日本各地で育まれてきた高度なものづくりの技術と、若き匠たちの美意識や情熱が結びついた「新時代のジャパンラグジュアリー」を体現する逸品を、ギフトという形で提案しているスタイリストの河井真奈さん。
今回ご紹介いただくのは、金沢で活躍する人気腕時計アトリエ「シーブレーン」が手がける「はなもっこ」の置時計です。
![時計_1,小物_1,プレゼント_1,和文化_1,家_1](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/b/6/720mw/img_b6ec1b24a20d2884efc019149f666d8e259242.jpg)
ころんとした愛らしいフォルムと、印象的な文字盤の色、アクセントとなるゴールドカラーのインデックス。とてもコンテンポラリーな表情に仕上げられていますが、実はそれぞれに日本古来の伝統工芸技術が駆使されているのだそう。
2021年1月のローンチから、早くも品切れが続く人気アイテムの魅力を、河井さんに教えていただきます。
時間を見るだけでなく、色を愉しむオブジェとして活躍する置時計
![時計_2,小物_2,プレゼント_2,和文化_2,家_2](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/e/9/720mw/img_e97a697f9cc1e2af8a7600db5f58c274300576.jpg)
「以前から結婚祝いのギフトとして、『新たな時のスタートを記念し、これからの時を刻む象徴』になる、置時計が素敵だなと思っていました。
なので、自分の店にも置きたいと思いながらもピンとくるものに出合えずにいたのですが…、昨年知人に『はなもっこ』を紹介してもらえて。
1994年に創業した金沢の腕時計アトリエ、シーブレーンが手がける『はなもっこ』は、もともとは腕時計のシリーズとして誕生したもので、ほかにはない独特の表情が人気を集めています。
その秘密は、さまざまな伝統工芸の技法を洗練されたデザインに昇華していること。最も印象的なのは、天然石を砕いて作った『岩絵具』を使用した文字盤の色と、落ち着いた輝きを放つ金箔のインデックスでしょう」
![時計_3,和文化_3](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/4/3/720mw/img_43a515a0194cb90f6a083b0e438a71dd290853.jpg)
「その魅力に惹かれた多くのファンからのラブコールにより、2021年1月に誕生した『はなもっこ』の置時計。単に時刻を確かめるためだけではなく、空間に素敵な彩りを添えるオブジェとしても存在感を放つアイテムです」
「はなもっこ」に秘められた、日本古来の伝統工芸技術
「日本画を描く際に用いられる画材として知られる岩絵具は、7世紀ごろに高麗の僧が墨や紙とともに日本に伝えたといわれています。原料となるのは、さまざまな天然の鉱物。
なかでも青色のアズライト(和名:藍銅鉱)から作る“群青”と、緑色のマラカイト(和名:孔雀石)から作る“緑青”は、約1400年以上もの間素材や技法も変わることなく現代まで受け継がれ使い続けられているのだそうです」
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「近年では科学的に合成された岩絵具も多く作られるようになりましたが、『はなもっこ』に使用しているものは、すべて天然の鉱物を原料としたもの。私たちが慣れ親しんだ一般的な絵具にはない、内に輝きを秘めた透明感のある色彩と、粒子が粗くザラザラとした独特の質感が楽しめます。
それらの岩絵具を塗る下地となるのは、金沢市二俣町で1300年前から作られている手漉きの『二俣和紙』です。岩絵具自体はさらさらとした砂のような状態のため、接着剤を混ぜ合わせて、塗っては乾かし、また塗って…と何度も繰り返して均一な厚さに仕上げていきます」
![和文化_5](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/8/2/720mw/img_82d28cef093831d5c7586fe128e9fc97221640.jpg)
![和文化_6](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/2/5/720mw/img_259045f966d7c8d45fea2bea932e2640254106.jpg)
「そして『はなもっこ』のアイコニックな意匠となっているインデックスにも、この『二俣和紙』が用いられています。
薄い金箔を和紙に貼り重ねて丸く打ち抜いた小さなパーツをひとつひとつ貼り付けていくのは、とても繊細な作業。しかし、それによってメッキを施したメタルパーツなどとは確実に違う、奥行きのある黄金色が生まれるのです。
不思議なのは、ピカピカした艶のある輝きではなく少しシックなトーンなのに、しっかりと光を反射すること。岩絵具の文字盤に浮かび上がるように、美しさと視認性の高さが兼ね備えられています」
![和文化_7](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/d/a/720mw/img_dad151f2c40ecf10eabdc29acbcff8a7211383.jpg)
![和文化_8,時計_4,小物_3,家_3](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/9/1/720mw/img_91a7f25eff4ab7b741024299e7e26812260791.jpg)
「置時計の本体となる木製部分は、以前この連載でもご紹介した、漆器の産地として400年以上の歴史を持つ石川県加賀山中の『ろくろ引き』の技術で作られたものです。
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回転する木材に鉋(かんな)を当てて削りだしていく技法で形作られるパーツは、お椀にもリンクするまろやかな曲線が特徴。美しい木目の欅(けやき)を材料に採用し、なめらかでしっとりとした質感に仕上げられています」
![時計_5,小物_4,和文化_9,家_4](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/0/4/720mw/img_04d599cecf931ae5670aca1607ff623f263935.jpg)
「裏面のカバーはレザー製で、こちらも一点ずつ手作業で打ち抜いたものを使用。オプションでオリジナルの刻印を入れることもできるので、名前や記念日、メッセージなどを刻めば、よりいっそう大切な思い出を象徴する、唯一無二のアイテムに。
贈る相手を思う気持ちや、自分自身へのエールなどを込められるというのも、『はなもっこ』の大きな魅力のひとつだと思います」
![時計_6,小物_5,和文化_10,家_5,プレゼント_3](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/6/4/720mw/img_64c60076be579183f0e7bade3a8e18db235997.jpg)
![時計_7,小物_6,和文化_11,プレゼント_4,家_6](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/d/8/720mw/img_d8d8c5ace4bdfc27c8dd3e19445df435183811.jpg)
目移り必至!古来の色を愛でる「はなもっこ」7つのラインナップ
![時計_8,小物_7,和文化_12,プレゼント_5,家_7](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/7/8/720mw/img_787502ac6576dc4d0aed6bf38b20fc35225224.jpg)
futoが厳選した「はなもっこ」の置時計は7種類。「群青(アズライト」「紫雲(ソーダライト)」「桜鼠(ガーネット)」「淡墨(オプシディアン)」「群緑(アズロマラカイト)」「水晶」の文字盤に、プレーンまたはブラックの本体を組み合わせています。
今回は、金沢で活躍するアトリエ、シーブレーンが手がける「はなもっこ」の置時計をご紹介しました。
日本古来の伝統工芸技術が満載なのに、今の生活にマッチする軽やかさがある素敵なタイムピース。長くなったおうち時間に彩りを添えてくれるアイテムではないでしょうか。
※掲載した商品はすべて税抜で、記事公開時のものです。
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- EDIT&WRITING :
- 谷 花生