仕上げられたカクテルは、「季の美 京都ドライジン」にカルダモンソルトテキーラ、アブサンなどを合わせたもの。オレンジの部分は、ライムジュース、サジージュース、アガベシロップが使用されていて、パッションフルーツのような華やかな甘みをカクテルに加えています。
スプーンの上には、酸味の強いフィンガーライムと海ぶどうを合わせたものをトッピング。カルダモンと少量のテキーラが効いています。お酒に混ぜてもよし、別で食べてもよし、とのことでした。
山椒の清涼感のある味わいと、酸味や甘みなどが複雑に組み合わさったカクテル、さらに食感も楽しいフィンガーライムの組み合わせは、まさに唯一無二のペアリング体験でした。
■5:爽やかなスパイス感「マカロン オ ジャンジャンブル」
続いて5つ目のエレメントは、スパイス。「マカロン オ ジャンジャンブル」は、「季の美」でもボタニカルとして使用されている、生姜を使用したマカロンです。甘みのあるマカロンのフレーバーに、ピリッとした爽やかなスパイス感が加わり、全体を引き締めています。マカロン×生姜、意外にも合うんです!
合わせるカクテルは「京都 スパイス ウィスパー」。升に入った和の趣のあるカクテルで、スモーキーな香りの特徴の中国紅茶「ラプサンスーチョン」の葉が散らされています。
「季の美 京都ドライジン」と黒麹で作った黒甘酒、鰹節、さらにはりんごをシェリー酒とハーブリキュールで煮詰めたシロップが使われています。さまざまな素材が複雑な味を生み出した一杯。生姜×スモーキーな香りや、生姜×出汁のうま味など、さまざまな掛け合わせを一度に楽しめるマリアージュでした。
■6:新しい味わい「マカロン オ ベ ド ジュニエーヴル」
最後のエレメントは、ベース。ジン全体の半分を占め、特有の香りや味わいの骨組みを作っているエレメントです。ボタニカルには、ジュニパーベリー、オリスルート、赤松が使用されています。
「マカロン オ ベ ド ジュニエーヴル」では、ボタニカルのひとつであるジュニパーベリーを使用。実はピエール・エルメにとって、ジュニパーベリーは初の素材なのだそう。苦みやウッディな香りの中に、やさしい甘みを感じるスパイスで、マカロンではガナッシュの甘みの中にほんのりとスパイシーさを感じられるひと品になっています。
合わせていただくのはエスプレッソマティーニをイメージして作られたカクテル「ミッドナイト フォレスト」。コーヒーの深みとザクロやすみれの風味が加わった一杯です。
コーヒーはエチオピア産の浅煎り豆を、ザクロジュースで水出ししており、まるでフルーツジュースや紅茶のように、ほのかに酸味を感じるすっきりとした味わいが特徴です。
マカロンとの相性も抜群。実際にご自宅でマカロンをいただくときは、今回のカクテルに使用されていたような浅煎りのコーヒーと合わせていただくと、よりおいしくいただけるかもしれません。
今回ご紹介した「Assortiment de 6 Macarons “KI NO BI”」の6つのマカロンは、それぞれが独創的な和の味わいを持つマカロンでした。甘みや渋み、苦み、酸味といった味の要素が適度なバランスで融合し、豊かなハーモニーを生み出しています。
販売は、ピエール・エルメ・パリ 青山、伊勢丹新宿、オンラインブティック、および「季の美 House」にて。美しいパッケージは贈り物にも好適です。
ピエール・エルメの生み出すユニークな6種類のマカロンを、ティータイムにはコーヒーや紅茶と一緒に、そしてカクテルタイムにはお酒と一緒に、お好きなペアリングで。もちろん「季の美 京都ドライジン」との組み合わせもおすすめです。
また、「インターコンチネンタルホテル大阪」の20階「アディ ラウンジ&バー」にて、「季の美 京都ドライジン」とピエール・エルメ・パリのマカロンのペアリング(全6種)が2024年12月31日(火)まで(予定)提供されています。近隣にお住まいの方や大阪方面にご旅行の予定がある方は、ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。
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- TEXT :
- 伊東ししゃも 編集者・ライター
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- EDIT :
- 小林麻美