ブラジャー、ショーツ、スリップ、インナー…下着の種類って意外にたくさんありますよね。

ランジェリーライターの川原さんによると「下着は大きく4つに分類でき、それぞれの特徴を知ると目的に合った上手な下着選びができます」とのこと。洋服を美しくスマートに着こなすためにも知っておくと役立つ、そのカテゴリーと特徴を教えていただきましょう。

着用目的によって4つに分かれる下着の種類。各カテゴリーの特徴をプロが解説

 

下着は英語で「アンダーウエア(underwear)」。服(wear)の下(under)に着ることからこう呼ばれるわけですが、最近では国内外を含め、女性用の下着全般を「ランジェリー(lingerie)」と呼ぶことが増えました。ヨーロッパのデパートの売り場案内も「Lingerie」と表記しているところが多いようです。

ただ、下着は着用する目的に合わせて大きく4つのカテゴリーに分けられ、そのなかのひとつがランジェリーとされています。どう呼ぶかは人それぞれですが、その4つのカテゴリーとそれぞれの特徴を知っていると、下着を着ける目的がわかって選びやすくなるので、確認しておきましょう。

それぞれの下着を着ける目的はなに?種類別の特徴を知って上手な下着選びを

下着は大きくファンデーション、ランジェリー、ニットインナー、ショーツに分けられ、それぞれ特徴や役割があります。

■1:ファンデーション

「ファンデーション(Foundation)」は「基礎、基盤」を意味することからもわかるように、ボディラインを美しく整える役割の下着のこと。適度なサポート力があり、肌に直接身に着ける物がほとんどなので、サイズが合っていること、着け心地が快適なものを選ぶことが必須です。

ブラジャー 

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ブラジャー

バストを美しい形に整えるほか、保護したり、加齢による下垂を軽減したりする下着。一般的なブラジャーは20〜40個のパーツから作られていて、それらを縫い合わせバストにそう立体感を出すには高度な技術が必要です。

詳しい種類はこちらで解説しています。

ガードル 

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ガードル

ウエスト、ヒップ、お腹、太ももなど下半身のシルエットを美しく整える下着。ガードルを着用することで、ヒップアップ効果が得られ、全身のスタイルアップにもなります。設計によっては、下腹部を押さえたり、ウエストのくびれをつくったりなどの役割もあります。

ボティスーツ 

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ボディスーツ

ブラジャーとウエストニッパーとガードルが1つになった下着。一体型なので下着による段差ができにくく、なめらかなボディラインに整えます。補整機能を重視したものだけでなく、ファッション性を楽しむ軽い着用感のものもあります。

ウエストニッパー 

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ウエストニッパー

ウエストラインを引き締める下着。縦の縫い目にボーンを入れたり、伸縮性の強い布を裏打ちしたりして、補整機能をもたせたものから、装飾性を楽しむデザインのものまで、さまざまなタイプがあります。

ガーターベルト 

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ガーターベルト

太ももまでのストッキングを吊るすベルト。パンティストッキングが主流となった現在では、主に下着のおしゃれを楽しむアイテムとして着用されています。トイレに行くことを考え、ショーツの下に着用するようにしましょう。

そのほかに、ブラジャーとウエストニッパーとガーターが1つになったスリーインワン、背中やバスト下を補整するボディシェイパー、バストやヒップのボリュームアップに用いるパッドなどがあります。

■2:ランジェリー

機能性と装飾性の両方を兼ね備えた下着で、ファンデーションを着けた後に着用します。洋服のすべりをよくしたり、ファンデーションが透けるのを防いだりする役割があるとともに、デザインバリエーションも豊富で下着のおしゃれを楽しめるアイテムです。

スリップ 

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スリップ

ワンピースタイプの下着で、ブラジャーやショーツのラインを洋服にひびきにくくしたり、洋服のすべりをよくしたりする役割があります。また、汗や皮脂が洋服につくのを防いで、洋服の傷みを軽減します。

キャミソール 

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キャミソール

スリップのトップ部分にあたる下着。役割はスリップと同様で、デザインによっては見せて着用できるものも。洋服でも、肩が細いストラップになっているトップスをキャミソールと呼ぶ場合もあります。

ペチコート 

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ペチコート

スリップのボトム部分にあたる下着。役割はスリップと同様で、スカートタイプのほかにキュロットタイプもあります。45〜90cm程度まで丈のバリエーションがあるので、スカートやワンピースの丈に合わせて選びましょう。

テディ 

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テディ

キャミソールとフレアパンツが1つになった下着。海外では、ナイティとして着用されることも。実用性を考慮し、クロッチ(股)部分にスナップなどが付いて開閉できる物を選ぶようにしましょう。

■3:ニットインナー

からだを温めたり、汗を吸い取ったりすることを目的とする下着で、季節に合った素材のニットインナーを着用することで快適に過ごすことができます。ニットインナーの素材は常に進化しており、保温や吸汗だけでなく、保湿の機能を備えた素材なども開発されています。

ニットトップ 

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ニットトップ

半袖や長袖など袖の長さ、ネックラインのデザインなど、さまざまなタイプがあります。ニットトップは防寒を目的に着用するものと思われがちですが、吸汗性、速乾性に優れた素材のニットトップを着ることで、暑い夏を快適に過ごすことができます。

ニットボトム 

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ニットボトム

裾がヒップ下で水平にカットされた1分丈から、くるぶし丈までさまざまな裾丈があります。保温を目的とするハイウエストのデザインもあります。

■4:ショーツ

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ショーツ

デリケートな部分を保護し、衛生的に保つことを主な目的とする下着です。ブラジャーとコーディネートしたり、洋服のボトムが美しく見えるようにしたり、豊富なデザインの中から目的や気分に合わせて選ぶことができます。

詳しい種類はこちらで解説しています。


なかには、着けたことがない下着もあるかもしれませんね。最近はスリップやペチコートなどのランジェリーを着用する人が少なくなりましたが、機能性と下着のおしゃれを兼ね備えた、とても便利なアイテムです。下着売り場に行ったら、ぜひチェックしてみてくださいね。

【参考文献】『IA TEXT BOOK』一般社団法人日本ボディファッション協会

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この記事の執筆者
文化服装学院卒業後、流通業界で販売促進、広報、店舗開発を約10年経験した後、フリーランスとして独立。下着通販カタログの商品企画などを経て、現在はランジェリーを中心に、雑誌、新聞、ウェブサイトなどで執筆・編集を行なう。モットーは「ラグジュアリーからプチプラまで」。国内外の展示会・店舗を幅広く取材する。
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ILLUSTRATION :
わたなべはるか
WRITING :
川原好恵
EDIT :
石原あや乃