2024から2025年にかけては、大河ドラマ『光る君へ』、ドラマ『無能の鷹』、『五十嵐夫妻は偽装他人』と、それぞれまったく違う顔を見せ、そのたびに観る者を引き付けてきた塩野さん。すでに多くの代表作をもつのに、「以外と塩野瑛久は知られていない」と語ります。さて、その真意は? さらに、その先に見据える理想の大人像についてもお聞きしました。
「今まで以上に、心動くもの、面白いことに時間を使っていきたい」

――「役の幅が広がった」と話していらっしゃいましたが(インタビュー前編参照)、具体的にはどのように変化してきたといえるでしょうか。
「2024年での大きな出来事は、『光る君へ』の一条天皇として広い層の方に認識していただいたことです。“ずっとあの格好でいて”なんて言われることもありましたし、“品がある”、“高貴な”イメージとして僕をとらえてくださった方もいるかも知れません。でも、それは僕の役者としてのほんの一面なだけで。
2019年に映画『HiGH&LOW THE WORST』で演じた小田島役では、金髪のロングヘア。そしてドラマ『無能の鷹』の鶸田(ひわだ)役として僕を知った人はまた違うイメージをもっているでしょう。例えばふだんからおどおどした残念なキャラなのかなと思ってくれたら、それはもう大成功。また、クズの役をやって“この人大っ嫌い”なんて思われたら、役者冥利に尽きるというものです。
ただ、僕自身を『塩野瑛久』として覚えてもらえないという問題も出てきて…。それが嫌で、もっと自分自身を認知されたいと思っていた時期もあったけれど、最近になって、もういいや!って、半ば無理矢理ですけど、こだわりを捨てられるようになってきたんです。塩野瑛久として覚えられたい!なんてこだわるのも、なんだかダサいような気がして(笑)。
そのうえで、役のイメージを入り口に知ってくれた人たちが、いつか一歩踏み込んで、もっと僕のことを知りたいと思ってくれたら、とてもうれしい。そういう人には素の僕を見せようと思うし、大事にしたいと思います。その気持ちの表れのひとつが、今回のカレンダーでもあります」

――1年の集大成であるカレンダーが発売になったところで、では次の1年はどのように過ごしたいですか?
「今まで以上に、心動くもの――やりたいこと、面白いと思うこと、に時間を使っていきたいです。
映画やドラマ、アニメでも、周囲には心動かされるものがあふれている。本当は、仕事を忘れて単純に楽しめたらと思うけれど、観ているとどうしても、“そのエンタメの一員になぜ僕がいないんだろう”と考えてしまうんです。そしてクリエイティブな場に身を置いていたいという気持ちがどんどん大きくなる。結果、どこまでが仕事でどこからが休んでいるのかわからなくなって…(笑)。エンタメに触れるのをやめておこうかと思うことさえあるんですけどね。でもやっぱり、面白いものがあったら、そんなことを気にせず熱中できる自分でいたいと思います。
そうやって少しずつ人生を刻んで、いい歳の取り方ができたらいいな。年齢に縛られることはないけれど、それが僕の思い描く理想の大人です」

――では最後に、「理想の大人」という言葉が出たところで、「大人の女性」について伺います。年上の人と接したりするなかで、「素敵だな」と思うのはどんなときですか?
「そうだなあ…。ふだん、頑張っているなかで、ふと気の抜けた瞬間、隙を見せた瞬間に、僕ならドキっとしますね。大人の女性は責任を背負って、気を張って働く姿ももちろん魅力的だけれど、たまには肩の荷を下ろして、気持ちを軽くして、甘えてもいいと思いますよ」
◾️Information◾️『塩野瑛久 2025年カレンダー』発売中!

Oggi.jpでのファッション連載『あきじかん』がカレンダーになりました。2025年4月始まりのカレンダーは、塩野さんご本人がセレクトした連載公開カット及び未公開カット、新規撮り下ろしカットにて構成。塩野さんの魅力がギュッと詰まった仕上がりになりました。
詳細は、塩野瑛久カレンダー公式X(@akijikan_cal)にて。
塩野瑛久さんご出演のイベントも4月27日(日)に開催決定! イベントの参加抽選シリアルコード付きのカレンダーは、「小学館百貨店」にて後日販売予定です。
タイトル:塩野瑛久 2025.04-2026.03 Calendar
発売: 2025年3月中旬発送予定
価格:¥2,970(本体¥2,700+税)
サイズ:A5判サイズ 卓上ケース入り
ページ数:30ページ
発行:小学館
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- 熊澤 透
- STYLIST :
- 能城 匠
- HAIR MAKE :
- 時田ユースケ(ECLAT)
- EDIT&WRITING :
- 南ゆかり、福本絵里香(Precious)