【目次】
痩せやすい「体をつくる方法」
■知っておきたい筋肉の基礎
【1】有酸素運動は筋肉を減らす
脂肪燃焼に効果のある有酸素運動ですが、長時間の有酸素運動は、筋肉を分解してエネルギーに変換させてしまうため、実は筋肉も一緒に落としてしまう可能性があります。有酸素運動の前に、エネルギー源となる必須アミノ酸BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシンの総称)を摂取すると、そのリスクを回避することができます。
【2】筋肉痛にならないと効いてない、はウソ
筋肉痛は科学的にはっきりと解明されていない現象ですが、筋肉の損傷による炎症反応だと考えられています。この損傷を回復させることで筋肉が成長するのですが、筋トレの継続により、筋肉の強度が上がれば、炎症が起こりにくくなります。筋肉痛が起こったら、筋肉の修復にかかる48〜72時間は筋肉を冷やして休ませること。
【3】腹筋運動は上まで上体を起こさなくてもよい
腹筋は腹直筋がついている胸骨〜恥骨が最大収縮することを目的としているので、 60°まで起きれば十分。勢いをつけて上まで起こそうとすると、腰を痛めてしまうことも。仰向けになり、両膝を立て、両手を頭の後ろか胸の前で組み、おへそをのぞき込むようにゆっくりと背中を浮かせて1〜2秒キープ…、これが正しい腹筋運動です。
ドクターに聞く!これから筋肉美人を目指すための一生モノの「筋肉基礎知識」
■深い呼吸で全身の代謝を高める
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「最近なんだか痩せにくい体になってきた」と悩んでいませんか? 年齢と共に代謝が下がっていくため、うっかり体重が増えるとなかなか落とせなくなりやすいもの。ただ、それで中年太り体型になるのは避けたいですよね。実はキャリア女性が本気で痩せたいと思っているときは、深い呼吸で全身の代謝を高めるベーシックケアが一番! 今回、アンチエイジングデザイナーの村木宏衣さんから、忙しい日々の中でも手軽にできるボディーラインのダイエットケアを教えていただきました。ダイエットは、効率よく脂肪を燃やせる体づくりが不可欠。ただ、ハードなトレーニングはなかなか続けにくいもの。そのため、まずは簡単な代謝アップのケアを習慣化することがお薦めなのです。
痩せやすい体をつくるケア
代謝アップには呼吸が大切。胸や肋骨周りの緊張をほぐし、呼吸を深くすることで全身の代謝アップが期待できます。さらに、滞ったリンパを押し流す効果も。
STEP1:肋骨の間を指先でほぐす
胸の中心にある肋骨のきわに、反対側の手の人さし指と中指2本をそろえて垂直に立て、「うにうに」と揺らすように5往復してほぐしていきます。さらに位置を少しずつずらして、鎖骨の下までまんべんなくほぐしていきましょう。片側が終われば、同様に反対側も行ってください。
STEP2:鎖骨下をこぶしでほぐす
鎖骨の下に反対側の手のこぶしを当て、左右に2cmほどスライドさせながら、骨まで圧をかけるようにほぐしていきましょう。位置をずらしながら片側3か所、反対側も同様に行ってください。こぶしは軽く握り、第一関節から第二関節間にある平らな面を使うことがポイント。
STEP3:肋骨の脇をさする
両手で肋骨をギュッとはさみ、前へしごくようにリズミカルに3回さすります。おへそ・みぞおち・胸の高さと、下から上へ位置をずらしながら行い、これを3セット繰り返しましょう。
STEP4:深い呼吸で横隔膜を動かす
口から大きく息を吐き、肋骨をはさむように手で両脇を押さえてキープします。続いて、この体勢のまま、鼻から大きく吸い、両手が横に広がるように横隔膜が動くのを意識してください。両脇を手で押さえた体勢をキープしたまま、深い呼吸を5回繰り返しましょう。「ダイエットが目的なら、深い呼吸で全身の代謝を改善することが不可欠。胸周りの筋肉をほぐすことで周辺のリンパを押し流すポンプ機能も高まります」(村木さん)。
こちらのケアは順番が大事とのこと。まずは「肋間筋」と「大胸筋」のマッサージで胸の緊張をほぐし、続いて肋骨周りと、肺の底で上下する筋肉「横隔膜」をマッサージ。毎日行うことで、代謝がアップして痩せやすい体質を手に入れることができますよ。
一生痩せやすい体に!深い呼吸で楽に中年太りを撃退する「ダイエットケア」習慣3選
■時期によって運動を使い分ける
「むくみ期」は身体に水分を溜め込みやすいため、水分排出、血行促進のためのストレッチがおすすめ。もちろん、冷え性の方にもいいですね。「やせ期」であれば、溜め込んだ老廃物の排出期間でもあり基礎代謝がよくなり脂肪が燃焼しやすいので、有酸素運動などで身体を活発に動かすとダイエットにも効果的です。
「むくみ期」の人はストレッチを
だるくてやる気のおきない「むくみ期」の人は、テレビを見ているときやお風呂上りなどにゴロゴロするだけの、簡単ストレッチがおすすめです。血行がよくなり、気分もスッキリします。ポイントを押さえて、おなかを意識して行いましょう。いずれにしろ、無理は禁物です。普段運動をしない人は、おなかに力が入りづらかったりお尻をうまく使えなかったりするもの。「疲れた」と思ったらやめて、起き上がるようにしましょう。
「やせ期」の人は筋トレを!
「筋トレ」がおすすめ...とはいうものの、日常的に運動をしていない人の場合、いきなり激しい運動をすると身体を痛めてしまう場合があります。「簡単にできる」「クセづけのため」の筋トレなら、ハーフスクワットがおすすめ。
後ろに転がらないように手はテーブルなどをつかみ、お尻を突き出すように沈みこみます。膝がつま先より前に出ないように注意して。
あなたは今「むくみ期」? 「やせ期」? ダイエットに効果的な運動は、この2周期で違うんです!
痩せるためのおすすめ「ストレッチ」
■腹斜筋ストレッチ
ぽっこりお腹を解消し、くびれをつくる
【ストレッチの効果とポイント】
1.ウエストが太くなってきた、と感じる人がまずやるべきは「腹斜筋のストレッチ」。
2.腹斜筋が硬くなっていることで脂肪を溜め込みやすくなっている可能性が。
3.腹斜筋が柔軟でしっかりと稼働していれば、お腹周りはすっきり状態に。
4.このストレッチはくびれ復活だけでなく、骨盤の歪み、腰痛の解消にも効果的。
STEP1:椅子に座り、耳に手を当てる
まっすぐの姿勢で椅子に座ります。足は肩幅に開き、床にしっかりとつけること。そして手を耳に当てて、腕はしっかりと左右に開きましょう。これが基本姿勢です。
STEP2:上半身を左に倒してストレッチする
STEP1の体勢のまま、上半身を左に倒します。お尻が浮かないように、腹斜筋をしっかりと伸ばすのをイメージして30秒キープしましょう。右も同様に行ってください。
村木宏衣さん指南|たった60秒で完了!ぽっこりお腹を解消し、くびれをつくる「腹斜筋ストレッチ」
痩せるためのおすすめ筋トレ
■ウエストのくびれをつくる!簡単メソッド
寝ながらできる筋トレ
【筋トレの効果とポイント】
1. 腹筋は正面だけにあるわけではないので、普通の腹筋トレーニングだけでは、くびれはつくれない。
2.外腹斜筋、内腹斜筋にアプローチするのがくびれをつくるポイント。
3. 骨盤や内臓を支えている外腹斜筋、体幹を支えている内腹斜筋はお腹周りを引き締めるコルセットのような働きに。
4. 腹斜筋をしっかりと動かし、筋肉の弾力を取り戻すことで、ウエストが引き締まり、くびれが復活!
STEP1:寝転んだ状態で太ももの付け根、膝、足首を90度に
寝転んだ状態で床に手をついて、太ももの付け根、膝、足首を90度に曲げます。両膝はぴったりとくっつけること。これが基本姿勢に。
STEP2:膝をゆっくりと左右に倒す
両膝はぴったりとつけたまま、膝を左右交互に倒すのを20回行って。これで外腹斜筋、内腹斜筋をしっかりと動かし弾力を取り戻すことができます。この動作は倒す角度よりも、膝が離れないことのほうが重要ですよ。
オバ見え阻止!「ウエストのくびれ」をつくる筋トレ|寝ながら簡単にできるメソッドとは?
痩せるためのランニング
■はじめる前にチェックしたい3つのポイント
「ランニング初心者の方や運動が久しぶりの方は、体が硬かったり、筋力が低下していたり、心肺機能が低下していたりしている状態です。やみくもに走るとすぐに疲れてしまいます。急にランニングを始めると、膝や腰などを痛めたり、けがをしてしまったりすることも。せっかく健康のために始めたランニングで故障、病院通い…なんて話もよく聞きます。なので次のことを心がけましょう」(深野さん)。
1:「ウォーキング」で身体づくりを
「ウォーキングは、ランニングを行う上で重要です。特に急に走って膝などを痛めるリスクを減らしますし、低強度の有酸素運動として脂肪を燃やし、ランニングする身体に変えていきます」(深野さん)。
2:正しいフォームで行う
「ランニングもウォーキングどちらも正しいフォームで行うことが大切。正しい姿勢作りのポイントは、つま先をそろえて気を付けの姿勢で立ち、おへその下に手のひら、背中に手の甲を置いて息を吐きながらお腹をへこませた状態をキープすることです」(深野さん)。
3:ウォーキングから「ジョグウォーク」へ
「この正しい姿勢による30分のウォーキングが習慣化してきたら、ウォーキングの合間にランニングを少しずつプラスしていくジョグウォークを。10分ウォーク⇒5分ジョグ⇒10分ウォーク⇒5分ジョグ⇒5分ウォークというように、徐々にランニングの時間を増やしていくようにしていくのが、健康的にランニングを行うポイントです」(深野さん)。
■ランニングにおすすめの時間帯
徐々にランへとシフトしていき、ぜひランニングを支障なく続けたいですよね。では、実際、いつの時間帯に行うのがいいのでしょうか。「ご自身の取り組みやすい時間帯でOKです。働く女性の場合、平日ですと仕事終わりに行うことが多いようですが、まずは継続することが重要なので、ご自身のライフスタイルに合わせて行うといいです。ただ、時間帯によってランニングで得られる効果や注意点が異なります」(深野さん)。
【朝のメリットと気をつける点】
●メリット
代謝が高まり、脂肪燃焼効果が期待できる。
●気をつける点
・起床してからすぐの体は、水分不足、および血圧の大きな変化が起こりやすい状態なので避ける。空腹状態では体温も低いので、体は十分に運動の準備ができているとはいえない。
・前日からの睡眠時間がいつもより少ない、二日酔いなどのときは無理して走らない。
・起床後は必ずコップ1杯の水などで水分補給をし、バナナ1本程度の軽食を食べ、ウォーミングアップを入念に行ってから。
【夜のメリットと気をつける点】
●メリット
体温が高く、体の活動スイッチが入っているので、朝と比べて長い時間・強度の高いランニングにも取り組みやすい。
●気をつける点
・ランニングが終わった後に夜ごはんを食べようとすると、夜ごはんを食べる時間が遅くなりがちになるのはもちろん、ランチ(昼食)から時間が経って、空腹のまま走ることになるので、走る前に軽食、例えばエネルギーゼリー、おにぎりや肉まん1個、バナナ1本程度を食べ、夕食を軽めにするのがおすすめ。
・寝る直前の運動は体が興奮状態になって寝つきに影響してしまうため、できるだけ睡眠時間の2~3時間前には終了するように気をつける。
・できるだけ明るい場所を選ぶ、ウェアも黒っぽいものではなく、反射板の付いているものなどを選ぶなど安全にも配慮する。
続くランニングブーム、40代から始める前に知っておきたいこと
- TEXT :
- Precious.jp編集部