【目次】
- 髪がうねる「3つの原因」
- 【スタイリングのコツ1】ストレートアイロン・ドライヤーの使い方
- 【スタイリングのコツ2】ヘアアレンジ
- 【髪質の改善策】専用グッズ・アプローチでケア
- 【頭皮の改善策1】血流を促進させる
- 【頭皮の改善策2】正しい洗い方で清潔に!
髪がうねる「3つの原因」
【1】加齢や湿気による髪の「水分」が影響
「髪の毛が湿度により”膨張したりうねったりする”要因のひとつは、髪を洗った後のブローが不完全で髪に水分を残したままだからです。髪の毛は水で濡れると結合が切れ、従来のクセがそのまま出るのが特徴。だからこそ、髪をしっかり乾かすことが大切です」(美香さん)。
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「髪の老化のサインのひとつに挙げられるのが、うねり毛。髪の毛の中には親水性のタンパク質と、水になじみにくいタンパク質があり、加齢とともに水になじみにくいたんぱく質が増加。その結果、髪の水分保持力が下がり、うねりが起こってしまい、まとまりが悪くなっていくことが分かっています」(菊地さん)。
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【2】頭皮の衰えから来る「毛穴の歪み」
頭皮と顔はひと続き。顔形がたるみ、肌質が変わってきたなら、頭皮にも同様の変化が起きていると思ってください。頭皮のエイジングが進むと、頭皮が硬く、凝りやすくなり、血流が滞るため健康な髪が生まれません。切れ毛や抜け毛、傷みが目立ち、薄毛となり艶が失われてしまいます。もちろん白髪も目立ち始めるでしょう。また頭皮がたるむと毛穴がゆがむため、うねった毛が増えてきます。耳の前のもみあげ部分の毛を見てください。直毛でないなら、頭皮がたるんでいる証拠です。
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【3】頭皮環境を整えることが大切
頭皮環境をきちんと整えることができれば、健康な美髪を取り戻すことができます。青山の人気ヘアサロン「AMATA」オーナーで毛髪診断士としても活躍中の美香さんによると、頭皮を清潔に保つことと、血流を促進させることが美髪への近道のようです。「みなさんもご存知のとおり、頭皮は美しい髪を育む土台となります。頭皮環境が整っていないことには、美髪を手に入れることはできません。頭皮環境を整えるうえで、大切なことが、頭皮を清潔に保つことと、頭皮の血流をよくすることの2点。頭皮の汚れは皮脂だけでなく、最近は花粉や黄砂、排気ガスやPM2.5などの汚染物質など、髪や頭皮に付着しやすく取れにくいものが多くなっています。また、ストレスや偏った食生活、睡眠不足などにより、頭皮の血流が滞ってしまうと、髪の生成に必要な栄養や酸素が行き届かなくなり、抜け毛や薄毛の原因に」(美香さん)。
【スタイリングのコツ1】ストレートアイロン・ドライヤーの使い方
うねり・広がりを抑えるスタイリング術
\SUN VALLEYのタダモトイサオさんがレクチャー!/
髪のうねりや広がりが手に負えず、髪の長さがどんどん短くなってしまう…という方はいませんか。思い通りにスタイリングできないのは、最初のブローに原因があるようです。SUN VALLEYのトップスタイリスト タダモトイサオさんは「最初に頭皮を擦りながらドライヤーをあて、次に分け目とは逆方向にとかしながらドライヤーをあてます。その後、根元あたりからストレートアイロンを通してツヤを出せばスタイリングがうまくいきます」と言います。ただ髪を乾かすのではなく、頭皮を擦りながらドライヤーをあてること。「仕上がりのスタイルをイメージして、分け目通りに乾かしてはいけません。普段の分け目とは逆方向にとかしながら乾かすとトップがふんわり立ち上がり、ボリュームが出ます」(タダモトさん)。分け目や根元が見えにくくなるので、白髪をカバーしたい人もこの乾かし方をマスターするといいかもしれません。
<STEP.1>頭皮を擦りながら上からドライヤーをあてる
<STEP.2>分け目とは逆方向にとかしながらドライヤーをあてる
<STEP.3>ストレートアイロンを通し、毛先だけやや内向きにする
「ドライヤーで乾かすときは、頭皮を一定方向に擦るのではなく、全体的にランダムに擦ってください。また、ストレートアイロンを通すとき、毛先をほんの少し内向きにします。内巻きにしてしまうと古めかしくなるので注意してください」(タダモトさん)。
【スタイリングのコツ2】ヘアアレンジ
【1】ヘアバームでモードな「まとめ髪」に
大人の頭皮はエイジングにより毛穴が歪み、髪がうねりクセが強い。上からのライトによりふわふわと飛び出たアホ毛が目立ち、疲れた印象に…。これを解決するのがヘアバーム。ベタつきそうだし、使うのは難しいのでは?と思いがちですが、手のひらでしっかりと温めて溶かし、タイトにまとめたいところに、手のひらをアイロン代わりにして塗布してみて。美しい艶髪にまとまります。
疲れた印象に見えがちの「ふわふわと飛び出た髪の毛」の解決方法とは?携帯ヘアバームでピシッとまとめてモード感アップ
【2】くせ毛を活かした「ウェットヘア」でダウンモードに
湿気の多い梅雨の時期、うねったり広がったりする髪対策として、まとめ髪以外の選択肢が欲しいところ。うねりを生かし、広がりを抑える「ウエットヘア」なら、ダウンスタイルを楽しむことができます。髪悩みの多い大人の女性がウエットヘアにチャレンジするなら、ソフトタイプのグリースがおすすめ。程よい重さとホールド力を併せもつので、ボリューム調整やシルエット形成が自在になります。パサつきを抑え、髪を艶やかに見せる効果も。「グリースは、ほんのり湿らせた髪に使用すると、のびがよくなり、形も決まりやすくなります。特にうねりが気になる前髪は、思いきってかき上げるようにオールバックに。固めることなく髪に柔軟な動きを出すグリースの効果により、前髪の根元に自然な立ち上がりがつき、マスキュリンな印象に。 サイド〜バックもグリースを塗布してウエット感を出すと、うねりがニュアンスに早変わり。広がりが気になる毛先やハチ周りのボリュームダウンも簡単です」(Belle omotesando 堀之内大介さん)。
<STEP.1>大豆1粒分のグリースを取る
<STEP.2>グリースを両手に広げる
<STEP.3>前髪をかき上げるように塗布
<STEP.4>中間〜毛先にも塗布する
<STEP.5>ハチ周りをタイトに抑える
【40代に似合う髪型】梅雨の湿気に左右されず “モード感” を演出する「ウェットヘア」にチャレンジ!
【3】大きめの「ウェーブ巻き」で、うねりやクセを味方につける!
\「broocH」の西山洸平さんがレクチャー!/
「うねりやクセが強くなってきたエイジング毛は、大きめのウェーブ巻きで軽やかな動きを。レイヤーが程よく入っているので、手軽に巻きやすいのがこのスタイルの魅力です」(西山さん)。
<STEP.1>毛先は外巻きに
<STEP.2>中間部分は1回転半くらい巻き込んでウェーブ巻きに
<STEP.3>トップ部分はアイロンの熱を加えて立ち上がらせる
「スタイリング剤はバームとオイルを手のひらで混ぜて使うのがおすすめ。毛先を下からくしゅくしゅもみ込むように塗布し、手に余ったものでトップや前髪を整えて」(西山さん)。
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【髪質の改善策】専用グッズ・アプローチでケア
【1】「専用アウトバスアイテム」で上手にケア
「特に湿度の高い時季、うねりや広がりなどの髪悩みにおすすめしたいのがこちら。髪に潤いとツヤを与えることで、うねりを抑えることができる「アヴェダ」の『スムーズ インフュージョン』シリーズ。特にその威力を感じたのは、シャンプー後のコンディショナーをすすいだ瞬間! すでに髪にまとまりがあり、アウトバス時のヘアトリートメントをなじませてブローした後は、さらに毛先がつるん(!)となめらかに収まる仕上がりに。翌朝も広がりやうねりを感じることもなく、大満足のヘアケアアイテムです」(ビューティプロデューサー・毛髪診断士美香さん)。
\うねりを防止するための【ワンポイント】/
「朝、髪にうねりが出るのは、夜に髪の水分をしっかりブローでオフできていないから」(美香さん)。これを聞いてからは、夜のブローを入念に行なうように気をつけています。気になる方はぜひお試しを!
梅雨期の髪のうねり&広がりに!最新【ヘアケアコスメ】|美容ライターが話題のストレートパーマに挑戦!
【2】髪に革命!「酸性ストレートパーマ」を取り入れる
先天的なくせ毛、加齢による髪質の変化で現れるうねり…etc. 程度は違えど日本人の約7割の人がくせ毛だといわれているそう。ストレートパーマやくせ毛矯正は、施術後のダメージがネックになっていましたが、「酸性ストレートパーマ」という新しいメニューの登場により、ダメージを気にせず艶やかストレートヘアを手に入れる(または取り戻す)ことができるようになりました。「ストレートパーマやくせ毛矯正は、アルカリの薬剤でキューティクルをこじ開け、髪内部のたんぱく質の結びつきを変えることで、くせをのばしていきます。キューティクルが開いた際に内部の水分や栄養が流出するため髪が傷むのです。一方、酸性領域の薬剤を使うとキューティクルが引き締まるため、成分の流出を防ぐことができます」(AMATA店長 毛髪診断士 ERIさん)。
前髪と顔周りをつなげた前上がりのミディアム。コシがなくややうねりのある髪に酸性ストレートパーマをかけてグロッシーな質感に。施術後は乾かすだけで形が決まる。
<STEP.1>パーマ液の1剤を塗布する
<STEP.2>ロットでパーマ液の浸透を確認
<STEP.3>ストレートアイロンで形状記憶
40代が悩む【髪のうねり、くせ毛】を解消!「傷まないストレートパーマ」であの頃のサラサラヘアに!
【頭皮の改善策1】血流を促進させる
【1】シャンプー、スキンケアで実践!基本の「頭皮マッサージ法」
基本は、生え際から頭頂部へ。圧の具合はグリグリ押さず心地よい強さが正解です。マッサージの時間は、負担にならない長さで大丈夫。洗髪時や美容液をつけるときの習慣にしましょう。
<STEP.1>手のひらと指腹で 頭皮を圧し回す
<STEP.2>首の付け根から襟足までほぐす
<STEP.3>手の付け根で前頭部を刺激する
<STEP.4>頭頂部の緊張をゆるめる
<STEP.5>5本の指で頭皮を引き上げる
<STEP.6>指先で頭皮のツボを刺激
シャンプーやスキンケアにも。頭皮の悩みや衰えを防ぐ「頭皮マッサージ法」6ステップ
【2】ケアを始める前に覚えておきたい「頭皮」3つのポイント
岩佐由美キュアトリートメントスクール 学院長の岩佐由美さんに、ケアを始める前に覚えておきたい、「頭皮」3つのポイントを伝授していただきました。「頭皮にも顔と同じように、栄養を運ぶ血流と、老廃物を流すリンパ管があります。頭皮が硬いと栄養が運ばれないため、老化は進みやすくなります。昨今は女性の社会進出やOA、スマートフォンを見る機会が増えたこともあり、頭皮環境は悪化しがち。血流を活性化させ、老廃物の排出を促すケアは、顔と同様に必須です。若々しい頭皮づくりは前頭部・側頭部・後頭部の3つの部位に分けて考えます。それぞれの特徴を知っておきましょう」(岩佐さん)。
(1)前頭部:やせ髪、抜け毛を最初に自覚する生え際を「鍛える」
(2)側頭部:顔のたるみに直結。血の巡りを上げて内から外から「ほぐす」
(3)後頭部:疲れ目、肩こり、背中のはり感も「ゆるめる」ことで解消
【頭皮の改善策2】正しい洗い方で清潔に!
【1】毎日の「シャンプー」で、毛穴の汚れを落とす
「頭皮の汚れは日々たまっていくものなので、落としきれないとそのぶん蓄積されてしまいます。基本的には毎日、シャンプー前のブラッシング、予洗いをしっかり行い、洗います。毎日落とせるようになれば、脱脂力が強いシャンプーでなくても、ベタつきはなくなります」(大友さん)。大友さんによると、頭皮は実はすごく乾燥しており、その乾燥がうねりをもたらすのだとか。
「Tゾーンと同様に、頭皮の皮脂分泌量も30代後半から減少していきます。ですが、Tゾーンに比べると、頭皮は皮脂腺が多く、2~3倍の量が分泌されています。しかも、更年期の年代に入ると、ホルモンバランスが崩れることで汗を大量にかいたり、皮脂の量が増えて質が変わったりというイレギュラーな事態とも相まって、頭皮の状態は不安定に。さらに、頭皮はお顔のようにスキンケアをされていない方が多いので、洗いっぱなしの状態。そのため頭皮はとても乾燥し、自ら潤そうとして、より皮脂を分泌するようになってしまい、頭皮がベタつく状態に…。頭皮が乾燥すると、皮膚が硬くなって弾力を失ってしまうので、毛穴は開きっぱなしになるうえ、たるんでいきます。すると、抜け毛が増えたり、うねりが強く出てきたり…。また、頭皮が硬くなるということは血流も悪い状態なので、新鮮な酸素や栄養素が運ばれなくなり、新しい健康な毛髪が生えてきにくい状況をつくり出してしまいます」(大友さん)。そんな悪循環に入ってしまう前に「基本を見直して」と言います。
\頭皮の毛穴汚れは、意外と落ちていない!/
シャンプー前のブラッシング、予洗い、正しい洗い方を実践すると、毛穴の汚れはきちんと落ちる。写真は、実際に正しいプロセスで落としたときの状態。キレイに落とせていると青白い理想的な頭皮の色に。
毎日シャンプーを行っていても、頭皮まで洗えていない場合が多く、写真のように毛穴に皮脂などが詰まっていることが。取りきれないと、この詰まりは蓄積され、より取り去りにくくなっていく。
「頭皮の皮脂量はTゾーンの約3倍」という事実。大人の正しい「シャンプー法」とは?
【2】6ステップの「パーフェクトなシャンプー法」
そこで大友さんに、その日の毛穴汚れをきちんと落とせる「シャンプー法」を伝授していただきました。
<STEP.1>目の粗いブラシで、まずはブラッシング
目が粗く、クッション性のあるバドルブラシなどを用い、まず毛先の絡まりをとる。次にポニーテールを結うように髪の根元から頭頂部に向かってブラッシングしていく。ブラシの先端を頭皮に当てながら動かすのがポイントに。
<STEP.2>地肌にシャワーを当て、内側までしっかり予洗い
頭上からシャワーをかけるだけだと、髪の表面しか濡れず、内側まで濡れていないことが。そのため、髪の上部を持ち上げてハーフアップのようにしたりと、髪を分けながら、シャワーヘッドを頭皮に当てつつ濡らしていく。左右の耳上をつなぐ後頭部は髪の密度が高く、毛穴が詰まりやすいのでよく濡らして。
<STEP.3>洗うべきは髪ではなく、頭皮
適量のシャンプーを手のひらにとって泡立ててから、指の腹を使って、頭皮をもむように洗っていく。シャンプーの汚れを落とす成分は頭皮への負担になりやすいので、頭皮を洗う時間は1分以内にし、まんべんなく洗うのがコツ。
\毛先を泡立てネット代わりに/
<STEP.4>「もう十分」と感じた、さらに1分長めに流して
予洗いと同様に、頭上からシャワーをかけるだけだと洗い残しが出やすくなるため、上からだけでなく、下や横など、シャワーヘッドをいろいろな向きから当て、よく流す。1~2分が目安だけれど、いつもの感覚よりも必ず長く流すようにすると間違いない。
<STEP.5>トリートメントは、「ツルツル」感触までなじませる
トリートメントやコンディショナーは髪の中間から毛先に向かってつけていく。頭皮についてしまうと、毛穴の詰まりにつながってしまうので、つける場所は必ず守って。また、一定方向に指の腹で繰り返しなじませ、髪表面がツルツルになるまで塗り込むのが正解。
<STEP.6>分け目をつくり、地肌から乾かしていく
シャンプー後はキューティクルが開いているので、すぐに乾かすのが鉄則。乾かすときは、頭皮&髪の根元から乾かしていく。分け目をつくりながらドライヤーの風を当てると乾かしやすい。頭皮や根元が乾いていないと、雑菌が繁殖しやすくなり、ニオイの原因に。
「頭皮の皮脂量はTゾーンの約3倍」という事実。大人の正しい「シャンプー法」とは?
\髪内部の水分量をコントロールしてくれるシャンプーをセレクト/
くせ毛の人の髪内部はタンパク質分布が不規則で偏っていて水分量が一定でないのも特徴です。乾燥ダメージによって、くせやうねりが強まるので、シャンプーやアウトバストリートメントを選ぶときは、保湿力の高さをひとつの基準にするとよいでしょう。
【くせ毛・うねり対策】美髪のプロに聞いた、本当の原因と2つのケア方法
【3】洗髪前・後のケアでさらに効果を高める
週に1〜2回は、洗髪前のプレケアを
髪や頭皮に付着した汚染物質や毛穴に詰まった皮脂などは、毎日のシャンプーだけでは取り除けないことがあります。週に1〜2回、洗髪前にオイルや専用のクレンザーを使用して、毛穴の汚れを揉み出すように頭皮マッサージ。頭皮環境を整えてあげる、というのが美髪への基本です。余計な皮脂とともに角質やフケなどで毛根が詰まってしまうと、抜け毛や臭いにも繋がってしまいます。さらにこれらは、老化現象の原因でもある「過酸化脂質」になり、頭皮にさまざまな悪循環を引き起こします。プレケアで使用する専用のケアアイテムは、ただ落とすだけでなく、酸化によって傷ついた細胞の回復を早め、過酸化脂質を抑制する効果もあります。とくに頭頂部は血液の流れも滞り、皮膚も硬くなりやすい場所。ここを中心にほぐすようなイメージで手を動かすのがコツです。プレケアで頭皮をまっさらな状態に戻しましょう。
- TEXT :
- Precious.jp編集部