ビジネスを成功させるためにも職場の人間関係を円滑にするためにも、相手の本音を見抜けるようになりたいですよね。一体どうすれば、言葉にせずとも確認することができるのでしょうか。

今回は、話しているとき相手からこんなサインが出ていたら、それは隠し事をしている可能性が高い! そんな無意識でやっている所作について、心理カウンセラーの大嶋信頼さんに教えていただきました。上司や部下、取引と会話するとき、さりげなくチェックしてみましょう。

隠し事をしている人が無意識で会話中にやっている所作7選

■1:手を隠している

手を見れば一目瞭然!
手を見れば一目瞭然!

上司や部下と話しているとき、相手の手の位置に注目してみましょう。大嶋さんによると、相手の手の位置が自分との信頼関係のバロメーターになるそうです。

「手が自分から近ければ近いほど信頼していることになります。上司が手を隠している場合は『信頼関係がない』ことを示していて、つまり『隠し事をしているかも?』というサインになります。ポケットに手を入れていたり、後ろで手を組んでいたりしたら、特にその可能性が高いでしょう」(大嶋さん)

手は話しながら動かすことも多いので、注目しやすいですね。上司の顔色だけでなく、手の位置も確認してみるとよさそうです。

■2:つま先の向きが自分のほうを向いていない

本音は足元にも出る
本音は足元にも出る

手だけでなく、足にも注目する必要があるようです。上司や部下と話をしているとき、相手が笑顔だったとしても、さりげなく目線を下にしてみましょう。

「一見、話を聞いてくれているように見えても、相手のつま先の位置を確認したときに、自分のほうに向いていなかったら、『自分の話に興味がないのに嘘をついている!』ということがわかります。反対に、興味があるときには、相手のつま先は自分のほうに向いているのです」(大嶋さん)

「興味がない」という気持ちが、つま先に現れてしまっているんですね。そんなときは早めに話を切り上げたほうが良さそうです。

■3:両足が平行にそろっている

上司や部下と話していて、相手のつま先はこちらを向いているのに「なんか緊張する」と感じるときは、相手の両足の位置を確かめてみましょう。

「左右の足がぴったり平行に、自分に向けてそろっているときは『この人は私のことを信用していないで警戒している!』ということがわかります。たとえ『信用しているからね』と相手が言っていても、それが嘘だということが足の位置でわかってしまうのです」(大嶋さん)

意外にも、足は口ほどにものを言うようですね。

■4:あごを触っている

実はあごも要チェック
実はあごも要チェック

上司の前でプレゼンをしているときも、その動きから目を離せません。

「上司があごを触ったら、それは『私に嫉妬をしている!』というサインです。その後に上司がダメ出しをしてきたとしても、『それは嘘。本当は私の才能がうらやましいと思っている!』という証拠になってしまうのです」(大嶋さん)

ダメ出しをされて不条理に感じたとしたら、それは相手の嫉妬が原因なのかもしれません。それがわかれば気も楽になりますね。上司の手の動きは常にチェックしておいたほうがいいようです。

■5:こめかみを触っている

触る部分で嘘かどうか見抜ける
触る部分で嘘かどうか見抜ける

上司に報告しているときも、その動きによってわかることがあるそうです。

「上司がこめかみを触ったときは、上司は心の中であなたのことを『こいつ、俺よりも下だぞ!』と見下している可能性があります。本人は『こめかみがかゆくなったから触った』と思っているのですが、それは無意識のメッセージなのです。いくら上司がヨイショをしてきたとしても、それは嘘だということがわかるので、変に相手のペースに乗せられることもなくなります」(大嶋さん)

■6:中指が立っている

上司が中指でメガネを押し上げたり、頬を撫でたりしたら、「あなたのことを軽蔑していますから!」というサインになるそうです。

「上司が他の部下の話をしているときに、中指が立ったら『この人はあの人のことを軽蔑しているんだ!』ということがわかるんです。言葉では『あいつは頑張っている!』と言っていたとしても、それは嘘だということになります」(大嶋さん)

■7:「なんで」「どうして」という言葉を使う

質問責めされたら疑おう
質問責めされたら疑おう

上司が「なんで君は?」とか「どうしてそんなこともできないの?」と言ってくることもあるかと思います。そんなときは要注意!

「『なんで』とか『どうして』という言葉を使ったときは『始めからできないって知っているのに言っている!』というサインです。『なんで君は! もっと頑張ればできるのに!』といった言葉は、初めからできないと思っていての嘘なのです」(大嶋さん)

相手の本音がわかると、無理をしないという選択ができますね。

以上のように、相手の動きや言葉に注意を払いながら、上司や部下の本音をうまくつかめるようになったら、ストレスもたまらず職場での人間関係や仕事の進め方もスムーズになるかもしれません。まずは、相手を観察することから始めてみてはいかがでしょうか。

大嶋信頼さん
心理カウンセラー
(おおしま のぶより)米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒業。アルコール依存症専門病院、周愛クリニックに勤務する傍ら、東京都精神医学総合研究所の研修生として、また嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室非常勤職員として依存症に関する対応を学ぶ。嗜癖問題臨床研究所原宿相談室長を経て、アイエフエフ代表取締役として勤務。現在はインサイト・カウンセリング代表取締役。ブリーフ・セラピーのFAP療法(Free from Anxiety Program)を開発し、トラウマのみならず多くの症例を治療している。カウンセリング歴25年、臨床経験のべ8万件以上。著書に『支配されちゃう人たち』(青山ライフ出版)、『サクセス・セラピー』(小学館)、『児童虐待〔臨床編〕』(共著・金剛出版)、『消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法』(すばる舎)、『リミットレス! 』(飛鳥新社)、『いつも「ダメなほうへいってしまう」クセを治す方法』(廣済堂出版)など多数。
公式サイト

関連記事

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
あわいこゆき