日本各地で育まれてきた高度なものづくりの技術と、若き匠たちの美意識や情熱が結びついた「新時代のジャパンラグジュアリー」を体現する逸品を、ギフトという形で提案しているスタイリストの河井真奈さん。

今回ご紹介いただくのは、繊細な曲線を描きながらもモダンな印象を強く訴えかける「KIWAKOTO(キワコト)」の器です。

京都を拠点とする「KIWAKOTO」は、日本が誇る伝統工芸の最高技術を、現代の日常に溶け込む“生活用品”としてより身近に感じられるプロダクトの企画・開発を行っているブランド。この器も京都伝統の清水焼で作られているそうですが、一般的なイメージとはひと味違うその仕上がりの秘密はどこにあるのでしょうか?

河井さんに詳しく教えていただきました。

河井真奈さん
スタイリスト
(かわい まな)女性誌、CM、ドラマのスタイリング、トークショー、商品開発アドバイザーなど幅広く活躍。2016年、ギフトに特化したWEBサイト「futo」をローンチし、2019年6月には初の実店舗を南青山にオープン。著書に『絶対 美人アイテム100』(文藝春秋)、『服を整理すれば、部屋の8割は片付く』(立東舎)。https://futo.jp/

伝統工芸の“ニュー・スタンダード”を目指す「KIWAKOTO」

「2018年1月に京都で立ち上がった『KIWAKOTO(キワコト)』は、京都の長い歴史のなかで育まれてきた最高峰の伝統工芸技術を、新しい形にして世に送り出すというコンセプトをもったブランドです。

職人の手仕事によるクラフツマンシップの価値を尊重しながら、現代のライフスタイルに真に求められる使い勝手、機能、美しさを考え、伝統の枠を超えたデザインへと昇華する。

古語で“格別であるさま”を意味する『際殊(きわこと)』に由来するそのネーミングどおり、唯一無二の存在となるアイテムを作り出しています。

そして昨年6月、その想いをより広く届けるために、誰もが気軽に手に取ることができる生活用品として、伝統工芸の“ニュー・スタンダード”を目指すテーブルウエアシリーズの展開をスタート。今回ご紹介する清水焼の器が、最初のアイテムとなりました」

古来の文様にヒントを得た、美しき花のデザイン

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「KIWAKOTO」の器

「この器の最大の魅力は、ほかにはないシンプルにして洗練を極めたフォルムにあります。これは、家紋などにも見られる、日本古来の図案化された文様からヒントを得たもの。朝顔、牡丹、蓮、芥子、菊、椿、梅、百合という8つの花から2次元のデザインが起こされ、これを清水焼の作家たちが3次元にモデリングした造形をもとに作られているのです」

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8つの花の図案と、それらをもとに作られた器

「デビュー時には“雪”と名付けられた白磁のシリーズのみでしたが、今年2月にブルーの“空”、シルバーの“光”、ブラウンの“土”が仲間入り。私の店では、この中から重ねた姿がまさに花のように見える“雪”のYURI、“空”のASAGAO、“光”のTSUBAKIを扱っています」

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“雪”シリーズ・YURIの器
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“光”シリーズ・TSUBAKIの器
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“空”シリーズ・ASAGAOの器

「花のように有機的なテーマはお皿にしやすい一方、どこか典型的になるというかクラシカルな表現にとどまることが多いように思うのですが、『KIWAKOTO』の器にはモダンな存在感の強さがあります。この、ありそうでなかったデザインに一目ぼれしました」

多様性が重んじられる清水焼のクラフツマンシップ

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一点一点、職人が手で作り上げている『KIWAKOTO』の器

「清水焼という名称を見聞きしたことはあっても、その特徴についてはっきりわからないという人は多いのではないでしょうか? 私自身もそうでした。

茶の湯の道具、また公家や大名に献上するための器としてのルーツを持つ清水焼。貴人が使うのにふさわしい高級志向、装飾性の高いのものをイメージしがちですが、実はそれだけではありません。

というのも、京都には素材となる土がほとんどないため、ほかの産地から取り寄せた土をブレンドした陶土が使われており、また釉薬にも定まった技法がないのです。つまり、職人や作家それぞれの技術と美意識こそが清水焼の魅力。華やかな絵付けもあれば、洗練された白磁もある…。『KIWAKOTO』の器にも、そんな清水焼の職人のこだわりが隅々にまで詰め込まれています」

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YURIのデザインに合わせて手書きでラインを決めていく
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熟練の繊細な技術により作り上げられるYURIのフォルム

「4つのシリーズはどれも半磁器。つるっとした磁器と、土っぽい陶器の中間のような、手にさらりとなじむ心地よい質感の仕上がりです。

手作りゆえに、一点ずつ異なる表情を見せているのも、機械による大量生産ではない味わい。特に“空”は釉薬のかかり具合などで色合いが変わってくるので、実際に手に取ってお気に入りを探していただくのもおすすめです」

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高台までも緩やかな傾斜となるよう、わずかに角が落とされている

「一部の愛好家の間で楽しまれているだけでは、いつか消えてなくなってしまうかもしれない伝統工芸が日本には数多くあります。貴重な技術をもつ職人たちを助け、受け継がれてきた文化を日常使いしてもらう…。『KIWAKOTO』のデザインはもちろん、そのコンセプトにも共感していただけたら嬉しいですね」

河井さんが選び抜いた「KIWAKOTO」の器3選

■1:“雪”シリーズ・YURI

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左から/ラージ¥5,500[直径260mm]・ミディアム¥3,850[直径205mm]・スモール¥2,420[直径150mm]・リトル¥1,210[直径95mm]

焼き締めの製法で作る“雪”は、釉薬を使わない土肌を生かしたマットな質感が特徴。優美なYURIのフォルムが白に映えます。

■2:“空”シリーズ・ASAGAO

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上から/リトル¥1,980[直径95mm]・ラージ¥7,700[直径260mm]・スモール¥3,300[直径150mm]・ミディアム¥5,500[直径205mm]

ベージュがほのかに透ける青のグラデーションを背景に、煌めくチタンの結晶。自然な色が重なり合い調和する“空”は、朝露を抱いたようなASAGAOをセレクト。

■3:“光”シリーズ・TSUBAKI

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上から/リトル¥2,200[直径95mm]・ラージ¥8,800[直径260mm]・スモール¥4,400[直径150mm]・ミディアム¥6,600[直径205mm]

一皿ずつ銀粉を刷毛塗りして焼き付けた“光”。上品な輝きにより、華やかで高貴なイメージのあるTSUBAKIの輪郭を鮮明に彩ります。

詳しくはこちらから


今回は、京都のブランド「KIWAKOTO」の器をご紹介しました。

何かと暗いニュースが多い世の中ですが、食卓に“花”の器を置くことで日常にささやかな華やぎを添えられたら…そんな気持ちと共に贈りたいアイテムです。

※掲載商品の価格はすべて税込みで、記事公開時のものです。

問い合わせ先

Gift Concierge futo

TEL:03-3462-2036

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EDIT&WRITING :
谷 花生