料理教室を行う以外にも、企業の商品開発や雑誌・新聞へのレシピ提供、TV出演など、活動は多岐に渡る吉田麻子さん。第4回では今後、料理家としてやってみたいことをうかがいました。
>>【第1回】本格始動は40歳を超えてから。スロースターターの料理家が伝える日本料理
>>【第2回】知人への料理レッスンが「予約の取れない料理教室」になるまで
>>【第3回】支え合い刺激を受けるのは、経験豊富な先輩や楽しい女友達
大阪料理を盛り上げていきたい
「日本料理の素晴らしさを多くの方に伝えると同時に、大阪料理を盛り上げていきたいと思っています。大阪は江戸時代から天下の台所として各地の食材が集まった場所です。今でこそ日本料理=京都と思われがちですが、大阪だって古くから昆布が有名で、出汁の効いた洗練された日本料理がいただけます。
現在、大阪では大阪の割烹や料亭の料理人を対象にした『大阪料理会』という勉強会も行われていて、私も、聴講生として参加させていただいています。京都とは違う大阪の日本料理の魅力を、もっと広めていきたいですね」。
今やりたいのは店舗プロデュース
「企業からの依頼で商品開発やメニュー開発は今もやっているんですが、今後は一店舗まるごとプロデュースしてみたいですね。敷居が高い日本料理店より気軽なおうどん屋さんとか、甘いものが好きなので、甘味屋さんもいいですね」。
何を始めるのにも遅いなんてことはない
「私ね、料理家として活動し始めたのが遅いじゃないですか。15年以上、仕事もせず、家事手伝いをやってきたし。料理家を目指す方にとっても全然いい手本じゃないと思うんです。
でもね、20代、30代、料理についてみっちり学び、いろんな経験をしてきたことが今につながっていると思うんです。今だからこそ、ハヤリやウケを気にせず、自信を持って自分の信念を貫くことができると思うんです。
これが若かったら、自分に自信もないし、経験値も少ないし、うまくいってなかったでしょうね。日本料理の料理家という仕事も、ある程度年齢を重ねたほうが説得力も出ると思うし、年齢が味方になってくれたところもありますね。これからも、日本料理を軸にブレることなく自分らしく、いろんな仕事をしていきたいですね。
毎日忙しいし、周りには『働きすぎ』『がんばりすぎ』なんて言われていますが、20代・30代に仕事をしていなかったぶん、今はまだ新人だと思って、少々の無理はしてがんばりたいですし、好きなことを仕事にしているので楽しくて仕方がないんです」。
料理家として注目を集め出したのが40歳を過ぎてからというスロースターター。「何を始めるのにも“遅い”なんてことはない」という吉田さんからのメッセージは、わたしたちに新たな一歩を踏み出す勇気を与えてくれます。料理家として、そして経験と年齢を味方につけた魅力的な女性として、わたしたちの生き方のお手本としていきたいですね。
http://www.asakoyoshida.com/
2017年4月発売の著書『3日で2キロやせる おいしい塩なしレシピ』
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- クレジット :
- 撮影/香西ジュン 文/天野準子