目じりの小じわ、たるみ、クマ、くすみ、まつげの減少、目の乾燥など.、大人の女性が抱える「目周りの老化」への悩みは尽きることがありません。最新のアンチエイジング術を追いかけ続けるラグジュアリーマガジン『Precious』が、確かな知識をもつ美容賢者やヘア&メイクへの取材をもとにたどり着いた「目元の衰えをカバーするメイク」のテクニックをまとめました。
【目次】
- 【1】「アイシャドウ」「アイライン」の入れ方<2POINT>
- 【2】印象が若返る「軽やかアイメイク」のやり方<8STEP>
- 【3】「自然で美しい」アイラインの描き方<3STEP>
- 【4】たるんだ目元を解消する「太く長いアイライン」の描き方<3STEP>
- 【5】アイシャドウとアイライナーでつくる「若返りアイメイク」<5STEP>
- 【6】スポンジとゆるコンシーラーを使う、アイメイク「簡単お直し術」<2STEP>
【1】「アイシャドウ」「アイライン」の入れ方<2POINT>
年齢を重ねるごとに増えていく肌の悩み。それをメイクでカバーしようとしても、やればやるほど厚化粧になってかえって老けて見えるし、かといって若いころと同じメイクを続けるのもなんかしっくりこない…。そんなジレンマに陥っていませんか?
年齢とともに肌も日々変化していきます。それが顕著に表れ始めるのが30代後半くらいからといわれていて、今までと同じメイクに違和感を覚えるのはそのため。若い人には若い人の、大人には大人に見合ったメイク法があり、年齢に応じてメイクの仕方も変えていく必要があるのです。
メイクアップアーティストの岡野さんに、大人のアンチエイジングメイク術について教えていただきました。
目尻のライン&ナチュラル系アイシャドウで大人の疲れ目が元気に!
目元は年齢が特に出やすい部分。目の骨格は人によって違うためアイメイクの仕方もさまざまですが、そのなかでも大人メイクで抑えておきたいポイントは主にふたつあります。
<POINT1>目尻の際にアイラインを入れて、目幅を広げる
まずは目の骨格に合わせてフレームをきちんとつくりましょう。歳をとると目尻が下がってくるので、アイラインを引くときは目尻の際に少し上昇気味に線を引き、目幅を少し広げます。それだけで目元が引き締まり、印象的な眼差しへ。顔全体の印象の若々しさもアップします。
<POINT2>肌の色に近いベージュ系のアイシャドウで骨格と肌を整える
まぶたが重くなりがちな大人の目元に、濃い色やカラフルなアイシャドウを塗り重ねると、たちまち昔っぽいメイクになってしまいます。大人の女性が選ぶべきなのは、ピンクベージュやブラウンなど、できるだけ肌に近いナチュラルな色。まぶたの骨格を整えて、肌のくすみをカバーしてくれます。
「おすすめはクリームタイプのアイシャドウです。これひとつでも十分ですが、まずこれを薄く塗ってから、ほかの色味を重ねると、質感がグラデーションになって立体感が生まれるので、まぶたが痩せ細りがちな大人の目元を若々しく見せてくれる効果がありますよ」(岡野さん)
【2】印象が若返る「軽やかアイメイク」のやり方<8STEP>
ヘアメイクアップアーティストのシバタロウさんに教わる大人のメイクレッスン第2回は【アイメイク】編。1回目【ベースメイク&チーク】編ではシミやくすみ、毛穴やくまをカバーするテクニックを学びましたが、アイメイクで解消したいのは、目尻の小じわ、貧相に見える目のくぼみ感、まぶたのボテッとした、たるみ。
年齢とともに目力のないぼやけた印象になってしまった目元を、パッチリとした若々しい印象に仕上げる方法を教えていただきます。
目尻にボリュームをもたせてたるみ、小じわを目立たせない
第1回ベースメイク&チーク編の完成カットが、下の写真。この透明感のあるナチュラルなベースに、目元の悩みを解消するアイメイクを施します。
目尻の小じわやくぼみ、まぶたのたるみが目立ち始めるアラフォー世代の目元。これらの悩みを解消するには、下記のポイントが大切なのだそう。
☑ブラウン系のアイシャドウで立体感をつくり、目元のくぼみを解消
☑アイライナーは目尻をハネさせてたるみのない引き締まった印象に
☑つけまつげを〝あえて〟つけてボリュームアップ!
「40代のアイメイクは〝もうひと手間〟がキーワード。いつもより丁寧にグラデーションを描くことで、目元のくぼみを解消。アイラインで目尻にハネを描くと、まぶたのたるみが気にならない、すっきりとしたシャープな目元になります。下がってきた目尻には〝あえて〟つけまつげをつけるなどの、ちょっとしたひと手間で、見違えるほど若々しい印象になるんです」
それでは上記のポイントに注意しながら、アイメイクのプロセスを確認しましょう。
組み合わせによって多彩な目元を演出できるアイシャドウ。ブラウン系の濃淡3~4色セットになったパレットを選ぶときは、ハイライトにラメが入っていないタイプが万能です。
<STEP.1>ハイライトで目元にメリハリをつくる
アイシャドウのなかでいちばん明るい色を眉の下に細く入れます。明るい色を入れることで、目元のメリハリが強調されて、眉を立体的に見せることができます。
<STEP.2>ブラウンシャドウで目元を引き締める
ブラウンシャドウをアイホール全体に広げます。アイホールのグラデーションは丁寧につくることをおすすめします。濃淡のグラデーションが、ぼやけた目元をグッと引き締まった印象にしてくれます。
<STEP.3>明るいブラウンで下まぶたを華やかに
目頭と鼻筋の間から目尻まで、先程使ったブラウンシャドウで下まぶたのきわにラインを引きます。明るい色をのせることで、目元のくぼみ、クマを目立たせない効果も。
<STEP.4>濃いブラウンを上まぶたと下まぶたにのせる
先程より濃いブラウンシャドウを、上まぶたにのせます。目を開けたときにほんのり見える範囲(目のきわから約5mmくらいまで)になじませて。下まぶたは目尻から1/3あたりまで、色をのせます。
<STEP.5>黒のペンシルでインラインを引く
目のきわの粘膜部分に、黒のアイライナーペンシルでラインを入れます。まぶたが下がって描きにくいときは、まぶたを持ち上げながら入れると、スムーズに引くことができます。
<STEP.6>まつげの根元にはブラウンでラインを引く
目元の印象が強くなりすぎないように、まつげの根元にはブラウンのアイライナーを。目尻のたるみが気になるときは、目尻だけ太めに引き、少しだけハネさせると、たるみの気にならない目元になります。
なめらかで、するするとラインが描けるソフトタッチのアイライナー。ペンシルの芯がやわらかいものを選ぶと、重いまぶたにもキレイになじみます。
<STEP.7>アイシャドウのDでアイラインをぼかす
さらに濃いアイシャドウをブラシに含ませ、アイラインをぼかすように入れます。アイラインをぼかすことで、上品でやわらかい大人の目元に。
<STEP.8>重たい目尻のたるみを〝つけまつげ〟で解消
つけまつげを半分にカットして目尻にだけ装着します。黒目の外側から目尻にかけてつけたら、その上にマスカラを塗ります。ダマにならないよう、地まつげとよくなじませて。目尻にボリュームを与えることで、目力がアップします!
貧相になってくるまつげに、ボリュームと長さを与えてくれるマスカラ。塗りやすく落ちにくいのも特長。つけまつげはドラッグストアで購入できるもの(ディーアップ アイラッシュ ラッシュボーテなど)なら、どれでもOKです。
目元の完成形は、こちら。
目尻の小じわ、目のくぼみ、まぶたのたるみを解消するアイメイクはいかがでしたか? おさらいをすると、アイメイクで老け見えサインを隠すポイントはこの3つ。
☑ブラウン系のアイシャドウで立体感をつくり、目元のくぼみを解消
☑アイライナーは目尻をハネさせてたるみのない引き締まった印象に
☑つけまつげを〝あえて〟つけてボリュームアップ!
40代からは、目尻のラインをややハネ上げ、つけまつげでボリュームをプラスすると、たるみや小ジワの気になる目元が一気に華やかな印象になります。
【3】「自然で美しい」アイラインの描き方<3STEP>
下がる、ゆるむ、シワが増えて目そのものが小さく見える…など、「目の形が変わってきた」と実感する30代、40代の女性の方も多いのでは? そこでポイントとなるのは、存在感のある目元を得るための「大人の」アイラインの描き方。
しかし、目尻ラインはどこまで描けばいいのか、その位置は曖昧。目の形を忠実に守り、はみ出すことなく終わってしまっている人も多いと思いますが、それでは引いている意味も、目力アップの効果もないのです! アイラインで最も重要なのは「目尻の処理=止める位置」。そこで、真横に約5mmほどはみ出すように描くことで目の横幅が広がり、目尻も引き上がる「自然な長さの目尻ライン」の描き方を、3ステップでご紹介します。
■まずは、どの描き方でも基本となるこのステップから
まつげとまつげの際を埋める基本の線は、まつげの下からアイライナーの筆を当てて。まぶたの中央→目尻、中央→目頭の順に輪郭に沿って描いていきます。
<STEP.1>まつげの上から当て、黒目の上を起点に目尻まで少しずつ描く
まつげとまつげの間を埋め終わったら、次にまつげの上から筆を当てて、ラインに太さを足すように描きます。黒目の上を起点に、目尻まで少しずつ描いていきましょう。
<STEP.2>目尻ラインは真横に約5mmのばし、長めに仕上げる
鏡を正面に置き、目を開けてスッと真横に約5mmのばして長めに描きます。輪郭どおりに下がりラインで描いてしまうとたるみが目立つので、注意が必要です。
<STEP.3>たるみ目尻を引き上げ、自然に大きく見えるよう目尻側はやや太めに
目頭側を太くすると作為的に見えてしまうので、太さは足さないように。黒目上の中央から、目尻のラインだけをやや太めに仕上げて完成です。
以上、「自然な長さの目尻ライン」の描き方を、3ステップでご紹介しました。真横に約5mmほどはみ出すように描くというポイントをおさえるだけで、目の横幅が広がり目尻も引き上がる、基本のアイラインの描き方です。ぜひ試してみてくださいね。
どのアイライナーでも簡単3ステップ!自然で美しいアイラインの描き方
【4】たるんだ目元を解消する「太く長いアイライン」の描き方<3STEP>
<STEP.1>太くするのは中央から目尻だけ。徐々に太さを足していく
まずは、「自然な長さの目尻ライン」を仕上げます。さらに、白枠の目尻側の3角ゾーンを広げるように描き足していきましょう。
<STEP.2>横広がりの強い目元に仕上げるため、目尻は約8mm長めに
「8㎜も!?」 と思うかもしれませんが、たるみまぶたにはこれくらいの長さがないと、横広がりの大きな目に映りません。矢印で示した止め位置を意識して、目尻を長めに仕上げます。
<STEP.3>アイシャドウと重なる前提なので、これくらいの太さが必要!
写真で見る太さに驚くかもしれませんが、心配ご無用。この上にアイシャドウをのせると、肌とアイラインの隙間がぼけて見えるので、わざとらしい印象にはなりません。
以上、「太め&長めの目尻ライン」の描き方を、3ステップでご紹介しました。意外なほどの太さと長さに驚かれた方も多いかもしれませんが、たるみ目にはこれくらいのインパクトがないと、強い目力は生まれません。思い切ってトライしてみることで、縦にも横にもぱっちりと大きく見せるアイラインを描くことができるのです。
【5】アイシャドウとアイライナーでつくる「若返りアイメイク」<5STEP>
ついベースメイクが厚塗りになってしまいがちなこの季節。しかし、ひび割れを起こし、大幅に崩れたあとでは修復も困難になってしまいます。それならば、もっとメイクを簡略化してしまえばいいのです。そのために編み出したのが、夏のメイクのあり方を今までとは違う視線で捉えた「ゴーグルゾーンメイク」。この「ゴーグルゾーン」とは、眉下から頬骨下の範囲を示す、まさにゴーグルをしたときに覆われる範囲のこと。なぜこの範囲に特化するかというと、ここは他人の視線が集中する場所であり、「肌の印象を決める場所」と言われているからです。
これまでは若い世代にしか通用しなかったナチュラルなアイメイクも、コスメの進化により年齢を問わず挑戦できる時代に。だからこそ「ゴーグルゾーン」のアイメイクで使用するのは、クリームアイシャドウとブルーペンシルアイライナーのたった2品です。 自然にメリハリのある目元がつくれるうえに、長時間ヨレない、くすまないクリームアイシャドウは、ぜひ取り入れてほしいアイテム。 そして、引き締め役のペンシルアイライナーには、清涼感があり、白目を白く明るく見せて清潔感も増す効果があるブルーのカラーのものを使用して、目を大きく、涼やかな印象に仕上げましょう。今回は、クリームアイシャドウとブルーペンシルアイライナーによる、若返り効果絶大のアイメイクを5ステップでご紹介します。
<STEP.1>まぶたの中央にクリームシャドウをのせる
クリームシャドウをのせるのは、二重ラインよりも上のまぶた中央の位置に。目の際側にのせると、二重の溝やまつげの根元にたまりやすいので、注意が必要です。
<STEP.2>指でワイパーのようにぼかし、立体的なまぶたに
二重のラインあたりを起点にして、薬指をワイパーのように左右に動かしながら、上に向かってぼかしていきます。このとき、まつげの際には塗らないことがポイント。
<STEP.3>まつげの下から当てて中央→目尻、中央→目頭に
まつげの上からペンシルを当てると、まつげとまつげの間が埋まらず隙間ができてしまいます。必ずまつげの下から当てて、中央→目尻、中央→目頭へと描いていくのが正解です。
<STEP.4>ペンシルをまつげの上から当て、目尻側に太さを足す
目尻側に太さを足す際は一気に描かず、スッスッと少しずつ描いていくのがコツ。次のステップに進む前に、アイラインと肌の境目を、綿棒で軽いタッチでぼかしておきましょう。
<STEP.5>アイライナーだけで、自然なグラデーションが完成!
たるみまぶたに隠れてしまうような細いラインでは意味がないので、思いきって太く長く描く。ぼかすことでトゥーマッチな印象にならず、白目が明るくなり清涼感ある目元が完成します。
以上、クリームアイシャドウとブルーペンシルアイライナーの2品を使った、アイメイクの5ステップをご紹介しました。使用するアイテムをあえて2品に絞ることで、崩れにくく清涼感も手に入り、若返り効果絶大のアイメイクが完成するのです。
シャドウとライナーの2つだけ!アンチエイジング効果絶大なアイメイク
【6】スポンジとゆるコンシーラーを使う、アイメイク「簡単お直し術」<2STEP>
ランチ、ましてやディナーの会食時は、朝いちばんのフレッシュな目元は失われ、しわやくすみの目立つ時間帯でもあります。しわが目立つから笑わない……。そんな残念な話はありません。
そんなとき、たった90秒、2ステップでレストランやバーなどの白熱灯、万が一の蛍光灯環境でも自信がもてる目元を取り戻す、お直し術をご紹介します。待ち合わせ前はもちろん、ちょっとした合間に、メイクしたてのピンと張った若々しい目元をよみがえらせて!
<STEP.1>スポンジでしわやキメにたまった油分と粉をふき取る
目元肌のメイク直しのポイントは、夜が近づくにつれ目立ってきたしわの存在感を消すこと。そのためには、しわやキメの縁と溝の奥に不自然にたまったベースメイクの油分・粉の攻略が効果的です。
まずは、肌を素に近い状態に戻しましょう。ファンデーション用のスポンジを用意し、粉類がついていない面をしわに当て、軽く押さえて油分を吸わせます。次に、しわに沿ってスポンジを軽く滑らせ、溝の奥に筋状にたまった粉類を拭います。これだけで、クレンジグをしたかのような素に近い肌に戻せます。
<STEP.2>ペンタイプの「ゆるコンシーラー」をしわに沿ってつける
素の肌に戻したら、しわやキメをなぞるようにコンシーラーをつけ、指先で軽くたたくようにのばします。華やかな会食なら明らかなパール感のあるものを、華やかすぎないほうが好ましい場合は程よい光沢があるものがベター。
食事中は化粧直しができないことを前提に、待ち合わせ前に目の下と目尻はすべてやり直すつもりでリタッチしましょう。このとき、白熱灯ではなく細かい部分もきちんと見える蛍光灯の下で直すのが理想です。
わずか90秒で目元がよみがえる!アイメイクの即効・簡単お直し術2ステップ
※掲載の商品の価格は、すべて税込みです。