【目次】
ダイエットの達人に聞いた!40代女性が陥りがちな間違ったダイエット
40代にもなると、代謝の衰えを気にして、食べる量を減らしたり、野菜中心の食事にするなど、カロリーオフに精を出す方も多いのですが、果たしてこれは、正しいダイエット法と言えるのでしょうか?「摂取カロリーより、消費カロリーを多くすることは、体脂肪を落とすための基本です。しかし、食べる量を減らすことで、最初は体重が落ちても、体はその低カロリーの食事に合わせて代謝を落としてしまうので、長期的には太りやすい体を作ってしまうことになります。体は少ないエネルギーしか入ってこなければ、体の代謝を落とし、余計なエネルギーを消費する筋肉を落としていくというワケです。特に、40代女性にとって良くないのが、早く痩せたいからと、食事を減らして、激しい運動をすることです。エネルギー不足になり、筋力が落ちて、代謝が下がり痩せにくくなるばかりか、栄養不足で老化を加速させてしまいます」(森さん)。
太りにくい体をつくる「8つの食事法」
しっかり食べて綺麗に痩せるコツ
「多くの方が、ダイエットは厳しい食事制限と運動をすることだと思っています。中には、運動しないと体脂肪は燃えないとも思っている方もいるようです。しかし、私達の消費カロリーの大半は基礎代謝と日常の活動代謝によるもので、運動で消費できるエネルギーはわずかなもの。つまり、基礎代謝量とかわらないぐらいの1200kcal程度の食事しかとっていなければ、代謝が下がり、逆に太りやすくなってしまうのです。正しく栄養を摂取して、それを消費できる代謝を獲得するためには、体脂肪になりやすい脂質のような無駄なものをなるべく減らして、エネルギーを消費するのに必要な糖質やたんぱく質、そしてミネラルビタミンを積極的にとるということが重要です。食事制限や流行のダイエットに飛びつくのではなく、正しい食べ方を身につける『食事改善』こそが、太らない体を手に入れる近道なのです」(森さん)。
【1】高たんぱく・中糖質・低脂質な食事を心がけよう
「40代女性が心がけたいのは、程よく糖質を摂ることと、積極的なたんぱく質の摂取。脂質はなるべく減らしつつ、食事の時には良質なタンパク質を必ず摂取するようにすると、良いバランスを保つことができます。エネルギー源となるご飯は白米、玄米、雑穀米など何を食べてもOK。また、できるだけ魚を食べる方が、低脂質で高タンパクな食事メニューを作りやすくなります。タラやサケ、タイなどの白身魚、アジ、イワシ、サバなどの青魚がおすすめです」(森さん)。
【たんぱく質の1日の摂取量について】
「1日に必要なたんぱく質量は体重1キロあたり1グラム。例えば、体重50キロの女性であれば50グラムのたんぱく質が必要です。代謝アップを狙うなら体重1キロあたり1.2グラムくらいを目指して摂取しましょう。1日に肉と魚を手のひら2枚分、これに卵1〜2個、納豆や豆腐など2〜3品プラスするのがおすすめです」(森さん)
【1食における理想の献立は?】
「理想の献立は、肉、魚、卵などの動物性たんぱく質と、納豆や豆腐などの植物性たんぱく質を組み合わせ、1食『見た目の50%』をたんぱく質にするのが理想的です。うち動物性たんぱく質と植物性たんぱく質の割合は7:3が目安と成ります。圧倒的にたんぱく質が不足気味なので、毎食、十分に摂取するように心がけましょう」(森さん)
【プロテインドリンクもおすすめ】
「間食など甘いものが欲しくなる人は、プロテインドリンクを飲むことで、欲求を抑えられる方も多いようです。手軽に手に入るので、取り入れてみるのもおすすめです」(森さん)。
【2】「ベジタブル・ファースト」よりも「プロテイン・ファースト」を意識
「血糖値の上昇を抑えたり、食べ過ぎ予防にも効果があるとして、野菜を先に食べる食事法『ベジタブル・ファースト』が話題になりました。食べ過ぎが心配な方は、この食べ方はおすすめです。しかし、代謝を良くすることが目的であれば、『プロテイン・ファースト』を意識する方が良いでしょう。たんぱく質を優先しても、血糖値の急上昇は防げます。ビタミンやミネラル、食物繊維を含む野菜の摂取は大切ですが、肉や魚、卵などのたんぱく質の方が栄養価も高く、ダイエットには効果的です」(森さん)。
【3】食べ過ぎた翌日は「絶食」「減食」でなく、食の調整を!
「外食など食べ過ぎた翌日は、前日に食べ過ぎた分を調整することは大切ですが、絶食したり、量を少なくするのは、栄養不足になりかえって逆効果。意識すべきは、何をどれくらい食べるかということなのです。例えば、前日に食べたもので脂質が多かったのであれば、低脂質なものを選び、糖質やタンパク質は最低限の量を摂取すればOK。具体的には、ご飯、味噌汁、白身魚や大豆を使ったお惣菜などを組み合わせた、脂質を控えめにした和定食がおすすめです。自分が食べ過ぎたものをある程度把握しておけば、翌日に何を食べるべきかがよくわかります。サラダにしたからといって、ドレッシングをたっぷりかけていたら、脂質がオーバーになるので気をつけましょう」(森さん)。
【4】噛み応えのある、自然の素材を使った食事をしよう
「麺類、柔らかいパン、スープなど、あまり噛まなくていい食べ物は避け、よく噛んで食べる食材を選ぶようにしましょう。咀嚼は脳を刺激し、摂食中枢に働きかけて、食欲を正しく制御します。また、顎の力が弱ると、フェイスラインが崩れる他、首が短くなり、首の横ジワも目立つようになります。美容面においても、しっかり噛んで食べることは重要というわけです」(森さん)。
【5】1日2リットルの水を飲む必要なし!食事中の水分摂取も控えめに!
「『水は1日2リットル飲む』という説がありますが、科学的な根拠は一切ありません。水の過剰摂取は、水分代謝が低い方の場合、むくみの原因になることも。夏場なら1リットル、冬場なら500mL程度で十分です。飲めば飲むほど老廃物が排泄されたり、痩せるといったこともないので、ほどほどにしておきましょう。また、食事中の水分の摂りすぎは、噛む回数を減らしてしまうので、控えめに」(森さん)。
ダイエット指導の達人・森 拓郎さんに聞く! 40代女性が陥りがちな「間違ったダイエット」とは?
自分にとってベストな食事
太ってしまった体重を元に戻したり、ベストな体重をキープするためには、正しい食欲の機能、つまりエネルギーが必要なときにだけ食欲がわき、必要な量を食べたらストップできるという機能を取り戻す必要があります。そのためには、「普段、自分はいつ食欲がわくのか?」「それは本当に必要だから湧いているのか?」「どのくらい食べれば満足感を得られるのか?」を吟味していく必要があります。「みんなが行くからという理由でランチに行ったり、残すともったいないから全部食べたりしていませんか? 自分の本当の食欲に敏感になって、それに従えるようになりましょう」(フィットネスコンサルタント 村上晃平さん)。
5つの食事法で体重の増加をリセット!我慢とサラダを手放して、ドーパミンとお肉摂取量をアップ
【6】ニセ食欲に要注意!「お腹が減った」そのシグナルは本物?
おいしいものを目にしたり、匂いを嗅いだりすると、お腹が空いてきませんか? しかし、これは”錯覚”です。食欲とは、本来生命を維持する上で、エネルギーが必要なときに湧いてくるものですが、それが、エネルギーが必要ではない時にも湧いてしまうという意味で”錯覚”という表現を使っています。現代は、間違った食欲を認識させる外からの情報にあふれているのです。
「ニセ食欲に騙されないよう、“今、この瞬間”に集中して、その都度自分に問いかけてみましょう。食べる量も同様です。テレビやスマホを見ながら食べると、満腹感に気づかず、つい食べ過ぎてしまいます。5W1H(なぜ、いつ、どこで、誰と、何を、どのように)を使いながら、自分という人間が、どのタイミングでお腹が空くのか? どのくらい食べたら満腹になるか?をきちんと見極めて、本来持っている正しい機能を取り戻しましょう」(村上先生)。「痩せたいなら、痩せたいと思わないこと」と、まるで禅問答のようですが、その理由は脳のメカニズムにあったのですね。
40代ならではの効率的なダイエット【食事・運動・習慣まとめ】
【7】食事の間隔を4時間は空ける
「夜中にお腹が空く原因は、そもそも1日の食事のリズムが乱れているせいという可能性があります。食事は3食しっかりとり、また食事の間隔は4時間以上空けることを目安としてみましょう。これは、食後に血糖値が上昇してから元に戻るまでに約4時間かかるためです」(えいよう未来研究所代表 ながいかよさん)。また、血糖値が戻る前に食事をすると、インスリンの分泌時間も継続することになります。つまり脂肪を蓄えやすい状態が長時間続くことに。結果として太りやすくなることにつながるため、食事のリズムを整えることは美容の面からも重要です。
【8】ダイエット中でも食事の量は減らしすぎない
つい夜食や間食を食べてしまう方には、3回の食事で食べる量が少ない傾向があるそうです。ダイエットを意識して炭水化物を抜いているけど、次の食事までの間にお菓子をちょこちょこ食べている。仕事が忙しくて食事がおろそかになり、遅い時間にお腹が空く……そんな方はこれを機に1日の食生活を見直し、ご自身の体をいたわる食事にシフトしてみてはいかがでしょうか。
食べても太らない夜食とは?ダイエットに影響しない「正しい夜食の食べ方&メニュー」
効果的な「4つの運動の仕方」
【1】ダイエットに効果的な「タイミング」を知る
脂肪が燃えやすい身体づくりにあたって、重要なのはタイミング。 女性の身体は、ホルモンバランスの関係上、むくみやすい生理前約 1 週間〜生理中の「むくみ期」と、代謝がいい生理中期から14日くらいの「やせ期」があります。「むくみ期」は身体に水分を溜め込みやすいため、水分排出、血行促進のためのストレッチがおすすめ。もちろん、冷え性の方にもいいですね。「やせ期」であれば、溜め込んだ老廃物の排出期間でもあり基礎代謝がよくなり脂肪が燃焼しやすいので、有酸素運動などで身体を活発に動かすとダイエットにも効果的です。これからも運動を継続的に続けていくために、身体のタイミングに合わせて、自分なりに無理のない運動からはじめましょう。
\「むくみ期」の人はストレッチを!/
だるくてやる気のおきない「むくみ期」の人は、テレビを見ているときやお風呂上りなどにゴロゴロするだけの、簡単ストレッチがおすすめです。血行がよくなり、気分もスッキリします。ポイントを押さえて、おなかを意識して行いましょう。いずれにしろ、無理は禁物です。普段運動をしない人は、おなかに力が入りづらかったりお尻をうまく使えなかったりするもの。「疲れた」と思ったらやめて、起き上がるようにしましょう。
\「やせ期」の人は筋トレを!/
「筋トレ」がおすすめ...とはいうものの、日常的に運動をしていない人の場合、いきなり激しい運動をすると身体を痛めてしまう場合があります。「簡単にできる」「クセづけのため」の筋トレなら、ハーフスクワットがおすすめ。うしろに転がらないように手はテーブルなどをつかみ、お尻を突き出すように沈みこみます。膝がつま先より前に出ないように注意して。
あなたは今「むくみ期」? 「やせ期」?ダイエットに効果的な運動は、この2周期で違うんです!
【2】「呼吸」で代謝を高める
ダイエットは、効率よく脂肪を燃やせる体づくりが不可欠。ただ、ハードなトレーニングはなかなか続けにくいので、まずは簡単な代謝アップのケアを習慣化することから始めましょう。本気で痩せたいキャリア女性におすすめなのが、深い呼吸で全身の代謝を高めるベーシックケア。代謝アップには呼吸が大切。胸や肋骨周りの緊張をほぐし、呼吸を深くすることで全身の代謝アップが期待できます。
一生痩せやすい体に!深い呼吸で楽に中年太りを撃退する「ダイエットケア」習慣3選
呼吸は人間が絶えず行なっている消化活動ともいえます。新鮮な酸素を吸い込み、体全体の血管を活性化させることで血流や代謝がアップし、脂肪燃焼に繋がるそう。お腹を凹ませた状態で行う胸式呼吸をすることによって内臓脂肪をも分解するので、ぽっこりお腹にも効果を発揮します。
【3】脂肪燃焼に効果的な「朝ラン」
朝の時間を有効活用したい。そんな大人女性は多いのでは? そこで思いつくのが「朝ラン」。朝ランを行うことで、脂肪燃焼のスイッチが入り、その日一日、脂肪が燃えやすい身体になるといううれしい効果が期待できます。
ただし無理は禁物。朝は血圧の急激な変化に加えて体温が低いため、起床後すぐの体は運動に適している、とは言いがたい状態。その意味でもランニング前のウォーミングアップは非常に重要です。朝は無理をせずに、ちょっと物足りないくらいのランニングがおすすめです。
心も身体も美しく!40代からの「朝ラン」で充実した日々を手に入れる
【4】「筋トレ」でカロリーを消費する
たとえばやっかいなお腹の脂肪。お腹の脂肪には「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2種類があり、皮下脂肪は筋肉の上、内臓脂肪は内臓の周りにつきます。内臓脂肪は皮下脂肪に比べると、つきやすく落ちやすいです。また、内臓脂肪は運動の際に最初のエネルギーとして使われやすいため、全体の代謝によって一番初めに燃えるのです。「そのため、お腹のぽっこりを解消するには、トレーニング1回あたりのカロリー消費量を増やし、全体の体脂肪を減らしていくことが大切になります。1回のトレーニングのカロリー消費量が最も多くなるのは、多くの筋肉を動かすエクササイズ。代表として、スクワットが挙げられます。スクワット1回あたりのエネルギー消費量は、腹筋運動の15倍という報告もありますよ」(フィットネスコンサルタント 村上晃平さん)。スクワットはカロリー消費量が多いトレーニング。カロリー消費量を増やすことで全体の脂肪量が下がり、脂肪の多いお腹周りがすっきりします。
1分間エクササイズで肥満をリセット!オフィス、電車、お家で簡単に「燃やせる体」になる
ダイエットを成功に導く代謝を上げる「2つの生活習慣」
【1】体を芯から温める
自然の脅威も感じながらせわしない日々に追われていると、無意識に身も心も乱れがち。ちょっとしたことに疲れてなかなかパワーが出てこないときには、カラダの芯から温めて代謝をあげ、デトックスにつとめたいところ。
全商品が勢ぞろい!話題のティーブランド「LOVE TEA」が銀座三越にポップアップストアをOPEN【終了】
(A)毎日の入浴で全身の血流をアップさせる
「入浴は冷えの解消に効果抜群。毛細血管力が高まり、末梢の血流もアップするので、全身ポカポカになります。シャワーだけで済ませずに、できれば毎日お風呂に浸かるようにしましょう。長時間入る必要はなく、41~42度くらいのお湯に10分程度、浸かるだけでOK。
リラックス効果のあるアロマの香りの入浴剤や、発汗を促すバスソルト、炭酸入浴剤を利用すれば、ストレスで凝り固まった体も柔らかくなり、全身の巡りもアップします」(産婦人科医 高橋怜奈先生)
女医が指南!「冷え性」の本当の原因と、根本から改善するための正しい温活法6選
(B)ホットドリンクを飲む(生姜紅茶)
「冷房がかかった室内にいる時は、できるだけ温かい飲み物を飲むようにしましょう。体を芯から温めてくれる『生姜紅茶』がおすすめです。私は生姜を蒸してから乾燥させたものをストックしておいて、紅茶に入れて飲んでいます。蒸して乾燥させると、生姜の辛味成分のショウガオールが10倍以上になります。生姜の効能は3時間程度しか持たないので、こまめに生姜紅茶を飲むと、冷え対策になりますよ」(石原新菜先生)
(C)積極的に発酵食品を食べる
「味噌や納豆や漬物など、発酵食品に含まれている酵素には体温を上昇させる効果があります。とくに、味噌汁の塩分は血圧を上げにくいので、健康面を考えても安心。インスタントでも同様の効果があるので、ぜひ1日に2〜3杯、味噌汁を飲んでほしいです」(イシハラクリニック副院長 石原先生)。紅茶同様、お味噌汁に生姜をいれてもOK。タンパク質や鉄分が不足しても冷え性に繋がりやすいので、卵や豆腐、ほうれん草などの食材を使うと、よりパーフェクトな温活スープが完成します。
(D)腹巻きで体の真ん中からポカポカに
「腹巻きでお腹周りを温めると、全身の血流がよくなり、手足が冷えにくくなります。お腹周りを冷やしてしまうと、そこにある内臓の機能を守るため、体が末端の熱を中心部に集めようとして、手足の先が冷えてしまうのです。とくに夏は、冷たい食べ物や飲み物を好んで内臓を冷やしがちになるので、冷房が効いた室内ではぜひ腹巻きを着用してほしいですね」(石原先生)。
夏こそ冷え性に注意! 温活のプロに聞く「2週間で体温を1度上げる」方法
【2】質のいい睡眠をとる
「睡眠は、量より質がとても大事です。眠りには『ノンレム睡眠(深い眠り)』と『レム睡眠(浅い眠り)』のふたつがあり、睡眠中はそれが交互に4、5回繰り返しでやってきて、朝になり、レム睡眠のタイミングで目覚めるというのがリズムになっています」(リカバリーアドバイザー 福田英宏さん)。ノンレム睡眠とレム睡眠は90分の周期で繰り返されますが、その中で一番大切なのが、最初のノンレム睡眠。いかに自律神経の副交感神経を優位にした状態で眠りにつくのかが大切になるそう。「眠る状態により、その日の睡眠の質が違ってくるからです。最初のノンレム睡眠でいかに深いレベルの眠りまでいけるか。深い眠りに達すると、成長ホルモンの分泌や新陳代謝、免疫力を上げることができるようになります。ここで浅い眠りの状態でしか眠れないと、なかなか疲労が回復しづらい状況になります。この時間帯は『黄金の90分』と言われています。なので、その深いノンレム睡眠をとるために、寝始めてからの3時間は連続で寝続けないといけない大事な時間です」(福田さん)。
副交感神経を優位にした状態で眠るには、以下のポイントが大切です。
・筋トレなどの激しい運動を直前にしない
・カフェインを含む飲み物を飲まない
・寝る1時間前は部屋の明かりを少し落とす(できれば寝室を暖かい系の光に変える)
・スマートフォンやテレビ、パソコンを寝る1時間前には見ない
これらを意識すると深い眠りにつくことができるそうです。
- TEXT :
- Precious.jp編集部