【目次】
お化粧の順番は?肌の作り方
目指したいのは、ナチュラルさを損なわず、悩みを消し去ること。そして、その状態を持続させること。年齢を感じさせない肌作りの手順を見ていきましょう。
基本の肌の作り方
■Step1:ひんやり引き締め保湿マスクでさっぱり潤す

毛穴レスのためのベースメイクは、しなびた毛穴をたっぷりと潤してハリをもたせ、同時にキュッと引き締める素肌ケアから始まります。そこで活用したいのが、保湿と引き締め効果があり、肌を冷やす作用を併せもつ日中用のマスク。 いつもの保湿マスクを冷蔵庫で冷やせば、代用可能です。
■Step2:引き締め作用のある化粧水をコットンで

メイク前は、毛穴をひたすらに引き締めるのが鉄則です。化粧水には柔軟・保湿・収斂(しゅうれん)の3種がありますが、ここで必要なのは毛穴を引き締める効果のある収斂化粧水。皮脂毛穴対策ではないので、大人仕様のアルコールが少ないタイプのものを、コットンで押さえるようになじませていきます。
■Step3:毛穴を目立ちにくくする下地で、薄く自然に埋めて

スキンケアで潤して冷やして引き締めた毛穴を、埋めてなめらかに整えるためには、「フィラー」と呼ばれる毛穴を目立たなくしてくれるタイプの下地を用意しましょう。使い方のコツは、とにかくつけすぎないこと。薄く、でも確実に毛穴に行き渡るようにつけることで、なめらかで美しいメイク肌を長時間キープすることができます。
ベースメイク・チークはフォギーに

マットな質感の目元に合わせて、ベースメイクもチークもふんわりフォギーな印象に。リップも艶感を程よく抑えたベージュ系で目元を引き立てて。
パウダリーファンデーションはブラシでふわっとのせて抜け感を出す

ソフトマットな目元に合わせてフォギーな肌に。それにはパウダリーファンデーションが最適。さらに、そのパウダリーをスポンジではなく、ブラシでのせると抜け感のある、ふんわりとした肌に仕上がります。顔の内から外へとブラシを動かしてのせていって。
「チーク」 は優しげなピンクのルースパウダータイプがベター

フォギーな肌の質感に合わせて、チークもふわっと色づくルースパウダータイプをセレクト。肌なじみのよいオレンジ系ピンクで血色感をほんのりアップさせます。パフにとり、ポンポンと軽くのせるようにして頬骨のあたりに勾玉のような形に塗り広げていきます。
カネボウ、ジバンシイ、THREEで叶える【透明感、色つやのあるエレガントなトータルメイク術】
若々しい印象に見せる5つのポイント

ベースメイクはカバー力こそ大事、という思い込みが〝厚塗り肌〞を招く原因。カバー力を高めるために、つい塗り重ねてしまいがち。ですが、今のファンデーションは光ワザに優れているので、むしろ少量のほうがベスト。
そもそも私たちの肌トラブルをすべて、パーフェクトに隠すファンデーションはありえないし、むしろカバー力は8割程度のほうが自然です。それよりも頬に艶を与えてメリハリ感を作る、毛穴やシワを目立たせない、などいかに若々しい印象に仕上げるか?が肝心。
そのためには正解の使用量、しっかりと塗るところと薄く塗るところを把握すること、塗り始めの位置、指&スポンジ使い、仕上げのブラシ使いという5つの“老けない塗り方ポイント”を確認しておきましょう。
ポイント1:のびがいいので少なめで十分。一度に塗るのではなく、半顔ずつ塗ること
カバー効果を高めたいとつい多めにとりたくなりますが、これが厚塗り、ムラづきの失敗のもと。何度も言いますがファンデーションのテクスチャーも粉体も進化しています。のびはいいし、光反射効果に優れ、薄くてもアラはしっかりと隠せますから、少なめで十分。
パフやスポンジにとる場合は半分くらい、リキッドなら米粒大をまず片頬、額、鼻の半顔に塗る。次にもう1度同じ量をとって、片頬、口元を塗り、その残った分でまぶたを塗る。
足りなければ後から重ね足すこともできるので、まずは少量から始めて。
2回に分けて、半顔ずつ塗布

線で示したように、顔をふたつのエリアに分けて塗布を。シミ、くすみがカバーしきれなかったら、最後に重ねづけすればいいのではじめは少量を心がけて。
ポイント2:しっかり塗るところ、薄く塗るところ、塗らないところを知ること!
ファンデーションをキレイに塗る、というのは顔全体に均一の厚さで塗ることではありません。場所によって「しっかりと塗るところ」「薄く塗るところ」「塗らなくていいところ」があり、プロはそれを意識しているから、自然で美しい肌に仕上げることができるのです。
頬のいちばん高い位置はしっかりカバーして、艶感を強調。フェイスライン、生え際は塗らない。それ以外の額、目周り、口周りはよく動いてヨレやすい場所なので、なるべく薄めに仕上げること。
この法則を守るとメリハリ感まで生まれ、小顔効果も得られます。

ポイント3:どのタイプのファンデーションも塗り始めが肝心。頬骨の高い位置からのばす

ベースメイクを美しく仕上げるためには、ファンデーションをどこから塗り始めるのか、が重要。なぜなら最初につけたところに多くつくので、艶が欲しいところ、くずれにくいところから始めるべき。なので、塗り始めのスタート地点は「頬骨のいちばん高い位置」が正解です。
今までのファンデーションの塗り方の常識とされてきた「内側から外側」の方向で塗ってしまうと、目の下に厚くたまりやすく、ヨレやくずれの原因になるので、これが習慣化している人は、すぐに変えましょう。
額は眉間の少し上から放射状に生え際に向かってぼかしていくと自然だし、小鼻や口周りは厚塗りにせず、指やスポンジに余ったものを薄く塗ってヨレを防止。これを気をつけるだけで、長時間、メイクくずれが起こらず若々しい印象をキープできます。
正しい塗り方の手順
1. 頬骨の高い位置から中心に向かって放射状にのばしていく。
2. そのまま、つけ足さずに額は眉間の少し上から、生え際に向かって放射状にのばし、鼻を塗る。
3. ファンデーションをとり、反対側の頬を1と同じ方法で塗る。
4. そのまま口周りを仕上げる。
5. まぶたは残った分を塗布する。
6. 最後に指、またはスポンジでムラ付きしているところをならす。
ポイント4:グイグイと力まかせに塗らないこと。指、スポンジの使い方も気をつけて
時間がない朝は、とにかくファンデーションをすばやくのばしたい。だからといって皮膚が大きく動くほど、グイグイと力まかせに塗るのは厳禁。早くのばせるわけでも、カバー力が増すわけでもないし、その刺激の積み重ねが肌にダメージを与えている可能性も!
プロにメイクをしてもらうとわかるのですが、まるで羽根が触れるような、ソフトタッチが基本。プロ並みの仕上がりを目指すなら、優しいタッチでスタンプ塗り、もしくはスポンジを滑らすのを心がけて。
ポイント5:ブラシでトントン、クルクル。このひと手間でより美しい仕上がりに
ブラシを使うと、指やスポンジよりもムラなく密着させることができるので、カバー効果を高めたいときの重ねづけに最適。特に毛穴カバーはブラシづけがベスト。下から上へと動かしやすく、クルクルと小さく円を描きながら塗布すると、下向きのたるみ毛穴にファンデーションを押し込むことができ、ふんわりと自然に隠すことができます。
適量が多すぎる、塗る方向が違う!ファンデーションの「老ける塗り方」を見直す5つのポイント
2色使った「分断チーク」で頰をすっきりコンパクトに!
【頰の長さやもたつきをカバーするチーク】

【セルフメイク→長井かおりさんメイク】

「ワントーンな肌は、間延びした印象を与えがちです。正面から見える位置から、頰を分断するようにチークを入れて肌色にメリハリをつけることで、頰の長さが縮まって見えます。まず引き締め効果も得られる濃いめのカラーを斜め上に向けてオン、その上にハイライト効果も得られるライトなカラーを真横に入れます。そうすることで血色感と引き締め効果、立体感をもたらすことができるのです」(長井かおりさん/ヘア&メイクアップアーティスト)
■Step1:頬骨下にローズブラウンをオン

チークパレット(NARS)右のピンクブラウンをブラシにとり、頬中央部分の頬骨下にブラシを置き、頬骨に沿って斜めに入れます。
■Step2:ライトピンクを重ねる

チークパレット左のライトピンクをブラシにとり、今度は頰の一番高い部分を起点として、真横にブラシを動かします。
面長さん必見!頰の長さ&もたつきは「2色チーク」で解決できます
「眉メイク」の順番
若返りの秘策1「太眉メイク」から、えぐれた細眉を太眉にチェンジする3ステップと成功事例をご紹介します。
若返りの秘策は「太眉メイク」
細眉ブームを経てきた40代以降の目元は、細眉×加齢たるみの影響で、上まぶたの面積が広がり、恐怖の間延び状態。眉のフォルムや位置にもズレが生じてくるため、ますます印象の弱いのっぺり顔…に。
これを矯正できるのは「太眉メイク」しかありません。 でも、いざ自分の眉と向き合うとどこに手を加えればいいのかわからない、という人も。
そこでどのアイテムでどこを描き足して細くやせた「眉を太らせる」のかを、徹底解説。メイク下手でも失敗しない、あっという間に若さあふれる今どきの太眉が完成します。
間延びの要因「えぐれた細眉」を太眉にチェンジ

簡単!「増量眉メイク」の3ステップ
■Step1:ペンシルで眉下を太らせて、まっすぐに整える

■Step2:眉上にブラシでパウダーをのせて、まっすぐに整える

■Step3:綿棒ではみ出しを拭き取り、なだらかな眉山に

イラストでイメージをつかんで!

太さを出すのは必ず下側で。眉頭から眉山の位置までまっすぐになるように、えぐれたところを埋めていきます。今までにない太さに驚くかもしれませんが、間延びを縮めるには大胆な太さが必要です。
そして、上側は眉山から眉頭にかけて上辺に淡いブラウンのパウダー(上記の手順2のいちばん左の色)を1ミリほどはみ出すようにのせると、山の角がなだらかになり柔和な表情に。はみ出したら、綿棒で拭き取ればいいので怖がらず試して。
またペンシルとパウダーの両方を使う理由は、下側はペンシルで濃いめに仕上げ、上側はパウダーで淡く仕上げて濃淡をつくりたいから。ベタ眉にせずにふんわり感を演出することが大事で、それはペンシルとパウダーの両方を使わないと生み出せないのです。
若返り作戦、「美人太眉」成功例
【Before】

【After】

前髪で顔の面積を小さくした小顔スタイルの藤井さん。Beforeのいつもの眉メイクは少し細めのアーチ眉。決してNGではないけれど、太眉メイクのほうがまぶたの幅が縮まり、顔全体も引き締まり、小顔に映るのがわかります。
藤井さんの自眉は少しえぐれたアーチ眉なので、課題は上記でも解説したように、ペンシルで眉の下側を太らせること。
次に眉山から眉頭にかけて淡いブラウンのアイブロウパウダーを1ミリ上にはみ出すようにのせたことにより、眉山の角がなだらかになってやわらかく軽快な太眉に!
増量眉メイクは実に簡単!「えぐれた細眉」を太眉に描く、3ステップとは?
「アイメイク」の順番
これだけは変わらない!「 基本の塗り方」
顔そのものと、流行の変化に合わせて、アイメイクはシーズン前にアップデートが必要。とはいえ、これから先も変わらないことがあります。
上まぶたはアイホールにライトカラーをのばしたあとは、アイライナーを除き、濃い色から順に塗ること。また下まぶたも上まぶたと同様に、必ずミディアムカラーを加えることです。
■Step1:ダークカラーを際に塗る

■Step2:二重ラインの上まで、ミディアムカラーを重ね塗る

■Step3:下まぶたの際に、ライン状に塗る

10年前とは違います! この冬、マスク美人になれる「アイカラー」の色選びと塗り方
大人が迷う「アイカラー」の扱い方
年齢を重ねると、肌がたるんで顔立ちが変わってきます。眉頭や目頭はそのままですが、固定されていない眉尻と目尻は下がってきます。
また目が開きづらくなるためまぶたの面積が広がり、脂肪が減って凸凹が目立ってきたり。メイクした顔を見て感じるなんとなくの違和感は、顔立ちは変化しているのにメイクは同じなので、バランスが崩れていることが原因のひとつなのです。
まずは今の顔立ちでの正しい描き位置と塗り位置をアップデートしていきましょう。
■Step1:目の形がはっきり! アイラインを最初に仕込む

まつげの本数が少なくなった大人世代は、アイラインは2度入れるのが基本です。アイメイクの最初に行う「仕込みライン」は、目頭から内目尻までのまつげの隙間を埋めるように描きます。
ここで大切なのはアイライナー選びです。色は黒。それも限りなく濃密な黒で落ちにくいタイプのものを使いましょう。またアイカラーで隠れてしまっても気にしないで。想定内です。
■Step2:厄介な「まぶたくすみ」は先にとる

大人のメイクはすべて「仕込みメイク」→「おしゃれメイク」、それが基本セオリーです。まぶたの仕込みは、くすみを消すこと。
ベースカラーやライトカラーといわれる色を指の腹にとり、まぶたの中央へ。アイホール全体に、優しく外側へ、内側へと軽く押さえるようにしながらスライドし、指の温かさで、肌にお粉をなじませていきます。
下がり続ける目尻と、眉尻のあるべき位置を知ることが重要!

眉尻の長さは、口角→外目尻の延長線上と、鼻の脇→外目尻の延長線上の範囲内にあれば適切といえます。
範囲内で位置決めに迷う場合は、より長めになる鼻の脇からの線上にするのが正解。ゆるんだ輪郭とのバランスがとれるので、頬のたるみを感じにくくなります。
アイカラーを塗ってみると

まずはアイホール全体に、明るい色を塗り、まぶたのくすみ感を消します。最も迷うのは、ミディアムカラーを塗る範囲です。
目を開いたときに、二重まぶたの人は目の縁から眉までの距離の1/3から1/2まで、一重の人は1/3までというのが目安。ダークカラーは最後に目の際にライン状に入れていきます。
10年前とは違います! この冬、マスク美人になれる「アイカラー」の色選びと塗り方
クマやくすみまでもカバーできる! 「下まぶたメイク」法
下まぶたに黒のアイラインを入れる、白のハイライトを目頭にのせる…。昔覚えた下まぶたメイク技はすべてNG。
上まぶたはいつものブラウンでOKですが、下まぶたはパールオレンジのアイシャドウに加え、ブラウンのアイライナーを。ライン状に引くのではなく、点で描くのがポイント。ヌケ感をつくり、きつい老け顔に見せないワザです。
チップの先端だけに色をとると、涙堂の幅=5mm幅に自動的に描ける

■Step1:色をとったチップを、下まぶたの中央→目尻→中央→目頭の順に動かす


■Step2:ブラウンのアイライナーで下まぶたの際に4つの点を描き、フレームを自然に強調


■Step3:目尻から目頭に向かってブラシを動かし、目尻側に寝ている毛を起こすように塗布


【完成!】自然に目の縦幅が強調され、パールオレンジ効果でくすみもクマもほとんど目立たない

下まぶたメイクなんて難しい、厚化粧になりそう、と敬遠していた人も、この方法なら、作為的にならず自然だし、断然目が大きく若々しく見えることがわかったはず。
頬の余白を埋めて間延びした顔が引き締まる、クマやくすみが消せる…この錯覚効果はぜひ取り入れるべき。
たるんだ頬を引き締める!「パールオレンジ」アイシャドウを使った「下まぶたメイク」
「リップメイク」の順番
唇をさするように塗る「さすさす塗り」
長井かおりさん/ヘア&メイクアップアーティスト
多くの女優やモデルからの指名を受ける人気ヘア&メイクアップアーティスト。雑誌や広告など第一線で活躍する傍ら、メイクレッスン講師としても活躍。ひとりひとりの個性や魅力を引き出す、上品なメイクテクニックにファン多数。Precious.jpでは、大人のリアルな肌や骨格の悩みをメイクだけで見事解決。書籍『世界一わかりやすいメイクの教科書』(講談社)も大好評!
\こっくりリップは、スティックの角をつかってさするように塗るのがコツ/
「唇の上でとろけるタイプや、レッドやブラウンなどしっかり発色するタイプの『こっくり系』のリップが人気続行中ですが、塗るのが難しいという声をよく聞きます。
みなさん、リップを塗るときはスティックの面を使って塗っていると思いますが、こっくりリップの場合、その塗り方でははみ出しやつきすぎの原因になります。
ぜひスティックの角を使って、唇をかるくさするように塗ってみてください。『さすさす塗り』なら、テクニックなしで、こっくりリップをきれいに塗ることができるはずです」(長井さん)
【セルフメイク→長井かおりさんメイク】

【こっくりリップとリップをより綺麗に仕上げるおすすめアイテム】

【こっくりリップの塗りかたプロセス】
■Step1:コンシーラーで唇の色を抑える


コンシーラー(THREE)を唇にポンポンとのせる。指で叩き込んでなじまて、もとの唇の赤みを抑えます。唇の色が薄い人はこちらのプロセスを飛ばしてOK。
■Step2:唇をさするようにリップを塗る

リップ(SUQQU)の角を使って、唇を軽くさするように外側から順に少しずつ色をのせていきます。
■Step3:リップをなじませる


「んー、パッ」のあと、綿棒で輪郭をぼかして塗ったカラーをなじませることで、仕上がりのこなれた感が一層アップします。
【こっくりリップでこなれた印象に】

旬のこっくりリップを綺麗に仕上げる、長井かおり流「さすさす塗り」とは?
※商品の価格はすべて税込みです。
- TEXT :
- Precious.jp編集部