【目次】
【6選】ジョギングの「効果」
【1】脂肪燃焼
朝の時間を有効活用したい。そんな大人女性は多いのでは? そこで思いつくのが「朝ラン」。朝ランを行うことで、脂肪燃焼のスイッチが入り、その日一日、脂肪が燃えやすい身体になるといううれしい効果が期待できます。
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【2】血流促進
たとえば多くの人がお悩みの「肩こり」は、運動によって緩和する方法があります。それは緊張した筋肉をほぐす、緊張で収縮した肩関節の可動域を拡大する、肩の血行不良を改善する、筋肉を鍛える、運動機能を回復させることなどを目的とした、運動療法(全身運動)。
ウォーキングや軽いジョギング、水泳、エアロビクス、ヨガなど、酸素を取り込みながら行う有酸素運動が適しており、血流が促され、体のすみずみまで酸素や栄養が循環しやすくなります。
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【3】睡眠の質向上
快眠プランナーの塚島早紀子さんによると、就寝に向けて体温をスムーズに下げるには、ベッドに入る約1時間半前に軽い運動をして一旦体温を上げるといいそう。例えば、21時にベッドに入り22時には眠っていたいと思ったら、19時から19時半の間に運動をして体温を上げます。仕事帰りの軽いランニングやヨガなどもおすすめだそうです。
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【4】脳のボケ防止
ジョギングは、脳下垂体から分泌される「ホルモン系」に働きかける作用もあるそう。
「脳下垂体から分泌されるホルモン系の中で、脳の活動を最も活性化し、しかも健康感や爽快感などをもたらす作用をもつのが『成長ホルモン』です。成長ホルモンは、従来、思春期を過ぎたら必要ないものと思われていましたが、実際には30歳以降、高齢者においても、重要な働きがあることがわかってきています。現在では“若返りのホルモン”としても注目されています。成長ホルモンを円滑に分泌させるために最も重要となるのが、運動と睡眠のリズムになります。
運動は、ジョギングや水泳、ゴルフなど、ゆっくりと定期的にできるものがおすすめです。また、最近はジムでのトレーニングの中でも、加圧トレーニングがこの成長ホルモンの円滑な分泌を促すことがわかっています」(北青山Dクリニック院長・阿保義久さん)
気をつける点
「ただし、脚の加圧は女性に多い疾患である『下肢静脈瘤』の方は、好ましくありません」(阿保さん)
【5】「骨粗しょう症」予防
管理栄養士・ジョギングインストラクターの深野祐子さんによると、ランニングは40代以降の女性におすすめの運動なのだそうです。
「40代は、日本人の平均閉経年齢の50歳へと向かっていく時期です。閉経後の女性は骨粗しょう症のリスクが高まるといわれています。閉経すると骨の代謝と深く関係している女性ホルモン『エストロゲン』の分泌が急激に低下するほか、加齢による胃酸の分泌の低下や、腸での栄養素の吸収機能の低下、運動不足や過度の飲酒、ストレスなど、40代は骨密度が低下しやすい条件が重なっているためです。
ランニングは有酸素運動としてもそうですが、骨を丈夫にするためにもおすすめの運動です。というのも、骨を丈夫にするためには、骨に十分な刺激を与えることが重要だからです」(深野さん)
気をつける点
「ただ40代以降は骨密度が低下しやすいので、ランニングを行うだけではかえってケガのリスクを高めたり、骨粗しょう症のリスクを高めたりする可能性もあります。もちろんランニングのやりすぎもNGです。同時に骨を強くする栄養素を食事で積極的にとることがポイントです」(深野さん)
\骨を強くする栄養素/
・カルシウム(骨の材料となる・骨を強くする)…乳製品・小魚・大豆製品・緑黄色野菜など
・ビタミンD(カルシウムの吸収を助ける)…鮭・さんまなどの魚、干しシイタケなど
・ビタミンK(骨の形成を助ける)…納豆、ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜など
・たんぱく質(骨や筋肉の成分)…肉・魚・たまご・大豆製品など
続くランニングブーム、40代から始める前に知っておきたいこと
【6】「ロコモ」予防
近年、よく耳にするようになった「ロコモ」という言葉。40代以降にランやウォーキングなどの適度な運動を継続することは、ロコモ予防にもつながるのだそうです。ぜひロコモについても知っておきましょう。
(a)ロコモとは?
「ロコモティブシンドローム(以下、ロコモ)とは直訳すると『運動器症候群』で、筋肉や骨をはじめとした運動器の障害のために、立つ・歩くなどの移動機能の低下をきたした状態です。
ロコモは進行すると移動機能が限られ、ひどくなると寝たきりになり、介護が必要になるリスクが高くなることから、近年メタボリックシンドロームと合わせて重要なファクターとなっています」(管理栄養士・ジョギングインストラクターの深野祐子さん)
(b)ロコモの要因
「ロコモの要因としてあげられるのが、運動習慣のない生活、やせすぎ/肥満、活動量の低下、そしてスポーツのやりすぎなど。骨や筋肉量のピークは20~30代ですから、当然、徐々に衰えていきます。女性は体の変化がある40~50代で急激に衰えや不調を感じやすくなりますが、ランニングは運動習慣がつきシェイプアップにも最適な運動となります」(深野さん)
(c)気をつける点
「走るときに注意したいのは、加齢と共に、やりすぎによる筋肉や骨、関節へのダメージが出てくることです。脊柱管狭窄症や変形性膝関節症、股関節症などには気をつけなければなりません。また『走る』ことにハマり、習慣づいていた方が故障をしてしまうと、急に運動量が減ることになり、体重の増加など悪いサイクルに変わっていってしまう場合もあります。走っているのだから、健康で他の人よりも筋肉も骨も強いであろうとたかをくくらず、将来的にロコモにならないよう、過度に走ることのリスクを知ることも大切です。健康のために始めたランニングが過度なスポーツになりすぎないように注意が必要です」(深野さん)
Japanマラソンクラブ
続くランニングブーム、40代から始める前に知っておきたいこと
「いつ」やるのがより効果的?
ランニングはいつの時間帯に行うのがいいのでしょうか。管理栄養士・ジョギングインストラクターの深野祐子さんによると、
「ご自身の取り組みやすい時間帯でOKです。働く女性の場合、平日ですと仕事終わりに行うことが多いようですが、まずは継続することが重要なので、ご自身のライフスタイルに合わせて行うといいです。ただ、時間帯によってランニングで得られる効果や注意点が異なります」
【1】朝ラン
(a)メリット
代謝が高まり、脂肪燃焼効果が期待できる。
(b)気をつける点
・起床してからすぐの体は、水分不足、および血圧の大きな変化が起こりやすい状態なので避ける。空腹状態では体温も低いので、体は十分に運動の準備ができているとはいえない。
・前日からの睡眠時間がいつもより少ない、二日酔いなどのときは無理して走らない。
・起床後は必ずコップ1杯の水などで水分補給をし、バナナ1本程度の軽食を食べ、ウォーミングアップを入念に行ってから。
続くランニングブーム、40代から始める前に知っておきたいこと
【2】夜ラン
(a)メリット
体温が高く、体の活動スイッチが入っているので、朝と比べて長い時間・強度の高いランニングにも取り組みやすい。
(b)気をつける点
・ランニングが終わった後に夜ごはんを食べようとすると、夜ごはんを食べる時間が遅くなりがちになるのはもちろん、ランチ(昼食)から時間が経って、空腹のまま走ることになるので、走る前に軽食、例えばエネルギーゼリー、おにぎりや肉まん1個、バナナ1本程度を食べ、夕食を軽めにするのがおすすめ。
・寝る直前の運動は体が興奮状態になって寝つきに影響してしまうため、できるだけ睡眠時間の2~3時間前には終了するように気をつける。
・できるだけ明るい場所を選ぶ、ウェアも黒っぽいものではなく、反射板のついているものなどを選ぶなど安全にも配慮する。
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【3】ダイエットに効果的な時期
脂肪が燃えやすい身体づくりにあたって、重要なのはタイミング。 女性の身体は、ホルモンバランスの関係上、むくみやすい生理前約 1 週間〜生理中の「むくみ期」と、代謝がいい生理中期から14日くらいの「やせ期」があります。
「むくみ期」は身体に水分を溜め込みやすいため、水分排出、血行促進のためのストレッチがおすすめ。もちろん、冷え性の方にもいいですね。
「やせ期」であれば、溜め込んだ老廃物の排出期間でもあり基礎代謝がよくなり脂肪が燃焼しやすいので、有酸素運動などで身体を活発に動かすとダイエットにも効果的です。
これからも運動を継続的に続けていくために、身体のタイミングに合わせて、自分なりに無理のない運動からはじめましょう。
\「むくみ期」の人はストレッチを!/
だるくてやる気のおきない「むくみ期」の人は、テレビを見ているときやお風呂上りなどにゴロゴロするだけの、簡単ストレッチがおすすめです。血行がよくなり、気分もスッキリします。ポイントを押さえて、おなかを意識して行いましょう。
いずれにしろ、無理は禁物です。普段運動をしない人は、おなかに力が入りづらかったりお尻をうまく使えなかったりするもの。「疲れた」と思ったらやめて、起き上がるようにしましょう。
\「やせ期」の人は筋トレを!/
「筋トレ」がおすすめ...とはいうものの、日常的に運動をしていない人の場合、いきなり激しい運動をすると身体を痛めてしまう場合があります。「簡単にできる」「クセづけのため」の筋トレなら、ハーフスクワットがおすすめ。
後ろに転がらないように手はテーブルなどをつかみ、お尻を突き出すように沈みこみます。膝がつま先より前に出ないように注意して。
あなたは今「むくみ期」? 「やせ期」?ダイエットに効果的な運動は、この2周期で違うんです!
始める前にチェックしたいこと3つ
管理栄養士・ジョギングインストラクターの深野祐子さんによると、走り始める前には、次のことを行うといいそうです。
【1】「ウォーキング」で身体づくりを
「ウォーキングは、ランニングを行う上で重要です。特に急に走って膝などを痛めるリスクを減らしますし、低強度の有酸素運動として脂肪を燃やし、ランニングする身体に変えていきます」
【2】正しいフォームで行う
「ランニングもウォーキングどちらも正しいフォームで行うことが大切。正しい姿勢作りのポイントは、つま先をそろえて気を付けの姿勢で立ち、おへその下に手のひら、背中に手の甲を置いて息を吐きながらお腹をへこませた状態をキープすることです」
【3】ウォーキングから「ジョグウォーク」へ
「この正しい姿勢による30分のウォーキングが習慣化してきたら、ウォーキングの合間にランニングを少しずつプラスしていくジョグウォークを。10分ウォーク⇒5分ジョグ⇒10分ウォーク⇒5分ジョグ⇒5分ウォークというように、徐々にランニングの時間を増やしていくようにしていくのが、健康的にランニングを行うポイントです」
Japanマラソンクラブ
続くランニングブーム、40代から始める前に知っておきたいこと
いざ「朝ラン」!具体的な時間帯やファッションは?
ランニング初心者はもちろん、すでにランニングを行っている人にとっても朝ランは未知の世界。そこで「朝ラン」を始めてみたいと思っている40歳以上の女性へ、朝ランを始めるときに注意したいことや適している時間、ウォーミングアップのやり方、おすすめの距離、ファッションなどを、管理栄養士でジョギングインストラクターの深野祐子さんに教わります。
【1】何時からが最適?
朝ランを始める時間は、自身のライフスタイルに合わせて行うのがベストです。
平日なら出勤時間から逆算して無理のない範囲で行いましょう。「着替え+ウォーミングアップ→朝ラン→朝食→出勤準備→出勤時間」も考えて、朝ランのスタート時間を決めてみてください。休日なら取り組みやすい時間帯でいいです。特にこの時間帯でないとNG、というものはありませんが、朝ランを開始するのが日の出前か後かで注意ポイントも異なります。
(a)日の出前
走り始めは、夜ラン同様暗いです。暑さが厳しい季節は快適に走れることが多く、春~夏にかけて日差しが厳しく日中走るのが難しい季節はおすすめしたい時間帯のひとつです。秋~冬にかけては日も出ていないので、夜ラン同様寒さも厳しいため、入念なウォーミングアップと防寒対策などの準備が必須です。
(b)日の出後
明るいですが、暑さが厳しい季節(真夏)は、すでに暑くなっていることも多いです。紫外線対策、水分補給の飲み物の携帯などの暑さ対策が必要。春や秋は、走り始めは涼しく、多少寒いこともありますが、走り出すと暑くなるケースもあるのでウエアにもひと工夫を。
【2】最適な場所は?
朝ランの場所は、ご自身のライフスタイルに合わせ、取り組みやすい場所で行えばOK。
ただ、日の出前で暗い時刻に行う場合は特に、電灯があり、ある程度の車や人の通りがある場所を選ぶのがおすすめです。家の近所であれば、起床後準備ができ次第すぐに取り組めるメリットがあります。
徐々にいくつかコースを増やしていっても面白いですね。例えば、30分コース・45分コース、3キロコース・5キロコース、アップダウン多めコースなど。
一方で、皇居など、ランナー向けにロッカー・シャワー・着替えのできる施設が充実している場所もあるので、職場の近くにそういった施設があれば出勤前に朝ランをするのもおすすめです。
【3】40代から始める「朝ラン」におすすめの距離は?
(a)初心者ランナー
距離にこだわらず、「時間」を目安にスタートするのがおすすめです。
まずはウォーキングをおりまぜながら30分連続して体を動かし続けるようになることを目標に。
(例)
・10分ウォーク
・5分ウォーク→5分ジョギング→5分ウォーク(計15分)
・5分ウォーク→10分ジョギング→5分ウォーク(計20分)
・5分ウォーク→5分ジョギング→5分ウォーク→5分ジョギング→5分ウォーク(計25分)
・5分ウォーク→5分ジョギング→5分ウォーク→10分ジョギング→5分ウォーク(計30分)
(b)ある程度走り慣れているが朝ランは初めてのランナー
朝起床後は血圧の変化も大きく、体温も低い状態。身体のスイッチが入っていない状態なので、夕方~夜に比べて体が動きづらいです。スピードが速いなどの高い負荷や、長い時間のランニングはおすすめしません。ウォーミングアップをしっかり行い、30分~60分程度のランニングがいいでしょう。
【4】おすすめのファッションは?
(a)日の出前に行う場合
暗い中走るので、夜ラン同様、暗い色は避けること。反射板がウェアについているものもあるので、そういったものを選ぶといいですね。
(b)日の出後に行う場合
春・秋
走り始めが寒く、走り出してから暑くなる場合も多いので、薄手のウィンドブレーカーがあると便利です。暑くなったら腰に巻く・畳んでポーチに入れておくなどできます。
夏
特に日の出後に行う場合は、日焼け止め、帽子、サングラスなどの紫外線対策を欠かさずに。
冬
手袋の着用+3つの首を温めるアイテムで防寒対策を。首:ネックウォーマー、手首:アームカバー、足首:レッグウォーマーなど。寒さが厳しい場合は、耳あてもいいです。周囲の音が聞こえるものを選びましょう。
【5】ウォーミングアップ方法
(a)ウォーキング(5分~10分ほど)
身体を温めるのが目的です。夏は比較的短くて済みますが、冬は身体が温まるまで時間がかかりますので余裕をもって始めましょう。
(b)ストレッチ
特に肩甲骨周辺・股関節周辺の筋肉を動かすストレッチを中心に行うようにします。
【ストレッチの例】
≪肩甲骨周辺の筋肉をほぐすストレッチ:肩回し≫
1.指先を鎖骨にあてるようにし、からだの前で肘と肘を合わせる
2.肘が身体の下→横→前を通るように動かす。慣れてきたら肘で大きな円を描くように。逆回しも同様に行う
≪股関節周辺の筋肉をほぐすストレッチ:ランジ≫
1.両脚をそろえて立ち、片方の足首に両手を添える
2.手を添えていないほうの脚を大きく後ろに下げる
3.顔は正面を向き、余裕があれば太ももの上に両手をおく(つま先よりも前に膝が出ないように注意)
寒い季節は体が温まるまで時間がかかるため、より入念なウォーミングアップが必要になります。
- TEXT :
- Precious.jp編集部