Dior(ディオール)の歴史

創業当時の、パリ・モンテーニュ通り30番地にあるブティック ©Dior All rights reserved
創業当時の、パリ・モンテーニュ通り30番地にあるブティック ©Dior All rights reserved

創業者:クリスチャン・ディオール
創業地:パリ(フランス)
創業年:1946年

ディオールに訪れた運命の出会いと決意

クリスチャン・ディオール
クリスチャン・ディオール

■創業当時のエピソード

1946年4月18日、41歳のクリスチャン・ディオールは、「繊維王」と呼ばれた実業家・マルセル・ブサックとの面会を翌日に控えていました。アーティスティック ディレクターのポジションを提示されていた、「フィリップ エ ガストン」というメゾンへの入社を打診されていたものの、彼はその答えに躊躇していたのです。

その日の夜、フォーブール サント ノーレ通りの英国大使館前を歩いていたディオールは、地面の上に落ちていたあるものに躓いて転びそうになります。

ディオールがつまずいたものは、ひとつの“星”でした。この「導きの明星」が進むべき道を示したと感じたディオールは、このとき、もはや自分の運命から逃れられないことを知るのです。翌日、彼はマルセル・ブサックに、「フィリップ エ ガストン」には移らないこと、そして、ディオール自身の名で「すべてが新しく、心のあり方や従業員から物件や場所までも一新した」新たな店を設立する用意があると告げました。

それ以来、「幸運の星」はディオールというブランドの大切なモチーフのひとつとして、世界中の路面店(日本では銀座店や表参道店)の屋上にも飾られています。

クリスチャン・ディオールが拾った星 ©Part of Christian Dior Museum in Granville
クリスチャン・ディオールが拾った星 ©Part of Christian Dior Museum in Granville

■ブランドの転機

1947年2月12日、当時42歳のクリスチャン・ディオールはデビューコレクションを発表します。そこで発表されたのが、かの有名な「ニュールック」でした。

バージャケットの締めつけられたウエスト、非常にセクシーな胸元、ボリュームのあるスカートによって描き出される、これまでにないシルエット…。これを見た雑誌『ハーパーズ バザー』の編集長カーメル スノーが、「クリスチャン、あなたのドレスはまったくニュールックだわ!」と叫んだことから、この名がつきました。

「ニュールック」の誕生は、第二次大戦後の重々しく陰鬱なムードをわずか2年で払拭し、女性たちに軽やかさ、そして人々を喜ばせる術を再び与えました。この革命的な『ニュールック』によって、クリスチャン ディオールはファッション史の新たな1ページを開くこととなります。誕生から70年を経てもなお、ニュールックによる革命とそのスピリットは、ディオールという唯一無二のメゾンをインスパイアし続けています。

ニュールック ©Association Willy Maywald/ADAGP, Paris 2017
ニュールック ©Association Willy Maywald/ADAGP, Paris 2017

数々の「アイコン」が生まれ、セレブリティーを魅了!

■ブランドを愛用するセレブリティーとエピソード

「レディ ディオール」は、1995年9月に発表された、ディオールを代表するバッグ。パリで開催されたセザンヌ展を訪問したイギリスの故ダイアナ妃へ、当時のフランス、シラク大統領夫人から贈られたのもこのバッグでした。ダイアナ妃はこのディオールの新作バッグをすぐに気に入り、同シリーズのバッグをさまざまなバージョンで注文したほど。

1995年11月には、バーミンガムの養護施設を訪問したダイアナ妃が、このバッグを手に子どもを抱いた写真が海外のマスメディアに掲載されました。これが、「レディ ディオール」とダイアナ妃の物語の始まりとなります。

数週間後、ダイアナ妃はアルゼンチンへの公式訪問の際にも、「レディ ディオール」を手に公用機から降り立ちました。それ以後、「レディ ディオール」はメディアから最も注目される女性、ダイアナ妃の愛用するバッグとして有名になり、世界中の女性たちの憧れの的となりました。もとは別の名前がつけらていましたが、 1996年にはダイアナ妃への敬意を込めて、彼女の了承のもとに「レディ ディオール」と改名されたのです。

「レディ ディオール」を持つダイアナ妃 © Abaca Press
「レディ ディオール」を持つダイアナ妃 © Abaca Press

パッドの入った独特のステッチパターン、「カナージュ」は、クリスチャン・ディオールが1947年に自身の初コレクションに顧客達を迎えるために使用した、ナポレオン三世の椅子の模様からインスピレーションを得たもの。

また、象徴的なモチーフとなっているのは、「D.I.O.R」の切り文字チャーム。ムッシュ ディオールの友人でもあった、芸術家のジャン・コクトーが、「DIORとは、フランス語の神(Dieu)、黄金(Or)からなる魔法の名前だ」と語った話は有名です。

「レディ ディオール」の広告キャンペーンには、1996年のカーラ・ブルーニに始まり、ダイアン・クルーガーやモニカ・ベルッチなど、世界中のセレブリティーたちが起用されてきました。ピーター・リンドバーグが撮影した2017年クルーズ広告キャンペーンには、マリオン・コティヤールが登場しています。

マリオン・コティヤールが登場する、2017年クルーズ広告キャンペーン ©Dior
マリオン・コティヤールが登場する、2017年クルーズ広告キャンペーン ©Dior

新アーティスティック ディレクターの就任で、ディオールは新たな世界へ!

■レディース「ディオール」のアーティスティック ディレクター

2017年春夏コレクションより、アーティスティック ディレクターに、マリア・グラツィア・キウリが就任。メゾン創業以来初となる、女性アーティスティック ディレクターが誕生しました。

「女性らしさの表現に、これほどまでに強いこだわりを持つメゾンの創作活動を指揮する最初の女性となるのは、大きな責任です。メゾンの極めて豊かな遺産は現代のモードの確固たるインスピレーションソースであり、独自の解釈でそのビジョンを表現することを嬉しく思っています」と語るマリア・グラツィア・キウリ。

2017年春夏コレクション
2017年春夏コレクション

官能的であると同時に詩情にあふれ、エレガントで洗練され、モダンでありながら過去を重んじるというマリア・グラツィア・キウリが抱く女性のビジョンは、創業者・ムッシュ ディオールがつくりあげた女性のビジョンとも共鳴しています。

彼女がもつクチュールの専門知識と職人技への大いなる情熱が、アトリエの卓越した専門技術によって表現される新生ディオールに、今後も期待が高まります。

■メンズ「ディオール オム」のアーティスティックディレクター

2008年春夏コレクションより、クリス・ヴァン・アッシュが11年間務める。2018年3月より、ルイ・ヴィトンのメンズでアーティスティックディレクターを務めたキム・ジョーンズが就任。

人気の商品ラインナップ

■バッグ「レディ ディオール」

バッグ レディ ディオール ©Dior
バッグ レディ ディオール ©Dior

ディオールのアイコンバッグであり、故・ダイアナ妃のお気に入りとしても知られる、「レディ ディオール」。

■ウォレット「レディ ディオール」

ウォレット レディ ディオール ©Dior
ウォレット レディ ディオール ©Dior

「ニキ・ド・サンファル」の存在からインスピレーションを受け制作された、ディオール(Dior)の2018年春夏新作。

■リング「ラッキーディオール ミツバチ」

リング「ラッキーディオール ミツバチ」 ©Dior
リング「ラッキーディオール ミツバチ」 ©Dior

モチーフとなっているミツバチはアトリエで働くお針子たちの愛称。ディオールのメンズラインであるディオール オムでも、アイコンとして刺しゅうなどで表現されることでお馴染。

■ミサンガブレスレット

ミサンガブレスレット ©Dior
ミサンガブレスレット ©Dior

ネイティブアメリカンのクラフツマンシップから着想を得たという独特な風合いのミサンガ。アーティスティック ディレクターであるマリア・グラツィア・キウリのデビューコレクションで登場した「CHRISTIAN DIOR J’ADIOR」のロゴが大胆に刻まれている。

■ディオール「アディクト リップ グロウ マット マット ラズベリー」

ディオール アディクト リップ グロウ マット マット ラズベリー/©Dior
ディオール アディクト リップ グロウ マット マット ラズベリー/©Dior

ベルベットのような滑らかなテクスチャーで、マットなのに軽やかで透明感のある口元に仕上がりに。

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